一刀の秘密を聞かされ、一瞬気が動転してしまった思春だったが…それでも一刀の傍にいると約束をし、前よりもぐっと距離が近くなった。
しかし…二人は気付くことが出来なかった。
話の内容は気付くことが出来なくても、二人が会っていることを女の勘によって分かってしまった女達のことを…
雪蓮「えっと…それでは昨日も話していた通り、軍儀始めるわよ~♪」
一刀「そうだな。それで議題は…」
雪蓮「そう…今日の議題はずばり昨日の夜思春が一刀と二人きりであっていたことよ!」
思春・一刀『ぶっ…』
他の皆『異議なし!!』
一刀「ちょっ…違うだろ?目の前の黄巾党をどうするかだろ?」
雪蓮「はぁ?何言っているのよ?目の前の黄巾党なんてどうにでもなるわ。それよりも、今はこっちのことのほうが重要なのよ!」
思春「ななな…何を言っているのですか?別に私が一刀と逢っていたって別におかしいことはないでしょう?」
いきなりの雪蓮の発言に、思春は声を荒げて抗議するがはっきり言って怖くなかった。
顔は赤く染まり、声も上ずっている。
そんな状態でにらまれても、かわいいと思っても怖くは無い。
そしてさらに追い討ちをかけるように蓮華達が話し出す。
蓮華「へぇ…別におかしい…ねぇ…。なら二人で抱き合っていたことについてはどう説明してくれるのかしら?」
思春・一刀『な/////////////!!!!』
明命「昨日周囲を警戒していた兵たちがその姿を目撃しているのです!言い逃れは出来ませんよ!?」
穏「さぁて~ちゃんと説明してもらいましょうか~。素直に喋ってくれればすぐ終わりますよ~」
祭「もう逃げられん。さっさと白状せんか!!」
いつの間にか出口は絢音と晴歌が封鎖し、一刀と思春を取り囲むように雪蓮たちが取り囲む。
雪蓮たちから発せられる気は、まさしく一騎当千…普段戦場でもこれほどの気を感じたことは無い。つまりそれほどに絶望的な状況だった。
一刀(くっ…だれだ雪蓮たちに報告したやつらは…あとでじっくり話を聞いてやる…。でもその前にこの状況を何とかしないと…そうだ冥琳。冥琳ならきっと…きっと味方になってくれる!!)
そんなことを考えた一刀は冥琳に視線を向ける。
その視線に気付いたのか、冥琳は一刀に向かってニコッっと笑うと閉ざしていた口を開く。
冥琳「…まぁ皆そのことは置いておくとしようではないか。」
雪蓮「ちょっと冥琳!?」
冥琳「なぁに…私とてことの詳細は聞きたい。だが今聞き出しても時間がたらんだろ?だからそういったことはこれが片付いた後ゆっくり聞けば良かろう。…どうせ逃げることは出来んし……私は逃がすつもりは無い!」
雪蓮「ならいいわ♪じゃさっさと目の前の黄巾党を倒しましょ?一刻も早くやつらを倒すのよ♪」
絢音「はい♪それで手早く倒すには策を用いるべきだと思います。」
一刀(ええぇぇ…なんで皆こんなにやる気だしてんの?ていうかいつもより動きが機敏だし…)
穏「は~い。地図はここにありますよ~。地図を見てみるとまるで教科書通りのお城ですが、今の私達ならすぐにでも落せると思いますよ~。ていうか時間がもったいないのでさっさと落しちゃいましょう。」
一刀(あきらかにいつもの穏じゃない。俺が知っている穏はそんな事言わない!!)
晴歌「策なんだけどさ、ここの左側死角になってね?そこを狙って落すってのはどうだ?」
一刀(ちょ…晴歌がおかしい。いつもはそんな事言う子じゃないだろ!?)
蓮華「そうね。なら明命と思春に忍び込んでもらって火をつけましょ?さっさと終わらせるわよ♪」
思春(れ…れんふぁしゃま?!)
