No.169565

真・恋姫無双 夜の王 第16話

yuukiさん

真恋姫無双夜の王第16話、
第15話の続きです

2010-08-31 23:11:02 投稿 / 全15ページ    総閲覧数:13282   閲覧ユーザー数:9907

この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。

 

また、一部キャラを否定する場面もございます。

 

ご理解をお願いいたします。

 

まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、

 

こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。

一刀「ここはお前達に任せる。カラクリを使って少しでも長く時間を稼いでくれ」

 

兵士2「分かりました」

 

兵士3「はい」

 

一刀「頼んだぞ」

 

 

兵士2「、、、始まるな」

 

兵士3「ああ、」

 

兵士5「旗は掲げないで良いのか?」

 

兵士2「鳳薦様から掲げるなとのご命令だ。なにか理由があるのだろう」

 

兵士5「そうか」

 

兵士6「敵先陣が来たぞ!!」

 

兵士2「よし、カラクリの準備は良いな」

 

兵士7「ああ、ばっちりだ」

 

兵士2「なら、やるぞ」

 

兵士7「平和な世界の為に」

 

兵士5「少しでも、時間を」

 

兵士8「来たぞ、弓を放て!」

 

兵士3「鳳薦様を守る為に!」

 

兵士達「「「大義は我らにあり」」」

 

 

兵士7「よし、丸太、落とせ!今度はすぐに上げろ!」   

 

    ドスン   ギギギー

 

兵士2「弓を放て!丸太に近づいて来る者は残らず殺せ。

    カラクリが無くなればすぐに門が破られるぞ」

 

    ヒュン  ヒュン  ヒュン

 

関羽「あのカラクリ、厄介だな。ああも何度も上から落ちて来るのではどうにもならん」

 

超雲「あの邪魔な綱を切るしかないが、近づけば良い的になる。どうするか」

 

恋「、、、、行ってくる」

 

関羽「なんだと?おい、恋!」

 

 

兵士8「敵陣から誰か突っ込んでくるぞ」

 

兵士2「あれは、、呂布将軍」

 

兵士3「まずいな、弓を放つぞ!丸太に近づけるな!」

 

   ヒュン  ヒュン  ヒュン

 

 

恋「、、、、無駄」

 

 

兵士3「当たらない、早く丸太を引き上げろ!」

 

兵士7「無理だ、もう少しかかる」

 

兵士2「まずいぞ、カラクリが壊される」

 

兵士9「俺が、綱を使って下に行き足止めをする。その間に丸太を上げろ」

 

兵士2「まて、死ぬぞ!」

 

兵士9「鳳薦様なら、こうするだろ」  

 

兵士2「おい!」

 

兵士9「(俺もあの人のように)」  バッ

 

兵士9「呂布!悪いが足止めを」

 

恋「、、、、邪魔だ、どけ」

 

恋はそう言うと殺気を兵に向ける

 

兵士9「っっ、、(なんだこれは、、殺される、、殺される、、死ぬ、、死ぬ)」

 

比べることすら出来ぬ程の実力差、兵は呂布の姿を見ただけで死を悟る

 

兵士9「あっあ、、(嫌だ、、嫌だ、、死にたくない、、死にたくない)」

 

恋「、、、どけ」

 

兵士9「、(そうだ、、どけ、どくんだ。そうすれば生きられる、死なないで済む。

      無理だったんだ、、あの人のようになるなど、最初から。

      俺はあの人のように強く無い、恐怖を感じない訳じゃない)」

 

恋「、、、、、」

 

兵士9「(良いじゃないか、、誰が死んだって。俺は生きたいんだ、生きるんだ。

     俺には無理だ、あの人のように戦うなど)」

 

兵士は思い出す、男の姿を。強大な敵にも恐れること無く戦う男の姿を

 

兵士9、名を纏黄。彼は憧れたのだ一刀の姿に、どんな敵にも恐れないその姿に、

自らを犠牲にして平和をなそうとするその姿に。彼はなりたかった、

一刀のような強大な敵にも恐怖すること無く戦う英雄に。

 

そして思い出す戦場で見た本当の一刀の姿を

 

纏黄「(、、、違う、袁紹との戦いの時、、あの人の手は震えていた、、微かだが確かに。

     そうだあの人は人間だ。神じゃない、、あの人だって怖いんだ。死ぬのが、、

     なのにあの人は戦っていた、、臆することなく、、戦っていたんだ。

     勝つために、平和の為に、、俺達を守る為に、、)」

 

