「暇だー……」
執務室でそうぼやくのは、今や三国の主でもある北郷一刀である。通称天の御使い。
「ご主人様ー、そんなに暇ならなにか暇つぶしでもする?」
「たんぽぽ……ナイスアイディアだ」
「?」
「いい考えだ、ってことだよ」
くしゃくしゃ、と隣に座る馬岱―蒲公英の頭を撫でる。
傍から見ると乱暴に撫でている風にしか見えないが、蒲公英の幸せそうな表情を見る限りでは少なくとも嫌がっている事はあるまい。
「そうだなぁ……全員で鬼ごっこでもしてみるか」
「鬼ごっこ?」
「ああ、あれは日本が発祥だから知らないのも無理ないか……」
ルールを簡単に説明する一刀。
大まかに、
・鬼が追いかける
・子が逃げる
と説明しただけだったが……。
「わぁ!面白そう♪景品も付けたら皆もやる気出すとおもうよ?」
「そうだなぁ。まぁ景品はおいおい考えるとして、細かなルール……決まり事を決めようか」
「さんせーい♪」
一刀と蒲公英が二人で仲良くルール決めしている最中。
扉の外では、孫呉の末姫である孫尚香―小蓮が耳を澄ましていた。
そして『鬼ごっこ』なる行事をする事を耳にし―――
「にゅふふ……聞ーいちゃったー聞ーいちゃったー♪早速皆にも教えてあげないとね♪」
口許に手のひらを当てて笑い声を抑えながら、皆に知らせるため駆けるのであった。
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とあるラウンジで『逃走中』の文字を見て、ビビビっと電波を受信。書くしかあるまい、と筆に手を伸ばした所存。
書きだしという事で短いのはご愛嬌。