No.171087

それがあなたの望むことならば~雛から凰まで~十八歩

TAPEtさん

裏の多い子、奏こと徐庶元直の再登場です。

場所、奏のお家は、奏が首を吊るって自殺したお母さんと住んでいたあの家。

奏は、何故またそこにいるのか。

2010-09-07 22:17:56 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:2157   閲覧ユーザー数:1967

一成side

 

「何だー、てめぇは!」

 

「それはこっちの話だ!今何をしようとした!」

 

目の前に立っているのは、頭一つぐらいは背の差がある男性。

 

武芸に心得もない私が、ここでこの人を相手することはできない。

 

ならせめて、ここの警備たちが来るまで時間を稼がなければ……

 

被っていた帽子をはずして、できるだけ怖い顔で相手を睨む。

 

「貴様、イカサマを仕掛けたのに限らず、後ろめたいところをつつかれたって女の子を殴ろうとしただろうが!それでも貴様が人間か!」

 

「なっ!こいつらが大人に向かって調子乗りやがって…!」

 

「ああ、大人か?貴様のような大人百人連れて来ても鼻笑いしか出てこない!」

 

「なんだとー!」

 

男の拳が上がる。

 

「っ!!」

 

「兄貴!」

 

「何だよ!」

 

 

 

「オイ!そこの貴様ら!何をしている!」

 

「!!あ、あれは…!」

 

イカサマ賭博をしていた人たちは右を向かっては固まってしまった。

 

固まったやつらが見ているところを見たらそこには……

 

 

 

「華琳さまが納めていること陳留の町の真ん中で、喧嘩とはいい度胸だな。続けたければこの夏侯元譲を倒してからにしろ!」

 

いや、遠慮しておきます。

 

そこにたっていたのは、赤いチャイナドレスが美しい一方で、手には物凄くでかい剣を持っている女の人であった。

 

 

雛里side

 

「よかった。警備さんが…」

 

「キャハー、夏侯惇帰ってきてたんだねー。今日は次から次へと予想外のことばっかりねー」

 

「奏ちゃん?」

 

だと思います。

 

外見は昔と随分と変わっていて、背も一成ちゃんぐらいになってるし、ちゃんと成長してます。

 

黄緑の髪は昔より長くなって後ろで黒いリボンで結んでありました。

 

でも、何よりこの子が奏ちゃんだって確信できるのは、

 

「キャハー」

 

この笑い方です。

 

こんな笑い方するのは、大陸がどんなに広いとしても、奏ちゃんしかいないでしょう。

 

「泡ちゃん、だよね?昔と全然変わってないね?」

 

「(ぐさっ)あわわー、いわないでー」

 

泣いちゃうから。

 

朱里ちゃんも、奏ちゃんみたいに大きくなったのかな。

 

どうして私はこんなに……

 

「大丈夫だよ。孔明ちゃんもあの時のまんまだから」

 

「本当?」

 

「キャハー、嬉しそうだね」

 

あ、

 

その、嬉しいというか…一人だけで残されたわけじゃないことをしってほっとしたというか…

 

「あ、そんなことより早く逃げよう」

 

「へっ?どうして?」

 

警備の人たちが来たからもう大丈夫なんじゃ…

 

「キャハー、どっちかというと、あの女の方がそこのあっちのおじさんよりまずいよ」

 

「へっ?」

 

 

 

 

ドーン!!

 

「うげっ!」

 

「うわっ!」

 

「あわわー!」

 

走ってきたあの人、いきなり大剣で一成ちゃんとおじさんの間の地面を叩いて大きい穴を作りました。

 

「なっ?!」

 

「さあ、まだやるのかー?それでも、素直に私に捕まるか?」

 

「ぐうっ!」

 

「ぁ……」

 

二人ともその場にフリーズ。

 

目の前の状況があまりにも酷かったものですから仕方ありません。

 

ここは私が何とかしないと…

 

「あ、あのー。そこのお兄ちゃんはこの子を助けようとしただけで、別に悪いことは……」

 

「うん?そうか?」

 

よし。

 

「ち、ちげー!こいつがうちの兄貴に喧嘩売ってきたんだ!」

 

「なっ!?」

 

おじさんの後ろにいたちいさい人が嘘で場を混乱させました。

 

「うーん、どっちの話が合ってるんだ?」

 

