No.178467

真・恋姫無双 魏end 凪の伝 2

北山秋三さん

真・恋姫無双の魏end後の二次創作SSになります。凪すきーの凪すきーによる、自分の為のSSです。ご注意ください。

2010-10-15 23:40:56 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:6765   閲覧ユーザー数:5700

 

 

 

※この作品は魏endで一刀が"完全"に消滅した事を前提としているため、

 

記憶が戻るとかは無いので御容赦下さい。

 

後、オリジナル設定もあり、登場人物の行動や言動が原作と一致しない場合も

 

多々ございますので、その点も御容赦下さい。

 

 

 

「では、やはり五胡が動いているというのね」

 

「はい、華琳様。放った細作のほとんどは帰りませんでしたが、そのうちの一人が息絶える直前に

 

仲介のものにその情報を渡す事が出来たそうです」

 

「その者の家族には充分な補償を」

 

「はっ!・・・五胡の調査には、霞と稟を向かわせます」

 

華琳が頷く。

 

華琳の部屋では華琳と桂花が話込んでいた。

 

華琳の机の上には様々な書簡が山積みにされ、その中に華琳がいて横に桂花が控える形である。

 

先日黄巾党が復活したという情報が出たと思ったら、今度は五胡だ。

 

即座に人和に確認を取ったが、そもそもここしばらくは数え役萬☆姉妹は魏の国内から動いていない。

 

だが事実、三国に跨って黄巾党が跋扈している。その勢力は以前と同じ程に膨らんでいた。

 

さらに分からないのは、捕らえた黄巾党の人間が張角、張宝、張梁の名を出した事だ。

 

それ以外はまったくの謎・・・。

 

偽者────、普通であればそう考える。

 

しかし、その恐ろしいまでのカリスマはどう考えても不可解だ。

 

『太平要術の書』を使ったとしても、数え役萬☆姉妹の歌が無ければここまでの勢力になる筈が無い。

 

春蘭、秋蘭、季衣、流琉の4人は連日出撃しているし、桂花、風、稟の3人は必死で対策を練っている。

 

霞は各国の連絡網を取り仕切り、凪、真桜、沙和は少ない人員で街を警備し、ひっきりなしに来る問い合わせ

 

に対応していた。

みな、大分疲労が溜まり、華琳もロクに寝ていない。

 

そこへ来ての五胡の不穏な動きだ。

 

華琳の頭痛の種が増えていく。

 

ここしばらくは閨にも誰も呼んでいない。その事が華琳のイラつきをさらに増加させていた。

 

「そ・・・曹操様!!!」

 

そこへバァン!と扉を開ける音がして、一人の兵が転がり込むように華琳の部屋に飛び込んできた。

 

「何用か!?ここは華琳様の部屋であるぞ!」

 

桂花の激高にも構わず兵は真っ青な顔をして跪き、ただ華琳の顔だけを見つめる。

 

「し・・・至急の報告があります!!」

 

そのあまりの必死な様子に、頭に血がのぼりそうだった華琳も一瞬にして頭を切り替えた。

 

「よし、申せ」

 

「はっ!・・・北の街の近くに五胡の軍勢が姿を現し、すぐに去ったのですが・・・!」

 

兵が一瞬口ごもる・・・が、彼もまた優秀な魏の兵だった。

 

「その中に『十文字』の旗印が確認されました!」

 

「「なっ!!!???」」

 

華琳と桂花の驚愕の声を上げる。

そして────ドサリ、という音がした。

 

桂花が華琳の座っていた机を見るが、華琳の姿が無い。

 

慌てて駆け寄れば、机の後ろには倒れた華琳の姿が────

 

「か・・・華琳様ーーーーー!!!」

 

桂花の悲痛な叫びが部屋に響いた。

 

 

 

 

 

卒業式も無事終わり、大泣きする及川を慰めていると一刀はゼミの教授に呼ばれ、一人大学の構内を歩いている。

 

一刀が呼ばれた後、及川は後輩の女の子に誘われて、泣いていたのが嘘のようにケロッとして意気揚々とついていった。

 

凪はお祝いの晩御飯の準備をすると、一足先に帰った。

 

まぁ、いつもの護衛付なので不安はまったく無いので安心だが。

 