雪蓮「よし♪皆速攻で倒すわよ!」
皆『オオォォォォォ………』
二人を残してすべての将と兵士達が心を一つにした瞬間だった。
思春「一刀…」
一刀「言うな…俺は今ほど神に祈ったことはないよ。…どうかこの戦いで忘れてくれと…」
だが、その願いは叶うことはないだろう…
この時神様も雪蓮達と同じ気持ちだっただろうから…
そんなこんなで、見事に奇襲に成功し黄巾党を壊滅することが出来た雪蓮達。
その姿を見たものたちは言う…”あいつらの瞳には光がなく、濁っていた…と”
まぁ…一刀と思春の事がいち早く知りたくて、いつも以上の力が出ていたのは当然だろう。
あまりにも華麗で圧倒的な力に諸侯は唖然とするしかなかった。
そんな中この戦いを、あるものは憎たらしく、あるものは楽しそうに、そしてあるものは何か思いつめた表情で見ていた。
その中でも二つの陣営はある部隊にとても興味を持つのであった。
それは……自分たちの常識では考えられない部隊。
どうやっているかわからないが、盾を使って敵を次々と倒していく部隊だった。
そして二つの陣営の主たちは思うのだった。
”……あの部隊がほしいと……”
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・
袁紹「ちょっとそこの貴方!」
先の戦いが孫呉の快勝で終わり、その後始末をしている一刀の所に金色の鎧を着たいかにも”お金を持っています”といった感じの人が声をかけてきた。
一刀「ん?私のことですか?」
袁紹「そうですわ!この隊を率いているのは誰ですの?」
一刀「それは私ですが…いったい何方ですか?」
袁紹「あ~ら私のことを知らないなんてとんだ田舎者ですのね。まぁ…いいでしょう。私の名前は袁本初ですわ。かの名門袁家の血を引くものですの。分りましたかしら?お~ほっほほ…」
一刀「はぁ…私の名前は北江清と言います。それで?その袁家の方がいったい何の御用でしょうか?」
袁紹「話というのは他でもないですわ。江清さん、貴方私の下に来なさい。もちろん貴方の部下も引き連れてですわ。貴方の主より給金は出しますし、待遇も良い物にしますわ。」
一刀「はぁ…」
袁紹「もう答えは決まっていると思いますけど…いいですね江清さん?」
一刀「お断りします。」
袁紹「そうでしょうとも…ってええっ!!なぜですの!?この私が直々に言っているのですよ?」
一刀「何故って…私は今現状で満足していますし、雪蓮…我主に絶対の忠誠を誓っていますので…話がそれだけならお引取りください。」
袁紹「ちょっとお待ちなさい!私が貴方と主より劣っているとでも言うんですの?」
一刀「…ではお聞きします。貴方が目指しているものとはなんですか?」
袁紹「そんなもの決まっていますわ!我袁家の名の下に雄々しく、華麗に、覇道を突き進むことですわ。」
一刀「その覇道とやらで民達が苦しんでいるとしたらどうなさるんですか?」
袁紹「?変なことを聞きますわね。そもそもこの私に率いてもらっているのですから、そんな名誉に思うことはあっても、それが苦痛には感じないですわ。」
一刀「…もしもですよ」
袁紹「??もしそうだったとしても、光栄に思って欲しいぐらいですわ、この私の力になれるんですから。それに下々のことなど気にしてはいられませんわ、そういった方々は黙って私にしたがっていればいいのですわ。」
一刀「………もう十分です。分かりましたから…」
袁紹「そうでしょう、そうでしょう。それで?やっぱり私の下へ来てくださるのでしょ?」
一刀「いや…もし今の主が亡くなったとしても絶対に貴方の下へはいかない。」
袁紹「何でですの!?名門袁家の誘いを断ると言うのですか!?」
一刀「さっきから聞いていれば、あんたは一体何をしにきたんだ!?名門袁家かどうか知らないけどな、人を引き抜く態度じゃないだろ!!それになんだ?あんたが雪蓮より優れてる!?笑わせるな!!民のことなどまったく考えてないお前に誰が行きたいと思うものか!!これならここにいる俺の部下の方がよっぽど優れているぞ!!」
袁紹「黙って聞いていれば…貴方誰に向かってそんな口を聞いていると思っているのですか!?これだから田舎の将は…ちょっとこちらが下手にでれば付け上がって…」
一刀「はぁ?さっきの言葉のどこに下手に出た所があるんだ?どう考えたって、袁家って名前を勝手に自慢して、ほとんど命令みたいにこっちに来いって言ってるだけだろ!?」
袁紹「う…うるさいですわ。それにしても、貴方がこんな態度だとそれを部下にしているあなたの主は品性のかけらも無い人なんですね?」
一刀「……なに?」
袁紹「だってそうでしょう?主の言動はそのまま部下にも現れるといいますし、こんなみすぼらしい装備をしているのですから、そう思って当然でしょう。私の軍にはこんな方いないですもの。お~ほっほほ…」
一刀「……今すぐその言葉を取り消せ…」
袁紹「取り消せ?一体何を取り消せと言うんですの。私はただ見たままを言っただけですわ。」
一刀「これ以上雪蓮を…俺の部下達を侮辱すると言うなら…」
袁紹「な…何をするつもりですか!?やるとでもおっしゃるつもりですか?それならこちらも出方がありますわよ。…文醜さん、顔良さんや~っておしまいなさい。」
文醜「へへっ…あんたにはうらみなんて無いけど姫がこう言っているから…わりぃな。」
