No.170006

漢女の願いが叶うとき・・・

shirouさん

この作品は誤字脱字無知遅筆駄文製作者がある歌を聞いたときに思いついたものです。キャラ崩壊口調違和感時代考証ミスなどは生温かい視線とコメントでお願いします。

2010-09-03 03:24:44 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:2792   閲覧ユーザー数:2511

???「ご主人さまぁ~ん。お加減はどうかしらん?」

 

なるべく明るい声で片手でドアを開けながら部屋に入ってくるのは、気の弱い人間が見たならば卒倒しそうな紐パンの筋肉達磨

 

???「どぅわれが、眼を見れば石にされそうな化け物ですってぇ。」

 

一刀「誰に向かって言ってるんだ、貂蝉?」

 

声をする方向に向かって寝台からそう言った。

 

貂蝉「あらん、ご主人さまん。起きてたのねん。」

 

一刀「あぁ、足音と気配でな・・・うん、この匂いはまた薬膳粥だな。苦いんだよなぁソレ。」

 

と、鼻から得た情報を元にそう答えた。

 

貂蝉「でもん、体にはいいのよん。良薬は口に苦しって言うじゃない。」

 

言いながらお粥の入った鍋を持ったまま寝台に近づく

 

一刀「本当に薬膳なんだよなぁ?」

 

匂いに少し後ろに下がりつつ

 

貂蝉「おとっつあん、お粥ができたわよ。」

 

一刀「いつもすまないねぇ。」

 

貂蝉「おとっつあん、それは言わない約束よ。」

 

と、お約束な会話をしながら

 

貂蝉「さぁとりあえず口を開けて、あーんって。」

 

大匙に一口分を掬い上げて少し冷ましてから口元に持っていくと

 

一刀「あーん。モグモグ、うんにがーい。」

 

貂蝉「さぁもう一口あーん。」

 

一刀「モグモグ。うん、ありがとう。お腹一杯になったよ。」

 

貂蝉「あらん、まだ二口しか食べてないじゃない。しっかり食べないと元気にならないわん。」

 

一刀「うん、気持ちはありがたいんだけど。お腹減らないんだよ一日中寝てるだけだから。」

 

そう言いながら自分の意思通りに動かなくなってきた足をさすってみる。

 

一刀「そしてこんな状態で歩き回ると貂蝉にますます迷惑かけるしね。」

 

と、最近更に見えなくなってきた目を押さえながら自嘲気味に言った。

 

貂蝉「ご主人さま・・・。」

 

”北郷一刀”本来の外史であるならば天の御遣いとしていずれかの勢力に与してこの大陸を平和に導く存在である。

 

だが、この外史ではどの勢力とも遭遇せず(例の盗賊3人組にすら)今に至っているのである。いわば外史というレールからの脱線状態である。

 

空腹と恐怖ゆえに山野を彷徨ったあげく倒れた一刀を貂蝉が見つけ出した時には既に彼は懐血病に冒されていた。

 

貂蝉が空家となっていた庵を改築してそこで共に暮らしている。正確には貂蝉が保護している状態だ。

 

最初は貂蝉の姿に怯えていた、しかし生きていくためには背に代えられないということと、何より

 

この世界で初めて自分という人間を受け入れてくれた存在でもあった。そうして奇妙な同居(同棲?)生活が始まって今に至るのである。

 

『うん、ドアの前まで足音が聞こえてくるな。そしてこの温かい気配は貂蝉だな。尤もこの庵に他人が来ることはないか。』

 

貂蝉「ご主人さまぁ~ん。お加減はどうかしらん。」

 

と、いつものやりとりをする生活が続いていた。

 

そんなある日、目を覚ますといつもより視界が暗くなっていた。

 

『来るべき時がきたのかなぁ』

 

と、心の中で呟く。そうすると足音が聞こえてきた。

 

一刀「誰?」

 

貂蝉「あらん?ご主人さま~ん可愛い貂蝉ちゃんを忘れちゃったのかしらん?」

 

と、笑えない冗談を言いながら部屋に入ってくるのは筋肉達磨。

 

一刀「いや~。いつもと違う流れでいこうかなぁと思ってね。」

 

