No.182399

真・恋姫無双 夜の王 第26話

yuukiさん

真恋姫無双夜の王第26話
第25話の続きです

2010-11-03 21:53:58 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:9459   閲覧ユーザー数:7169

この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。

 

また、一部キャラを否定する場面もございます。

 

ご理解をお願いいたします。

 

まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、

 

こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。

 

涼州連合との戦いから数日、天王座の間

 

風「 ぐう ぐう 」

 

一刀「、、はあ」

 

斗詩「風さん、、起きてください」 ボソッ

 

風「おお!、、風は寝てませんよ」

 

沙和「風ちゃん、それじゃ寝てましたって言ってるようなものなの」

 

一刀「まあいい。軍議を続けるぞ」

 

風「はーい。えーと、今一番決めなきゃならないのは馬超さんの扱いなのです」

 

一刀「馬超か、、いまはどうしてる?」

 

一刀は警備隊、実質捕虜の警備を任されている凪に問いかける

 

凪「暴れることはなく馬岱と共に部屋で大人しくしています」

 

一刀「天に仕える気はありそうか」

 

凪「それは、、何とも言えません」

 

獅堂「当然だろう。母を殺した野郎がいんだぞ」

 

獅堂は引け目を感じる訳も無くさらりとそう言う

 

一刀「それだな。どうするか、、」

 

麗羽「処刑、、という選択はありませんのね」

 

一刀「ああ、悪いが殺す気はない。、、戦いの中なら良いが終わった後に人を殺すのは好かない」

 

麗羽「そうですか、、、優しいんですのね」

 

不満げに一刀を見る麗羽、数人が同じ眼で一刀を見る

 

一刀「そうじゃない、殺す必要のない者を殺す気はないだけだ。それに俺は欲しいんだよ、馬超の武雄が」

 

風「音に聞こえた錦馬超、もし味方になってくれるなら心強いですが、、出来るんですかー?」

 

一刀「それを考えるのは軍師の仕事なんじゃないか?」

 

風「むう、ずるいのです。その言い方は」

 

音々「むむむ、少し待つのですぞ」

 

そう言うと音々と風は頭を悩ませる

 

 

沙和「(ねえ、なんか音々ちゃんがすごい素直になってる気がするの)」

 

小蓮「(うん。絶対なんかあった、、ううー、一刀ったらシャオがいるのにー)」

 

真桜「(落ち着き、聞こえてしまうで)」

 

 

一刀「(なにこそこそやってんだ、あの三人は)」

 

獅堂「おい、、、」

 

一刀「どうした?獅堂」

 

獅堂「馬騰を殺したのは俺だ、なら俺の首を差し出せば馬超も納得すんじゃねえのか」

 

一刀「、、獅堂」

 

猪々子「何言ってんだよ!そんなの「大義だ」っな」

 

獅堂「これは大義だ。俺程度の首一つで英傑一人が降るなら、それは大義だ。違うか、一刀」

 

一刀「そうかもな、、、」

 

猪々子「アニキ!」

 

一刀「だが、それは出来ないしする気も無い」

 

獅堂「何でだ?」

 

一刀「お前はもう昔みたいな一兵卒じゃないんだ。天の筆頭武将だぞ?そんな者を取引の材料にしたとあっては俺の王としての素質が疑われる」

 

獅堂「、、、俺が筆頭武将だと?お前は俺より強「俺は君主だ」、、なら赤髪が「恋殿は左大臣、管理職ですぞ」、、他にも、、」

 

獅堂はそう思い周りを見るが、、

 

小蓮「たぶん、シャオより獅堂の方が強いよ」

 

明命「はう、、獅堂さんは思春様より強いですから私も勝てないかと」

 

凪「私も勝てないと思います」

 

真桜「右に同じー」

 

沙和「同じなの」

 

逆狗「自分は隠密だ。武に自信はあまり、、」

 

一蝶「私より少し、獅堂の方が強いですね」

 

斗詩「私は一蝶さんに負けちゃいましたし」

 

猪々子「あたいは獅堂より強「お前は俺より弱い」い。ってなんだとー!」

 

 

一刀「そういう訳でお前は筆頭武将なんだぞ?知らなかったのか」

 

