No.179762

真・恋姫無双 夜の王 第24話

yuukiさん

真恋姫無双夜の王第24話、
第23話の続きです

2010-10-22 20:44:30 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:9680   閲覧ユーザー数:7283

この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。

 

また、一部キャラを否定する場面もございます。

 

ご理解をお願いいたします。

 

まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、

 

こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。

天城内

 

鳳薦隊壊滅の知らせから一日、王座の間に天の主だった将、軍師達が集められ。涼州への対応を決定する軍議が行われていた

 

始まってすぐに一刀は何時もと変わらぬ静かな口調で話し始める

 

一刀「涼州に送った部隊の壊滅。この一件に対する天の対応が決まった」

 

何処からか息をのむ音が聞こえる、

 

一刀「俺は、涼州を潰す。慈悲は要らぬ、完全に潰れてもらう腐った天に縋る者たちには」

 

その言葉に一刀の次ぐ権力を持つ二人が答える

 

麗羽「私は反対はありませんわ。残念ですけど、涼州には潰れてもらうほかありませんもの」

 

麗羽は普段と違う笑顔を浮かべながら賛成

 

恋「恋も、許さない。卑怯な奴らは」

 

恋は怒りを含みながらの賛成

 

一刀の決定を覆すなら、軍部と内政のトップである二人が反対するほかない。それが成されなかった今、天軍による涼州への進行は避けららぬものとなった

 

その場にいる全員が涼州との決戦を覚悟し、一刀の命に従う姿勢を見せる。そんな中、ただ一人。意を唱える者が居た

 

音々「音々は、、、反対ですぞ」

 

静けさがその場をはしる。

 

 

一刀「その訳は?」

 

音々「涼州を潰すと言いますが、それは簡単なことでは無いのですぞ。蜀を間に挟んでいるこの状況では進

   行は難しい、それに報告では馬騰殿を討ったと聞きましたがそれが本当である確証はないですし、

   たとえ馬騰殿が死んでいたとしてもまだ馬超など有能な将も居るこの状況で無理に進軍するなど音々   は反対ですぞ」

 

一刀「ならばどうすればいいと言うんだ?」

 

音々「待つ出来なのです。機が熟すのをそう「待って、、、」、、、」

 

一刀「待って待って。それでどうなる?何も変わらぬぞ。機など熟さぬ、動かなければ何も変わらない」

 

音々「しかし、それでは多くの兵が犠牲になりますぞ!」

 

一刀「だからどうした。戦に犠牲は付きものだ。犠牲無き勝利などそちらの方が恐ろしいと俺は思うがな」

 

音々「なっ、それなら戦いで兵が死んでもいいと言うのですか」

 

一刀「ああ、そうだ」

 

一刀の言葉、多くの者が凍りつく。天建国の時も、南蛮制圧の時も極力戦いを避け兵士の犠牲を嫌ってきた一刀が今、兵士の死を肯定した。そして、それを聞いた音々は動揺しながら一刀に話しかける

 

音々「お前、、何かあったのです?」

 

一刀「別に何も無い。ただ、知っただけだ、自分自身を。音々、風と共に涼州を潰す策を考えろ」

 

音々「音々は嫌だと言っているのです!」

 

一刀「これは提案じゃない、命令だ」

 

以前のそれとは違う。有無を言わせぬその言葉に音々は顔を顰める

 

音々「つっ、、、お前、変わったのです」

 

一刀「変わってなどいない。俺は俺だ」

 

音々「、、、、、、」

 

一刀「軍議はこれで終わりだ。皆、戦の準備を整えよ」

 

    「「「「御意」」」」

 

 

軍議の後、一刀の様子が変わったのを知る者達

 

 

真桜達は一刀の変化に戸惑い

 

真桜「なあ、一刀様。何かあったんかな?」

 

凪「使者の一件があったからだろうか、、」

 

沙和「でも自棄になってる感じじゃなかったの」

 

 

また、変化に戸惑はない者もいて

 

逆狗「主、少し変わられたな」

 

一蝶「別に良いでしょう。大切な部分は変わっていませんし」

 

逆狗「まあ、そうだな」

 

 

変化に気づかない者のもいた

 

斗詩「あの、一刀様。なにかふいんきが変わってないですか?」

 

猪々子「そうか?どう思います、麗羽様」

 

