No.179229

花蓮✝無双 11時間目 (汜水関攻略/過去…そして)

汜水関攻略です。
注意があります。原作と違う設定があります。
それを了解したうえでお読みください。

うまく書けたかな…?

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2010-10-19 21:40:22 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4006   閲覧ユーザー数:3423

「正宗…大丈夫」

「ああ…」

 

一刀と蓮華は今汜水関の前にいた。

昨日の軍議で決めたからだ。

翠に協力を申し入れた次の日汜水関を攻略するための軍議が開かれた。

詠が事前に教えてくれた為守っている将はわかっていた。

 

「とりあえず華雄と霞を引っ張り出さなくてわいけないな…」

「霞さんは何をやっても出てこないでしょうね~」

「そうね」

 

あの外史で霞は華雄を何度もなだめていたと聞いたことがあった。

事実華雄本人が言っていた。

 

「ならば華雄に絞るか」

「あの時のように武勇を罵倒しましょ~か~」

 

今まで黙って聞いていた一刀が急に口を開いた。

 

「なあ詠…確認してもいいか」

「なによ」

 

一刀としてはどうしても確認しておきたいことがあった。

 

「華雄もあの世界から…来たのか?」

「当り前でしょ!」

 

確認が取れたことにより一刀はある策がひらめいた。

 

「なら華雄を釣る役…俺にやらせてくれないか」

「正宗まさか!」

 

蓮華もそのことに気づいた。

冥琳は方法はわからないにしても何かあると勘付いた。

 

「なにか考えがあるのだな」

「ああ…」

「わかった…正宗、頼む」

 

冥琳は一刀を信頼し賛成した。

しかし反対する者がいた。

 

「ちょっとまって冥琳!私は反対よ」

「蓮華…」

 

一刀が何をするつもりか分かっていた蓮華。

 

「あれはもう済んだ話なんでしょ」

「かもしれない。けど俺は納得していない…」

 

一刀の瞳を見た蓮華は悟ってしまった。

 

「止めても駄目なのね」

「蓮華…ごめん」

「わかったわ…けど私も近くで見守るわ」

 

という軍議が行われ、今北郷夫婦は汜水関の前に立っていた。

 

「じゃあ行ってくる」

「ええ…」

 

そう言うと一刀は数歩前に出た

 

「我が名は北郷一刀!敵将華雄尋常に勝負しろ!」

 

そして一刀は雪月花を抜き“華”の旗に向けた。

 

華雄side

「斥候の話やと汜水関には旧呉軍と一刀が攻めるらしいで華雄」

「そうか…」

 

私はそれを聞いた時あいつが何をするつもりかわかったような気がした

 

「なあ張遼」

「なんや~」

「もし北郷が一騎打ちを申し込んだ時は虎牢関に行ってくれ」

「なにあほなこと言うとんねん。一刀がそんなことするわけないやん。それに詠の言うとった事覚えとるか?」

「覚えている…けど頼む…」

 

賈駆が言っていたことは覚えている。適当に戦ったあと旧呉軍・旧魏軍に降伏すればいいと言っていた

しかしそんなことしなくてもすぐ決着は着くだろう

しかしこれは私の問題だ…張遼を巻き込む必要はない

 

「……わ~たよ。けどなそれ以外は逃げへんからな」

「ああ」

 

確実にあいつは来る…絶対にな

 

翌日やはりあいつは来た

 

「我が名は北郷一刀!敵将華雄尋常に勝負しろ!」

「おいおい…一刀マジかいな」

 

私の旗に剣を向けるか…

 

「やはり来たか…張遼」

「わかっとるよ。張遼隊虎牢関に引くで!」

 

これは私の問題だ…その為に隊のみんなも巻き込む必要はない

 

「華雄隊も虎牢関へ行け!」

「それは無理です隊長!どこまでも付いていきます」

 

馬鹿どもが…

 

「わかった…しかし一切手を出すな。いいな」

「了解」

 