鳳薦隊はあれほど無謀な戦いを行いながら死者は数えるほどしかいなかった。

それは一刀がどの戦いでも自らを危険にさらしながら兵達への被害を最小限に抑えていたからだ。

 

反董卓連合での時も、袁紹との戦いにおいても、単身で敵陣に斬り込み陣形を崩してから

兵達に突撃をさせていた。少しでも、、仲間を守る為に

 

纏黄「(俺は、、守られていたんだ、、あの人に、なのに俺は、、俺は)」

 

兵士は気づく、城壁の上から聞こえる声に。『戻れと』、『死ぬんじゃない』と、

彼が死ぬことを自分の事のように恐れている仲間の声に

 

纏黄「(俺は、、何を考えていたんだ、、死んで良いはずが無い、、

    あの人が、、あいつらが、、あの人を守ると、、皆で誓ったじゃないか、、

    誰にも理解されること無く死んでいくあの人を、、

    誰にも守られること無く死んでいくあの人を、、、、

    俺達だけは理解して、、守ると、、誓ったじゃないか、なのに、俺は、俺は、)」

 

恋「これで最後、、、どけ」

 

兵士は恐怖に支配されながらも前を見る、自分を殺すであろう者の姿を

 

纏黄「俺は、、俺だって、、俺だって!」

 

落としそうになっていた剣を握る、跪きそうになっていた足に力を入れる

 

恋「、、、、」

 

纏黄「俺だって、、男なんだ!守りたいんだ!皆を、、あの人を!」

 

その姿は無様だろう、剣を握る手は震え、足も震え、恐怖により流れる涙を抑えることもできない

 

それでも、誰が笑う事が出来ようか。仲間の為に、主の為に、戦うその兵を

 

 

関羽「馬鹿な、、あれほどの殺気を浴びながら」

 

超雲「、、見事だ」

 

張飛「すごいのだ、、」

 

呂布の実力を知る将達はそれに驚き、賞賛する

纏黄「(そうだ、、俺は、俺は、鳳薦隊歩兵部隊、纏黄。あの人の兵だ!

    なら、戦わずに屈するなどという無様な姿は許されない!)」

 

兵は笑みを浮かべる、自らを鼓舞する為に、仲間に心配をかけぬように、

最後まで、あの人の兵である事を誇る為に、恐怖に支配されならも、それに打ち勝つために

 

纏黄「行くぞ!呂布!」

 

恋「、、、、」 スッ

 

纏黄「おおおおお」 ブンッ

 

恋「、、、、死ね」 ブンッ

 

   ガシャン

 

纏黄「があっ」

 

兵の全てを賭けた攻撃すらも、呂布の攻撃により、剣は砕け片腕が斬り落とされる

 

纏黄「まだだ、、まだ!」

 

砕けた剣を片腕で持ちながら、兵は呂布に攻撃を放つ

 

恋「、、、」  スッ

 

兵士2「早く丸太を引き上げろ!あいつを!あいつの覚悟をむだにするなーー!」

 

纏黄「ああああああ!」

 

人は、恐怖を感じなくなることなど出来ない。

だが、信念と覚悟を持って、恐怖に打ち勝つことは出来る

 

恋「、、、終わり」  ブン

 

    ザシュ

 

纏黄「がっはっ、、、」

 

そして、それをなした者こそが。英雄と呼ばれるべき者

 

纏黄「全ては、、守る、、為に、、」  バタン

 

兵の名は忘れ去られるだろう、歴史に刻まれることなど無いだろう。

だが、確かにここには存在した、全てをかけて仲間達を守った英雄が

 

兵士2「弓を放て!少しでも、少しでも長く、ここを守るんだ!あいつの為に!」

 

兵士達「「「「おおおおおおお」」」」

兵士10「新しいカラクリの組み立て、終わりました」

 

一刀「なら狙いは何処でも良い。すぐに使い始めろ」

 

兵士10「はっ」

 

兵士11「鳳薦様、敵が火矢を放ってきました!」

 

一刀「出来るだけ多くの濡れた布を用意してそれで消火しろ」

 

兵士11「はっ」

 

兵士12「敵が抜け道に気づいたようです」

 

一刀「よし、出来るだけ敵を引きつけてから、抜け道を崩せ」

 

