No.172705

無真・恋姫無双 一話~隠したいこと~

TAPEtさん

はいっ、というわけで戻ってきました。

「新」無真・恋姫無双

一話が最初の部分から大分変わっちゃっています。

続きを表示

2010-09-15 21:45:24 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:4907   閲覧ユーザー数:4112

<WARNING>

 

本作品、無真・恋姫無双の作者は外国の人です。主に韓国人だったりします。

 

故、文章が下手だったり、その以前の問題として文法的に間違っている可能性もあり、しかもそれを作者本人では見切れないという深刻な状況を生み出すことがあります。

 

尚、本作品には北郷一刀は出演しないか、助演級に出されることを予想しております。

 

オリ主の作品が拒まれる方は「戻る」を押してください。またはマウスを右ボタンをクリックしたまま左へドラッグしてください。

 

作者は三国志演義及び正史についてあまり知識をお持ちしておりません。

オリ設定の中で歴史的な過ちを侵す可能性があります。

 

かなり危なっかしい作品ですが、それでもあなた様が「>」をクリックなさるのなら、私に止める術はないでしょう。

 

どうぞ、新しい外史の扉、お開きください。

 

 

 

 

 

 

 

グサッ!

 

 

 

 

 

 

 

???「…이걸로 끝이야(…これで、終わった)」

 

もう誰も失わない。

 

もう誰も失えない。

 

 

 

 

もう、誰もいなくなった。

 

???「…다들, 미안해(…ごめん、皆)」

 

私のせいだ。

 

何もかもが、私のせいだった。

 

最初から、私なんかがいなければよかったのに。

 

何故最後になって気づいたんだろう。

 

 

 

私こそが、この災いの源だったことを…

 

???「정말, 미안(本当に、ごめん)」

 

 

 

 

 

後悔する。

 

皆に会ったことを、

 

一緒に楽しんだことを…

 

私の存在を

 

 

 

 

 

 

グサッ

 

 

 

 

 

嬉しさも、

 

楽しさも、

 

悲しさも

 

苦しさも

 

 

私に感じる資格なんてない。

 

 

どかっ

 

 

あるのは、

 

暗い

 

深い

 

孤独の深淵

 

 

 

 

???「ほらぁ~、二人とも、早く早く~!」

 

桃色の髪の靡かせながら、高い声で仲間を呼ぶ女性がいる。

 

???「お待ち下さい、桃香様。お一人で先行されるのは危険です」

 

そして、そんな彼女が心配そうに言いながら付いて来る、黒い髪が特徴的に綺麗な女性。

 

???「そうなのだ。こんなお日様いっぱいのお昼に、流星が落ちてくるなんて、どう考えてもおかしいのだ」

 

最後に、赤い髪に虎のバッジがポイントな、小さいけど、元気一杯胃腸一杯に見える女の子。

 

???「鈴々の言うとおりです。もしやすると、妖の類かもしれません。慎重に近付くべきです」

 

この三人がこんな荒野に上にいることには訳があった。

 

真昼間から落ちてきた流星。

 

どう考えてもおかしい、とは流石にいえないかも知れないが、ここは流星の落ちる理由なんて科学的に説明できない世界。

 

そもそも「科学」という言葉すら存在しない遥か昔の世界。

 

桃香「そうかな~?関雲長と張翼徳という、すっごい女の子たちがそういうのなら、そうかもだけど……」

 

皆は気づいただろうか。

 

この世界は、

 

鈴々「お姉ちゃん、鈴々たちを信じるのだ」

 

三国志の世界。

 

愛紗「そうです。劉玄徳というお方が真昼間から妖の類に襲われたとしたら、名折れというだけではすみません」

 

けど少し違うだろう。

 

桃香「う~ん……じゃあさ、皆で一緒に行ったら怖くないでしょ?だから早くいこ♪」

 

何せ、ここにいるこの三人、この後桃園の誓いをするこの世代稀代の英雄たちは、

 

鈴々「はぁ~分かってないのだ~~~」

 

皆女性であったからだ。

 

愛紗「まったく……鈴々、急ぐぞ」

 

鈴々「了解なのだ」

 

 

・・・ ・・・

 

 

 

流星が落ちたのは、五台山の麓。

 

そこで、三人はある男の人が倒れているのも見つけたのであった。

 

とても人が倒れているにふさわしくはない場所。

 