顔良「明らかにこちらが悪いのは分かっているんですが、姫の命令ですから…ごめんなさい!」
袁紹がそう言うと、傍に控えていた二人が袁紹の前に来て各々武器を構える。
それを見て一刀は考える。
二人とも雪蓮や祭さんに比べてたいしたことは無いから、苦戦はしてもそう簡単にやられることは無い…………と思う。
でも、ここで手を出してしまえば、大陸でも一番の兵力を誇っている袁家と対立してしまうことになるだろう…。
たしかに袁紹の言ったことは許せることじゃないけど、だからと言って笑って許すことなんて自分はできない。雪蓮を馬鹿にしたこともそうだけど、怖い思いをしながらも必死になって俺の命令を聞いて命を掛けてくれている皆を馬鹿にしたのだ。それがたとえ神だとしても許せない…いや許すわけにはいかない。
そう考えながら、三人に対峙していると後ろから声が掛かった。
雪蓮「一刀。私達のことなら心配しなくていいわ…。思いっきりやっていいわよ♪」
一刀「へ…?」
袁紹「いったい誰ですの!?」
雪蓮「私?私の名前は孫伯符っていうの♪そこにいる一刀の主よ。」
袁紹「そうですの?貴方がこの無礼者の主ですの…」
雪蓮「そ。それで話は近くにいた兵たちに聞かせてもらったけど、かなり言いたい放題言ってくれたわね。大体一刀がこんなに怒りをあらわにするなんて珍しいのよ?でも…正直私も頭にきているの。私のこともそうだけど、何より我同胞を馬鹿にした罪はかなり重いわ。そして…私が信頼し、背中を預けてもいいとさえ思っているこの一刀をここまで怒らせたんだもの…それ相応の償いをしてもらわないとね…」
一刀「でもいいのか?もしここでやってしまったら後には引けなくなるぞ?」
雪蓮「いいわよ~。人には限度と言うものがあるし…むしろここまで我慢していた一刀を褒めてあげたいわ。なんなら一刀の代わりに私が殺るわよ?」
一刀「おいおい…」
冥琳「まったく…変なことは言わないでくれ。だが、私も雪蓮に賛成だぞ一刀。雪蓮ではないが、私が殺っても良いくらいだ。後のことは心配するな、どうとでもなる。」
穏「そうですよ~。ようは袁紹の兵たちにこのことを知らせなければいいんですから~その準備なんてすぐに出来ますし~むしろ殺っちゃってくださ~い。」
絢音「そうですよ一刀様。こんな無礼な人生きていてもしかたがないですし、むしろここで殺っちゃうほうがいいと思いますよ。」
蓮華「そうよ一刀。このまま返してはむしろ礼にかけるわ。相手がここまでしてきたんですものそれ相応の返礼をしてあげないと孫家に仕えているものとしての名が泣くわよ?」
祭「はっはは…そういうことじゃ。しかしのう…あやつらごとき一刀がやられるとは思えんが、確実に消すためにもここはワシがでるか…。やつらは我愛する弟子をここまで怒らせた…それを黙って見過ごせるほどひよってはいないからの。」
思春「いえ…ここは私が出ましょう。祭様ほどの方がでる必要はありません。それに…一刀と息が一番合うのは私です。一瞬のうちに命を絶ってごらんにいれましょう。」
晴歌「ちょっとまった!!それなら一刀直属の部下であるこの私が一番ですよ!私なら一瞬なんてやさしいことはしない。自分が犯した罪をしっかり分かってもらってから殺る!」
明命「私も一刀様と一緒にしたいのですが、他の人の目も気になりますので、今回はお譲りします!でも…ここから袁紹の所へ行こうとする人達には一切の情けはかけません!」
皆雪蓮の後ろからやってきて、笑顔で恐ろしいことを言っていた。
まぁ…良く見てみると皆顔に青筋を立てている所を見ると、雪蓮と同じ兵に話を聞いたんだろうけど…兵士良い仕事をしてくれた!!
とにかく皆自分の武器を持って俺の近くにやってきて袁家の三人と対峙した。
一刀「まったく…そろいもそろって…」
思春「そうは言うけどな。お前だって他の誰かがこうなったら真っ先に同じことをしただろ?」
一刀「…それは否定できないな。」
晴歌「あはは…なら私達のことは言えないじゃないか!」
そう晴歌が突っ込むと皆いっせいに笑い出す。
もちろんその笑いには雪蓮達だけではなく、まわりにいた兵たちも同じだった。
しかし当然と言っていいのか、面白くないのは袁紹である。
袁紹「きぃーー。何を笑っているのですか!私を誰だと思っているのです!?」
雪蓮「だからさぁ…袁紹でしょ?そんなことどうでもいいからさっさとやるかやらないか決めて頂戴。なんなら相手する人あんた達が決めてもいいわよ♪一刀は当然として…あと二人ね。で・き・れ・ば~私を選んでくれると嬉しいわ♪」
そう言って南海覇王に手をかけて袁紹を凄い目つきで見る。
そう…あれはたぶん虎が獲物を見つけたときの目に似ていると思う…
冥琳「それはいいかも知れんな。このままではらちが明かないしな。それに…久しく私自身が戦うことなど無かったから腕が鈍ってないか確かめたいしな。」
そう言って鞭のしなり具合確かめる冥琳。
その姿が凄く似合っていてどう考えてもやりたくてうずうずしている。
穏「なんなら私でもいいですよ~。ほら~弱そうにみえるでしょうから~」
祭「紫燕を軽々振り回しながら何を言っておるかのう…ワシは弓兵じゃから接近戦は苦手じゃぞ♪」
蓮華「祭…そんなに軽々と剣を振り回している貴方のどこが苦手なのかしら?私ならお姉様と違って武は苦手だし、丁度いいんじゃないかしら?」
