No.174638

黙々・恋姫無双 拠点フェイス2 季衣黙

TAPEtさん

いきなり拠点フェイスです。

季衣…いや、許緒さんとの初見ですね。

ちゃんとした出会いでもありませんけど、

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2010-09-25 20:44:44 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4758   閲覧ユーザー数:3911

「華琳さま、偵察が戻ってきました」

 

「そう、報告なさい」

 

ここは華琳さんたちが進軍している最中の場所です。

 

華琳さんが治めている土地の境を越えたところで、何かの群れが見えたため偵察を放ったのですが、それが只今戻ってきたそうです。

 

「はっ!行軍中の前方集団は、数十人ほど。旗がないため所属は不明ですが、格好がまちまちな所から、どこかの屋盗か山賊だと思われます」

 

「様子を見るべきかしら」

 

慎重に考えられる華琳さん。

 

「もう一度偵察を出しましょう。夏侯惇、あなたが指揮を執って」

 

「おう」

 

ふーん、この場面でなんでしたっけ……あ、確かここで許緒さんに……

 

「…うん?」

 

「!」

 

スッ

 

「春蘭、どうかしたの?」

 

「あ、いえ、何でも……」

 

「そう。なら今すぐ行きなさい」

 

「はっ!」

 

 

・・・

 

 

「……ぅ」

 

いや、危なかったですね。バレてしまうところでしたよ。流石春蘭さん、鋭い。まさに獣の感ですね。

 

「……」

 

バレちゃったら怒られるでしょうかね。

 

【来ちゃダメって行ったのに来ちゃったから……】

 

めっちゃ怒られるでしょうねー

 

「…ぅぅ゛……」

 

だった来なけりゃいいのに…

 

【だって…もう一人で寝るのヤダもん……】

 

はぁ……我儘な子ですから。

 

それより、春蘭さんが動き始めましたよ。先ずはあっちにいってみましょう。

 

「…(こくっ)」

 

スッ

 

 

 

あ、こんな高い石山で見ると下に何がいるか全部見えますね。

 

「………(ブルブル)」

 

うん?一刀ちゃん、どうしました?

 

【…高いとこ、怖い】

 

何故来たし…

 

【……ねぇ、春蘭お姉ちゃんが行こうとするところって、あそこ?】

 

どうでしょうね……あれ?あれは……

 

 

 

「はあぁぁっ!!」

 

ドーン

 

人飛んだ!?

 

「!?」

 

 

 

ドーン

 

うわっ、こっち来る、一刀ちゃん危ないですよ!

 

スッ

 

ドン!

 

「うぅぅ……」

 

ああ、後ろのデカい岩にぶつかった。痛そう…というか死んでない?

 

 

 

「でえええええい!!」

 

「ぐおっ!」

 

「まだまだぁっ!てやああああああああっ!」

 

「がはっ!」

 

女の子一人を囲んで大勢の人たちが戦っていますね。

 

盗賊でしょうか。

 

「はぁ…はぁ…もう多すぎるんだよ」

 

今までよく戦いましたが、あの女の子ももう限界っぽいです。

 

春蘭さんが来るまではまだちょっと距離があるのですが……

 

「……!」

 

一刀ちゃん?

 

「っ」

 

一刀ちゃん、その棒で何しようとしてるんですか?

 

ギギーッ

 

棒を絶壁の端の岩の下に突っ込んで、ってちょっまっ!!

 

グ、ググゥーー

 

っておい、岩!いくら梃使うからって、子供の体重に動くんじゃねぇ!!

 

一刀ちゃん、やめてください。危ないですよ!

 

「っ!!」

 

ブチッ!

 

「!」

 

…グググ…

 

…ドドドドー

 

って岩!山から落ち始めました!

 

先にはあの女の子と山賊の群れ!

 

間もなくぶつかります!

 

なんてことをしたんですかぁ!

 

「……」

 

スッ

 

ってまたどこに…

 

 

ドドドドー

 

「夏侯惇将軍!アレを見てください!」

 

「あれは…!」

 

一つの岩で始まっていたものが、落ちながら周囲の石たちまで巻き込み、それは大きな山崩れになっていました。

 

「危険だ!総員、後退しろ!」

 

「ははっ!」

 

一度部隊を引かせる春蘭さん。

 

じゃあ、許緒さんは……

 

 

 

 

ドドドドー

 

「おい!アレ見ろ!」

 

「なっ!こんな時にぃ!」

 

「逃げろ!潰れ死ぬぞぉ!」

 

 

 

「あ!」

 

状況を理解した許緒さん。けど、疲れたせいか途中で足に引っかかって転んでしまいます。

 

「あっ!」

 

岩は転んできてます、このままでは間に合え……

 

スッ

 

「あ、え?」

 

「……」

 

「っ、誰?」

 

強い日の下なせいか、一刀ちゃんの服が光っていて、許緒さんは一刀ちゃんの姿をちゃんと見ることができませんでした。

 

転んだ許緒さんの手を掴んだ一刀ちゃんは…

 

「……っ」

 

スッ

 

グググー!!

 

岩が通った後、その場は砂塵で何も見えませんでした。

 

 

スッ

 

「……」

 

「え?あ、あれ?何、ここは…」

 

一刀ちゃんと許緒さんがまた現れた場所は、山崩れが及ばなかった、少し離れた場所でした。

 

「……」

 

「な、何か良く解らないけど、お前が助けてくれたの?」

 

「……(フルフル)」

 

まぁ、そこで頷いたらアレです。自分で事件起こして自分で解決するという……マッドサイアンティストとかがたまにやる悪事の一つになります。

 

「え?どういうこと?」

 

「……」

 

一刀ちゃん、後ろから春蘭さんが来ていますよ?

 

山崩れが一度止まったところ、偵察に来たようです。

 

「!」

 

「あ、あれ、ちょっと」

 

「……」

 

慌てる許緒さんを見て、一刀ちゃんは一度手を振ってから、

 

スッ

 

消えてしまいました。

 

「あ……」

 

 

 

「大丈夫か、少女よ」

 

「あ、はい?…あ、はい」

 

「よかった…良くこんなところに逃げ切ったな」

 

「え、いやー、それはその……」

 

「うん?」

 

「い、いえ、何でもないです……あの、それよりお姉さんは…誰ですか?」

 

 

 

 

「……はぁ…はぁ…」

 

大丈夫ですか?

 

【これ…すごく疲れる…】

 

ああ、自分以外の人まで移動させるとすごく体力入るんですね…ってか誰もやれといってませんよ。

 

【でも……】

 

はぁ…まぁほおっておけない気分もわかりますけどね……

 

 

でも、

 

 

 

 

 

盗賊の全員まで助けるんだったら最初から岩落とさないでください。

 

【逃げられる程度だろうと思ったのに】

 

考えてなかったんですか、途中で大きくなること。

 

【うん】

 

あぁ……

 

あ、春蘭さんの部隊が盗賊たちを追い始めましたね。

 

【疲れた…】

 

はいはい、今日はもう戻りましょう?

 

【ヤダー、華琳お姉ちゃんと一緒に寝る】

 

こんなに大騒ぎにさせてまだ言いますか?今現れたら今回の事故も一刀ちゃんも仕業だとバレますよ?

 

【…ほんと?】

 

ほんとほんと

 

【……じゃぁ……】

 

スッ

 

…とまぁ、許緒さん、多分顔見てませんから、大丈夫でしょうね。

 

バレたらマジ怒られるでしょうし。

 

 

 

 

「……あの子、何だったのかな……天使?」

 

 

 


 
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