見た目では、彼女たちと同じ年頃。

 

とてもこの時代の人だというにふさわしくない服。

 

黒い髪、黒いシャツ、黒いズボンに黒い靴、何もかもが黒く染まっている彼の姿で唯一黒くないのは、首を包んでいる真っ白の布だけだった。

 

桃香「大丈夫なのかな?」

 

愛紗「桃香様、無闇に近づいては……」

 

桃香「何か魘されてるようにしてるね……この布が邪魔で寝心地が悪いのかな」

 

男の首の布に手を伸ばす桃香であったが……

 

 

 

 

……っ

 

桃香「あ」

 

愛紗「どうしたんですか?」

 

鈴々「動いたのだ」

 

桃香「生きてるんだ。ねぇ、大丈夫ですか?」

 

何……?

 

 

 

はっ!今は!

 

桃香「うわっ!」

 

愛紗「桃香様!」

 

倒れていた場所からパッと起きて姿勢を構える。

 

どこだ、ここは。

 

何故こんたところに倒れていた?

 

私は……

 

鈴々「お姉ちゃん下がってるのだ」

 

愛紗「ここは危険です」

 

前には女の人が三人。

 

その中二人はこっちに向かって攻撃意志を持っている。

 

…うん?ちょっと待て。

 

何だか首のところがすーすーする。

 

!?

 

???「뭐야, 어디 갔…! 아!(何だ、どこに…!はっ!)」

 

あの後ろの女が持っているのは。私マフラー!

 

???「그걸 돌려줘!(それを返せ!)」

 

そのマフラーがないと私は…

 

愛紗「させん!」

 

ガチン!

 

???「칫!(ちっ!)」

 

首を隠して片手で敵う相手じゃない。

 

しかも、あっちは二人。

 

…最初から正攻法にするつもりはなかったけど。

 

姿勢を低くして、片手の短剣を前に構える。

動くば、私の願いは、

 

早く、早く、ただ早く!

 

影子「그림자 자르기!(影絶ち!)」

 

 

ガチン

 

ガチン

 

愛紗「なっ!」

 

鈴々「にゃにゃっ!」

 

突然すり抜けるように駆ける男の子の動きを止められず。

 

愛紗と鈴々は後ろをとられてしまった。

 

愛紗「桃香様!」

 

そして、そのまま桃香に向かって駆ける桃香

 

桃香「えっ!?あ、きゃあー!」

 

鈴々「お姉ちゃん!」

 

だが、二人の心配とは違い、男は桃香が手に持っている布にだけ目があった。

 

桃香の目の前で止まった男は、右手で首を隠しているようにして、左手の剣は彼女に向けず鞘に戻して素手を彼女に差して言った。

 

???「……돌려줘」

 

桃香「あ、は…はい……」

 

話は解らなかったものの、布を返そうとした桃香。

 

だがしかし、

 

愛紗・鈴々「たはあああっ!!」

 

後ろから姉を守るためにかかってくる二人。

 

???「……」

 

スサッ!

 

???「……!」

 

後ろのからの攻撃をそのまま受ける男。

 

姿勢は寸前と変わらず。

 

首を隠し、布を返してもらおう手のひらを上にし、伸ばしている。

 

???「……」

 

鈴々「にゃっっ!愛紗!」

 

愛紗「構わん!」

 

動かない彼に驚きながらも、次を構える二人。

 

 

 

 

 

桃香「二人とも待って!」

 

 

 

 

 

桃香「二人とも待って!」

 

愛紗「桃香様、何を…!!」

 

???「…돌려줘」

 

桃香「……」

 

桃香は、何も言わずに、布を彼の手の上に乗せる。

 

???「……」

 

布をもらった男は、素早くそれを首に巻く。

 

首に何かがあるのか、ちらっと赤い何か見えたが、あっという間だったので見えない。

 

???「……これがないと、死んでも穏やかではないのでな」

 

桃香「あ!」

 

彼は、いつの間にか彼女たちにも解る言葉を発していた。

 

???「まぁ…これで殺されても文句は言うまい。が、」

 

そういいながら後ろを向いて愛紗と鈴々を見る男。

 

???「背中の傷は武士の恥。こんな恥をかかせておいて、私がただで死ぬとは思わないでくれ」

 

首から手を放し、両手に短剣を持ち、二人に立ち向かう男。

 

???「両がかりで来い。死ぬ前の饗宴としては十分だ」

 