女の人(夏侯惇と言ったかな)は腕を組んで少し考えては、

 

「ええい、わからん。両方とも連れて行って秋蘭に聞いてみよう」

 

あわわ。まずいです。あまり後ろめたいこともないですけど、一成ちゃんは捕まったら色々厄介なことが起こるかも知れません。

 

 

一成side

 

うぅん、まずいな。

 

ここで捕まったら色々めんどくさいことになってしまうかも。

 

思ったより十分厄介だけど。

 

なんだかんだで、私は以前王朝に追われていた身。今まで何もなかったとしても私の存在を知ったら都でどう反応するか少し心配になる。

 

「両方とも。おとなしく付いて来い。でないと…」

 

でも、先この人の怪力…下手に逃げようとしても粉々になるでしょうね。

 

他の警備の兵たちも次々と着いてるし、このままだと捕まるしかないか?

 

雛里お姉ちゃんだけじゃどうしようもないのに、せめて桃香お姉さんたちが来てくれれば……

 

 

 

 

「待て!」

 

キターーーーーー!

 

「愛紗さん!」

 

「何だ、貴様は」

 

「そのお方を放してもらおう。あの方は何も捕まるようなことをしてない」

 

そして、愛紗さんの手にある青龍偃月刀。

 

「ふっ、貴様がそれを何故わかる」

 

「解るとも。そのお方は、この大陸を救うために天から下った…」

 

「わー!!わー!!わああー!!!!」

 

愛紗さん、何全部ばらしてるんですかー!!!

 

「良くはわからんが、この夏侯元譲の邪魔をするつもりなら、それほどの覚悟はできてるだろうな」

 

「言われなくとも解っている」

 

愛紗さんが青竜刀を握りなおします。

 

やるの?

 

しかし、関羽と夏侯惇……こんなところで英雄の二人が戦ったら、町が大変なことになってしまう。

 

「さあ、来い!」

 

「たはああああああっ!!」

 

どうすれば……あ!

 

 

 

 

 

 

「げぇっ!曹操!」

 

「何!?華琳さまだと?」

 

引っかかった!

 

夏侯惇の姿勢が崩れた!

 

「隙あり!」

 

「なっ!」

 

ガチン!!

 

愛紗さんの一撃は、一手遅れて反応した夏侯惇の剣をを容赦なく叩く。

 

「ぐぅっ!」

 

「一成殿!この度に早く雛里と…!」

 

「わ、解ったよ!」

 

でもそこで名前は言わないでほしかったよぉ(涙

 

「雛里お姉ちゃん!奏お姉ちゃん!」

 

 

 

 

雛里side

 

「いまのうちにいくよ!」

 

一成ちゃんが叫びました。

 

「えっ、でも愛紗さんは…」

 

「泡ちゃん、今は逃げた方がいいよ。ここ直ぐに修羅場になるから」

 

奏ちゃん?

 

ドーン!!

 

「貴様ー!」

 

「ほら、始まっちゃったー」

 

押されていた夏侯惇さんが反撃をはじめました。

 

「急ぐよ!」

 

「うん?ひゃっ!」

 

一成ちゃん、急に抱かないでよ!

 

「奏お姉ちゃんは走れるよね?」

 

「キャハー、安心、安心、逃げるの慣れてるからー。こっちだよ」

 

奏ちゃんはいつものようににぱぁって笑いながら先へと走りました。

 

私を抱いた一成ちゃんも、それに続いて走りました。

 

「おい、あいつら逃げるぞ!」

 

「追え!」

 

愛紗さんと夏侯惇さんの戦いに集中している中で、何人かの警備たちがこっちを見て追ってきました。

 

「一成ちゃん」

 

「解ってるよ。でも、今は状況はまずいよ。あの人とは話が通じあいそうでもないし。こんなところで捕まったらどれだけ足止めされるか解らないの!」

 

「それはそうだけど…」

 

あのままだと愛紗さんが……

 

 

 

 

私は奏ちゃんの後を追って、他に私たちを探していた警備たちの目を騙して城を出ることができました。

 

そこで、鈴々ちゃんと桃香さんに会って、愛紗さんのことを話しました。

 

「ごめんなさい。私のせいで……捕まっちゃったかもしれない、いや、きっと捕まっちゃったよ」

 

「平気、平気、愛紗ちゃん、二人だけで行かせたのが心配になるって言って、行ったんだけど、行って正解だったみたいだね。愛紗ちゃん行かなかったらきっと今頃、一成ち

 

ゃんが牢屋の中にいるだろうし」

 

桃香さんがそういいましたが、これからどうするの?