思春「蓮華様も祭様とかわりません。それよりも私ならどうでしょう?もしかしたら情けをかけて剣が鈍るかもしれないしな…」
絢音「それだけは絶対無いです。それよりも文官の私のほうが…」
晴歌「絢音…そんな期待した目をしながらそれをいっても説得力ないよ…。とにかく部下である私がやるの~。だから私を選んでくれよ~」
明命「わ…私はその…別にどちらでも…でも私を選んでくれるのであれば是非お相手させていただきます!!」
雪蓮の一言で、猛烈に主張しあう皆。中には兵なのにやりたいと言うものまで現れ始めた。
兵1「なんなら俺でもいいですぜ。北郷様と一緒に戦えるなんてめったに無いことだしな!!」
兵2「馬鹿やろう!!それなら俺だろ?北郷隊筆頭兵士の俺が相応しい。」
兵3「だれが筆頭だ誰が…ここは最近巷で北郷様の背中は俺が守っていると噂の俺がやるべきだろ!!」
兵4「ないない…。誰だよそんな噂流したの…。でも、北郷様と一緒に戦えるなら俺でもいいかな…」
兵1・2・3『どうぞ、どうぞ』
兵4「うおい!!別にいいんだけど、なんか釈然としねぇぞ!!」
なんか、もう祭りというか…出し物みたいになってきていた。
とりあえず兵4…美味しいやつだ。
袁紹「な…なんなんですの貴方達は…わ…私を誰だと…」
雪蓮「もうそんなことどうだっていいの!それで決めたの?決めてないなら早くしてよね!」
顔良「麗羽さま~やめましょうよ~皆さんなんか強そうですし…このままじゃ大変なことになりますよ~」
文醜「たしかに…斗詩の言う通りだな。なんかこう…絶体絶命って感じがするぜ…」
袁紹「ぐぬぬぬ…いいですわ。ここは心が広い私が引いて差し上げましょう。でもいいですね?私に吐いた暴言の数々かならず後悔していただきますわ!!」
雪蓮「あらそう?……だったら早くこの場からいなくなれ袁紹!!我愛する虎たちに食い殺されたくなかったらな!!」
袁紹「ひぃっ…。い…いきますわよ。文醜さん、顔良さん。」
文醜「あらほらさっさ~」
顔良「ごめんなさい。ごめんなさい。…ここにおいていかないでよ姫~文ちゃ~ん…」
雪蓮が覇気と殺気を出して袁紹たちを睨み付けると、袁紹は顔を真っ青にしてここを立ち去った。
それに続くように文醜…最後に涙目になりながら一生懸命謝っていた顔良がそのあとをおった。
袁紹が去った後、一刀はため息をつき他の将達は笑っていた。
雪蓮「ねぇ~見た冥琳?あの子ったら最後涙目になってたわよ♪」
冥琳「そうだな。にしてもやはり袁家は袁家と言ったところか…良く似ている」
祭「じゃの。まったくあの態度が袁家の名を貶めているとは気付かんのかのう…」
穏「そんなこと気付くわけ無いじゃないですか~だって正真正銘のお馬鹿さんたちですから~」
絢音「そんな…みもふたも無い…」
穏「で~も~絢音ちゃんだってそう思っているでしょう~?」
絢音「…………」
蓮華「その沈黙は肯定と同じことよ?でも穏の言い方も直接過ぎるから、頭が足りてないとか…幸せ回路がいっぱいあるとか言えばいいんじゃないかしら?」
思春「同じことを言っていると思いますよ蓮華様。むしろひどい気が…」
晴歌「どう言ったっていいよ!とにかく私はあいつと仲良くできる気がしないし、あれと似ているなら当然袁術も嫌いだね!!」
明命「私も晴歌さんと同じです。仲良くなれそうにありません。」
皆思い思いのことを言っていると、それを見てさっきよりも深いため息をつきながら、一刀が話し出す。
一刀「はぁ…でもいいのか?これで多分袁紹ってやつは俺達を目の敵にしてくるだろうし、今この時期にそうなるのは得策じゃないと思うぞ?」
雪蓮「別にいいわよ。あそこまで言われて黙っているほうが、人として情けないわ。まぁ大丈夫よ♪」
冥琳「まぁ…雪蓮は何も考えてなくそう言っただろうが、その点は心配ない。たしかに兵力では劣るだろうが、それを率いている主があれだ、嫌がらせなどはやってくるだろうがそれがわかっていればそうやすやすとはやられんよ。それに話によれば、袁紹と袁術は仲が悪いらしいから連携も取れまい。どの道やつらが出来ることなどたかが知れているのさ…」
冥琳の発言に”なによー”って後ろで雪蓮が抗議をしていたが、当の本人はそれを無視して話を続けた。その顔はニヤリと笑っており、綺麗な顔立ちだからだろうか…その笑みが凄く妖艶で他の人が見たら恐ろしくて震え上がっただろう…。
なにせいつも見慣れている一刀でさえ、その笑みには鳥肌が立っていた。
そんな笑みに周りの人も気がついたのか…皆顔を引きつらせながらその場から一歩下がった。見慣れていない明命は今にも泣きそうだった。
冥琳「ん?…皆なんで私から離れるのだ?」
気付いていなかったのは本人だけだった。
不思議がっている冥琳を見ながら、皆が引きつった笑いをしていると本日二度目となる訪問者が現れた。
……「あら?ずいぶんと楽しそうね?」
その声に皆の笑い声が納まり視線をそっちに向けると、そこには圧倒的な存在感と雪蓮に似た覇気をまとっている少女が立っていた。
一刀「……貴方はだれでしょうか?」
……「貴様!まずお前が名乗らんか!」
その言葉に、一刀を初めとしたすべての将が唖然とした。
そして皆こう思っただろう…
”何を言っているんだこいつは?”
