完璧超人で隙の無い咲夜さん。
でも、あの人にも弱点はある。
そう思って就寝中の咲夜さんの部屋を襲撃したんですが……
「こ、これは、なんという……」
咲夜さんの寝顔が予想以上に可愛らしい。
いつも私の前では、怒ったような表情しか浮かべないのに、この表情はズル過ぎます。
天使のような寝顔。まさにその言葉が似合うほど、咲夜さんの笑顔は可愛い。
こんな……こんなものを見てしまったら私は――
「お、お邪魔しまーす」
先ほどから湧きあがる衝動が抑えられずに、つい動いてしまいました。
まずは、咲夜さんの隣に入って、咲夜さんの匂いを堪能する。
次に、ゆっくりと手を回して、咲夜さんの温もりを感じる。
「……はぁ」
いい。いいですよ咲夜さん。
普段のツンツンした、あなたも好きですが、こういう大人しいのもいいですよ。
しかし、これで終わるのは少々もったいないですね。
――そうだ。
実は私、前々から咲夜さんにやってみたい事があったんですよね。
「咲夜さん。少しだけ失礼しますね」
優しく、丁寧に咲夜さんの頭を持ち上げる。
そして、その頭を私の膝に――
「あはっ♪ やっと咲夜さんに膝枕をしてあげる事が出来ました♪」
本当に憧れていたシチュエーション。
あの咲夜さんに私が膝枕をするという光景。
よかった。咲夜さんの部屋に忍び込んで本当によかった。
当初とは予定が違うかもしれませんが、それでもよかったと思います。
だって――
「咲夜さん。本当は起きているでしょ」
「…………」
「あははっ♪ 大丈夫ですよ。初めから分かっていた事ですから」
「……そう」
「はい♪」
だって、咲夜さんが起きているのに、私を拒まなかったという事実があるから。
それだけで、忍び込んだ意味があるというものですよ。
やっと見る事が出来た、咲夜さんのデレタイム。
素晴らしい破壊力ですね。
「咲夜さん」
「……何?」
「もう少し……もう少しだけこうしていていいですか?」
あと少しだけ、この幸せな時間を堪能したいんです。
「……勝手にしなさい」
少しだけ怒っているような声色で承諾してくれる咲夜さん。
ですが私は分かっていましょ。本当は怒っていないって事を。
ですから――
今は余計な事を言わず、この言葉に全ての気持ちを込めますね。
「ありがとうございます。咲夜さん」
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はい。めーりんによる、めーりんのための、めーりんの話。
お相手は咲夜ですよ。
この二人はボクの正義なのさ♪