桃香「!!」

 

そして、振り向いた時、桃香は彼の背中に、先愛紗の青龍偃月刀によって作られた、右肩から左の腰まで服を切って出来た傷をみた。

 

血が流れていた。

 

早く手当てをしなければ、この人は死ぬ。

 

 

 

 

???「さあ、来い!我が名は影子!今までどんな戦場でも傷ついたことのない私に傷を与えた武士どもよ!私の黄泉路に行く舞に付き合ってくれ!」

 

愛紗「うっ!」

 

鈴々「愛紗!」

 

愛紗「ああ」

 

こいつ、ただものではない。

 

本気で死ぬ気で戦おうとしている。

 

私たちも全力を出さねば…傷跡一つや二つでは済まん!

 

???「来ないのか?ならこっちからむか……」

 

ガン!

 

???「うっ!」

 

何?

 

どすっ

 

いきなり前に倒れる男。

 

そしてその後ろには…

 

愛紗「桃香様!」

 

剣を広い面で持っている桃香様があった。

 

桃香「二人とも大丈夫?」

 

愛紗「一体何をするんですか、桃香様!」

 

下手をしたら桃香様に何があっただろうか、

 

桃香「私は大丈夫だから。早くこの人の手当てをしないとだめだよ」

 

愛紗「何を仰ってるんですか!こいつは、桃香様を殺そうとしたのですよ?」

 

桃香「ううん、そうじゃないよ。この人は、自分の物を返して欲しいと思っただけだよ。私が間違ってこの人の首に巻いてあったのを外してしまったから…」

 

愛紗「たかがそんな物のために、私たちに立ち向かおうとしたというのですか?しかも、先こいつは、死ぬ覚悟で私たちと戦おうとしたのですよ?」

 

桃香「愛紗ちゃん、私を信じて。この人は悪いことはしないよ。後で起きたら皆で話してみよう?」

 

愛紗「ダメです!いくら桃香様がそう仰っても、私は、桃香様を危険に晒すようなことは決していたし……」

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「よいっしょっと…」

 

なっ!

 

愛紗「鈴々!お前何を…」

 

何故その男を背負う。

 

鈴々「早く行かないとこのお兄ちゃん死んじゃうのだ。愛紗とごちゃごちゃ言ってる暇なんてないのだ」

 

愛紗「なんだと?」

 

鈴々「愛紗、先から鈴々の話全然聞いていないのだ。このお兄ちゃん、先から全然殺気を立ててなかったのだ。なのに愛紗だけ昂って後ろから攻撃したのだ」

 

愛紗「それはお前もおな…」

 

鈴々「鈴々は寸止めしたのだ。避けると思ったのに避ける気配がしなかったから」

 

愛紗「っっ!!」

 

鈴々「お姉ちゃんの前に居た時も剣をおろしていたし、悪いやつじゃないと思うのだ」

 

愛紗「それは……」

 

確かにそうだが、

 

鈴々「それに、このお兄ちゃんは背中を斬られたのに、鈴々たちに立ち向かおうとしたのだ。そんな相手の後ろを攻撃して勝つなんて、武人として一生の恥なのだ」

 

愛紗「!!!」

 

……

 

愛紗「…解った、その者を連れていって手当てをすればいいのだろ」

 

桃香「ありがとう、愛紗ちゃん」

 

愛紗「決めたのなら急ぎましょう」

 

そうか。

 

この者が死ねば私は、

 

武人として一生消せない恥を作ってしまうことになる。

 

 

 

 

鉄で出来た部屋の中。

 

その中で、末永く響く声。

 

??「ACE-001>>手術中死亡」

 

??「―ACE-002>>薬物使用中死亡」

 

??「―ACE-003>>手術中死亡」

 

??「―ACE-004>>手術中死亡」

 

??「―ACE-005>>手術中死亡」

 

??「―ACE-006>>薬物使用中死亡」

 

??「―ACE-007>>薬物使用中死亡」

 

??「―ACE-008>>精神崩壊後研究員一人を殺して制圧され、射殺」

 

??「―ACE-009>>薬物使用中死亡」

 

??「―ACE-010>>精神崩壊、研究員4人を殺して自殺」

 

??「―ACE-011>>薬物使用中死亡」

 

??「―ACE-012>>自殺」

 

??「―ACE-013>>手術中死亡」

 

??「―ACE-014>>精神崩壊後死亡」

 

??「―ACE-015>>自殺」

 

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

 

??「―ACE-625>>適格者・・・」

??「―ACE-625>>適格者・・・」

??「―ACE-625>>適格者・・・」

??「―ACE-625>>適格者・・・」

 

 

 

 

 

 

???「!!」

 

はぁ……はぁ……またあの夢…はっ!