麗羽「さあ、別に変わってないと思いますけど?」

 

斗詩「はあ、そうですか」

 

音々「分からないのですぞ」  ボソッ

 

音々は軍議の後一人部屋で布団を抱えながら悩んでいた

 

音々「アイツが何を考えてるか、音々には分からないのです。

   そりゃ最初から気に食わない奴だったですが。あんなこと言う奴じゃ、、」

 

      『戦に犠牲は付きものだ』

 

その言葉は真実、犠牲の出ない戦いなど無い。それは軍師である音々も理解しているだろう。けれど、

 

音々「アイツからあんな言葉、聞きたくなかったですぞ」 ギュ

 

布団を抱く腕に力を込めながら頭の中で一刀のことを考える

 

 

そんな時、部屋に来客が来た

 

風「音々ちゃん。入りますよー」

 

音々は布団に顔を埋めながら言葉を返す

 

音々「風殿、、なにか用ですか」

 

風「おやおや、お兄さんに策を考えるよう言われたのを忘れてしまったのですか?」

 

音々「、、、ごめんです」

 

風「いえいえ、音々ちゃんも色々大変なようですし別に良いのです。それより、悩み事でもあるのですか?」

 

音々「、、、、風殿はアイツに何があったか知っいますですか」

 

風「旧臣鳳薦隊の壊滅、以外に何かあったとすれば、、そうですね。風が襲われたくらいでしょうか」

 

音々「なあああ!襲われたのですか!ついに本性をあらわしやがりましたのですね!あの***」

 

風「まあまあ、落ち着いてください。同意の上でのことですしー」

 

音々「む、むむむ。それならまあ、、しかし、それが原因では無いと思いますが」

 

風「はっ、もしかしたら風とお兄さんの粘膜が触れ合ったことで超反応がお兄さんの体に起こったとかー」

 

音々「そんなわけあるかです!、、音々は真剣に聞いているのです。風殿は何か思わないのですか、アイツ

   が変わったこと」

 

風は小さくため息をつく

 

風「風はお兄さんが変わったとは思っていませんよ」

 

音々「でも、アイツはあんなことを言う奴では」

 

風「音々ちゃん。変わったように見えるのと変わるのは違うこと。そんなに気になるならお兄さんに直接聞

  いてみればいいのです」

 

音々「ですが、、、、」

 

風「それに今はもっと考えなくてはならないことがあるのです。さっき密偵に出していた逆狗さんから報告

  がありました。涼州に動きあり、とのこと」

 

音々「っ、桃香殿、、蜀が通行を許したのですか!」

 

風「そのようですねー。まあ、涼州が風達を攻めても蜀には得しかありませんし当然と言えば当然なので   す」

 

音々「そうですな、、、」

 

風「今は策を考えましょー。犠牲を少なくする為に」

 

音々「、、わかりました。でも、音々はまだアイツのこと、納得はしてないのですぞ」

 

風「戦いが終わったらお兄さんに聞いてみればいいのですよ。きっと答えてくれるはずですし」

 

音々「、、、、そうしますぞ」

 

 

一刀「それで策はできたか?」

 

数刻の後、風と音々は一刀の部屋を訪れていた

 

風「はい。基本的に籠城戦で行こうと思うのですがどうでしょうかー」

 

一刀は少し考えるそぶりをしながら音々を見る

 

音々「涼州で恐ろしいのは神速の騎馬部隊。それを抑え込まなければ勝機はありませんぞ」

 

一刀「確かに籠城なら騎馬の動きは封じられる。だがあまり時間を掛ければ蜀が動くかもしれない

   ただでさえ劉備は馬超に領土の通行を許してるんだ。援護に入る可能性もある」

 

音々「籠城戦で時間がかかるのは仕方が無いのです」

 

音々の言葉を聞き顎に手を当てての長考の後、一刀は頷きながら口を開く

 

一刀「一服、、その策に毒を盛ろう」

 

風「というと?」

 

一刀「軍を二つに分ける。片方は天城での籠城、もう片方は南蛮近くで待機。涼州が天城に攻め上がってき

   たら後ろから奇襲をかける」

 

風「おお、確かにそれなら短期決戦が出来るかもしれませんねー」

 

風は少しも驚かない表情で驚いたような声を上げながら賛成したが音々は

 

