No.178228

シュチュエーションで遊んでみる。

デジモンとドラゴンドライブ。
・・・・・・・・・深い意味は無いけど、被るよね?という話

2010-10-14 20:30:11 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2327   閲覧ユーザー数:2242

 

 

 

「"ことばのわからないデジモン"?」

「はい。何件か報告されているんです。

承知してる通り、幼年期であってもデジモンは人との会話によるコミュニケーションが可能なんですよぅ。

でも今までの報告では比較的理解できるようなのですが、いかんや向こうが発することができないようであるとか」

 

「ふぅん・・・・・、新しい種なのか、それとも」

「可能性ってどんなのがあるのかしら?」

「古代種の方でもちゃんと普通に会話できましたしね」

「こちらの世界と共依存してるからこそだと思うけど。

てか古代種ったってこっちの世界と比べれば多分最近だろうし」

 

「オレ、なーんか気になるンだけど」

「何がですか?」

「いや、会話が出来ないって点で、色々・・・」

「え?」

「どういうことだい?」

「それがそのー」

 

「珍しいわね、太一が言葉を濁すなんて」

「え、いやそんなつもりじゃないんだけどさ」

「ないけど、なんスか?」

 

「あー。ちょっとこっちで調べていいか?」

「え?判っているなら、調べるのはボクが」

「あー、光子郎も付き合ってもらったほうがいいかな」

「なんとなく言い方が不安ですねー」

「まぁ大丈夫だよ。俺の高校のクラスメイト」

 

「・・・・・チビを調べる?」

「んー、一応言い方悪いけどDDのドラゴンたちもデータだろ?」

「え?まぁ、一応な・・・

・・・・・・・・あっちだと、でも"ほんもの"なんだろうけど・・・・・・」

「ん?」

「んにゃ。で、ドラゴンのデータをとりたいってこと?」

「うん」

「でもチビってかなりとくれーだぜ?

資料がいいなら、どっちかってーと氷室のカノーブスとかのがいいと思うんだけど」

「それは是非、両方調べたいところですね」

「え?えーっと、その、八神ィ~?」

「あー、・・・・・・・・光子郎直でつれてきたのは失敗だったな。

目が完全にモードチェンジしてるよこいつ」

 

 

 

「間違いありませんね。"彼ら"はDDのドラゴンです」

「DDって?」

「あ、オレ知ってますよ、ヴァーチャルゲームっしょ?」

「ゲーム?」

「"データ"が、どっからか混じったってことですかぁ?」

「どうも、そうらしいんです」

 

 

 

・・・・・・・

なんとなく。裏球がらみとか。

てか誰が覚えている、ドラゴン・ドライブ

 

2P目、某所で書いたのの再編集版前半。

 

 

 

 

 

 

一見やっていること事態が不安になる、そんな駄菓子屋だった。

 

「え?これ」

 

 思わずそういってしまった太一の気持ちも、どうやらわからないではないらしい。

 

「そ。ここ」

 

 あえてそっけなく肯定し、レイジが先へと促す。

 元気が有り余っているタイプの彼ならば自然な光景であるのだが、無愛想・無表情の氷室がそれに続くのにはこの場所は少々ノスタルジックすぎるでもないのだが。

 もっともそれをクチにする程太一もヤマトも、そして光子郎も彼らのコトを詳しくは知らないのだが。

 

「いくか」

「おぅ」

「はい」

 

 果たして。奇妙な連合軍は始動した。

 

 

 

 

 

 W/D/X  デジアドとドラゴンドライブというカオス

 

 

 

 1/

 

 ことの始まりはデジタルワールドに「言葉の通じないデジモン」が現れたことにある。

 何度か報告に上げられたそれについて、担当が何故か光子郎だったこともあり、いわゆる「ハチイチ+」メンバーに招集が掛かったのだ。

 果たして、普通じゃ耳を疑うような情報が、夜の公園で交わされる。

 

