No.177710

新・外史伝『希望』編第七話『御遣いと白竜と…』

皆さま、本当にお久しぶりです。覚えてらっしゃりますでしょうか?たっちゃんです!新作を書く時間ができたので一気に書き上げました。短いですが、楽しんでいただけたら幸いです。最後になりましたが、遅くなって本当に申し訳ありませんでした_(._.)_

2010-10-11 23:30:44 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3413   閲覧ユーザー数:2844

新・外史伝『希望』編 

 

 

 

 

 

 

 

第七話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『御遣いと白竜と…』

 

 

 

「行くぞ!左慈、干吉!」

 

「御意」「おう!」

 

 

村人たちが逃げる時間を稼ぐために、一刀は左慈と干吉と共に盗賊と戦っていた。

 

 

 

「セイ!」

 

バキィ!!

 

「はぁっ!!」

 

バキィイン!!

 

「そこだ!!」

 

一刀が剣で敵の武器を破壊して

 

「左慈!そっち行ったぞ!」

 

 

 

「おう!」

 

ドガン!

 

賊「ぐはぁ!!」

 

左慈が敵を吹き飛ばした

 

「干吉!やれぇ!」

 

 

 

「えぇ…。破っ!!」

 

どがぁん!!

 

干吉が術札で攻撃する

 

 

 

 

「ぐぅあああ!!!」

 

「ぐふぅうううう!!!」

 

「おかぁ~ちゃ~ん!!」

 

次々に気絶させられ、吹き飛ばされていく盗賊たち

 

しかし…

 

盗賊親玉「えぇい!!何をしてやがる!

 

テメェら!!まとめてかかりやがれぇ!!!」

 

「「「へい!!」」」

 

吹き飛ばされたものの倍の数が一気に押し寄せてきた

 

「えぇい!次から次へと…!」

 

一刀は苦い顔をしながら剣を振るう

 

左「俺達にとっては、敵の数など問題ではないが…」

 

干「えぇ…。“今の”北郷殿では…これ以上は難しいかもしれません」

 

二人は一刀をかばうように前に出て戦った

 

しかし、殺さずに武器だけを破壊する今のやり方では、(一刀のみだが)ジリ貧になってしまう。

 

自分が殺されないことが分かると、調子に乗りだす盗賊たちは、次から次へと三人に襲い掛かる

 

「ビビラせやがって!」

 

「奴らは俺らを殺せねぇ!一気にたたんでやれ!」

 

「「「「うぉおおおおおおお!!!!」」」」

 

その様、まさに野獣の如く

 

 

「調子に乗りやがって…!

 

北郷…!こうなれば…」

 

左慈の言葉に一刀は苦い顔をした

 

「あぁ。しかたない。

 

あまり無駄な殺生はしたくはなかったが…

 

二人とも…!」

 

一刀が二人に殲滅を命じようとしたそのときだった

 

 

 

「まてぇい!!」

 

どこからとも無く声が響く

 

 

 

「誰だ!」

 

「女の声だぞ!!」

 

盗賊たちは声のしたほうを見る

 

そこには白い着物のような服をきた一人の少女が屋根の上に立っていた

 

彼女は朱色の槍を構え、飛び降りた

 

盗賊親玉「生意気な!こいつらをたたんだ後に、楽しませてもらうぜ!」

 

「趙子竜!まいる!

 

はぁああ!!!」

 

彼女は雄たけびを上げながら次から次へと盗賊たちを葬っていく

 

「あれは…趙雲!?」

 

左慈は彼女を見ると、そう呟いた

 

「趙雲!?あの娘が?」

 

左慈はコクリと頷いた

 

「左慈。北郷殿。ここは彼女に続きましょう。

 

奴らをつぶすなら今でしょう。」

 

干吉は術札を懐から取り出しながら呟いた。

 

「あぁ…。これなら被害は最小限にとどめられる。

 

趙雲さん!すまないが、君の力を貸してくれ!!」

 

 

「!?」

 

趙雲は思わずその手を止め、少年を見る

 

「(あの方は…私の名を知っている!?

 

なぜだ?初めて会ったのに…

 

それに…なんだ、この心が休まる暖かな気持ちは?

 

戦闘中なのに…私は、いったい…?)

 

い、いや!それよりも今は目の前の敵だ…

 

 

あぁ!そこの御仁方!及ばずながら助太刀いたす!」

 

 

趙雲は一刀たちと合流すると、敵を協力してなぎ倒していった。

 

そして…

 

三十分もしないうちに敵は敗走した

 

死者の数は最小限にとどめ、一刀たちは村を守ることができたのだった

 

 

その夜

 

村人たちは彼らに感謝し、村の酒屋でささやかな宴を催していた。

 

趙雲は酒を飲みながら終始ご機嫌であったが、ふとあの少年が消えていることに気が付いた

 

そのころ一刀は左慈たちを村の周囲の警戒に当たらせて、自身は酒屋の前に設置されていたテーブルで剣の手入れをしていた。

 

「剣士殿。」

 

一刀は声をかけられて彼女を見上げる

 

「やぁ、趙雲。

 

今日はありがとう。」

 

微笑を浮かべて彼女に礼を述べる

 

「ふむ…。私としては、あなた方に助太刀は必要ないと思ったのですが…

 

貴方は…従者殿たちのような力は無いようですな?」

 

趙雲は一刀の隣の椅子に腰掛けた

 

「あぁ…。まぁ、少し剣に覚えがあるぐらい、かなぁ?

 

しかし、君は強いなぁ?正直、びっくりしたよ。」

 

一刀は趙雲に手酌をしてやりながら言う。

 

「いやいや…。私などまだまだですよ。

 

しかし、剣士殿は…「北郷だよ。」はい?」

 

 

「俺の名前。北郷一刀ってんだ。」

 

「そうですか…。では、一刀殿?」

 

「なんだい?」

 

「その…何故、貴方は私の名を知っていたのですか?」

 

一刀はしまったという顔をする

 

しかし、正史と外史なんて話をしてもすぐには信じてもらえないだろう。

 

「え、えぇ~っと…その~…

 

あ、あははは・・・・・・」

 

趙雲は目を細めて言う

 

「つまり、答えられないと…

 

天の見使い様?」

 

「!?!?

 

な、なんで、わかった?」

 

彼女と自分は初体面なのに何故こうも簡単に見破られたのだろう?

 

「あなたの格好ですよ。

 

その姿、噂となっている天の御使いと一致する。

 

それに、見たことも無い剣の型を使っていた。

 

これでも、諸国を旅する身…噂話は直ぐに入ります。」

 

なんでもないことだっといった風に彼女は言った

 

「な、なるほど…。」

 

一刀はそれだけで自分の正体に気が付いた趙雲に驚きを隠せなかった。

 

「ふふふふ…いい顔ですね。一刀殿?」

 

「へ?」

 

彼女は妖艶に微笑む

 

「うふふふ。貴方にしばらくお付き合いさせていただきますよ。

 

貴方といると退屈せずにすみそうですからな。

 

(さぁ…この気持ちがアレなのかどうか・・・教えて下され、御使い様?)」

 

そんな彼女に思わず見とれてしまう一刀であった。

 

 

 

つづく


 
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