獅堂「知るかよ、、俺が筆頭ね。将が足りてねえんじゃねえのか、この国は」

 

一刀「だからこそ、馬超が欲しいんだよ」

 

獅堂「俺の首は駄目、ならどうすんだ?」

 

一刀「すぐに忠誠を誓えというのも無理な話だろ、待つさしばらく。それから、、馬超と馬岱に外出許可を出す」

 

獅堂「なっ、「「「「何言ってるんですか!」」」」、、、に言ってんだよ(ボソッ)」

 

一刀「部屋だけに居たら息が詰まるだろ。なあ、獅堂」

 

獅堂「あっああ、確かに(呉の時そうだったな)」

 

凪「だからと言って逃げられでもしたら」

 

一刀「大丈夫だろ。たぶん、もう帰る所も無いだろ」

 

凪「どういう意味ですか?帰る場所なら涼州が有るじゃないですか」

 

一刀「今頃、大徳に掠め取られているんじゃないか」

 

凪「大徳、、劉備ですか」

 

風「お兄さんは劉備が馬超を利用したと?」

 

一刀「おそらくは。だが、たぶん劉備にはそんな気はなく諸葛亮か鳳統の差し金だろうがな」

 

一蝶「劉備、、ですか」 ボソッ

 

斗詩「一蝶さん、どうかしましたか?」

 

一蝶「いえ、何でもありません(あの方は、、好きにはなれませんね)」

 

 

 

一刀「と、言う訳で馬超達の軟禁を解くぞ」

 

音々「どういう訳ですか!」

 

一刀「命令だ」

 

小蓮「横ー暴ー!」

 

明命「うう、なんでそんなに馬超さんに優しいのですか、、」

 

一刀「恋と風を見習え。文句一つ言って無いだろ」

 

恋「 ぐう 」

 

風「 ぐうー 」

 

音々「寝てるだけですぞ!」

 

小蓮「寝てるだけじゃん!」

 

明命「寝てるだけなのです、、」

 

 

   ぎゃあぎゃあ、ざわざわ、

 

 

哀「うるさいですが、、今日は平和ですね」

そのころ蜀、王座の間

 

劉備「涼州に進むの?」

 

諸葛亮「はひっ、はわわ。えっとこのままですと涼州は鳳薦さんに取られてしまいますし、、」

 

劉備「でも、馬超さん達が居ない時にそんなこと、、」

 

厳顔「桃香様、しかしそうでもせねば涼州は天の侵略に苦しめられることになりますぞ」

 

黄忠「多少、強引ではありますが涼州の民の為。そう思って貰えないでしょうか」

 

劉備「民の為、、、そうだね。助けなきゃだよね」

 

厳顔「はい、救わねばなりません。涼州の民を」

 

劉備「うん、わかった。朱里ちゃん準備よろしくね」

 

朱里「はひっ、、うう、また噛んじゃった」

 

 

軍議の後、関羽は空を見つめていた

 

関羽「(これで、よかったのだろうか)」

 

趙雲「どうかしたのか?愛紗」

 

関羽「星か、、少しな」

 

趙雲「やはり、火事場泥棒のような真似は嫌か」

 

関羽「、、ああ」

 

趙雲「民の為だ。それにもし涼州を取られれば天の領土に挟まれることになる。お主も納得していたではないか」

 

関羽「それは、、そうだが」

 

趙雲「愛紗よ、正義は勝たねばならぬモノだ」

 

関羽「星、、」

 

趙雲「悪に屈する正義などあってはならない。勧善懲悪の理は敗れはしない。たとえ卑怯と罵られようと正義は勝たねばらなない。そうだろう、愛紗」

 

関羽「、、そうだな。全ては正義が為に。悪を滅ぼさねば」

 

趙雲「ああ、大陸に闇夜は要らぬ」

 

 

 

大義の為に、正義が為に

 

共に救おうとするモノは同じはずなのに

 

何故、魔王は分かりあうことを拒み

 

何故、大徳は分かりあえぬことを拒むのか

 

何故、魔王は悪であり、大徳は正義なのだろうか、、

 

 

ある日の天領内、二人は廊下で争っていた

 

馬超「本当に、、いいのかな」

 

