「どうした?コウタ」
「うん。」
答えとは言いがたい返答が、エクスカイザーに届いた。
例え太陽の熱とはいえこの距離であればシャットアウトできるが、もしかしたら強すぎる光が目を焼いたのか。
不安に問いかけると、ほんの小さな身体の少年は、むしろ少しでも近づけるようにと暴風ガラスへとその身体を押し付けた。
はらはらと、そこもまた彼が座っていたシート同様、「涙」に濡れる。
「どうして」
「・・・・・」
「どうして、ダイノガイストは奪うとか、奪われるとか、渡さないとかしか考えられなかったんだろう?」
「コウタ」
そういう風に生まれた存在だと、そんな事実は気休めともいえない。
それに彼の言葉は、エクスカイザーに向けられているものではないのだ。
それが分かっているから、彼は、この優しい友人の名を呼ぶことしか出来なかった。
「ねぇ、エクスカイザー」
「なんだい?」
「僕は、君と友達になれたこと、すごくうれしいと想うよ」
「あぁ。わたしもだ」
「あのね」
「うん?」
「エクスカイザーはみんなの命全部が宝だって言ってくれたけど。
僕は人間で、エクスカイザーみたいな時間は過ごしてないからかな。
命は大事って想っているのは本当だけどね。
宝物な程の命は、僕の家族や、友達や・・・カイザーズのみんなだから、ね」
「コウタ?」
「怖かったんだ。
僕を護ろうとしてくれたとしても、僕の宝物が、ダイノガイストに盗られるかもって
ゴッドマックスやウルトラレイカーみたいに取り戻せるようなとられかたじゃなくて・・・ッ
全然、手の届かないところにもってかれちゃ・・ッ・・」
さっきまでは、ダイノガイストのための涙だった。
だから、かける言葉はなかった。
だが、今流れているのは、エクスカイザーへの涙。
だが今持つどの機能を駆使しても、彼にはその涙を拭ってやる力はない。
強くて優しい地球の、エクスカイザーの大切な宝物中でも、一等大切な彼が泣き止んでくれるまで、沈黙するしかなくて。
戻ろう。みんなのところへ。
震えていない声を、自分は再び泣かせてしまうだろうか?
だが、自分の宝物を次なる敵から護るため。
別れを告げる時は、もうそこまで。
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共有することで命ははじめて宝物になる。
・・・・・・・・・・って書きたかったんだけど
「共有」って言葉をコウタ(こども)に使っていいものやら・・・
いや、けっこう本編中難しい言葉使いまくってた気がするけどな、
12000歳(実年齢20歳
ホントに最終回みてないとわかんねぇな、この話(笑えない
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勇者シリーズ第1作:勇者エクスカイザー最終回からー
ダイノガイストの最後を見届けた直後くらいの仕様で
なんも考えてません。
いきなり。過去にブログで上げたもんだけど、まぁ。
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