と、答えた一刀は内心ドキドキしていた。いつも感じ取っていた貂蝉の気配ではなく、今まで会ったことも無いしかも若い女性の気配を感じていた。

 

一刀が貂蝉に若い女性の気配を感じ始めた頃から二人の生活も徐々に変わりつつあった。

 

一刀が貂蝉に対して少しドキマギするようになり、それを感じ取ったのかより甲斐甲斐しく世話を焼く貂蝉。

 

しかし、一番の変化は一刀の容態が悪くなっていったことだった。

 

一刀は寝台の上で体を起こす事さえ辛くなってきた。勿論視界は更に暗くなっていった。

 

しかし、視界が暗くなればなるほど貂蝉から感じる気配はより明確な女性を描き出していた。

 

そして遂にその時はやってきた。

 

『あぁ足音が聞こえてきた。あぁちょっと熱かったのかな指を耳で冷やしてる。』

 

『ん?あぁ改めて最終の味見してるな、納得いったみたいだな頷いてるな。』

 

そしてドアが開いて

 

貂蝉「ご主人さま~ん、お加減はどうかしらん。」

 

と、長髪を二つのおさげに分けたのが似合う美女がお粥を持って入ってきた。

 

一刀「あぁ、ありがとう。貂蝉お粥はそこに置いてこっち来てもらっていいかな?」

 

貂蝉「あらん。温かい内に食べた方が美味しいのにん。」

 

と、言いつつも卓に置いて寝台の傍に

 

貂蝉「それでどうしたのん?ご主人さまん?」

 

一刀「貂蝉・・・俺な気付いた事があるんだよ。」

 

真剣な表情でそう言った。

 

貂蝉「なにかしらん?」

 

一刀「俺、貂蝉のことが好きだ。」

 

貂蝉「え?でもあたしは漢女だけど。」

 

ドギマギしながらそう答えた。内心嬉しさでピーがマックスでピーな状態になりそうだった。

 

一刀「性別とかそんなものを超えて人間としての貂蝉が好きだ。」

 

一刀「この前卑弥呼さんがやってきてね。最初は貂蝉かなと思ったんだけど若干気配から桃色より赤に近い暖色のが多い気がしてね。」

 

貂蝉「聞いたのね師匠ッたら意外とおしゃべりなんだからん。」

 

それで合点が言った何故ご主人さまがこんなことを言い出したのか。

 

一刀「勘違いしないでくれよ。卑弥呼さんに話を聞いたからとかじゃないからな。」

 

一刀「俺の目が悪くなってるのは知ってるよね。目が悪くなると同時に段々と外見じゃなくて内面の形が見えてくるようになってきたんだ。」

 

貂蝉「あぁそれでドギマギしだしたのねご主人さま。」

 

一刀「それでね。」

 

と言いながら私の方へ手を伸ばしてくるご主人さま

 

一刀「俺の命はあとわずかかもしれないけど。せめて生きてる間は恋人として過ごしたいんだ。」

 

貂蝉「ご主人さま。そんなこと」

 

私はもう既に泣いていた。

 

一刀「ごめんなぁ甘えてばかりで。でもまた今度違う外史で出会う時もよろしくね。」

 

そう言いながら私を抱きしめた。

 

ご主人さまの腕の中で光に包まれる”むくつけきをのこ”その光が収束すると、そこには魔王と恐れられた男と飛将軍と呼ばれた男を虜にした絶世の美女が

 

一刀「あれれ。貂蝉痩せたなぁ腕が届くようになったぞ。」

 

貂蝉「馬鹿wでもやっとご主人さまにこの姿で御仕えすることができるのね。」

 

そしてそのまま寝台の上で唇を重ねる二人

 

貂蝉「ご主人さまはそのままで。」

 

と、その手をまずは誰も触れたことが無い二つのふくらみに添えて

 

貂蝉「聴こえますか?ご主人さまに触れていただいて興奮してる音が。」

 

そして上質の絹を思わすような手触りの背中を伝い双丘へ

 

貂蝉「どうでしょうか?呉の国宝と呼ばれるお尻にも負けず劣らない自信がありますのよ。」

 

『しかし、今までTVや雑誌で見てきたグラビアタレントも顔負けだなぁ。』

 

一刀「ごめん・・・ほんとは男の俺がリードしなきゃいけないんだろうけど。」

 

