昔は…
"男なんてただのへたレタ生き物"
こう思っていた。だけど今は…
"この世から一番消えてほしい生き物"
こう思っている。
あたしは、男が嫌い。…なぜかって?
男を嫌いな理由なんてない。嫌いだから嫌い。ただそれだけ。
でも…たった一人だけ嫌いでもなければ好きでもない男がいる。それは、
幼馴染の優夜(ゆうや)。
これもべつに特別な理由なんてない。でも、時々うざい時もある。
――――――……………。
ピンポーン―――……
朝7:30。
家のインターホンが鳴る。あたしは、リビングにいた。
あたしはスクール鞄を肩に掛けて玄関のドアを開けた。
「よぉ!」
優夜が鞄をリュックサックみたいな背負い方して右手を軽く挙げて待っていた。
優夜はこうして毎朝あたしの家に迎えに来てくれる。
って言っても家はすぐ隣なんだけどね。
「おはよ」
あたしは、優夜にそう告げて家を出た。
いつも学校に着くまでの間、他愛もない話をしながら学校に向かう。
「そういえば、文化祭まで後一週間切ったな」
優夜が言った。
あたしたちの高校は一週間後に文化祭を控えている。もちろんあたしは生徒会長だから挨拶をしなきゃいけない。
「お前のクラスって文化祭、何やんの?」
突然、優夜が聞いてきた。………あたし的には絶対にやりたくないんだけど…
ってか、あたし達が文化祭でやることは高校生がやるような事じゃない…。
「聞いてるか?」
「えっ…あっ……ごめん。聞いてるよ」
…言わなくても、いずれは文化祭でバレるし…言ってもいいか…
「っで?お前らのクラスは何やんだ?」
「キ…キャッ……キャバクラ…」
「キャバクラ?」
「うん…」
「恋歌(れんか)が…キャバクラ…」
「……」
「ぷっ……あっはっはっはっはっは!!!恋歌が…キ…キャバクラ…っはっはっはっは!!!」
優夜は、両手で自分の腹を抱えながらその場に座り込んで大声で笑い出した。
「お前が…キャバクラ……あっはっはっは…ゲホッ、ゲホッ…」
おい!むせるまで笑うなよ!っつーか、何がそんなにうけるんだよ。
いい加減、うぜーよ!!!
あたしは優夜を放って、先に歩き始めた。………少しして後ろの方で優夜が
"待ってくれよ~"って声が聞こえたけど無視して一人で学校に向かった。
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男子が嫌いな高校2年生の女の子の甘い恋愛ストーリー。