No.180028

美波の計画

tanakaさん

バカテス美波です。
純粋にツンデレを書きたかったけど、ちゃんとなっているだろうか?

2010-10-24 00:25:40 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1933   閲覧ユーザー数:1850

「ね、ねぇアキ。今度の休みの日、ウチの家に来ない?」

「美波の家に? いいけど、急にどうしたの?」

「ど、どうもしてないわよ! た、ただ葉月がアキに会いたがってたから……」

「あ、そうなんだ。それなら初めからそう言えばいいのに。じゃあ、他の皆も誘って僕の腕

があり得ない方向に曲がって……って、痛たたたたたたたたっ!?」

「他の人はいいのっ! アキだけでいいのよ!」

 他の人が居たら、ウチの計画の邪魔になるでしょ。

 それに瑞希が居たら、何もさせてもらえないだろうし……

「で、でも……」

「もう一本の腕も折られたいのかしら?」

「ぼ、僕一人で行きます! いや、行かせて下さい!」

「ふ、ふんっ。初めからそう言えばいいのよ。バカ……」

「うぅ……理不尽だ……」

 よ、よし。これで計画の第一段階は終わったわ。

 あとは、当日にウチが頑張ればいい。

 頑張ってアキに――

 

「お、お邪魔します……」

「あっ、バカなお兄ちゃんですー♪」

「おふっ!? あ、相変わらず見事なタックルだよ葉月ちゃん」

「えへへー♪ バカなお兄ちゃんに褒められたです♪」

 ほんと、葉月はアキが来ると嬉しそうな顔をするわね。

「ねぇ美波。僕はどうすればいいのかな?」

「別に特別な事はしなくていいわよ。ただ葉月と一緒に遊んでくれるだけでいいわ」

 そして、ウチの隣に居てくれればいいから。

「分かったよ。じゃあ、葉月ちゃん。何して遊ぼうか」

「えっとですねーお馬さんゴッコはどうですか? バカなお兄ちゃんがお馬さんになって、

その上に葉月が乗るのです♪」

「僕がお馬さんね……なんだか少しだけエッチな感じが――」

「アキ。葉月に余計な事をしたら、死ぬわよ」

「い、イエス・マム」

 ま、まぁ、ウチにならエッチな事をしても……って、だ、ダメよね。

 葉月だって居るんだし、まだその関係は早いわよねっ。

「バカなお兄ちゃん。早速いきますよー♪」

「うん。ドンとこい」

 うんうん。やっと遊び始めたみたいね。

 この隙に次の計画を進めるとしようかしらね。

 それは――アキにウチの手料理を食べてもらう事!

 アキの料理の腕にはビックリしたけど、ウチだってあれから更に努力したんだからね!

 きっとアキよりも美味しく作れるわ。

 覚悟してなさいよ。アキ。

 

『――っ!? 殺気!? 何処からだ?』

『バカなお兄ちゃん。どうかしたですか?』

『い、いや、何でもないよ……気のせいかな』

 

「ハァ……ハァ……は、葉月ちゃん。少し休憩しない?」

「もう終わりですか?」

「は、はは……ちょ、ちょっと体力の限界が……」

「そうですか。残念です……」

 さすがのアキも葉月に遊ばれっぱなしはキツイみたいね。

「アキ。アキの分のご飯も用意したんだけど、よかったら、その……」

「えっ!? 美波が作ったの?」

「そ、そうよ、悪い?」

 ウチが料理を作るのがおかしいかしら?

「ううん。ありがと美波。喜んで食べさせてもらうよ」

「ず、随分素直じゃない……」

 素直なアキも珍しいわね。

「美波の料理は美味しいからね。それに、せっかく作ってもらったんだし、食べないのは

美波に対して失礼じゃないか」

「アキ……」

 な、何よ。嬉しい事を言ってくれるじゃない。

「あまりの美味しさに驚くんじゃないわよ」

「はは……それは楽しみだね」

 

 アキを家に呼んで、ご飯を食べさせる。

 ウチの計画も順調に進んでいるわね。

 あとは、最後のステップだけど……

 

「あ、あのねアキ。この後なんだけど……」

「ごめん美波。もう帰らないと」

「え……?」

「そろそろ帰らないと姉さんが心配すると思うんだ」

「それなら――」

 玲さんに連絡を入れれば……

「それに早く帰って、姉さんにご飯を作ってあげないといけないしね」

「ちょ、あ、アキ――」

「美波。今日はありがとう。料理、本当に美味しかったよ」

「あ、うん……」

「葉月ちゃんも、今日は楽しかったよ」

「葉月も楽しかったですよ♪」

「アキ――」

「じゃあね、美波」

 ウチの制止も無視して帰るアキ。

 え、何、どういう事なの? ウチの計画は?

 最後にウチの気持ちを伝えたかったのに――

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「お、お姉ちゃん!? どうしたのですか?」

 バカッ! アキのバカ!

 もう少し空気を読みなさいよ!

 ばかぁ!

 


 
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