その言葉を代弁するように雪蓮が前にでて話す。
雪蓮「はぁ?何言っているのよ。そっちからきといて、こちらから名乗れと?普通は来たほうが名乗るもんでしょ。」
……「なんだと!?」
先ほど、訳が分からない発言をした女性は雪蓮の言葉にむかついたのか、剣を構える。
それを見て雪蓮の目が釣りあがり、静かに南海覇王をぬく。
雪蓮「……いきなり剣をむけるとは…お前の主は礼儀も教えていないのかしら?」
……「貴様…私だけでなく華琳様も愚弄するとは…もはや許せん!!」
そう言って飛び掛ろうとした時、その隣にいた少女が声を張り上げた。
……「さがれ春蘭!!これ以上私に恥じをかかせるな!!」
……「うぐっ…しかし華琳さま~」
……「いや。あきらかに姉者が悪い。いきなり馬鹿なことを言い出すから、私もあいた口が塞がらなかったぞ?」
……「秋蘭まで~」
二人に叱られたせいか…襲い掛かろうとした女性はいきなり涙目になっていた。
その代わり身のはやさに驚いていると、先ほど声を張り上げた少女が前に出て頭を下げた。
……「私の部下が失礼しました。部下にかわって非礼をお詫びします。」
雪蓮「…まったく。ちゃんとしなさいよね…。それで?貴方は誰なのかしら?」
曹操「私の名は曹孟徳よ。そして先ほど馬鹿な真似をしたのが、夏侯元譲。そしてその隣が夏侯妙才よ。」
雪蓮「へぇ…貴方が…。私の名前は孫伯符よ。それで?その曹孟徳さんが一体なんのようなのかしら?」
曹操「そうね…。江東の虎の娘の孫伯符を見に来たのよ。」
蓮華「貴様!!」
その言い方に先ほどとは逆に蓮華が曹操に切りかかろうとする。
しかしそれを雪蓮の手が止める。
雪蓮「蓮華さがりなさい!…それで?貴方は私をどう見たの?」
曹操「フフフッ…鎖が外された時、私の覇道を成す為の最大の敵かしら?」
雪蓮「クククッ…そう。私も貴方をそう見ているわ。私の宿願の最大の敵と…」
曹操「なら、その時はお互い雌雄を決して戦いましょう?」
雪蓮「ええ…楽しみにしているわ。」
お互い顔は笑っていたが、目は笑っていない。
なんというか、笑っているはずなのになんでこんなに辺りが肌寒いのだろう…
鳥肌もいつの間にか立ってるし…喉も渇いてきた。
あ…近くにいた兵たちが涙目になってる…。
雪蓮「それで?用件はそれでお仕舞いかしら?」
曹操「いえ…。今日の戦盾を使って敵を倒した部隊がいたわね。その将も見に来たのよ。」
雪蓮「あらそうなの?一刀ー、ご指名みたいよ?」
そう言って雪蓮が手で”コイコイ”ってしてくる。
正直に言ってしまおう…行きたくない。
俺の体中が危険だと教えてくれている。
あそこに行ったら………終わりだと。
でも呼ばれれば行くしかないのがつらいところ…
なるべく経然とした顔でそっちに行った。
曹操「あら貴方だったの…」
一刀「そうだけど?」
曹操「何だ撫男ね…」
思春「貴様…!!」
俺の姿を一通り見た後いきなり失礼なことを言ってきた。
近くにいた思春なんかは怒りをあらわにして掴みかかろうとしていた。
だけど、ここで俺はあることに気付く。
これは昔から人を見てきたから気付いたことだったのだろうが、曹操の視線がこちらのすべてを覗き込もうとしているように見えたのだ。
そして俺は仮説を立てた。
”俺を試している”
その仮説を信じ、俺はまるで何てことも無いように振舞うようにする。
一刀「いいよ思春。…それでその撫男になんの御用ですかな?」
曹操「フフッ…そうね。貴方私と共に来る気は無いかしら?」
一刀「断る」
夏侯惇「貴様!華琳様のお誘いを断ると言うのか!!」
夏侯淵「姉者少し黙っててくれ。話がややこしくなる。」
一刀の言葉に、何故なのか分からないがまた夏侯惇が切りかかろうとして、それを夏侯淵が後ろから羽交い絞めにして止める。
それを見て少しため息をついた後、曹操が話を続ける。
曹操「理由を聞いても?」
一刀「俺は雪蓮に仕えている…。それだけで十分だと思うけど?」
曹操「それだけじゃ納得できないわね。」
一刀「そうだな…なら雪蓮が英雄だから…ていう理由ならどうかな?」
曹操「…英雄…ね。」
一刀「あぁ…。ちょっと聞きたいんだけどさ。曹操が目指すものって何だ?俺の考えが正しければ雪蓮と同じだと思うんだけど?」
曹操「私が目指すものね…。ハッ…そんなもの決まっている。我が目指すは大陸に覇を唱えること。そしてその道は常に覇道なり!」
一刀「そのために犠牲になる民はどうするつもり?」
曹操「犠牲はすべて我覇道の礎となってもらう。私はどんなに恨まれようともこの道を突き進むと誓ったのだから。」
一刀「ぷっ…あははは…やっぱりそうか…」
曹操「何がおかしい?」
一刀「ごめん。…いや最初見たときから思っていたけど、やっぱり曹操は我主雪蓮に似ている。自身の理想のために犠牲になる人たちを背負う覚悟がある。…まさに英雄だな。もし最初に会ったのが曹操だったら仕えていたかもしれない…。でももう俺は自分が仕えるべき英雄を見つけたからね…。それは裏切れないよ。」
曹操「あら…それは残念だわ。…でも私が英雄か…もし今言ったことで英雄と呼ばれるなら貴方もそう見えるのだけど?」
一刀「俺?それはないよ…。買いかぶりすぎだよ。」