よし…あのケリをつけることにしよう

 

「門を開け!!」

 

門が開かれ華雄が一刀の前にやってきた。

汜水関にいるはずの霞の旗はなくなっていた。

 

「久しぶりだな…華雄いや呉羽」

「貴様に真名で呼ばれる筋合いわない」

 

言葉と同時に華雄は一刀に向かって金剛爆斧を振り落とした。

しかし一刀はそれをひらりとかわした。

 

「やはり…今でも恨んでいるのか俺を」

「そうだ!…貴様は幸せだろう」

「ああ…」

「そうだろうな…私を振ったから幸せなんだろ」

 

華雄は数回金剛爆斧を振り落としたが一刀は雪月花で受け止めずかわし続けた。

 

「それは違う…」

「ならどうして私の告白を断った」

 

この時放たれた華雄の攻撃はかわしきれないと感じた一刀は雪月花で金剛爆斧を受け止めた。

 

「それは…」

 

あの世界に行ってから一年ぐらいたったある日華雄に告白されたのだ。

しかしその時から蓮華のことが好きだった一刀は告白を断ったのだった。

華雄に断った理由を言わずに…。

 

「やはりすぐ死ぬような女は嫌いなんだな」

「違う!!確かに華雄のことは好きだった」

「なら!」

「それ以上に蓮華の事が好きだった…だから断った」

 

一刀はあの時言えなかった気持ちを華雄に伝えた。

 

「そんなの分かっている!でも旅に出ても貴様を思ってしまうこの気持ちをどうすればいい」

 

華雄はうすうす感じてはいた。

なので告白した数週間後学園を辞め旅に出たのだ。

華雄の気持ちを聞いた一刀は雪月花を鞘に納めその場に座った。

 

「…わかった俺を切れ」

 

一刀の発言に華雄は驚いた。

 

「なに…」

「俺を切って華雄の気持ちを清算しろ」

「一刀!」

 

蓮華は一刀の言葉を聞いて怒りながら一刀の方に歩いて行った。

それに気づいた一刀は蓮華を睨みつけた。

 

「動くな蓮華!これは俺と華雄の問題だ!もし動いたら蓮華を殺す!わかったな!」

「…」

 

怒鳴られた蓮華は動かなくなった。

動かなくなったというよりいつもと違う雰囲気に蓮華は動けなくなってしまったのだ。

 

「すまない華雄…やれ」

「……わかった」

 

覚悟を決めた華雄は金剛爆斧を振り落とした。

 

しかしいくら待っても一刀の首が飛ぶことはなかった。

 

「……」

「どうした華雄…早く切れ」

 

一刀は華雄に首を切るのを促した。

しかし華雄は小声で言った。

 

「…き…い」

「なに」

「できない…できるわけない」

 

そういうと華雄は金剛爆斧を地面にさした。

そして涙を流しながら一刀に向けて言った。

 

「どうしてこんなことをさせる」

「華雄になら殺されてもいいと思っただけだ」

「できるはずない…そんなこと」

「…」

「そんなことをしたら今度は自分を恨んでしまう…うわ~」

「華雄…」

 

今まで耐えていた線が切れたあのように華雄はその場で泣き崩れてしまった。

一刀はただ見守ることしかできなかった。

 

「…ヒッ……ヒッ………」

 

華雄が泣きやむまで待って一刀は言った。

 

「華雄…よかったらもう一度親友になってくれないか」

「…ヒッ…いい…ヒッ……のか……まだ…お前の…こと…好きなん…だぞ…」

 

一刀も恋愛感情がなくなってしまっただけで華雄のことは好きだった。

なのでもう一度真名で呼んだ。

 

「ああ…なってくれ……呉羽」

「はい…一刀様」

 

華雄はそう言うと自分の唇を一刀の唇に合わせた。

 

「……私のファーストキスだ…」

「あ…ああ……!」

 