「データエラーというより、もともとそういう存在だという方が確かだということです。

 実際デジモンではない、というのがゲンナイさんの意見で」

「デジタルワールドにいて、デジモンじゃないってじゃぁなんなんスかぁ?」

 

 参謀の解説に、特攻隊長が首を傾ぐ。

 配られたデータを眺めながら、眉をしかめる人もいる。

 

「データ観る限り、サイズは殆ど完全体クラスだな」

「それにしても、コミュニケーションは取れるのですか?」

 

 言葉がないとなると、力持つ存在である。

 当然の心配だったが、参謀と共に事前調査に出ていた最年長が穏やかに告げる。

 

「その辺り・・・・・・うん。こんな表現を正しいといっていいのかわからないけれど、どうも大丈夫っぽいんだ」

「?歯切れが悪い言い方ですね」

 

 逆に最年少が困ったようにそんな口ぶりに目をしばたく。

 

「現在保護しているのが5体。会話はできませんが、人間の言葉には比較的従順です」

「んー」

「どうしたのよ、太一」

 

 さらさらと告げる彼の相手、リーダー格がどうもさっきから首をかしげる。いやぁ、なんとなくさぁ。

 

「なーんつーかひっかかるー、っていうか」

「は?」

「あー。似たようなのを聞いたことがあるよなぁって」

「え?」

「どこにだい?」

 

 果たして、答えはあっさりと。

 

「うちのがっこ」

 

 

 

   2/

 

 他者から指摘されて、初めて気がつくことは珍しくない。

 いわゆるこの場合も「トコロ変われば」ってのになるのだろう。

 

「DD中にドラゴンが行方不明になったとかンな話、あったっけ?」

「ダイブしたがパートナードラゴンが来なかったというエラーが数件報告されているな。

原因は不明。今のところ新規のドラゴンを登録している人間はいない。

ミーティングであっただろう……寝ていたか」

「うぐっ」

 

 大人数では不味いだろうと、事情を聞きに向かった太一とヤマト、それから解説担当のような光子郎の3人相手に、自分の所属している立場をイマイチ理解していないレイジと真逆の顔をしながらも、用が終ればいなくなるのを把握している氷室の連携が話をスムーズに進ませる。

 因みに氷室がいたのは相当なレベルでの偶然だ。

 たまたま彼らが目的地にいくのに並んだところを、太一たちが補足したのである。

 氷室のコトは知らないデジ組だったが、レイジにしてみれば珍しい光景だ。耳を疑ったといってもいい。

聞くだけ聞いておいて、まともに返答されたという当たり前のコトに、戸惑わない筈もない。

だって相手は「氷室」なのだから。

しかもからかっているんだか単なる事実なんだか把握にとまどうような呟きまでおまけである。

 

「・・・・・・・・・・そなのか?」

「どうしてそれで中止になんねーんだよ、そっちは」

 

 逆にデジ組は別のところで驚いていた。

 ゲームに参加できないプレイヤーがいたとなれば、それは本末転倒である。

 だが問うのゲームの「テストプレイヤー」はひょいと肩をすくめてみせた。

 

「色んなエラーがあって当たり前だからな、あそこは。子ども遊ばせるためだけじゃねぇンだし」

「ん?」

 

 皮肉でもなんでもなく、ただ事実と滑り落ちた言葉が気にならないでもなかった。彼にしては珍しい口調も要因のひとつだ。だからこそ、さらりと話題が切り替わることに、逆に安心してしまう。

 

「それよか、その行方不明がそっち…えっと、デジタルワールドだっけ?にいっているって?」

「らしい。その連中のデータ。見覚えありそーなのいっか?」

 

 差し出された紙の束は一応レイジが受け取ったが、直に傍らに。

 

「わかるか?氷室」

「あぁ。間違いないな」

 

 短い会話が交わされる。てか会話?

 

「だってよ」

 

 ・・・・・・・まるで自分のコトのように笑顔で言いますね?