 

鈴々ちゃんも愛紗さんが心配そうに、城の壁を見上げていました。

 

「最悪の場合、愛紗さんが曹操に目を付けられる可能性があります。聞けば、曹操は有能な人材には目がないとのこと。なんとしても自分のものをしようとすると思います」

 

「愛紗は鈴々たちがいるのだ!曹操か妄想か知らないけど、愛紗に勝手なことをしたら許さないのだ」

 

一成ちゃんが言ったことも可能な話です。

 

でも、鈴々ちゃんの話ももっとも。なんとしても愛紗さんを取り戻さないと…

 

「キャハー、何か皆困ってるみたいだねー」

 

その時、口を開けたのは奏ちゃんでした。

 

「一成ちゃん、この子は?」

 

「あ、はい、徐庶元直です。水鏡先生の時に一緒にいたお姉ちゃんです」

 

「ぐさっ!」

 

今日何回目倒れるのかな、桃香さん。

 

っていうか愛紗さんが捕まったことには倒れなくて、ここでは倒れちゃうんだね。

 

「キャハー、なんなら奏が手伝ってあげましょうか?」

 

「何か方法があるのだー?」

 

「そーですねー…キャハ、それはちょっと後に話して、今日は奏のお家行きましょう。そろそろ日も暮れてますし」

 

そうです。日はもう西に沈んでいて、城にも戻れない私たちは、今から動かないと今日のうち寝られるところを見つけかねます。

 

「でも、愛紗ちゃんが、」

 

「キャハー、まぁまぁ、どうなっても今日はその人を助けることは無理ですよ。それに、奏は今とっても嬉しいのですよー?ぜひとも皆さん今日奏のお家にきてくださいなー

 

 

そういえば、奏ちゃんはどうしてここにいたのでしょう。

 

それに、自分のお家だなんて、じゃあ私塾は?もしかして、水鏡先生と朱里ちゃんに何か……

 

 

 

 

そうやって私たちは、陳留からそれほど遠くないところにある奏ちゃんの家で宿すことになりました。

 

家は、ちょっとボロボロでした。

 

屋根にはところどころ穴が空いてあったし、家の柱にも、ちょっと腐っているようでした。

 

要するに、今すぐ崩れちゃってもおかしくないほど酷い家でした。

 

「こ、こんなところで住むの?」

 

私が心配げに聞きましたけど。

 

「キャハー、いいでしょう、たまたま幽霊とかも出てくるんですよ?」

 

「ゆ、幽霊!?」

 

幽霊にすぐ反応しますね。

 

「奏ちゃん式の冗談だから驚かなくてもいいよ、桃香お姉さん」

 

「キャハー、ばれた?

 

「奏お姉ちゃんに散々やられたからね、あのごろは…部屋で起きたら布団の中に蛇があったり」

 

「だって蛇男にいいというでしょー?」

 

「茸採ってきたと言って分けてもらって食べたら麻痺効果のある茸で半日は動けずにいたり…雨ふったんだよね、あの日」

 

「だってあの頃は何が食べられるのだかよくわからなかったしー」

 

「しかも『雷怖い』とか私の部屋に来て言って、一緒に雛里お姉ちゃんの部屋に行ったら朱里お姉ちゃんと雛里お姉ちゃん二人でやお…」

 

「あわわー!!あわわー!!あわわー!!!!」

 

「キャハー、新鮮な大発見だったよねー」

 

「「少しは謝罪の気持ちを持て!!」」

 

「キャハー、泡ちゃんまで怒っちゃった」

 

もう奏ちゃんは本当にはかなわない…朱里ちゃんでもいないと……というか一成ちゃん、私が見ないところでも災難だったんだね。前の二つは初耳だよ。

 

「何か、三人とも仲良かったみたいだね」

 

隣で見ていた桃香さんは言いました。

 

いえ、仲良しというか過去に閉めておきたい黒歴史です。

 

「…桃香お姉さん、ごめんなさい」

 

「え?いいって、いまさらまた…」

 

「ううん、私が奏お姉ちゃん助けなかったらこうならなかったし、しかも今すごくそれ後悔してる。この人のことどうなっても良かった」

 