 

首を触る。

 

ちゃんとマフラーで隠されてある。

 

???「…하아……(…ハアァ……)」

 

全身の緊張が抜けるようなため息をして上体かがめたら

 

っ!

 

何気に背中が痛い。

 

上半身は、上着が脱がされ、包帯に包まれてあった。

 

これが肉体が千切れた時の痛みか。初めて知った。

 

今まで、どの戦場でも遅れをとったない私が、些細な恥部を隠すために、この体に傷を作ってしまうとは……

 

ところで、何だか頭もすごく痛いんだが、どういうことなのだろうか。

 

 

がちゃん

 

???「!!」

 

桃香「よいっしょっと~、あ、起きたんですか?」

 

…私のマフラーを持っていた人だな。

 

他の二人はどうした。

 

桃香「ああ、まだ起きたらダメです。お医者さんが、何日間は傷口が閉じるまでに安定しなさいって……」

 

やはり、言葉は私

 

??「何故私が生きている?」

 

桃香「え?」

 

??「原因が何であれ、私はお前らに剣を向けた。そんな相手を殺さずに、しかもこんなに手当てまでするなんて、何を企んでいる」

 

桃香「企んでなんていませんよ。あれはちょっと誤解があっただけで……あ、怪我のことは本当にごめんなさい」

 

??「??」

 

何を言っている?

 

桃香「あ、これ、よかったら食べてください」

 

と、いいながら女の人が渡したのはお粥だった。

 

??「……」

 

桃香「毒なんて入っていませんから、安心して食べてください♪」

 

…嘘ではないようだな。

 

何よりここまで手当てしておいて、毒で殺すというのなら、相当の変質者というものだ。

 

お粥の盆をもらってお粥を口に入れる。

 

胃腸は空っぽだった。

 

そうしながら周りを見回す。

 

見たところは旅館だろうか。

 

それにしても、なんというか、すごく中華的な飾りだな。

 

??「…ここは、どこだ?」

 

桃香「ここは幽州啄県です」

 

??「…は?」

 

なん…だって

 

桃香「ここは幽州啄県、そして、私の名前は劉備と言います」

 

益々なんだって?

 

??「…ふっ、面白いことを言う」

 

桃香「へっ?何が面白いんですか?」

 

??「貴殿が劉備玄徳なら、先の二人は誰だ?関羽に張飛でもあるのか?」

 

桃香「へっ?!どうして解ったんですか?」

 

………本当なのかよ。

 

いや、もしかすると、私はもう死んでいるのかもしれない。

 

実はもう死んで、ここは天国なんだ。

 

劉備と関羽と張飛が美少女な世界なんて、どんなとんだファンタジーだ?

 

が、背中を走る痛みがそうでないと主張している。

 

桃香「あ、あの…影子さん、でしたっけ」

 

む?私がいつ名前を…あぁ、言ったな、自分で。

 

影子「そうだけど」

 

桃香「あの、どうして、あんなところにあったのですか?」

 

影子「あんなところとは…?」

 

桃香「五台山の平野に倒れていたじゃないですか?」

 

影子「解らんな。ここがどこなのかもさっぱりわからないし、どうしてそんな場所に私がいたのかも、解らん」

 

何一つ冷静に考えて理解できることがないな。

 

私がここにいる理由も、ここがどこなのかも、何故歴史の英傑の名を名乗る女の子たちがいるのかも、

 

 

それ以前に、

 

 

何故私がまだ生きているのかも。

 

影子「劉備」

 

桃香「あ、はい」

 

影子「この包帯を巻いた時…私の胸に傷跡はなかったか?」

 

桃香「あ、それは…私はそれを巻く時外にいましたので……包帯を巻いたのは愛紗ちゃんです」

 

影子「あいしゃ?」

 

それはまた誰だ?

 

桃香「ああぁああ!!真名ですから言っちゃダメですよ!!」

 

影子「真名?」

 

何だ、それは?