音々「ただでさえ民に負担のかかる籠城でそんな策を使えば民への負担はかなりの物になってしまいす     ぞ!」

 

一刀「負担なら戦いを長引かせる方がかかるだろ?」

 

音々「しかし、いくら兵数では音々達が勝っているとはいえ奇襲をかけるなら兵力は半減、兵や民にも被害

   が出るかもしれないのですぞ」

 

一刀「、、、それでもなお、短期決戦の為に動くべきだ。極端な話、兵士は失っても補充すればいいが失っ

   た時間が戻ることは無いんだからな」

 

音々「、、、それは冷たすぎるのです」

 

そういうと音々は一刀から顔をそむける

 

一刀「それでもそれが真実だ。奇襲は恋とお前に任せる、準備を始めてくれ」

 

音々「御意です、、」

 

そう言ってと音々は部屋を後にした

 

 

風「不満不満不満不満ーーって感じですねー」

 

一刀「そうだな」

 

風は眠そうな顔で一刀にすり寄る

 

風「音々ちゃんは分かってないのです。お兄さんの選択で何万もの民が救われる事を」

 

一刀「それは違うな」

 

風「えっ」

 

一刀の言葉で胸にすり寄せていた顔を上げる

 

一刀「わかっているはずだ音々は、だが許せないんだよ。犠牲を出すことが、出さねば勝てない自分達が」

 

風「そうなのでしょうか」

 

一刀「ああ、たぶんな」

 

 

一刀「さて、風も籠城の準備を始めてくれ。勝たなきゃならない天の民を守る為に」

 

風「御意ー」

 

こうして、戦いの幕が開けた

天領内、国境近くの城

 

猪々子「はああ~、、、」

 

斗詩「文ちゃん、もう少しやる気出してよ」

 

猪々子「だってさ斗詩~、別に勝たなくてもいいなんて言われてやる気出るかよ」

 

斗詩「それはそうかもだけど、、あっちは全軍で進んで来てるんだよ。それに私達の役目は時間稼ぎなんだ

   から」

 

猪々子「別に勝てるって。あたいと斗詩が居れば!それをアニキに見せつけてやる!敵が来たら全軍で突撃

    すっぞ」

 

斗詩「なっ、駄目だよ文ちゃん!」

 

兵士「顔良将軍、文醜将軍、敵が現われました!」

 

猪々子「よっしゃー!行くぜ」

 

斗詩「ちょ、文ちゃん!」

 

報告を聞き、城壁に登って見た光景に斗詩達は息をのむ

 

猪々子「なんだよこれ」

 

斗詩「嘘、、予想より二倍は兵が居る」

 

 

猪々子「斗詩、引くぞ」

 

斗詩「えっ、突撃しないの?」

 

猪々子「いくらあたい達でもあれは無理だって」

 

斗詩「でも、時間稼ぎは?」

 

猪々子「あんな多いんだ、進軍にも時間かかるし別に良いって。それより早く知らせなきゃ」

 

斗詩「う、うん。そうだね」

 

猪々子「よーし。全員撤退準備だ!この城は捨てる!」

 

兵達の返事を聞きながら猪々子は不安に襲われる

 

猪々子「(勝てるよな。アニキ)」

 

 

天城内

 

一刀「兵数が予想より多いのか」

 

小蓮「うん。今報告があって二倍くらいだって」

 

一刀「涼州連合といっても攻めて来るのは馬騰に近い奴らだけだと思ったんだが、その人数は涼州の諸侯全

   員が攻めて来てるか、、」

 

小蓮「たぶんそうだと思うよ」

 

一刀「だがどうやって、馬騰ならともかく馬超や馬岱に涼州をまとめ上げる力があるとは思えないが」

 

話を聞いていた麗羽が不思議そうな顔をしながら一刀に尋ねる

 

麗羽「そんなことも分からないんですの?」

 

一刀「お前は分かるのか?」

 

麗羽「当然ですわ。おーほっほっ!」

 

一刀「それでどうしてなんだ」

 

麗羽「一刀さん。貴方の欠点は漢を過小評価しすぎていることですわ。龍は腐っても龍、漢王朝にもまだ涼

   州の諸侯に密命を出す力くらいありますわ」

 

小蓮「天を怖がってる漢が涼州に倒すように頼んだってこと?」

 

麗羽「たぶんそうだと思いますわ」

 

 