曹操「フフッ…最初はほんの興味だけだったのだけど…おもしろい。面白いわよ…ねぇ貴方の名教えてもらえるかしら?」
一刀「俺の名前は北江清だよ。」
曹操「そう…。ねぇ江清貴方本当に私のところに来ないかしら?」
そう言った曹操は至極楽しそうに、そして雪蓮達とは違った妙に色っぽい視線をこちらに向けてくる。
その視線に気がついたのか、雪蓮が俺の前に立って曹操に食って掛かる。
雪蓮「ちょっと曹孟徳。さっきから黙って聞いていれば…一刀は私の大切な部下なのよ?ちょっかい出さないでもらえるかしら?」
曹操「あら?小覇王と噂されているほどの人物が…ずいぶん器量の狭いこと言うのね?」
雪蓮「あらそちらこそ…今覇道行くとか言ってた割にはずいぶん余裕が無いわね?」
雪蓮・曹操『うふふふふふ…』
二人がまた笑い出す。
そしてやっぱり目は笑っていなかった。
先ほど涙を浮かべていた兵たちのなかに前で腕を組み震えだすものまでいた。
そして近くにいた一刀はというと………現実逃避をしようと意識を飛ばしていた。
曹操「ふう…まぁ今日のところはあきらめてあげるけど…。いい?覚えておきなさい。私は諦めがわるいの。欲しいと思ったものはなんとしても手に入れるわ!だから江清?覚悟しておきなさい。」
一刀「有名な孟徳さんにここまで言われるのは正直嬉しいけど、俺は呉の将軍にしてここにいる皆の仲間だよ。もちろん俺が帰るところは呉だから…それだけは覚えておくように」
曹操「ええ…覚えておくわ♪それじゃまた遭いましょう?春蘭、秋蘭戻るぞ!」
二人『は!』
そう言って三人は帰っていった。
その後姿はまさに覇王になるべき人といったところか…一回り大きく見えた。
雪蓮「……やっぱり一番の敵は曹操ね。」
曹操たちの姿が見えなくなった後、不意に雪蓮がそう呟く。
冥琳「そうみたいだな。しかしアレは強敵だな…言っていることはおそらく本心だろう。たとえ人に悪と呼ばれたとしても、自分の信念を貫き通す覚悟が話を聞くだけで感じられたよ。」
雪蓮の言葉に冥琳がそう返す。
それは皆も感じたようで息を呑んだ。
雪蓮「ええ。それにしても…一刀~?貴方ってとんでもない子に目をつけられたわね~」
一刀「ははっ…そうみたいだな。…あんま嬉しくないけどね。」
雪蓮「あれ?どうしてよ。評価されたことは素直に喜んでいいと思うけど?」
一刀「そうかもしれないんだけどさ…。なんていうか曹操の目が凄く怖かった。まるで獲物を見つけた猛獣みたいだよ。…しかもその猛獣はとびっきりの知恵を持っているときたもんだ。怖いと思うのが普通じゃないかな?」
冥琳「知恵を持った猛獣…か。なるほど言いえて妙なのかも知れんな。あれは野心の塊だ。そしてだれよりも才あるものを愛しているのだろう…。そうでなくてはその者の主がいる目の前で、堂々と引き抜きなんかできんよ。」
雪蓮「…でもどう考えても、あのナリで猛獣はないわよ。もしこのことが曹操に知れたら怖いわよ~♪」
蓮華「大丈夫です!もし今度私達の前に立ちふさがるのなら、絶対に倒して見せます!」
思春「その時はこの私が曹操の首を取ってやりましょう。」
蓮華「やるわよ思春!!」
思春「はい!」
雪蓮の言葉に力強く返事をする蓮華と思春。
その鼻息は荒く、今すぐにでも乗り込んでしまうのではないかと心配するくらいだった。
………なぜか思春と蓮華が互いに握手しニヤリと笑っているのは打倒曹操に燃えているからなのだろう。
雪蓮「おお~蓮華も思春もやる気まんまんね~♪そんなに一刀を取られたくないのかしら?」
蓮華・思春『当たり前です!』
蓮華「だいたい…あの曹操ってやつはいきなり出てきて一刀が欲しい?冗談じゃないわ。…一刀は孫呉のモノ…いえ近い将来、きっと…いえ…必ず…私と一緒になるのよ!!」
思春「そうです!…蓮華様と一緒になる辺りについてはあとでじっくり話し合うとしても、あんなのに一刀は渡せません!!…それに一刀と私の間にはもう切れることのない絆があるのです!私と一緒になるのは…そう…この鈴を私にくれた時から決まっています!!」
その瞬間………すべてのものの動きが止まり、二人を見つめていた。
雪蓮「……あ…あははは~。ちょっと冗談のつもりで言ったんだけど…二人とも大胆ね~…若いっていいわね~。」
蓮華・思春『////////////////////////////!!!!!!』
雪蓮の一言で、自分が何を言ってしまったのか気付いた蓮華と思春は顔を真っ赤に染めてうつむいてしまった。
それを見てとまっていた時間も動き出し、笑いが起こった。
そんな笑いの渦の中、熱烈な告白を受けた一刀はというと……
こちらも顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
雪蓮「もう…そういうことは私の役割だと思うんだけどさ~。あ、もちろん私も一刀のこと好きよ~。一刀が望むならどんなこともしてあ・げ・る♪」
冥琳「雪蓮抜け駆けか!?ん…んん…ごほん。…私も一刀のことが好きだぞ?実はもう子供を育てるための本をそろえていてだな…」
穏「ちょっと待ってください~!!私も一刀さんこと好きですよ~。私とならこの孫呉一の胸を好きに出来るんですよ~」
明命・思春『穏様……アトデチョットオハナシガ……』(巨乳…いや爆乳なんてなくなってしまえばいい!!)