兵士12「はっ」

 

 

一刀「まだ丸太のカラクリが壊れたとの報告が無いという事は、

   誰かが犠牲になって恋を止めたか、、、。

   嘆くことなど、、今は、、少しでも時間を」

 

兵士13「鳳薦様、西側の部隊が苦戦しているようです」

 

一刀「わかった、すぐに向かう」

 

一刀「(まずいな、今の兵数差でも押し込まれている、ここに孫策が加わったら

    時間稼ぎも出来ない。頼んだぞ、、、、、、、、少しでも時間を、、)」

 

 

 

兵士4「掲げている旗は孫と呂、甘、陸に周か。先陣に孫策と周瑜が居るのか?」

 

兵士1「いえ、違うでしょう。おそらく孫旗は孫権、周旗は周泰でしょう」

 

兵士4「孫策の妹か、捕えれば時間稼ぎになるな」

 

兵士1「そう簡単にはいきませんよ。兵数は此方が劣ってる、それに甘寧や周泰の武も

    孫策や黄蓋ほどではありませんがかなりのモノと聞きます。策を立てて戦わねば」

 

兵士4「策なんかあるのか?」

 

兵士1「ええ、我々を三十人ずつの小隊に分け時間差で個別に攻撃を行おうと思います」

 

兵士4「ただでさえ兵数差があるにそんなことしたら勝てないだろう」

 

兵士1「勝てなくても良いのですよ。我々の目的は時間稼ぎ、一度の攻撃で終わるより

    出来るだけ長く攻撃が続いたほうが良いのですよ。

    どんなに小さな攻撃でも攻撃が続いている間は進軍が出来ませんから。

    それに人数が少ない方が撤退も容易いですかからね」

 

兵士4「なるほどな」

 

兵士1「それと我々は孫権が居る場所に奇襲をかけますよ。

    次々に行われる攻撃で混乱し始めた頃に」

 

兵士4「分かった、お前ら作戦は聞いたな!これより攻撃を開始する。

    死にそうになったらすぐに退け!戦えない奴がいても邪魔なだけだ!

    わかったな!」

 

兵士達「「「おう」」」

 

兵士1「これより戦闘を始めます。平和な世界の為に」

 

兵士達「「「「おおおおおお」」」」

周瑜「本当に良いのか、蓮華様達だけに先陣を任せて」

 

孫策「大丈夫よ。穏も付けたし、そろそろあの子達にも成長して貰わないと」

 

周瑜「しかしだな」

 

孫策「わかったわよ。・・・・、蓮華達の所に行ってくれる?」

 

???「ああ、わかった」

 

孫策「少ししたら私達も行く、それで良いでしょう?」

 

周瑜「ああ」

 

 

陸遜「敵が攻撃してきた時の策は基本、亜莎ちゃんに任せますからね~」

 

呂蒙「はっはい、頑張ります」

 

孫権「でも本当に来るの?曹操は籠城だけで大変なんじゃないか?」

 

陸遜「雪蓮様が来る気がすると行ってましたから。

   こういう時の雪蓮様のカンは当たりますから」

 

孫権「、、、、根拠はカンなのね」

 

甘寧「警戒して困る事はありません。蓮華様」

 

孫権「ええ、まあそうね」

 

周泰「伝令が来ました。敵が現われたそうです」

 

陸遜「来ましたね」

 

孫権「数は」

 

周泰「およそ三十との事です」

 

孫権「たった三十?なにを考えているんだ曹操軍は」

 

陸遜「どう思いますか?亜莎ちゃん」

 

呂蒙「はい、おそらく数回の少数での奇襲の後、大軍での戦いを挑んで来るかと」

 

陸遜「確かに曹操軍が勝つ為の戦をするならその作戦でしょうね」

 

呂蒙「どういう意味ですか?穏様」

 

陸遜「攻撃をしてきている部隊の目的は勝つことではないという事ですよ

   だから亜莎ちゃんの答えは間違えです」

 

呂蒙「そうなんですか!」

 

敵兵「報告!三十人ほどの小隊が次々に攻撃を行ってきました」

 

呂蒙「えっなっ、なら思春様達は部隊を率いて」

 

陸遜「それも間違えですよ、おそらく敵は私達が混乱してきたら少数精鋭で

   蓮華様達に奇襲をかけて来る筈ですから。守りは堅くしておかないと駄目ですよ」

 

