No.179639

あなたの……

tanakaさん

はい。めーりんによる、めーりんのための、めーりんの話。
お相手は咲夜ですよ。
この二人はボクの正義なのさ♪

2010-10-21 23:44:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1053   閲覧ユーザー数:1017

 完璧超人で隙の無い咲夜さん。

 でも、あの人にも弱点はある。

 そう思って就寝中の咲夜さんの部屋を襲撃したんですが……

 

「こ、これは、なんという……」

 咲夜さんの寝顔が予想以上に可愛らしい。

 いつも私の前では、怒ったような表情しか浮かべないのに、この表情はズル過ぎます。

 天使のような寝顔。まさにその言葉が似合うほど、咲夜さんの笑顔は可愛い。

 こんな……こんなものを見てしまったら私は――

 

「お、お邪魔しまーす」

 先ほどから湧きあがる衝動が抑えられずに、つい動いてしまいました。

 まずは、咲夜さんの隣に入って、咲夜さんの匂いを堪能する。

 次に、ゆっくりと手を回して、咲夜さんの温もりを感じる。

「……はぁ」

 いい。いいですよ咲夜さん。

 普段のツンツンした、あなたも好きですが、こういう大人しいのもいいですよ。

 しかし、これで終わるのは少々もったいないですね。

 ――そうだ。

 実は私、前々から咲夜さんにやってみたい事があったんですよね。

「咲夜さん。少しだけ失礼しますね」

 優しく、丁寧に咲夜さんの頭を持ち上げる。

 そして、その頭を私の膝に――

 

「あはっ♪ やっと咲夜さんに膝枕をしてあげる事が出来ました♪」

 本当に憧れていたシチュエーション。

 あの咲夜さんに私が膝枕をするという光景。

 よかった。咲夜さんの部屋に忍び込んで本当によかった。

 当初とは予定が違うかもしれませんが、それでもよかったと思います。

 だって――

 

「咲夜さん。本当は起きているでしょ」

「…………」

「あははっ♪ 大丈夫ですよ。初めから分かっていた事ですから」

「……そう」

「はい♪」

 だって、咲夜さんが起きているのに、私を拒まなかったという事実があるから。

 それだけで、忍び込んだ意味があるというものですよ。

 やっと見る事が出来た、咲夜さんのデレタイム。

 素晴らしい破壊力ですね。

「咲夜さん」

「……何?」

「もう少し……もう少しだけこうしていていいですか?」

 あと少しだけ、この幸せな時間を堪能したいんです。

「……勝手にしなさい」

 少しだけ怒っているような声色で承諾してくれる咲夜さん。

 ですが私は分かっていましょ。本当は怒っていないって事を。

 ですから――

 今は余計な事を言わず、この言葉に全ての気持ちを込めますね。

  

「ありがとうございます。咲夜さん」

 


 
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