「ちょっ、それひどっ!(カピーン)」

 

「愛紗無駄死したのだ!?」

 

「本当にごめんなさい!!」

 

「キャハハー」

 

奏ちゃんは、何も言わずにただただ笑ってました。

 

 

夕飯を食べた後(鈴々ちゃんは足りないといいましたけど)、私たちは奏ちゃんに愛紗さんを助ける方法というのを聞きました。

 

「キャハー、簡単な取引だよ」

 

「取引?でも、相手は曹操だよ。何か曹操さんがほしいものでも持ってるの?」

 

「そうだねー。先ずはあの人奏のことほしいって言ってたよねー」

 

「えっ?」

 

「何かね。ここに来てまもなく城の伝令の人に呼ばれていってみたら、「私のものになりなさい」と言うんだよ。嫌って言って戻ってきたけど」

 

そ、そうか。奏ちゃん、もう曹操さんのところに目を付けられていたんだ。

 

「その後もたまたま伝令の人来たんだけど、最近は来てないね。きっと他の誰かを見つかったんだよ」

 

「じゃあ、それは元直ちゃんが行ってもダメなんじゃない?」

 

「そうですねー。キャハー、そもそもあんな人に仕える気なんてなりませんけど」

 

え?あんな人?

 

「どうして曹操さんのところに仕えなかったの?」

 

「キャハー、泡ちゃんは曹操って人良く知らないね。まぁ、奏もあまりよく知らないけど…」

 

「完璧超人、って噂だけど」

 

一成ちゃんが言いました。確かにそんな感じですね。

 

「そうだねー…でも、何か顔を見たら、なんとなーく、気に入らなかったよねー。だから嫌っていた」

 

「え?それだけ?」

 

「それだけー」

 

やっぱり、奏ちゃんってちょっと変です。

 

「正直ね、もう顔合わせなくないほど嫌いだけど。今回は一成ちゃんと泡ちゃんたちの友たちさんを助けるのだし、特別だよ」

 

「あ、ありがとう…」

 

「じゃあ、奏お姉ちゃん、結局どうするの?」

 

「……」

 

その時、奏ちゃんはいきなりなんか桃香さんのことを意味ありげに見つめました。

 

「そうねー…でもちょっとこれは惜しいかなぁ…奏ちゃんも何か得がないと…」

 

「へっ?」

 

「あの…、私たちお金とか、そんな価値あるものはそんなに持ってないんだけど…」

 

桃香さんが心配そうに言いました。

 

「キャハー、そういうんじゃなくてですね。ただ、奏が城に行く時に、一成ちゃんも一緒に来てほしいなって思っただけですよー」

 

「私も?」

 

「うん、一人で行くと…怖いからね、あの人」

 

「そういうのなら、鈴々が行くのだ」

 

愛紗さんのことが一番心配な鈴々ちゃんが護衛役を買って出ましたけど。

 

「おチビちゃんはいざという時奏の望むように動いてくれそうにないからだめ」

 

「にゃにーっ!鈴々、お前なんかにおチビといわれたくないのだ!お前こそちっちゃ……」

 

奏ちゃんの背、一成ちゃんよりすっこし低いぐらいです。

 

「…じゃあペタっ…」

 

胸……ちょっとあります。……後で垂れろ

 

「うぅぅ……」

 

「文句ないよねー?ちなみにお姉ちゃんは何か天然みたいだからだめ。曹操は怖いからその前に立っても凍らない人がいかないと……」

 

「わ、私が行ったら?」

 

そんなところだったら一成ちゃんに行かせたくないので言ってみましたけど、

 

「うーんとねー。泡ちゃんはきっと華琳の前に立ったら噛んじゃうからダメ」

 

「あわわ…私、最近は噛まないよぉ…」

 

「すもももももももももも」

 

「す?す、ももももももももも?」

 

「はいっ、脱落」

 

えっ?何、今のなに?