その唇を人差し指で押さえながら

 

貂蝉「ご主人さまに触れられていると思うだけで身も心もとろけそうですわ。」

 

貂蝉「ご主人さまそろそろ・・・」

 

そうして私達は一つになった。

 

朝になって目を覚ました私は自室で昨日の事を思い出して顔を真っ赤にした。

 

貂蝉「ご主人さまは・・まだ寝てるわよね。」

 

結ばれた後一緒に眠りたかったが

 

貂蝉「ご主人さまったら照れちゃって、別々に寝るだなんて。」

 

身支度をして冷たい水を持ってご主人さまの部屋へ

 

貂蝉「ご主人さま~お加減はどうでしょうか?」

 

声をかけていつものように入るが返事がない。

 

貂蝉「ご主人さま?」

 

嫌な胸騒ぎがして寝台に向かう

 

そこには安らかな寝顔のまま息絶えている愛しのご主人さまの姿あった。

 

貂蝉「ご主人さまーーーーー。なんで?やっとやっとこの姿でお傍に居ることが叶ったのに。こんなのってこんなのって。」

 

物言わぬご主人さまにすがりながら泣き叫んでいた。

 

???「間に合わなかったわね。いえ間に合ったのかもしれないわね。」

 

そう言いながら一国を纏め上げる美貌を持った美女が入ってきた。

 

貂蝉「師匠?どうしてここに?」

 

顔を声がした方に向けてそう言った。

 

卑弥呼「私は北郷くんからの伝言をいえ遺言を伝えに来たのよ。」

 

貂蝉「伝言って?」

 

卑弥呼「いい貂蝉?しっかり聞いてね。」

 

『今この伝言を卑弥呼から聞いてるってことは俺はこの世にもういないのだろう。』

 

『そして俺からの告白を聞いて君は驚きながらもきっと俺が望む答えをくれてると思う。』

 

『ははっ、我ながら自惚れてるかな?そして俺のことは忘れて生きていって欲しい。』

 

『卑弥呼から外史の成り立ちそして貂蝉が選んでくれた運命を教えて貰った。』

 

『だから今度は俺という名の鎖から自分を解き放って欲しい。この外史が俺がいなくなってどれだけ続くのかわからないけど。』

 

『そしてまた次の外史では俺は君のことを忘れてるかもしれない。だからまた付きまとってくれ。』

 

『それだけが俺の唯一の頼みであり我がままだ。よろしくな先に逝っちゃうけど。』

 

貂蝉「てなわけでアタシはご主人さまにつきまとってるのよ~ん。」

 

そう言いながら愛しいご主人さまを追いかける。

 

一刀「だぁ~か~ら~ 俺は知らない~。」

 

必死に逃げる”天の御遣い北郷一刀”こと”蜀のみんなのご主人様”

 

星「卑弥呼殿、先程の話は本当ですかな?」

 

卑弥呼「それが本当かどうかはホラ。」

 

と指差した方を見ると石に躓いた一刀に貂蝉がのしかかるようにして倒れる。

 

貂蝉「あいたた。ご主人さまだいじょうぶ?」

 

と、訊いたその唇に柔らかい感触が

 

一刀「今はこれで我慢してくれよ貂蝉。続きは閨でね。」

 

そうして光に包まれる”むくつけきをのこ”そして現れるお姫様。

 

「「ご主人様(お兄ちゃん)その女の人は誰ですか(なのだ)?」」

 

新しいライバル出現に慌て殺気立つ女性陣

 

そしてお姫様の手を引いて逃げる王子様。

 

一刀「これからはずっと一緒だからな。」

 

貂蝉「ハイ。ご主人様。」

 

こんな外史もたまにはいいよね。

 

漢女の願いが叶うとき -完-

 

あとがき

 

ハイ、駄文製作者です。スターダストレビューの木蓮の涙を聞いて思いつきました。

 

卑弥呼の遺言を伝えるシーンで流れると思ってくださるといい感じかもしれません。

 

なんとか願いを叶えようと考えたシチュエーションがコレでした。

 

懐血病の症状で視力障害・歩行困難ってのがあり昔は治療方法が確立してなかったので当てはめてみました。

 

ご指摘・励まし等コメント頂けましたら幸いです。

 

 

 


 
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