 

「てかお前テストドライバーだろ。なんでそんな丸投げなんだよ」

「氷室もだぜ?悪かったな。で、どーすりゃいいんだ」

 

 悪びれていない顔で言ったものだが、本人は暢気なものだ。光子郎が少し思案しながらも、うんと頷く。

 

「座標がわかったようなものですから、多分送り返せるとは思います。ただし」

 

 途切れた言葉は氷室が継いだ。

 彼とてDDの最強といわれる男だ。

 偶然聞き及んだ展開とはいえ、自分のフィールドが荒らされるのは不本意なのだろう。

 

「修復作業をしないと、同じ手間の繰り返しか。しかもそちらの情報は一切流さず、あくまで穏便に」

「察しがよくてありがとうございます、氷室さん」

 

 頭を下げる光子郎に、氷室でいいとレイジからすれば破格ともいえる言葉が返る。

 もうさっきからレイジは驚きの連続だ。

 熱でも出しましたか?といいたいくらい。

 だがそれより失礼なことをかます約2名。

 

「つーか最初から氷室と話をするべきだったんじゃねぇか?」

「偶然に感謝するしかないよな」

 

 ・・・・・・・・・じと目でみられて、レイジはちょっと泣きたくなった。

 しかも一人は学校での友人だが、もう一人は全くと言っていいほど知らない奴からの目線なのだから居心地の悪さは最悪だ。

 あーもう。

「悪かったな!役立たずでっ」

 

 

 

 3/

 

「レイジ。その人たちって?」

 

 会場には例によって見知った連中がたむろっていた。

 幼馴染の少女の声に、レイジは彼らに道を明け渡すように少し身を引く。

 

「ん。がっこのダチ。DDに興味があるって言うからさ」

 

 たまたま近くにいた羽柴や萩原の目も好奇心に光っている。

 特に彼らが突然編入した高校の特殊性を聞いているだけに、では彼らはどう「特別」なのかと。

 特に雪野に至っては女子としての目の輝きが抑えきれていない。

 もっともそんな好機の目にはいやというほど慣れている面々。気にもせず、初対面の挨拶を交わす。

 

「あ、ハジメマシテ」

「こちらこそっ!えっとヤマトさんですよね、バンドの」

 

 いきなり絶叫並みに声を上げた彼女に男性陣が揃ってぎょっ、となる。

 もともと彼らの仲間内には珍しくない光景なのでそっちは反応はないが。

 

「あぁ」

 

 果たして少女の感情の矛先は、ぐるり、と大きく幼馴染へと反転した。

 

「うわぁああれいじぃいいあんたなんでこんな人とぉおおおっ」

「ちょっ?!しらねーよ?!むしろ逢ったどころか名前すらさっき知っ」

「ほぉおおお?!」

 

 胸倉をつかまれて、真っ当に名乗りあってもいないような状況であるというのに、不本意この上ない扱いは、さすがのレイジにも切ないものを抱かせたが、その不条理を聞いてくれるような相手はここにいなかった。

 

 

 

 4/

 

「え?初心者と戦るの?」

 

 いかにも「おねーさまぜん」とした女性に、レイジがどこか幼いしぐさで頭を下げる。

 

「頼むよ、Lさん」

「ほかならぬレイジ君の頼みだけれど」

 

 彼女は彼の強さを知っている。DDに興味を持ってくれたプレイヤーが増えるのはうれしいが、最強とやりあってあっさりやられ、結局やらなくなってしまうというのは物悲しい。そんな風に考えてしまったのだが・・・・・・

 

「だいじょうぶ」

「え?」

 

 そんな彼女の不安を笑うように、レイジが地震を持って告げる。

 

「歴史に残せる勝負やれる自信があるぜ」

 

 初心者相手に確信するその言葉に彼が連れてきた「友人」だという「ふたり」をみる。

 彼らに似ているのにぜんぜん違う二人だった。

 ただ思うのは、DDのようなゲームよりも外で走り回っているほうがすきそう、という印象。

 そんな余計な思考に、ふいに水が挿す。

 