一刀「なるほど。確かにそうかもな」

 

麗羽「どうして笑っていますの?」

 

笑みを浮かべる一刀を見て麗羽が訪ねる

 

一刀「笑えるじゃないか。もはや漢王朝が縋れるのは英雄を殺され俺に恨みを持つ涼州だけだと言う事だろ

   う。それにここで勝てば腐った天に縋る者達も一掃できる」

 

小蓮「そうだけど、勝てるの?」

 

一刀「勝てるさ。いや、勝つ、何としてもな。シャオ、明命を連れてこのことを恋と音々達に伝えに行って

   くれ。作戦は変わらず実行すると」

 

小蓮「うん。分かった」

 

麗羽「それにしてもそんなに兵が居るなら全軍で突撃するよりいい作戦もあるでしょうに。馬超さんはそれ

   を分かっていないんですの?」

 

一刀「いや、馬騰ほどじゃないだろうが馬超もまた人の上に立つ器だ。分かっていない訳じゃないだろう」

 

麗羽「じゃあ何故?」

 

一刀「、、、怒りに眼を焼かれ、理すら見えなくなったか」

 

一刀は遠くを見ながらそう呟いた

 

 

涼州連合

 

馬超「進め進めー!」

 

馬超達は次々に城を落としながら天城に向かい快進撃を続けていた

 

馬岱「お姉様!待ってよ」

 

馬超「蒲公英早くしろ!」

 

馬岱「そんな急がなくても城は逃げないって!それに後ろが付いて来れてないってば」

 

馬超「、、、分かった。少し遅くする」

 

 

そうして馬超達は天城に向かう途中にある最後の城に付いたがそこに兵士の姿はなかった

 

馬岱「お姉様、なんか変じゃない?ここに来るまでの村は一人も人が居なかったし、城をいくつも戦わない

   で捨てるなんて」

 

馬超「民は逃げたんだろ。それに天の兵士達はどうせびびって逃げ出しただけだ」

 

敵兵「そうです。闇打ちなどという卑劣な事をする奴らですから、どうせ尻尾を巻いて逃げだしたんだ」

 

馬岱「それなら良いんだけど、、(、、嫌な予感がする。でもお姉様完全に切れちゃってるし)」

 

馬超「良し、進むぞ。全軍駆け抜けろ!!」

 

   「「「「おおおおお!!」」」」

 

馬超「鳳薦、、絶対に許さねえ。母上の敵取らせてもらう」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

馬超『母上!もう少しで医者が来る。しっかりしてくれ!』

 

馬騰『もうよい、自分の体のことは自分が一番わかる。もう助からぬさ』

 

馬超『何言ってんだよ!そんなこと、、ある訳ないだろ!』

 

馬騰『翆よ、私は最後まで漢の将として生きた。だがお前までそうやって生きる必要はない、自分の信じた道を行け。良いな』

 

馬超『母上、、、』

 

馬騰『蒲公英、翆を支えてやってくれ』

 

馬岱『うん。馬騰様』

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

馬超は駆ける、その瞳に怒りを宿しながら

 

予期せぬすれ違い、死した英雄、己を知った王、王を見失った軍師、理を失った武人

 

数多の出来事を起こした戦いは、最終局面を迎える

 

 

血潮舞い、人が死にゆく戦場に立つ武人が一人

 

名を馬超、錦馬超と謳われその武は五胡にまで響く

 

そんな者が今は馬を降り、手に持つ槍で敵を切り裂く。怒りと共に、憎しみを持って。仇なす者の全てを否定しながら

 

兵士「黒天の為に!!」     ブンッ

 

馬超「雑魚は引っ込んでろ!」  ゴウッ

 

兵士「がはっ」         バタンッ

 

その眼に映るのはもはや城壁の上に立つ男のみ

 

 

血潮舞い、犠牲を積み重ねる戦場を見つめる王が一人

 

名を鳳薦、かつて剣聖と呼ばれ今はその名を自ら地に落した者

 

そして今、戦場の上より死にゆく者たちを見つめる。狂気と共に、理性を持って。仇なす者を否定し呑み込む為に

 

一刀「くくく、はっはは、はっは!」」

 

兵士「鳳薦様、、」

 

一刀「馬超、駄目だ。それでは駄目、この俺には届かぬぞ」

 

その眼には大陸の全てを映しながら戦場を見つめる

 

