No.180827 黒子の修羅場tanakaさん 2010-10-28 00:22:58 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:2373 閲覧ユーザー数:2172 |
「えーと、白井さん? こちらはインデックスで……」
「へぇー」
「で、インデックスさん? こちらは白井で……」
「ふーん」
「そ、それで、二人は何でそんなに怖い顔をしているんでしょうか……?」
「「はぁ!?」」
どうして、この人はこんなにも鈍感なのでしょうか?
わたくし達の空気が悪い理由なんて一つしかないでしょうに。
でもまあ、そんな事より――
「シライ……って言った? シライはどうして、とうまの家にいるのかな?」
「それをあなたに話す必要がおありでしょうか?」
まずは、このおチビちゃんをどうにかする方が先ですわね。
上条さんを怒るのはその後にしましょう。
「むっ、理由を話すのは当然なんだよ。だって、ここはとうまの家なんだから」
「……それだと、あなたも理由を話さないといけないのでは? ここは上条さんのお家なのですから」
あなたが、上条さんとある程度の認識があるのは分かりますが、あなたが上条さんの家に居る
理由は無いでしょう?
「理由なんて必要ないよ。だって、わたしはとうまと一緒に暮らしているんだから」
「…………え?」
今、この方は何て言いました?
「だから、わたしはとうまと一緒に暮らしているんだよ」
上条さんと、このおチビちゃんが、一緒に……?
「か、上条さん。今の話は……ほ、本当の事なんですの?」
「あーいや、物凄く説明しにくいのですが……」
難しそうな顔をする上条さん。
まさか本当に上条さんは、このおチビちゃんと一緒に――
わたくしではなくこの女を――
つぅー
「し、白井!? お前、今泣いて――」
「な、泣いてなんかいませんのっ!」
悔しくて泣いてなんか……
「いや、でも――」
「……失礼しますの」
一刻でも早くここから逃げたい。こんな顔を上条さんに見せるわけには……
それにもう、あなたの側にいる事は出来ませんから。
あなたの側にはあの女が居ますから。
敗者は素直に逃げ帰るものですの。
「白井っ! 待てよ、白井!」
後ろで上条さんの声が聞こえますが、後ろを振り返る事は出来ませんの。
この淡い気持ちに区切りをつけないといけませんから。
大好きだった。初めて殿方を好きになった。
バカで冴えなくて不幸な人でしたが――とても優しい方でした。
ですが、その恋ももう終わりですの。
あの人には一緒に暮らす恋人がいて――
「……上条さんの……ばか」
バカで鈍感で――
でも、素敵な殿方。
「バカ。上条さんのバカ」
「あまり人に対して、バカバカ言うもんじゃねぇよ」
「……え?」
「まったく、人の話も聞かずにいきなり逃げやがって、探す方の身にもなってくれよ」
「ど、どうして上条さんがここに……?」
何故、わたくしを追いかけてきたんですの?
わたくしなんか放っておいて、あの女と一緒にいればいいのに。
「あのな。白井、お前は物凄い勘違いをしているからな」
「勘……違いですの?」
あなたとあの女が愛し合っている。それだけではないのですか?
「インデックスはただの居候なんだよ。恋人でも何でもないんだ」
「居候……」
「そうだ。訳あって、全部を説明する事は出来ないが、別にやましい事は何一つ無い。それは断言出来る」
「本当の事なんですの?」
わたくしを慰めるためだけに言っている嘘では?
「俺は白井には嘘を吐かねぇよ」
「……信じていいんですの?」
また、あなたにこの気持ちを向けてもいいのですか?
あなたに恋をしていいのですか?
あなたの側に――
「ああ。俺を信じてくれ」
「……信じますの」
「ありがとうな。白井」
いいえ、お礼を言うのはわたくしの方ですの。
ありがとうございます。上条さん。
黒子はあなたに出会えて、
あなたに恋をする事が出来て――
幸せですの。
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ついに黒子とインデックスが出会います。
そして修羅場へ……
乙女心爆発?
そして、少しだけ進む恋模様。
みたいな感じ?
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