呂蒙「なっなるほど」

 

兵士1「やれやれ、せっかく皆さんの力を借りてここまで来たというのに。

    策が読まれてしまうとは、やはり一兵卒では軍師にはかなわないという事ですか」

 

孫権「穏の読みが当たったわね」  スッ

 

陸遜「はい。亜莎ちゃん、策を読む時は相手の気持ちになって考えるんですよ。

   これから頑張りましょうね~」

 

呂蒙「はっはい。頑張ります」

 

兵士1「読まれた上に新人の教材に使われるとは、あまり良い気分ではありませんね」

 

陸遜「すみませ~ん」

 

兵士4「同感だな」  シュ

 

甘寧「伏せろ、穏」  シュ

 

穏「ふえ」

 

      ガキン

 

兵士4「ちっ、防がれたか」

 

穏「あっありがとうございます。思春ちゃん」

 

甘寧「ああ、それにしても接近されている事に気づけないとは、

   精鋭というのは確かなようだ。その動き、貴様も隠密か?」

 

兵士4「テメーやアイツみたいな根暗と一緒にすんな。

    不意打ち、闇打ち、騙し打ち、喧嘩の作法に慣れてるだけだ」

 

甘寧「、、、、、」

 

兵士1「隠密を悪く言うのはやめなさい。隠密は情報収集には無くてはならない者たちですよ」

 

兵士4「わかったよ。、、それでそこの桃色の髪のお前が孫権か?」

 

孫権「そうだ。なにか用か」 スッ

 

兵士4「いや、別にない。ただ時間稼ぎの道具になって貰うだけだ」 スッ

 

甘寧「蓮華様、お下がりを。この者、おそらく貴方より強いようです」

 

兵士4「なんだ?根暗が相手か?」

 

甘寧「キサマ、、生きて帰れると思うなよ、、」  ブンッ

 

兵士4「それはこっちのセリフだな」       ブンッ

 

      ガキン

 

兵士1「出来れば孫権を狙って欲しかったのですが」 スッ

 

呂蒙「、、、、、、、」 スッ

 

兵士1「おや、てっきり軍師かと思っていましたが。武将でもあったのですか」

 

呂蒙「蓮華様に、手は出させません」

 

兵士1「仕方がありませんね。お相手しますよ」  ブン

 

呂蒙「行きます」   シャ

 

      ガシャン

 

 

周泰「思春様、亜莎ちゃん、今援護に」

 

兵士20「おっと、行かせないぞ」

 

兵士21「あいつらみたいに一人でお前の相手をするのは無理でも」

 

兵士22「数人いれば動きを止めるくらいは」

 

周泰「くっ、行きます」   ブン

 

兵達「「「はあああ」」」  

 

      ガキン

 

孫権「穏、私達は部隊の指揮を」

 

穏「はい」

 

甘寧「はあ!」  ブンッ

 

兵士4「ふんっ、速いな。だが、、アイツ方が数百倍速いぞ!」  ブンッ

 

甘寧「くっ、、はああ」

 

兵士4「見えてんだよ!」  ブンッ

 

甘寧「っっ、攻撃が見切られている」

 

兵士4「相手が悪かったな、根暗!」   ブン

 

 

呂蒙「やああ」  シュ

 

兵士1「なるほど、甘寧に周泰、そして貴方の攻撃。

    どうやら呉では攻撃の速さを重視するようですね」   ガキン

 

兵士1「はあ」   ブンッ

 

呂蒙「っっ、まだ、行けます」  シュッ

 

兵士1「無駄です、見えていますよ」       ブンッ

 

呂蒙「きゃっ、、」

 

兵士1「攻撃は速く、袖から出る暗器で何処から攻撃が来るか分かりにくい。

    貴方の攻撃は素晴らしい、しかしあの御方の攻撃に比べれば、

    見切る事など容易いことです。どうやら貴方がたと我々では相性が悪すぎたようですね」

 

 

兵士1「これで終わりです」  ブンッ

 

呂蒙「っっ、」

 

孫権「亜莎!伏せて」     ブンッ

 

    ガキン

 

兵士1「防がれましたか。見事です」

 

呂蒙「孫権様、ありがとうございます」

 

孫権「いえ、無事で良かったわ」

 

兵士1「しかし、油断は危険ですよ」

 

甘寧「蓮華様!伏せて」

 

孫権「えっ、」

 

