炊事、掃除、洗濯。
それらの家事は出来て当たり前。
お姉ちゃんをお嫁さんにしようと考えているなら、これは必須スキルである。
そんな訳で今から洗濯をしようと思っているわけですが……
決して、洗濯前のお姉ちゃんの下着の匂いを嗅ぎたいからではない。
そう。断じてそんな事は無い。
「あぁ……お姉ちゃんのパンツは何処かな?」
期待に胸を膨らませながら、洗濯籠を漁る。
「えっと、これじゃない。これでも……ない」
おかしい。洗濯ものは全部確かめたはずだけど、肝心のお姉ちゃんのパンツが無い。
何故? 何でお姉ちゃんのパンツが無いの?
もしかして、誰かに盗まれたっていうの!?
そんな!? 一体、何処の変態が盗んだっていうのよ!
「何……してるのよ?」
「あ。お、お姉ちゃん! ちょっと聞いてよ。お姉ちゃんのパンツが誰かに盗まれたみたいなんだよ!」
「……は?」
「ほんと、何処のバカが盗んだっていうのよ! 見つけたら死刑よね。うん、死刑」
私の了解なく、お姉ちゃんのパンツを盗むなんて重罪だよ。
「彩……」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。私が絶対、犯人を見つけるから!」
そして、犯人が持ち去ったパンツを私が大事に保管しないといけない。
だから使用される前になんとしてでも捕まえないと。
「彩。あんた勘違いしてるわよ」
「え……?」
「元からその籠に、私の下着は入っていない……」
「な、なん……だと?」
そんなはずは無い。いや、そんな事あってはいけない。
「あんたに漁られるのが嫌だから、別にしてる……」
「えっ!? な、何で?」
「だから、あんたに下着を漁られたくないからよ」
「そ、そんなぁ……」
なんということだろうか。私の唯一の楽しみが。
世界で一番重要な時間が、無くなってしまっただと!?
どうしてこんな事になったの?
「これだから、変態は困る……」
ち、違うんだよ、お姉ちゃん。私は変態じゃないんだよ。
ただの愛情表現なんだよ。
そこを勘違いしないでよ。
「キモイ……」
「はうわっ!?」
なんて冷たい視線なんだろう。
そんな目で見られたら興奮するじゃないか。
だから――
もっと、そんな目で私を見つめて下さい。
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何故だろう? どんどん彩が変態になっていくのは……
決して、作者が変態なのではないのです。
ええ、決して……