No.171078

鬼ヶ島の鬼~血染めの刃~ 第7話

紫炎さん

拠点です。


筆の進みが遅くなってるな……
スランプが怖い。くわばら〱

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2010-09-07 21:40:27 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2264   閲覧ユーザー数:1831

緋雲たちが董卓こと月のもとに仕えることとなってから二週間。彼ら鬼ヶ島の傭兵たちは早くも打ち解けていた。彼らの兵は錬度も高く、その部隊長たちは董卓軍の将である華雄や霞と互角に打ち合うものすらいたのだ。その中でも一番隊……緋雲が直接指揮を執る部隊の実力はずば抜けていて、ねねが指揮を執る部隊との演習において、緋雲と桂花の指示のもと一糸乱れぬ動きで撹乱し、開始から半刻で勝利したのだ。

 

 

 

知略に長け、武勇も高い。そんな完璧超人にみえた緋雲と桂花だったが彼らにも欠点はあった。

 

 

 

 

まず桂花だが、仕えることとなった次の日。報告書を持ってきた文官に、

 

 

 

「あんた私の話を聞いてたの!?何よこれは!わかりきってることを報告されても何の意味もないじゃないの!ちょっとは頭を使いなさいよこの無能!!!」

 

 

 

と罵声を浴びせたことで、彼女が異常な程の男嫌いだということが判明した。それから毎日ヒラの文官武官たちは耳をふさぎたくなるほどの罵声を浴びせられ、その大半が二・三日使い物にならなくし続けてきたが、最近では耐性が付いてきたのかそういったことはあまり起きなくなった。もっとも新参だったものの心には深い傷が残ったそうだが。緋雲曰く、

 

 

 

「ご愁傷さま、としかいえん。あきらめろ」

 

 

 

とのことであり、なんとかしてくれと頼んだものたちを絶望に叩き込んだ。

 

 

 

まあその者たちもこれ以上罵声を浴びてたまるものかと一念発起。双方ともに質が向上したため、ねねも詠も異口同音に『ま、いっか』とのことだ。

つづいて緋雲なのだが、確かに政にも長けていて、問題であった治安や物価対策に効果的な方策をすでにいくつも提案している。処理速度も半端ではないのだが……

 

 

 

「賈詡様、董卓様!執務室に徐晃様がいらっしゃいません!!」

 

 

 

「だぁぁぁぁ!またぁ!?昨日も一昨日もいなかったじゃないの!どこほっつき歩いてんのよ!!?」

 

 

 

「し、仕事のほうは終わっていて、竹簡の上に手紙が……」

 

 

 

曰く

 

 

 

『仕事が終わったので出かける。兵士に頼まれたのでそのついでに霞も探してくる。用があるなら机の上の竹簡に記してくれ。仕事は置いておいてくれれば帰り次第済ませる。手紙を見た者よ、董卓様と賈詡様に提出と連絡を頼む』

 

 

 

「手紙残しとけばいいって話じゃないのよーーーーー!!!」

 

 

 

「でも詠ちゃん、仕事終わってから出かけてるんだから怒るに怒れないよぅ……」

 

 

 

いかんせん仕事を終えてから、という条件付きではあるがしょっちゅうぶらりと出かけるのである。文字通りふらふらしているので探してもなかなか見つからない。仕事も終えているので怒るに怒れないのだ。昨日は緊急の仕事があったのだが緋雲がいなかったために兵を使って捜索したら甘味処の店先にある赤い傘の下で動物たちを侍らせながらのんびりと団子を食っていた。発見した兵士曰く、恐ろしく似合っていたらしい。兵士たちが連れて帰り、詠とねねが凄絶な説教をかましたのだがまるで懲りていないようだ。緊急の仕事を机の上に置いておいてどうしろと詠は騒ぐ。

 

 

 

とまあ欠点が見つかった二人だったが、むしろそのほうがとっつきやすかったらしく、すでに城や町の人々は彼らに対してよそよそしい態度はとらなくなっていた。特に緋雲はその高い武を認められ、時折将たちを直々に鍛えている。相手はほぼ必ずズタボロになるが、どこが悪いのかを一つ一つ丁寧に教えてくれるうえ、終わった翌日以降の鍛錬によって上達していることがわかるのか好評だ。

城で自分が話題に上っているなどと夢にも思わない緋雲は行きつけの甘味処でのんびりと茶を啜っている。霞を探すつもりなど毛頭ないようだ。その周りでは子供たちがちょろちょろして、動物たちと戯れている。

 

 