「失礼しまーす・・・って・・・あれ・・・?」

 

ドアをノックしたが、返事は無い。

 

だが人の気配はする。

 

教授は高齢の為、まさか倒れているんじゃないだろうな?と思って一刀がドアを開けた瞬間────

 

ブォン!という何かが一刀の右の頬を掠める。

 

瞬時にそれが相手のハイキックによる攻撃だと判断してバッと後ろに飛びすさり、距離を取ろうとするが

 

それより早く、相手が追撃の蹴りを放つ。

 

「くっ・・・!」

 

一刀はその蹴りもなんとか転がってかわすと、ようやく相手が見えた。

 

その相手はボロキレのようなフードを頭からかぶって、男か女かすら分からない。

 

相手の手には、古い鏡と古い剣が握られていた。

 

どちらも古代中国のもので、教授が保管していた筈だ。

 

まさか!と思って目の前に立つ人物の後ろに一瞬目をやり、教授の姿を探せば、相手の後ろに倒れている教授の

 

姿があった。

 

教授に注意を向けたその一瞬を相手は利用して踵を返す。

 

「ま・・・、待て!!」

 

追いかけようと思うが、それよりも教授の様子が気になって、教授に駆け寄る。

 

「大丈夫ですか!?」

 

倒れた教授に駆け寄って見れば、頭の白髪の一部が赤く染まり、殴られた事がわかる。

 

動かせば危険かもしれないと判断して、近くに寄るだけにした。

 

「う・・・鏡と剣を盗まれた・・・あれは大切なものだ・・・追いかけてくれ・・・」

 

頭を殴られた事でぼんやりするのか、教授がうわ言のように一刀に頼む。

 

「わかりました!教授は動かないでください!」

 

一刀は近くにあった黒い木刀を握り締めると、部屋を飛び出す。

 

と、飛び出した先に大学の事務の女の人の姿を見た。

「大変だ!教授が襲われて頭に怪我をしている!!それと古代の鏡と剣が盗まれた!大至急、

 

救急車と警察に連絡してください!・・・後、教授は頭を怪我しています!動かさないように!」

 

「は・・・はい!」

 

一刀の叫び声に女の人は慌てて携帯を取り出すと、救急車に連絡を呼ぶ。

 

「俺は犯人を追いますが、相手は剣も持っています!警備にも至急連絡お願いします!」

 

「え・・・ええ!?あ、ああ・・・は、はいぃぃ!!」

 

追加の一刀の叫び声で女の人はパニックになりかけるが、携帯の向こうからの声で慌てて対応する。

 

その様子を見た一刀は逃げた犯人を追いかけるべく駆け出す。

 

ドッドッドッドッと心臓が早鐘を打つが、その足はしっかりしたものだった。

 

「伊達に凪につきあって稽古してないぜぇ!」

 

台湾でもかなり大きな道場主の孫娘である凪と釣り合うように、一刀も大学に入ると同時に再び体を

 

鍛えだした。

 

鍛えた成果で『ますます格好良くなって、ライバルが増えて困る』と凪が一刀に他の人に見せるの禁止、

 

と言うほど体は随分逞しくなった。

 

やがて犯人の後姿を捉えた一刀は、ますますスピードを上げて追いつこうとする。

 

「待てっ!・・・つって、待つヤツいねーか!」

 

と言った途端、相手が足を止めた。

 

「うわっ!?きゅ、急に止まるなよ!」

 

後ろを向いたままの犯人と距離を取り、一刀は黒い木刀を構える。

 

「教授から盗んだものを返せ!」

 

一刀の威嚇に犯人は後ろを振り向き、右手を体の前に置いてすっと武術の構えを取る。

 

一刀はその右手を見て驚愕した。

 

 

 

 

その右手には、凪の家に先祖代々伝わる手甲の『閻王』が着けられていたからだった。

 

 

 

 

 

 

 

第二話です。一度書いただけあって、このあたりは割りと楽に書けます。

 

ちょこっと次回予告。

 

倒れた華琳は目を覚まさず、魏の国は混乱に陥る。

一刀と対峙した犯人はとてつもなく強かった。

閻王を持つ犯人に攻めあぐねる一刀が見た、さらに驚愕する事実は・・・。

 

では。また。

 

 

 


 
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