祭「皆若いの~。ワシも負けてはおれんな…。一刀よワシもお前のことは好いておるぞ?どうじゃ?大人の色気というものをじっくり味わってみんか♪」
明命「ふ…ふつつか者ですがーーー。私と一緒になってくださいーーーー!!」
絢音「一刀しゃま!!わ…私を選んでくだしゃい!!もちろん私も一刀しゃまのことす…好きですし……。お姉さんに任せておけば大丈夫ですからーーー。しょうね…まじゅは夜のい…営みを……」
晴歌「おおう!!皆なんでいきなり告白してるんだ!?………まぁ私も一刀のこと好きだぞ?お前の武器の手入れだけでなく、おまえ自身も手入れしてやるから…どうだ?」
蓮華たちの告白が切欠だったのだろう…。次々と告白をしていき一刀に詰め寄ってくる。
なんていうかもうギリギリな発言をしている人が多く、一刀は顔を真っ赤にしながら後ずさりをする。
全員『それで?一刀(さん)(様)(しゃま)一体誰を選ぶの(ですか)(のじゃ)(でしゅか)!?』
一刀「//////////////////も…もう…だめ…恥かしすぎて…意識が……あ…落ちる…」
顔を真っ赤にした一刀はその場で倒れこみ目を回していた。
それを見て兵たちは思ったそうな…
兵士(なんだろう…うらやましいはずなのに…うらやましくない…。同情してしまう。)
何故か兵たちの同情をもらい、兵の中での一刀の評価が上がった。
そして誰かが言った…
呉の種馬……女たらし………真の乙女無双と……
ちなみに倒れた一刀を誰が看病するかでまたひと悶着があったのは当然と言えよう……
一刀が倒れ皆が騒いでいる頃…その光景を遠目から眺めている人物達がいた。
それは、雪蓮たちが気になっていた残り二つの陣営のうちの一つ、劉備達であった。
張飛「なんだかとっても楽しそうなのだ~。」
関羽「そうだな。多分この戦いで勝利したことに皆喜んでいるのではないか?」
諸葛亮「そうですね。今回孫策軍が取った策は、実に見事でした。」
鳳統「コクッ…コクッ…」
そう言って皆口々に雪蓮たちの戦いぶりに賞賛を述べている中、主である劉備だけはとこか浮かない顔をしていた。
関羽「どうしました桃香様?」
劉備「愛紗ちゃん…。ううん…何でもないの。」
張飛「お姉ちゃん。そんな顔をして言っても説得力ないのだ。」
劉備「う゛っ…。」
張飛の鋭い突っ込みに言葉を詰まらせてしまう劉備。
その表情を見て心配になったのか、隣にいた諸葛亮が声をかける。
諸葛亮「何か気になることでもあるのですか?」
劉備「うん。たしかに黄巾党の人達はいけないことをしていたんだけど、なにもあそこまでする必要があったのかなって…」
関羽「何をおっしゃるのです。やつらはこれまでにたくさんの罪のない人達をその手で殺めてきたんですよ?それぐらいは当然でしょう。」
劉備「でも!…それでも、私はあそこまでする必要なんで無かったと思うよ。だって彼らだって人なんだからちゃんと話し合えば分かってくれたよ!だけど、あの人達はそれをしなくて攻め込んだよ?私にはそれがゆるせないよ。」
諸葛亮「桃香様…」
劉備の言葉に皆黙り込んでしまう。
劉備が言っていることははっきり言って理想と言えば聞こえはいいが、甘い考えに他ならない。
しかし、その考え方こそが劉備の美徳でありそれに賛同して多くの人達が集まっているのも事実だった。ここにいる関羽・張飛・諸葛亮・鳳統もその考えに賛同して劉備を主として仰いでいるのだが…彼女とは違い、関羽達は今の言葉には心から賛同することが出来なかった。
それも当然である。なぜなら今ここにいる私達も実際にやってはいないが同じ事をしているに他ならなかったからだ。そのことに気付いていないのか、それとも気付かないフリをしているのか分からないが、今の劉備には現実が見えていない…。そのことに皆不安を感じていた。
関羽「…桃香様。ゆるせないのであるなら、もっと力をつける事です。今の私達では桃香様がおっしゃることを実現することは出来ません。しかし、力をつけた暁にはそれを現実のものにしましょう。争うことなく、話し合いによってすむ世界を…」
桃香「うん…。そうだね。私達が目指すのは争いのない世界。戦いなんてやっちゃいけないんだよ。そのことを皆に分かってもらうためにも力をつけなくちゃね♪」
そう言って皆に笑顔を向ける劉備。その笑顔には一片の曇りもなかった。
関羽(朱里よ…。どうすれば良いのだ?もしこのまま進んでしまえばきっと桃香様は苦しむことになる。それを何とか回避することは出来ないのか?)