 

「子供は国の宝。こんな時代だからこそ守ってゆかねばな」

 

 

 

やはりここの茶と甘味は実にうまい。と呟きつつみたらし団子をほおばる。これは彼が提案し、それを聞いたここの店主が目を輝かせ即座に作り上げたものだ。まだできてから一週間程度しかたっていないが、ここの人気メニューになっている。

 

 

 

「徐晃様、仕事はいいのかい?来たばかりとはいえ、将軍様なんだから忙しいんじゃないんですかい?」

 

 

 

 

「問題ない。あの程度二刻もあれば片付く。一応手紙も置いてきた。……馳走になったな。代金はここに置いておく」

 

 

 

「へいまいど!いつもありがとよ!」

 

 

 

ゆっくりと歩き出す緋雲。その後ろに小さなキツネが近づき肩によじ登った。それを気にすることもなく歩く緋雲の肩の上でキツネは丸くなり、すぐに寝息を立て始める。

 

 

 

「さて、霞のことだ。また酒家にでも行ったのだろう。そうでなくては遠乗りだろうな。」

 

 

 

ここ二週間で酒につきあわされた回数実に10回。それはいやがおうにもどこにいるかわかるというものだ。

「あ!緋雲ではないですか!」

 

 

 

「……緋雲」

 

 

 

「む?ねねに恋。どうした……聞くまでもなさそうだ。屋台めぐりか」

 

 

 

霞を探しに酒家に向かう緋雲にねねと恋が話しかける。恋の腕に抱えられた無数の食べ物を見て緋雲は質問の内容の答えを知る。

 

 

 

「相変わらず大食漢だ。むしろすがすがしい。まあ、ちょうどよかった。霞を見なかったか?霞の部下に探してくれと頼まれてな」

 

 

 

「霞ならここをまっすぐ行った酒家にいたです。というかまた逃げたですか!?」

 

 

 

「逃げたとは失敬な。仕事はすべて終わらせたうえに半刻待ったのだ。手紙も残してきたし、問題あるまい」

 

 

 

「そうですか。ならいいですが、逃げるようなまねはしないように!」

 

 

 

「もとよりな」

 

 

 

軽い言葉の応酬。二人の間ではこれが日常になっている。ここに桂花や詠が加わると政や戦にかかわる方策や策の話に発展していくのだが。

 

 

 

「ではな。恋、足元に気をつけろ。転んで食い物をダメにしても知らん。まあ、飛将軍にはいらん世話だろうがな」

 

 

 

「……(ふるふる)緋雲も気をつける」

 

 

 

「では恋殿、いくですぞ!」

 

 

 

立ち去っていく二人をちらと見送ると懐から煙管を取り出し火を灯す。

 

 

 

「さて、行くか。だいぶ時間もたってしまった。急がねば」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、紫煙をくゆらせながら酒家に向かった緋雲は目的地で霞を見つけ、城に向かわせた後、酔いつぶれ、呂律の回らない華雄を連れ帰り、それを知った桂花や霞にはからかわれたり、ねねや恋に抱きあげろとねだられ、詠に二度目の説教をもらったりしたのだが、それはこれとはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    アンケ~ト

読者の皆さま方にお願いがございます。

この後何人か董卓陣営にキャラを加えたいのですが、皆様は誰を加えてほしいかを知りたくなりまして、このたびアンケートを実施します。期間は次の次の話が投稿されるまでとしようと思います。いくつか候補は出しますが、それ以外でもかまいません。ご協力お願いいたします。

 

 

 

 

1 紫苑、桔梗のじゅk…ゲフンゲフン。お姉さんコンビ+焔耶

 

2 翠、蒲公英のいじりいじら…じゃなくて涼州槍姉妹。

 

3 華蝶仮面こと星姉さん。

 

4 蜀のはわわ、あわわコンビ(この場合、蜀にはオリキャラが出ます)

 

5 鈴の甘寧or猫大好き隠密周泰+胡麻団子大好き軍師亞莎

 

6 魏のロドコバキグシャ!!…妹二人、季衣、流々。(こちらもオリキャラ出ます)

 

7 鼻血軍師こと稟+不思議系軍師風。もしくはどちらか片方(こちらもオリキャラ出現)

 

8 以上からどれか二つ。(指定お願いします)

 

9 その他(オリキャラの場合、出してほしい人を明記してください。ないようなら勝手に決めちゃいます)

 

10 出さなくていい!!

選択肢多くてすいません!!しかもオリキャラ出る選択肢も多いです。


 
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