一刀は照れくさくなってしまってそっぽを向いた。

その先には美しく微笑んでいる愛しの妻が立っていた。

 

「…今回だけは許します…けど今度やったら……ね」

「……」「は…はい」

 

愛しの妻の一言で一刀は固まってしまった。

そして呉羽は一刀の前に片膝を折り頭を下げ宣言した。

 

「一刀様…この華雄あなたに下ります……華雄隊汜水関を開け!我とともに孫権軍に下る者のみ残れ」

 

呉羽の号令で汜水関の門が開かれた。

しかし華雄隊の誰一人として逃げるものはいなかった。

数分後華雄の前に部隊の兵全員たった。

 

「華雄将軍…我等全員あなたと共に下ります」

 

それを聞いた呉羽は嬉しく思いながら連合軍が通過できるように指示を出した。

そして兵達が全員いなくなったのを見計らって蓮華は右腕に呉羽は左腕に抱きついた。

 

「ちょっと蓮華に呉羽二人とも腕に抱きつかないで…」

 

一刀は顔を赤くしながらやめさせようとした。

しかし二人は聞く耳を持たなかった。

 

「ダメ!妻に殺すって言った罰よ♪…ね、呉羽♪」

「そうだな蓮華…それに私とは親友なんだから問題ないだろ」

 

この時初めて蓮華と呉羽は真名で呼び合った。

やはり同じ人を好きになった者同士なにか共通するものがあったのだろう…。

二人は抱きしめることをやめなかったので仕方なくこの状態で自分達の陣に戻った。

そしてその姿を見た旧呉軍と翠にからかわれた…。

 

花蓮side

「かりんおねえちゃ~ん」

「どうしたの?」

「ぱぱたちいつもどってくるの~?」

 

華琳お姉ちゃんのところにきて二日目なの。

いつもはすぐお迎えが来るのに今日はまだ来ないの。

 

「う~ん…ちょっと待ってなさい。桂花」

「はい御側に…」

「蓮華たちの動きはどう」

「いま汜水関付近に北郷夫婦がその後方に冥琳たちが部隊を展開しています」

「そう…花蓮パパ達は明日にも帰ってくるわ」

「うんわかった♪ありがとうございますかりんおねえちゃん♪」

 

本当は少しさびしいけど明日には会えるから我慢なの。

 

「きっとここまで敵軍は来ないでしょう…花蓮ジッとしているのも退屈でしょ」

「うん…ちょっとたいくつなの…でもだいじょうぶなの」

 

華琳お姉ちゃんはじっとしているの。

花蓮は遊びたいけどわがままはあまり言っちゃダメってパパとママはいつも言っていたの。

 

「桂花と一緒に遊んできなさい」

「いいの?」

「ええ…」

「やった~♪」

「桂花…お願いね」

「御意…花蓮ちゃんいこっか」

「うん♪かりんおねえちゃんいってきま~す♪」

 

華琳お姉ちゃんありがとうなの。

 

「いってらっしゃい…」

(本当に礼儀正しいし…いい子ね…あの二人の教育の賜物ね…)

 

「花蓮ちゃん何がしたいかな?」

「けんじゅつ~♪」

 

パパとママは剣術でイチャイチャしているの。

でもパパもママも強いの~。

 

「剣術ね~……って剣術!!」

「うん♪けんじゅつ~♪」

 

だから花蓮もパパやママみたいになりたいの♪

でもパパとママに見つかったら怒られるから秘密なの~♪

 

「剣術って花蓮ちゃん?剣術って剣がなかったらできないのよ」

「うん♪ぱぱにつくってもらったけんがあるからだいじょうぶなの~」

 

パパが小学校の入学祝いで作ってくれたの♪

確か名前は“ひな”っていうの。

 

「…………」

(こんな小さな子供に刀を持たせるなんて…でも刃はちゃんと落としてあるみたいだし…さすが名工といったところね)

「?どうしたのけいふぁおねえちゃん?」

「ん?大業物ね…大事にしなさい」

「は~い♪」

 

パパのプレゼントは絶対に大切にするの~。

 

「剣はあるとして剣術を教えるのに適した者は…季衣」

「なに~?…あ!花蓮ちゃん」

「きいおねえちゃん♪」

 

季衣お姉ちゃんは鈴々お姉ちゃんとライバルなの。

なんでいっぱい食べれるのかな~?