 

「じゃあ、一成ちゃん、行くんだね?」

 

「…うん」

 

「大丈夫なの?」

 

「大丈夫。…それに、愛紗さん、私のせいで捕まったから、私が助けてあげないと」

 

「キャハハー、たくましくなったね、一成ちゃんも」

 

「でも、具体的にどうするの?」

 

「キャハー、それは奏に任せて。曹操ならきっと飲み込む話だから」

 

「自身満々だね」

 

「キャハー」

 

でも、あったかな。奏ちゃんが心配してる時って。

 

いつも笑ってばかりいるけど……

 

奏ちゃんが笑ってないのって、最初会った時除ければ………

 

 

一成ちゃんと一緒に塾を出る前日の一時だけかな。

 

 

 

 

 

 

 

一成side

 

結局、私は奏お姉ちゃんと一緒に明日城に行くことにした。

 

今日はもう寝ようとして、桃香お姉さんと鈴々と雛里お姉ちゃんとかなお姉ちゃんは一緒の部屋で眠りつきました。

 

私は……

 

まだ眠れなくてちょっと外に出ています。

 

寝られない理由は二つ。

 

愛紗さんが私のせいで捕まったこと。

 

そして、奏お姉ちゃんがここにいる理由。

 

奏お姉ちゃんは、言おうとしなかった。

 

桃香お姉さんや鈴々もいるから、私たちも激しく聞くことができなかった。

 

「キャハー、何してるの?」

 

「奏お姉ちゃん」

 

奏お姉ちゃんが私がいた庭の方で出てきました。

 

「キャハハ」

 

「…奏お姉ちゃん、夜にそんな風に笑うのやめない?近所迷惑じゃない?」

 

「キャハー、大丈夫だよ。変なこというね、一成ちゃんは」

 

「……奏お姉ちゃんに変って言われた」

 

「キャハハー」

 

「笑うことしか考えられなかったらもう寝ちゃえば?」

 

「キャハ?本当に奏寝てもいいの?…よいっしょっと」

 

そういいながら、奏お姉ちゃんは私が座っていた草地の上に座りました。

 

「キャハー、久しぶりだよ。奏の家にこんなたくさん人が来るのって…」

 

「……」

 

「いつも『一人』だったからねー。ちょっと、淋しかったかも」

 

「……」

 

「ここね?奏とお母さんと一緒に住んでた頃にはもっと綺麗だったよー。屋根や柱もちゃんと立ってあったし、庭だって…お母さんが庭の手当てとか上手だったんだねー」

 

「……ねぇ、奏お姉ちゃん」

 

「キャハ?」

 

「……どうしてここにいるの?」

 

 

 

 

 

 

「…キャハー」

 

奏お姉ちゃんは笑いながら、私の肩に頭を乗せながら言いました。

 

 

 

「奏ね、破門されちゃった」

 

 

 

 

 

キャラ設定

 

 

奏こと徐庶元直(七年後)

 

 

服:水鏡女学院の制服。帽子を被らずに肩まで垂らした黄緑の髪を黒いリボンで絡まっておいたのが特徴。

胸部には赤いリボンがある。腰のリボンも赤く染まってある。制服のリボンではなく自分で付けた模様。

 

外見:成長している。背は一成より少し低いぐらいだ。胸も少し膨らんでいるので、雛里が少し警戒するのも無理はない。

 

 

 

性格:

うまく説明できない。とにかく変だ。昔お母さんの自殺現場を自分の目で見た後、彼女の性格にはどんな形にでも歪みができている。感情を正常的な方法で晒すことができず、人に迷惑をかけることもある。

 

特有の笑い方は、知ってる人から聞くと、その明るさの裏にある暗い何かが感じられてすごく気に障る。知らない人だったらただ怖いだけ。

 

好きな人をいじめることは少し度が過ぎる。別に好きじゃない人でも迷惑かけるので区別がつかないが、とにかく脳内回路が少し異常だ。

 

特徴:

朱里が「神算」なら、奏は「鬼算」言えよう。

その計算を恐ろしさは、まるで全てのことを答えがあると確信できるJIGSAWを解くようで、いくつかの情報を集めて、これから起きることを的確に計りだす、いわば「未来予知」だ。

 

ただ、完全な情報が集まることが難しいため、本人だけが知っていて他の人たちは言うことがないところが朱里との違い。

 

朱里や普通の軍師ならさまざまな可能性を考えるが、奏はそれらを認めない。どんなに無限の可能性があっても、成ることは一つだけだからだそうだ。

 

いつも自分の判断に確信を持ったら、周りが見たらとても危なっかしいことも平然と笑いながらやりこなす。それがまた人たちに迷惑かけるというのは言うまでもない。多分、笑い方の問題だと思う。

 

何もかもあの笑い方がいけないみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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