諸葛亮(今の状況では難しいと思います。桃香様の魅力はすべてを包み込もうとする懐の広さと、甘すぎるぐらいの優しさです。ここにいる兵のほとんどがその魅力に惹かれてついてきてくれています。しかしここで下手に桃香様に進言してしまえば、それがなくなってしまう恐れがあります。それでは本当に桃香様の夢をかなえることが出来なくなるでしょう。だから…心苦しいですが今私達に出来ることは力をつけるまでその輝きを曇らせないようにするしか…)
関羽(そうか…。難儀なものだな…)
笑顔を振りまいている劉備の傍でこれからのことについて話す関羽と諸葛亮。
二人には分かっているのだ。
劉備が言っていることの矛盾を…
そしてその矛盾がいつか桃香様を苦しめて、もしかしたら理想ごとたたき折られて前に進むことが出来なくなってしまうかもしれないということを…
だが、いくら考えても答えが出ることはなかった。
近くで張飛たちと騒いでいる劉備達を眺めながら二人は願う…。
………どうか、我らが光が曇りませんように……そして理想が現実になりますように……と
この戦いで黄巾の乱と呼ばれる大陸全土を巻き込んだ戦いは終わりを告げた。
この戦いで人が手に入れたのはなんだったのだろうか?
名誉?力?仲間?不安?
力なき民達は思う…
どうかもう争いが起こりませんように…平和に暮らせる日々が戻りますように…
しかしその願いは叶うことはない
これは始まり
そう……これからすべてが始まるのだった…。
お待たせしてしまってすみません。秋華です。
思春「最近秋華が投稿した作品で、なぜ私が主役なやつがないのか疑問に思っている思春だ。」
いきなり何てこと言うんですか!?
それはその作品の時に説明したはずです。思いつきなんですってば!!
思春「……たとえそうだとしても。私のファンと自称するなら書くのが普通だろうが!!」
はぁ…ソウデスネーー
思春「………なるほど。…黄泉路に行く準備は出来ているのだな#」
ヒィィ…すみませんでした。今度はちゃんと書きます。
思春「書かなかったら………暗い夜道には注意しろよ?」
ううう……作者なのに脅されるって……
まぁ…とにかく頑張ります。
えー今回ですが、投稿が遅くなったことをこの場を借りてお詫びします。
なにせ、企業に提出する予定の企画書が思ったよりも難航してしまったので…
素晴らしい絵をかける人がうらやましいです!!
思春「まだ決まってなかったのか?」
グサッ……それは言わないで欲しいです。
思春「あー…その……正直すまなかった」
いいですよ。頑張りますから…
気を取り直して今回どうだったでしょうか?
思春「戦うシーンなかったけどいいのか?」
正直迷いましたよ?でもここで書きたかったことは前回それなりに書き終わりましたし、ここでは初めて他の陣営の人と会うことがメインですから…
思春「ほう…だがそれにしては、ずいぶん私達がぶっとんでいたが?」
あぁ…それはなんていうか……ノリです♪
こうしたら皆ニヤニヤしてくれるかなーって思って…
思春「まぁ…これからがお前の腕の見せ所と言うことだな。どうなるかわからんからな…」
そこはまかしてください。ビシィっと書きますので。
では次回ですが、孫呉の日常でも書こうと思います。
いろいろネタもたまっているので…多分拠点みたいになるのかなぁ?
思春「私に聞くな!!」
…ですね。とにかくそんな感じです。
この作品を楽しみにしてくれている皆様。
次回もよろしくお願いします!
思春「そうだな…よろしく頼む!!」
さて…大変お待たせしました。今日の思春ちゃんのお時間です。
今回のお題は…
ちょっとエロいよ!?思春とお・ふ・ろ
これです。…ていうかこれしかありません!!
思春「ちょっとまったーーー!!なんだこれは!?しかもちょとエロいってなんだ!!」
そのまんまの意味です。いやー最近銭湯にひさしぶりに行きまして、やっぱ風呂っていいな♪って思ったので…
思春「認めん!!私は認めんぞーーー!!」
そんなこと言っても遅いです。
もう皆様おまちかねですよ?
では次回の更新でまたお会いしましょう!!あでゅーーー♪
思春「話を聞けーーーーーー!!!」
思春「んっ…////おい…さっきまあんなに…あ…あ…愛し合ったというのにまだ足らないのか?あっ…う…ん////こ…こら!そんなとこしゃわるなぁ…。こ…これ以上やられてたら…お風呂じゃなくてお前にのぼせてしまうだろ!?……やん///お…お前というやつは…風呂から上がった時は覚えてろ……………今度は私がベットで私にのぼせさせてやるんだから♪」
あ゛ーーマジでこんなシーン作ってくれないかな…
思春「お前は私に何を求めているんだ#!?」
デレ?
思春「死んで詫びろぉぉぉぉ………!!」
グハァ……し…幸せパンチありがとうございましたぁぁぁ………ガクッ
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遅くなりまして…すみません。
秋華です。
今回の話はなんていうか…いろいろぶっ飛んでいます。
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