 

「ボクになにか用?」

「ええ…確か番組で剣道の体験入門してたでしょ」

「懐かしいね…」

「それで花蓮に教えてほしいのだけど…」

「おねがいします♪」

「でもだいぶ前にやったことだし…ボクの武器これだし」

「すご~い」

 

あんな大きな物を扱うなんてすごいの~。

花蓮には無理なの。

 

「だから…ちょっと自信ないな」

「そう…」

「ごめん花蓮ちゃん」

「ん~ん」

 

でもちょっぴり残念なの。

 

「ありがとう季衣」

「じゃあね…って春蘭様!!」

「どうした季衣…それに桂花に花蓮」

「げ…」

「!!しゅ……しゅんらん…おねえ…ちゃん」

 

怖いお姉ちゃんが来たの。

でも花蓮は小学一年生になるからいつまでも怖がったら駄目なの。

だから頑張ってみたの。

 

「花蓮が…花蓮がお姉ちゃんって…お姉ちゃんって…」

「~♪」

 

春蘭お姉ちゃんって言ったら頭を撫でられたの。

パパ達と微妙に違うけどやっぱうれしいの♪

 

「春蘭様…花蓮ちゃんが」

「ちょっと季衣!」

「?」

「花蓮がどうかしたのか?」

「剣術を教えて欲しいっていってるんです~」

「おねがいします♪」

「よっしゃ~」

 

春蘭お姉ちゃん凄い剣を持ってるの。

どういう風に教えてくれるか楽しみなの~♪

 

「あ~もう!季衣!」

「?」

「お説教は後にして華琳様と秋蘭を呼んできて」

「なんで?」

「いいから早く!!」

「は~い」

 

「花蓮、剣を持ってみろ!」

「は~い」

 

確かパパはこういう風に持っていたの。

(花蓮は正眼の構えをした)

 

「駄目だ!花蓮!剣を持つの時はこうだ!」

(春蘭はの脇構えをし殺気を放った)

「う…うわ~ん」

 

やっぱりこわいよ~。

花蓮何もやってないのにこわいよ~。

 

「泣くな!戦場で生きていけないぞ」

「う…う…」

 

こわいけど泣いたら怒られるから我慢するの。

 

「春蘭やめなさいよ!」

「桂花…何事も本気でやらなくては意味がないぞ!花蓮」

「う…う…」

「いまから剣を振るからちゃんと受け止めるのだぞ」

「ちょっと」

「は~~~~!」

 

どうやって止めるの?

わからないの。

でも止めろって言ってたの。

パパ教えて~。

 

「やめなさい春蘭!」

「姉者!」

「ほぇ…」

「う…う…うわ~~~~~ん」

 

もう駄目なの。

怒られてもいいから泣くの~。

やっぱり怖いお姉ちゃんなの。

 

「花蓮ちゃんよく頑張ったね」

「スマンな花蓮…馬鹿な姉者で」

「うわ~~~~ん…けいふぁおね~~ちゃん…しゅうらんおね~~ちゃん」

「泣き終わったら姉者の代わりに私が剣術を教えるとしよう…」

「悪いわね秋蘭」

「いや…姉の不始末は妹の私がやるまでのこと…」

「うわ~ん」

 

桂花お姉ちゃん秋蘭お姉ちゃん怖かったよ~。

 

「春蘭ちょっと来なさい」

「は…はあ」

「あなたねえちょっとは相手のことも考えなさい!!!!だいたい……ガミガミ……ガミガミ……」

「……orz」

 

つづく


 
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