兵士4「駄目だろう、宝は宝箱ん中にいないとよ」  スッ

 

孫権「っっ」

 

兵士4「終わりだ」    ブンッ

 

???「はあああ」    ブンッ

 

   ガキン

 

兵士4「っっ、誰だ!」

 

???「、、、、、」

 

兵士1「なっ何故貴方がここに、、、華雄将軍」

 

華雄「大丈夫か、孫権」

 

孫権「ああ、助かった。礼を言う」

 

華雄「なに、気にするな」

 

 

兵士4「どうしてアンタが孫策についているんだ。嫌いなんじや無かったのか?」

 

華雄「昔のことだな。孫堅との戦いで敗れたのは私が力不足だったからだ、

   ならば孫家を恨むのは筋違いだろう。それに孫策は私の武を認めてくれたしな」

 

兵士4「なるほど、随分と成長したようだな」

 

孫策「そうよ、今や呉の立派な武将だもの」

 

兵士4「っっ孫策」

 

周瑜「大丈夫か、亜莎」

 

黄蓋「まったく、情けないぞ。思春、明命」

 

兵士1「黄蓋に周瑜もですか」

孫策「随分と妹達を虐めるてくれたようね」

 

兵士4「虐めた覚えは無いな、殺そうとしただけだ」

 

孫策「まあ良いわ。仕返しはしてあげる」  スッ

 

黄蓋「策殿、あまり無理は為さらないでくださいね」 スッ

 

華雄「黄蓋の言うとうりだぞ」

 

孫策「大丈夫よ、これくらいの敵」

 

兵士1「まずいですね、あの三人が相手では」

 

兵士4「だな、退くか」

 

兵士1「そうしたいところですが、もう少し時間を稼がなければなりません」 スッ

 

兵士4「そうか、わかった」  スッ

 

孫策「へえ、やる気なの」

 

兵士4「ああ、来いよ。根暗じゃ相手にならなかったからな」

 

甘寧「、、、キサマ」

 

兵士1「貴方のその無意味に人を挑発する癖、やめた方が良いですよ」

 

兵士4「仕方ないだろう、癖なんだから」

 

孫策「随分と余裕ね」

 

兵士4「安心しろ、やせ我慢だ。俺達もあんたに敵うと思うほど楽天家じゃないんだ」

 

孫策「死ぬとわかっていて戦うの?」

 

兵士1「ええ、守らねばならぬモノがありますから」

 

孫策「そう、なら来なさい」 

 

兵士4「ああ、行くぞ!」  ブンッ

 

孫策「はああ」        ブンッ

 

 

    ガキン

 

兵士1「行きます」       ブンッ

 

黄蓋「来い、小僧」 ブンッ

 

 

 

兵士4「がはっ」

 

兵士1「くうう」

 

兵士4「やっぱ敵わねえよな」

 

兵士1「そう、ですね」

 

彼らが一刀との修練によって甘寧や呂蒙と対等に渡り合える力を手にしたとしても、

甘寧達を遥かに超える実力を持つ孫策や黄蓋には敵わない。それは当たり前のこと。

数合打ち合い、その体はすでに動くとこも難しくなっている。

 

兵士1「貴方、確か戦えなくなったらすぐに退けと言っていましたよね」

 

兵士4「ああ、言ったな」

 

兵士1「なら、早く退いた方が良いですよ。左腕、変な方向に曲がっています」

 

兵士4「生まれつきだ。お前こそ腕に矢が刺さってるぞ。早く退け」

 

兵士1「生まれつきですよ」

 

兵士4「、、、、お前、馬鹿だろ」

 

兵士1「一応、貴方より賢いつもりですが?」

 

兵士4「腕に矢を刺して生まれて来るガキが何処に居るんだ」

 

兵士1「ふふ、それもそうですね」

 

孫権「、、、、なぜ、笑って」

 

孫策「今から死ぬのに笑っているなんて。貴方達馬鹿?」

 

兵士4「死にそうだから笑ってんだろうが」

 

兵士1「人間、最後は笑いながら死にたいですからね」

 

孫策「そうね。その考えは分かるわ」

 

兵士4「そうだろう」

 

 

孫権「貴方達、後悔は無いの?」

 

兵士1「時間は十分稼げました。ありませんよ」

 

孫権「そうじゃ無い。あなた達は死ぬのよ?それでいいかと聞いている」

 

