No.175610

シュチュエーションで遊んでみる

GS×デモベ+α。某所既出:珍しく鬱いので注意
(特にデモベがバッドエンドルートからという)
時々クトゥルー系にスイッチはいります。あ、デジなのではやらんよ!さすがに!公式ではやったけどさ!(02:13話)

jubeat kintにハマったりして、生まれて初めて課金なんてもんに手を出したりしながら、なんでこんな鬱い話を書いてるんだろう俺は。アレか、向日葵から上にいけないからか。技能的に。こんちきしょう。

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2010-09-30 20:41:48 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3076   閲覧ユーザー数:2932

 

 

それは壊れた欠片が彷徨い降りた世界。

ちいさな物語(おとぎばなし)の一遍と、それに巻き込まれた少年の覚悟。

 

 

 

 

「本を探しています」

「しらねぇ、しらねぇよぉおおっ」

「そうですか」

 

あからさまな恐怖を湛えた拒否に不快な顔も見せず、同時に理解すら示さず、男は手の中にあった銃のまさに先端を拒否して見せた相手に向かって突きつけた。

それはあまりの自然の仕草の中であったが勿論受け入れがたい行為でもある。

殺意を感じさせないのに、目的は明らかに殺すことなのだ。

 

「ひぃいいいっ、しらねぇしらねぇよぉおおしらねぇからころさないでくれぇえ」

「知らないんでしょう?」

 

ならば何故生きているんだと言いたげなほど自然に、男は引き金を引き……

 

「おいおい。話が見えねぇぞこんちきしょう」

 

それを止められた。

男は新たな獲物/問うべき相手をみつけ、ほかに言葉を持たぬように同じ問いを繰り返した。

 

「本を知りませんか?」

「あ?ウチにあるんはエロいのと開いちゃおらんが高校の教科書くらいだぞ」

「そうですか、わかりました」

 

期待満たさぬ返答に失望した様子もなく、男は再び銃を構えた。

折角の救い主もまた殺されるのかと逃げることすら出来ず腰を抜かした唯一の生存者が絶望する中、彼は苦りきった顔で「なんで銃やねん」と不愉快を投げた。

 

 

「だってーーーーーーを知らないって言うから」

「理屈になっとらんぞ。一緒に探してやるから、とりあえず」

 

彼はそういって、なにやら手品のように手元から小さなビー玉のようなものを取り出した。

取り出して、男の額に文字通りぶち当てる。

 

「ごっ?!」

 

冷静なものが見れば、その瞬時に「消えた」ビー玉が<正>の文字を湛えていたことに気づいただろう。

 

「とりあえず、真っ当な話をしろ、この殺人鬼」

 

そして。

気を失った男に彼は吐き捨てるように呟いた。

 

 

 

 

たくましい体躯と比較的整っている顔立ち。

普段の彼ならば呪いの一つもかけていておかしくない、やせこけて表情も失われているほど狂気を見せていたくせに妙にもてる気がするオーラの持ち主は、今文字通り彼の足元で死んだように眠っている。

ソレを見下しながら、彼はため息をついた。

この男と彼以外、視界に入る範囲に既に生きている人間はいない。

先ほど助けた人物の姿はもうない。

 

逃げられただけ、その存在は幸運だったのだろうか?

今後ことあるごとに無感情な殺意に晒される恐怖に晒されながら?

不条理な恐怖に怯えながら?

 

・・・・・自分の出す答えではないなと彼は頭を切り替える。

大体男の心配などなぜ自分がしなければならないのだ。

 

何故というならこの男もだ。

正気に戻れという念をこめた文珠相手に、正気には戻らず眠ってしまったということは、正気が「ない」ということなのだろうか。

実際周囲の被害を見て、この男の正気を信じるものなどいないのかもしれないが……

 

「っかし、本なぁ」

 

むせ返りそうな澱んだ空気の中、彼は男の言葉に首をひねった。

 

人を殺せるほど大切な本。

 

ふと思い出したのは、まだまだまだまだ見習いどころか丁稚とも言いがたかった頃の自分が遭遇した事件だ。

「自作の本」が原因で、成仏してなかった悪霊がいた。

その類か。

確かにああいうのが盗まれたとか死ねるだろうし、正気を失うことも可能かもしれない。見られたかもしれない相手を手にかけるくらいには。

 

だが本というには、自分の知っている目に、男の目は良く似ていた。

だから彼は半ば一方的に約束してしまったのだ。

自分が、野郎相手に。

 

「起きたら多少、真っ当な話が出来ますように」

 

生きている男相手に合掌し、自分よりもがっしりとしたその体躯をひょいと軽快に担いで、彼はその場を歩き出した。

本来なら往来での殺人犯。しかるべき機関に預けるべきであり、事実当初は彼もそのつもりだった。

だが、先も言ったように、彼は約束してしまった。

 

それから彼は消息を絶つ。

どれほどの人間に心配と迷惑を掛けるかわかっていたが、それは彼らを護る選択として。

仲間たちからすら身を潜め。彼は男が探す一冊の本を求め奔走する。

深淵を覗き込み、そして戻ってくるという途方も無い覚悟と共に。

 

 

「・・・・・・・俺の求める本の名は"キタブ・アル・アジフ"。

俺の伴侶にして連理の枝。片翼にして師たる、唯一の、存在」

「乗りかかった船だ。付き合ってやるさ。てか本に欲情するとかお前すごいな。

俺は横島 忠夫。ただの、一生見習いGSだ」

 

「あぁ、名乗ってなかったな、俺は大十字…

大十字九郎・・・・しがない、貧乏探偵でセイギノミカタモドキやってた、ただの人間だ」

 

 

 

「ところでお前の親なに考えてお前にンな未来の真っ暗な名前付けたんだよ」

「つっこむな、そこに」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 なんでこのルートやねん、とかアレの正気戻すとか

(色々てを加えた設定なんだけどそれでも)文珠どんだけーとか。

 あとこんなのも思いついてた(鬱展開回避+なのは)↓

 

 

 

 

 

 

「妾は探さねばならぬのだ。主にして伴侶。

半身にして唯一、片翼にして連理。妾の心をまるごと預かった、あの男を」

「つまりロリコンなんやな。ペド野郎だな。

OK判った。ンな犯罪者はこの俺が天罰下しちゃる。

まかせとけ、アルちゃん。この横島忠夫、君の味方だぜ」

 

彼とはぐれた彼女がであったのは、掌に奇跡を宿す少年。

 

 

「あいつは俺なんかよりもずっと強い。判ってるんだ。

それでも、アイツが持ってる俺のココロが言っている。

アイツが、ないているって」

「みつけるの!くろうおにいちゃん。わたしも手伝うからっ」

「でも、君は」

「私も魔導師の端くれなの!」

「ありがとう、なのはちゃん」

 

彼女とはぐれた彼がであったのは、なにより絆を愛するゆえに、星屑をなぎ払い、道を切り開く少女。

 

 

枝を手折ったのは無貌の神か

それとも彼ら自身の気づかなかった、なにかの予兆か……

 

「はははっ!キセキ、魔神殺しという業を背負った人間、

魔王とすら呼ばれることになる信念貫く人間!!

そして、神と相成った二身一柱の"人間"!!

このツボの外、僕のできることなんてほんの些細。

でも不思議だね、期待せざるを得ない!

僕には時間がある。たまにはシナリオを放り出し、ただただ世界の奏でる、どこまでも人であろうとする、人非ざる彼らの狂騒曲をこの高みから心逝くまで眺め楽しませてもらおうじゃないか!!」

 

 

 

 


 
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