 

桃香「真名、知らないんですか?」

 

影子「解らん。何だ、真名とは…」

 

桃香「真名は、真なる名と書いて、その人の本来なる性質を示す、本当の名前です。許されてない相手はたとえ知っていても呼ぶことは許されません」

 

影子「そういうものがあるのか……」

 

なんとまあ厄介なところだな。

 

桃香「あの、愛紗ちゃんというのは、関雲長のことです」

 

影子「雲長……」

 

確か、黒髪の子とちっちゃい子の中で、黒髪のやつが刀を持っていたな。あれはもしや青龍偃月刀か?

 

そっちの方が関羽で、ちっちゃい子のほうが張飛と見たほうが妥当だな。

 

 

がちゃ

 

劉備と話をしていたら、またドアが開ける音がした。

 

鈴々「あ!お兄ちゃん起きたのだ!」

 

愛紗「……」

 

…張飛に、関羽か。

 

どうやら関羽は私を警戒しているようだな。

 

当然の行為だ。

 

寧ろ他の二人の方がどうかしていると言える。

 

桃香「愛紗ちゃん、話は大体終わったよ。やっぱりただの誤解だったよ」

 

そんなに大体の話を聞いた気はしないが、まぁ黙っていよう。

 

愛紗「そうですか」

 

鈴々「大丈夫で良かったのだ。せっかくの仲間なのになくしちゃったらどうするかと思ったのだ?」

 

影子「仲間?どういうことだ」

 

鈴々「これなのだ」

 

そういいながら、張飛が差したのは私のマフラー。

 

…そういえば、この子も赤いマフラーをしているな。

 

なるほど、それで仲間か。

 

愛紗「何馬鹿なことを言っているのだ、鈴々」

 

関羽が呆れたように言う。

 

少し真面目性が強いと見た。

 

愛紗「お主、一体何者だ?何故あのようなところにあって、どうして桃香様を攻めようとした」

 

桃香「だからそれは誤解だってば、愛紗ちゃん」

 

愛紗「桃香様は黙っていてください」

 

……

 

影子「私の名前は影子。何故そのようなところにいたかは解らん。特に劉備を攻撃しようとしたわけではなく、これを返してもらおうと思っただけだ。刃物を先に取り出した

 

のは関羽殿だったと覚えているが」

 

愛紗「うっ……」

 

鈴々「愛紗、その話はもうやめるのだ。やったところで愛紗に理もないのだ」

 

愛紗「なっ!」

 

鈴々「こっちがほぼ勝手に勘違いしていたのだ。それに、空いてる背中を攻めて怪我までさせちゃったんだから、言う口もないのだ」

 

愛紗「……!!」

 

影子「いや、あれは私が悪い」

 

鈴々「にゃ?」

 

影子「敵なる相手を前にして、後ろを丸見せしている方が馬鹿だというものだ。戦いの中で相手に隙があるのに、突かぬ理由がなかろう」

 

戦場に立てば、正々も堂々もない。

 

隙を見せられば死ぬし、死んだ者は文句も言えない。

 

屍が「卑怯だぞ!今のなし!やりなおし!」と言えるものか。

 

愛紗「……」

 

だけど、そんな私の言葉を聞いた関羽は益々顔が赤くなって、

 

愛紗「お主!影子といったな。今すぐ私とやり直せ!」

 

鈴々「はぁ……愛紗が壊れたのだ」

 

先そんなのはないと言ったばかりなのだが…

 

影子「私は当分激しい動きは慎めと勧められたのだが………まぁ、それでも関羽殿が勝負を願うのであれば、受けて立ちざるを得ない」

 

どういう訳なのかはさておいても歴史の英雄と戦うなんて、普通にはない機会だからな。

 

影子「つっ!」

 

桃香「ああ」

 

寝台から起きるのも結構きついか。

 

これじゃあ体に負担がかかるような技は無理だな。

 

桃香「まだ動いちゃ……愛紗ちゃんも落ち着いて」

 

何とかやめさせようとする劉備だが、どうやら相手も義姉の言葉だからって素直に引く気はなさそうだ。

 

寝台の側にあったベルトと獲物を取って腰につける。

 

影子「で、どこでする?今ここでか?どっちにしろ私は一向構わん」

 

愛紗「流石にここでは不味いだろう。街から離れた場所に行って……」

 

がちゃ

 

 

その時、

 

部屋に入ってきた人を見た瞬間、三人の顔色が変わった。

 

 

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
13
3

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択