あの時の戦いで私は確かに消滅したはずなのに。
そのはずなのに、目が覚めるとそこには――
「あっ。やっと目が覚めた♪」
私を倒し消滅させた相手。高町なのはの笑顔がありました。
「何故、あなたが……いえ、どうして私は消えていないのですか?」
数々の疑問が頭を過る。
消滅したはずの自分がどうして存在しているのか?
何故彼女はあんなにも嬉しそうな表情をしているのか?
そして、闇の書の復活は出来たのか?
いいえ。きっと失敗したのでしょう。
あと、二人のマテリアルがいたとはいえ、きっと彼女のような強い魔導師が阻止したのでしょう。
そうでなければ、彼女のあのような笑顔はあり得ないはずですから。
「あなたが消えなかった理由は分からないけど、きっと存在し続ける事をあなたが望んだからじゃないのかな?」
「私が存在し続ける事を望んだ……?」
敗れる事への後悔はありましたが、私が想ったのはそれだけで……
「――って、本当は全然違う理由かもしれないけどね♪」
「……はぁ」
結局のところ原因不明という事ですか。
「でも消えなくてよかったよ」
「何故……ですか?」
私のような存在は早く消えた方が、あなた達のためになるはずなのに。
「だって――」
彼女は少し恥ずかしそうな表情をして、
「あなたと、たくさんお話をしてみたいと思ったから。そしてお話をしたら、きっと友達になれると思ったんだ」
彼女は自分の想いをぶつけた。
「しかし私は――」
彼女の……高町なのはの想いを受け取る事は出来ない。
私と彼女では、存在が違い過ぎるから。
解り合う事も共存する事も出来ないでしょう。
「ううん。大丈夫だよ。だって――」
「わたしと、あなたは同じわたしなんだから」
「…………」
「ね♪」
「はぁ……まったく、あなたは強引ですね」
「にゃははっ♪」
そうですね。何故私がこうして存在しているかは分かりませんが、それが分かるその時まで――
「あなたと共にいましょう」
「ありがと♪ えーと……あれ? なんて呼べばいいのかな?」
「名前ですか? あなたの好きに呼んでいただいて結構ですよ」
「う~ん……じゃあ――」
この先、どうなるのか想像がつきませんが、
それでも退屈はしそうにありませんね。
「あなたの名前は、星光ちゃん♪」
「はい。高町なのは」
そう。暫くは……
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なのポで、なのはと星光さんです。
シリーズ的な物になればいいなぁ。
そして百合な展開。
一応他の二人も出てくるよ(続けばですが……