馬岱「もう、お姉様ったら。外出許可が出たんだから行こうよ。蒲公英もう部屋に居るの飽きちゃったもん」

 

馬超「で、でもさ。監視も無しに町に行っていいなんてやっぱり何かの間違えじゃ」

 

馬岱「じゃあ、誰かに聞いてみれば良いじゃん。、、、あ、すいませーん」

 

馬岱は近くを歩く侍女らしき女の子を呼びとめる

 

哀「、、、はい。何でしょうか」

 

馬超「(おい蒲公英、侍女に聞いたって分かんないだろ)」

 

馬岱「(そんなの分かんないじゃん)」

 

馬岱「えっと、馬岱と馬超の外出許可って出てるか知ってますか?」

 

哀「はい、許可は出ています。日が沈むまでに戻ってもらえれば問題はありません」

 

馬超「あ、そっそうなんだ」

 

馬岱「ほら、分かったじゃん、ありがとうございました。行こ、お姉様」

 

馬超「あ、ああ」

 

 

哀「なぜ、あのような者たちに優しくされるのですか、、一刀様」 ボソッ

 

二人の後姿を見ながら哀は不満を漏らす

 

馬超「これは、、すごいな」

 

馬岱「うん。すごい賑わってる」

 

二人の思った以上に町は賑わっていた

 

馬岱「あっお姉様。服屋があるよ!見に行こう!」

 

馬超「ちょ、待てよ。蒲公英」

 

 

店員「いらっしゃい!」

 

馬岱「わー、可愛い服。ねえ、お姉様、これなんて見合うんじゃないの」

 

馬超「そっそそんなフリフリした服似合うかよ!」

 

店員「お客さんお目が高いね。その服の意匠を考えたのはあの鳳薦様なんだよ」

 

馬超「へ、そっそうなのか」

 

店員「ええ、何でも昔、旅をしていたとかで色んな服のことを知っていてねえ。無理言っていくつか作ってもらったんだよ。今じゃウチの看板商品だよ」

 

馬岱「そうなんだ、、」

 

馬超「(アイツ、、こんなこともしてんのか)」

 

 

服屋から出た二人が道を歩いていると突然何かがぶつかって来た

 

子供「うにゃ」

 

馬超「おっと、大丈夫か?」

 

子供「うん、ごめんなさい。えっと、大丈夫ですか、、」

 

馬岱「あはは、大丈夫だよ。お姉様は体だけは丈夫だから」

 

馬超「体だけってどういう意味だよ!」

 

子供「そっか、良かった」

 

 

子供「おーい、早く来ないと始めちゃうぞー」

 

子供「今行くよー」

 

そう言うとぶつかって来た子は子供たちが集まっている広場に駆けていく

 

馬岱「何かやるのかな?」

 

馬超「さあ?」

 

子供の群れから一人、白い布を纏った子が空き箱の上に立つ

 

白い子「たみよ、とうぞくよ、ざいにんよ、この大地にあまねく全てのじゃくしゃよ、、えっと

俺が願うはへいわ、たいぎなり。 えっとなんだっけ、、そうだ。 俺はめいずる、俺と共に来い。そして作りだすのだ!へいわを、えいえんのへいおんなる日々を! たいぎは、わがなと共にある!」

 

子供達「「「「おおおおお」」」

 

子供「かっこいい!」

 

子供「そっくりだよー」

 

白い子「えへへ、、」

 

子供「次、僕。僕がやる!」

 

子供「ええー、次は私だよ」

 

    ぎゃあぎゃあ

 

馬超「なあ、何やってんだ?」

 

馬超はさっきぶつかった子供に尋ねる

 

子供「えっとね。天軍ごっこだよ」

 

馬岱「天軍ごっこ?」

 

子供「うん。今のがね、鳳薦さまなの」

 

馬超「あれが鳳薦なのか、、楽しいのか?」

 

子供「楽しいよー、だって鳳薦様だよ。えいゆうになれるんだよ?」

 

馬岱「、、鳳薦さんが英雄?」

 

子供「うん。お母さんが言ってたもん、お父さんが生きているのは鳳薦様のおかげだって。鳳薦様は英雄だって」

 

馬岱「そっか、、」

 

 