「L。俺も参加だ」

 

 ・・・・・・・・・・・それは、さすがに耳を疑う申し出。

 

「氷室くんもぉお?!」

 

 思わず声を上げてしまった彼女と、予定外の話だったか、レイジもまゆをひそめて声を上げる。

 

「なんでだよ」

「何故?戦ってみたいからに決まっているだろう。強いとわかっているならなおさらだ」

 

 帝王然とした物言いが実に彼らしい。

 そしてそんな彼を、レイジはよくよくわかっていた。だって一番の被害者だから。

 それにしても「強い」ってわかるのかとあきれたため息すら出てきた。

 レイジは彼らの事情を太一越しに聞いていたの「強い」ことを知っている。自分たちのような「ゲーム」という安全が保障されたソレよりも、ずっと実力を「得なければ」危険すぎる戦いを繰り返してきたのだ。

 

「あー、もぅお前そういうヒトだもんなー。わかってんのか?今回のは」

 

 後半は彼に身を寄せて、こそりと耳打つ。

 ふっ、と小さくその口元が歪むのを間近で見て、あぁこいつそうだバトルジャンキーだったと改めて確認する。

 

「お前よりは理解しているつもりだが、だからこそ、本気でなければ無意味だろう」

「この戦闘狂め」

 

 他に何を言えばいいのか。

 

 

 

「これつかうのか」

「あぁ」

「なんか違和感だなぁ」

 

 大きな「未来系の漫画とか映画に出てきそうなチェアーポッド」を見ての感想は、まぁ無理もないというべきか。

 

「お前らみたいに生身を電子信号化するとかいう技術が一般化しててたまるか。基本"ゲーム"なんだからな」

「判ってるよ」

 

 レイジの言い分に、自分たちの異常さを自覚してないでもない太一は言葉を肯定し、ヤマトと短いアイコンタクトをしたあとで未知のフィールドへと踏み出した。

 

 

 

4/

 

 さて。認知されていなくても、本来の目的から外れたという意味で侵入者は3人だ。

 うち一人はそ知らぬ顔で、レイジが書こうとして挫折し、結局氷室が書いた地図を手に本来関係者と認可者以外は立ち入り禁止のトレーニングルームに来ていた。そこから持参のとんでもスペックPCをつなぎ、彼は軽口をたたきながらもしんと静まり返ったそこで色々と下準備をしていた。

 

「プレイヤーの情報から見合った"ドラゴン"を選別し、ある意味で強制的に契約。面白いコンセプトですね。果たしてぼくらが純粋に参加すればどうなるのか。やる気もないのに好奇心ていうのは困った思考です」

 

 いまさら新しいパートナーなど得たところで、自分たちは困ってしまうだろう。大体、自分たちがやっていたのは「ゲーム」ではないのだ。もちろん彼らのDDというそれを否定するつもりはないのだが・・・・・・

 

「さて。ハッキング完了。二人のデータベース照合の前に介入して、彼らを呼んで」

 

 国レベルですら言葉を失うほどのセキュリティをあっさりと破り、歌でも歌うように本来なら不可能に違いないだろう予定を口にする。 もっとも彼にしてみれば外部を覆う鎧があつければ厚いほど、内部はもろく、容易に漬け込める。

 ただ複雑で大掛かりなつくりは見ればわかるのであり、そこに抱く違和感がどうしようもない。

 

「それにしても、明らかにゲームのためだけの施設じゃありませんね、ここは。システムからすればとんでもないコストが掛かっています。大々的に宣伝しているわけでないのも気になりますし・・・・・・いえ。悪い癖ですね、今は」

 

 気持ちを切り替える。今ここにいるのは、奇妙な意図の見えない組織を掘り下げることではない。

 

「境界を引くこと。それが僕らの仕事です」

 

 たん、と軽い音を立てて、キーが鳴った。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

後半はまた後日

さぁ、バトルだ。

 

 


 
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