 

馬超の姿を見ながら馬岱は呟く

 

馬岱「駄目、お姉様もう鳳薦しか見えてない、、韓遂さん後曲をお願い。私はお姉様の所に」

 

韓遂「ああ、分かった」

 

馬岱「もう、勝手なことはしないでよね」

 

韓遂「わかっている。私も悔いているんだ、早くって馬超を助けてやれ」

 

馬岱「はい」

 

 

馬超「くそっ、鳳薦出てきて勝負しやがれ!」

 

馬超の言葉は戦場に響く音にかき消され城壁の上の一刀に届くことはない

 

一刀「そろそろか。真桜、カラクリで城壁に取り付く敵を一掃しろ。逆狗は正門を守っている凪達と裏門に

   居る斗詩達に恋が来るまでに開門出来るようにしろと伝えてくれ」

 

真桜「わかったで」

 

逆狗「御意」

 

 

真桜達が去った後、静かに一刀は問いかける

 

一刀「一蝶、風」

 

一蝶「はい」

 

風「なんですかー」

 

一刀「戦場を見ると何時も疑問に思う。今、馬超は母の敵打ちの為に戦っている。俺は大義の為に、一体正

   義はどちらにあるんだろうな」

 

一蝶「さあ、そんなこと私には分かりません。それにあるのですか?この世界に絶対の正義など」

 

風「そうですねー、風も分からないのです。だた一つ言えるのは勝たないと正義も悪も名乗れないのです」

 

一刀「はは、そうだな。良い答えだ、、、蒼天は潰え黒天が立つ、全ては大義の為に。その為なら悪鬼にも

   なろう」

 

一蝶「それが夜天の望みなら蝶は舞い」

 

風「夜風が吹くのです」

 

一刀「、、、出陣の準備をしろ。恋の奇襲に合わせこの戦いに終止符を打つ」

 

一蝶「はっ、」

 

風「はーい」

 

音々「恋殿、そろそろ時間ですぞ!」

 

恋「、、、呂布隊出る」

 

小蓮「シャオ達も続くよ!」

 

兵士達「「「「おおおおおおお」」」」

 

 

敵兵「韓遂様!後方より敵が」

 

韓遂「うろたえるな!天に背く反逆者に我らが負ける筈が無い!」

 

敵兵「しっしかし、後方より来るのは孫旗、周旗、そして深紅の呂旗です!」

 

韓遂「なっ、深紅の呂旗だと、、あの化け物が来ているのか」

 

 

先陣を駆けるは深紅の呂旗、一人の夜叉が戦場を駆け敵を殺戮していく

 

恋「お前達は一刀の友達を殺した」

 

兵士「ひっひいい」  

 

恋「、、、一刀を悲しませた」

 

兵士「くっくそ」

 

恋「だから、、、皆殺しだ」

 

純粋すぎる殺意を持って、夜叉は夜を生きる

 

 

本体から左翼にそれるは桃色の孫旗、一人の姫が血潮を浴びる

 

小蓮「あはは♪」

 

兵士「どうかしましたか?尚香様」

 

小蓮「やっぱ楽しいんだよね、戦場って。呉に居た時はあんまり出れなかったから気づかなかったな」

 

兵士「そうですか。それはよかった」

 

小蓮「うん、みんな行くよ。戦場に紅い花、咲かせようね♪」

 

偽らぬ本能を持って進む姫は、やはり鬼の子

 

 

右翼を行くは周旗、夜を生きる黒猫が今は戦地を走る

 

隠密「まさか我らが前線に出ることになるとは」

 

明命「仕方ないのです。人手が足りませんし、、それに」

 

隠密「それに?」

 

明命「死んでいった皆さんの分も私が一刀様を守ります!」

 

揺るがぬ新たな忠義の元、黒猫は獲物を狩る

 

 

韓遂「馬鹿な、、こんなことが有る筈が、、」

 

崩れていく後曲を見て、韓遂は恐怖する

 

敵兵「韓遂様!呂布が、、呂布が!」

 

韓遂「蒼天は見捨てたと言うのか、我らを」

 

恋「違う、、もう蒼天なんて無いだけ」

 

韓遂「っっ、呂布、、」

 

恋「だから、ここで死ね」   

 

   ブシュッ

 

   バタン

 

恋「、、、、黒天、、昇る」

 


 
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