数刻、服屋やお菓子屋を見て回った二人は昼ご飯を食べに定食屋に来ていた

 

町の賑わい、人々の笑顔、それを見た二人は信じていたモノに裏切られたような表情をしていた

 

馬岱「ねえ、お姉様、、鳳薦っていい人なの?」

 

馬超「そんなわけ、、アイツは母上を殺したんだぞ」

 

馬岱「でも、町は賑わってるし。子供たちも笑ってたよ、漢が言ってたような暴政なんてなかったんだよ」

 

馬超「でも、、母上を。っ、っ」

 

そんな時、何処からか悲鳴が聞こえる

 

馬岱「!!、お姉様!」

 

馬超「ああ、行くぞ蒲公英!」

 

悲鳴聞き、外に出た二人が見たのは睨みあう警備兵と思われる者たちと一人の男。そしてその男に捕われる子供の姿だった

 

馬岱「あれってさっきの子だよね」

 

馬超「あっああ。なにかまずいことになってるみたいだな、、」

 

凪「その子を離せ!」

 

男「うっうるせえ!近寄ったこいつを殺すぞ!」

 

子供「ひっく、ぐすっ、、」

 

凪「っっ、キサマ」

 

真桜「落ち着き、凪。、、そんであんたの要求はなんなんや」

 

男「鳳薦だ、、鳳薦を連れて来い!俺はアイツに家族を殺された、、復讐だ、鳳薦を連れて来い」

 

兵士「どうしますか、、隊長」

 

凪「そんなことをすれば一刀様に危険が、、」

 

男「早くしねえか!こいつを殺すぞ!」

 

子供「っつ、うう、ひっぐ」

 

沙和「とっとりあえずこのこと、一刀様に伝えて来るの」

 

凪「ああ、頼む」

 

 

それから少したち、また男は騒ぎ始める

 

男「まだか!まだ来ねえのか!」

 

真桜「少し待ちい!」

 

馬超「来ると思うか、、蒲公英」

 

馬岱「来ないよ、、だって来たら何されるか分かんないんだよ。絶対来ない」

 

その声はまるで信じてきたモノに縋るような切なさを含み、、あの男が来ることを拒絶する

 

もしこの場にあの男が来たのなら、知ってしまうのだから。魔王と呼ばれる者の本性を

 

 

その願いを裏切るように、事を見守っていた人だかりが静かに割れていく。

 

凪「一刀様、、」

 

馬超「鳳薦、、なんで」

 

一刀「まったく、あんまり騒ぐなよ。近所迷惑だろ」

 

その男はやって来た

男「鳳薦、、やっと来たか」

 

一刀「お前か、俺に用があるのは?」

 

男「ああ、そうだ。俺はお前に家族を「そんな事を言いたいんじゃないだろ」、、なんだと!」

 

一刀「子供を人質に取ってまで文句を言いに来たのか?違うだろ」

 

男「、、、ああ、そうだったな」

 

一刀「で、何をすればその子を離してくれる?」

 

男「まずは、、謝れ。俺に頭を下げろよ。 ははっ」

 

一刀「この俺が、、頭を下げる?」

 

 

王が賊に頭を下げる、、どれほどの屈辱か、、どれほどの大事か、、それを知る馬超だからこそ。その後起こった現実に驚きを隠せない

 

馬超「えっ、、」

 

一刀「その子を離してください。お願いします」

 

一刀は跪き、額を地面に当てる

 

馬岱「どうして、、」

 

凪「一刀様、、」

 

それを見た男は笑うように言う

 

男「、、、お前馬鹿か、そんなことで離す訳ないだろ」

 

一刀「だろうな。だが、俺の頭を下げるぐらいで救えるならいくらでも下げるぞ。次はどうする?足でも舐めようか?」

 

男「はは、救う為なら何でもやるってか、、善人ぶりやがって。なら、、片腕を落とせよ」

 

凪「なっ、何を言って!」

 

一刀「わかった。そうすればその子を離すんだな」

 

男「ああ、離してやる」

 

一刀は刀を肩にあてがう、

 

凪「一刀様!」

 

その時、男の背後に黒い影が屋根の上から降りてきた

 

一瞬のことだった、影は男を蹴り飛ばし子供を抱えて遠ざかる

 

