No.177928

デートのサイクル

tanakaさん

やってきました再びの黒子ネタ。
だいぶ上条さんに好意を寄せていますが、やはり上条さんは気が付いていません。

黒子ぉぉぉぉぉぉぉっ!

2010-10-13 00:32:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2032   閲覧ユーザー数:1847

「上条さん。わたくしとデートをしていただけませんか?」

「…………は?」

「ですから、わたくしとデートをしていただきたいんですの。もしかして日本語が理解出来ない

ほどに頭が悪いのでしょうか?」

「頭が悪いのは否定しないが、そこまで酷くねぇよ!」

「でしたら、デートしていただけますのね?」

「いや、だから何でデートを……」

「ごちゃごちゃ言わずにデートをすればいいんですの! 童貞男は大人しくわたくしとデートをす

ればいいんですの!」

「おまっ……それは、さすがの上条さんも傷つくぞ」

「あなたが悪いんですの」

 そう。全てはあなたが悪いんですの。

 黒子にこんな感情を抱かせているあなたが――

 

 

「……」

「…………」

「……」

「………………」

「何か喋ってくださいませんか? せっかくのデートだというのに、黙っていては面白くありませんの」

 デートで女性をリードするのは、殿方の役目でしょうに。

「あ~いや、すまん。悲しい事に上条さんにはデートの経験なんかないわけでして、どうすればいいか

全然分からないわけですよ」

「へぇ~経験が無い……ですか」

「止めて! そんな目で俺を見ないで! モテない自分が悲しくなる!」

 ほんと、この人はよくもそんな事が言えますわね。

 常に誰かしら女性が側に居るというのに……

「あ、あれ? 白井さん? どうして怒っているような表情をしているんでせうか?」

「何でもありませんの。それよりも今日は何処に連れて行ってくれるんですの?」

「し、白井じゃくて俺が決めるのかよ!」

「当たり前ですの。こういうのは殿方が決めるものと決まってますの」

 わたくしが決めたコースをデートするのも悪くはないのですが――

「う……っ。たいしたプランを決める事は出来ないぞ」

「それでもいいんですの」

 あなたが考えたコースを歩みたい。

 そんな乙女心を理解して欲しいですわね。

「はぁ……分かったよ。俺が決めればいいんだな」

「ええ。お願いしますわね♪」

 素敵なデートを期待してますの。

 

 

 ――とまぁ、期待をしていたわけですが……

 やはりと言いますか不幸だと言いますか、デートはメチャクチャなものになりまして、

「す、すまん。白井」

「別に謝らなくてもいいんですの」

 確かにデートは酷いものでした。ですが、そんな事は初めから予想出来てましたし、何より

わたくしとしては、あなたと一緒に過ごす事が出来ただけで、

 それだけでよかったんですから。

 ですから謝らなくてもいいんですの。ですが――

「どうせ初めから期待なんてしてませんでしたから」

「……申し訳ない」

 ここは、あえて憎まれ口を叩かせていただきますわ。

 そして――

「これはもう一度、日を改めてリベンジをしてもらうしかありませんわね」

 次のデートの約束をとらせていただきますの。

「男として、この誘いを断ったりはしませんわよね?」

「あ、ああ。受けてやろうじゃないか」

「ふふ……♪ 楽しみにしておきますの」

「ああ。上条さんの本気を見せてやる」

 

 これでまた、あなたと同じ時間を過ごす事が出来ますわね。

 実に完璧な展開ですの。

 


 
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