沙和「明命ちゃん!」

 

男「くそっ、、っ」

 

蹴り飛ばされた男はすぐに立ち上がろうとするがその首には刀があてられる

 

一刀「動くなよ、、」

 

男「はっはは、結局はそうなんだろ。騙しやがって、、、悪人が!」

 

一刀「だろうな。だが、人を騙すぐらいで人が救えるなら、いくらでも騙そう。凪、連れて行け」

 

凪「はっ、そいつを縛り上げろ!」

 

兵士達が男を縛り、連れていく。

 

一刀「、、、、憎しみは消えぬか。当然だな」 ボソッ

 

馬超「(鳳薦、、どうしてそんな悲しい目でアイツを見てんだよ)」

 

一刀の横顔を、馬超は静かに見つめていた

 

 

一刀「んっ、ああ、居たのか。馬超、馬岱」

 

視線に気づいたのか、馬超達の方を見る

 

馬超「ああ、、」

 

一刀「どうだった街を回ってみた感じは、良い町だったか?」

 

馬超「どうしてそんなこと聞くんだよ」

 

一刀「なに、根も葉もないとまでは言わないがどうも少し誇張された噂が大陸に流れてて、あまり行商も旅人も天には近寄らないんだ。外から来た人間にはこの町がどう映るか気になってな」

 

馬超「正直、、良い町だったよ。賑わってるし、民もみんな笑顔だった」

 

馬岱「それに、、可愛い服もあったし」

 

一刀「そうか、良かった」

 

 

馬岱「ねえ、肩、血が出てるよ」

 

一刀の白い服に血が滲んでいるのに馬岱が気づく

 

馬岱「さっき、刃を半分くらい沈めてたよね。もし周泰が間に合わなかったら本当に斬り落とすつもりだったの?」

 

一刀「ああ、そのつもりだった」

 

馬岱「どうしてそこまで?」

 

一刀「どうして?愚問だな、腕一本と人一人の命。どちらが重いかなど比べるまでも無い」

 

馬超「(鳳薦、こいつは、、何なんだよ)」

 

馬岱「(お姉様、、)」

 

一刀「じゃあ俺はもう行く。仕事が残ってるんでな、、とっ、一つ言っておくことがあったな。涼州が劉備の手に堕ちたぞ」

 

馬超「なっ、、本当なのか」

 

馬岱「どうして、蜀が」

 

一刀「おそらく俺の悪名のせいだろうな。劉備からしてみれば民を救ったつもりなんだろ」

 

馬超「そうか、そうだろうな。(こいつの悪名だけを聞いていたなら私もそうする)」

 

 

馬超の沈む表情を見ながら、一刀は言う

 

一刀「、、、馬超、馬岱、劉備ならお前達を喜んで受け入れてくれる。出ていくなら今夜までに出て行けよ」

 

馬超「なっ、私達を逃がすのか」

 

馬岱「どうして、、」

 

一刀「俺はお前達のことは嫌いじゃない、、いや、好いていると言ってもいい」

 

馬超「なあっ、おっお前、なっなに言ってるか分かってるのか///」

 

一刀「だから、見たくないんだよ。お前達の暗い顔は、、まったく、らしくないな感情に流されるなど」

 

馬岱「鳳薦さん、、」

 

馬超「鳳薦、、」

 

一刀「出ていくならこんなまでに行け。でないと俺も正気を取り戻すぞ」

 

 

そう言って去ろうとする一刀を馬岱は引きとめる

 

馬岱「一つだけ、聞かせて」

 

一刀「なんだ?」

 

馬岱「貴方は正義なの、悪なの、、善人なのそれとも「悪人だよ」、、」

 

一刀「だが、そんな俺を是とするか否とするかはお前達が決めることだ」

 

馬岱「是とするか、、」

 

馬超「、、、、、、、否とするか」

 

一刀「じゃあな、馬超、馬岱」

 

そう言うと戦場で浮かべる笑顔とは違う笑顔を二人に向けながら、一刀は去っていった

 

馬岱「お姉様、、」

 

馬超「ああ、、分かってるよ」

 

 

二人は空を見上げながら、何を見るのだろうか

 

死した母か、それとも、今を生きる者たちか

 


 
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