兵士4「孫策、、、こいつはまだ未熟だな」

 

甘寧「キサマ!」

 

孫策「ええ、でもいずれ呉を率いる王になるわ」

 

兵士4「そうか、、、」

    

兵は思い出す。道を間違えている事すら分からずに多くの人を苦しめた過去の自分を、

 

兵士4「、、、孫権、俺は正しいと思うことをやってきた、

    こんな血塗られた世界の中で俺は自分の信じられる道を歩いて来た。

    ならば何故、後悔などする必要がある」

 

孫権「貴方も同じなの」

 

兵士1「あの御方を守る事は出来た。なら後悔などありません」

 

孫権「なんで、そこまで」

 

兵士1「、、、人は何かに縋らねば生きては行けません。多くの人は生まれながらに

    それを持っているでしょう。しかし私は持ってはいなかった」

 

孫尚香「えっ、」

 

兵は思い出す。守る者も、信じるモノも無く、ただ他人を苦しめ続けていた過去の自分を

 

兵士1「だから私は居場所を探した。でも居場所は見つからなかった

    私は友を探した、だが友は見つからなかった。

    私は神を探した、だが神は見つからなかった。

    私はあの御方と出会った、そして全てを手に入れた」

 

孫尚香「、、、、」

 

兵士1「あの御方こそが、私の全てなのですよ」

 

 

孫策「見事ね、その忠誠心。、、、私の真名は雪蓮、、、貴方達の真名、聞いても良いかしら」

 

兵士4「、、俺の真名は獅堂。大義と共に歩みし一匹の獣」

 

兵士1「、、私の真名は一蝶。大義と共に飛びし一匹の蝶」

 

孫策「獅堂、一蝶、その名、私は忘れないわ」

 

     スッ

 

獅堂「ふっ」

 

一蝶「、、」

 

 

兵士2「鳳薦様!孫策軍が現れました」

 

一刀「そうか、、全軍を城門に集めろ。これ以上の籠城は不可能だ」

 

兵士3「、、、出られるのですか」

 

一刀「ああ、十分に時間は稼いだ」

 

兵士3「分かりました」

 

一刀「、、、、、、、すまない」

 

兵士2「謝る必要はありません我々は皆、好きで貴方の元にいるのですから」

 

一刀「そうか、なら、ありがとう」

 

 

劉備「孫策さん!」

 

孫策「遅くなってごめんなさい。進軍に手間取っちゃて」

 

劉備「いえ、来てくれてありがとうどざいます」

 

周瑜「それで、今の状況はどうなっているんだ」

 

諸葛亮「曹操さんは一部の部隊を残して撤退、この城さえ落とせばすぐに追撃が出来ます」

 

周瑜「そうか。これほどの兵力差だ、落とすのに時間はかからないな」

 

諸葛亮「はい、すぐに攻撃を始めれば曹操さんが援軍と合流する前に追いつくはずです」

 

関羽「ならすぐに始めよう。相手は少数、数刻もかからん」

 

孫策「、、、、、、簡単に行けば良いけどね」

 

劉備「何か言いましたか?孫策さん」

 

孫策「何でもないわ、早く始めましょう」

 

劉備「はい」

 

 

兵士2「行きますか」

 

一刀「ああ、行こう」

 

兵士2「本当に、、よろしいのですね」

 

一刀「魏での仕事は、もう終わった」

 

兵士2「分かりました。皆、準備を急ごう!」

 

兵士達「「「おう」」」

 

一刀「(すまない、、華琳、春蘭、秋蘭、桂花、季衣、流琉、真桜、凪、沙和、風、稟。

    次会う時は、敵同士だ)」

 

 

関羽「城門が開いていく」

 

張飛「そういえば籠城している部隊の将って誰なのだ?」

 

関羽「さあな、旗を掲げていなかったから分からない」

 

孫策「たぶん、、曹操軍最強の将よ」

 

劉備「それって、、」

 

関羽「あの旗は、、」

 

超雲「白銀の、鳳旗」

 

 

一刀「我が名は鳳薦、覇王に使えし一本の刀。孫策、劉備、話がある。

   前に出てきてはくれないか」

 

孫策「、、、行きましょうか。劉備」

 

劉備「、、はい」

一刀「久しぶりだな。劉備、孫策」

 

劉備「はい」

 

孫策「それで何の用なのかしら」

 

一刀「単刀直入に言おう。軍を退いてはくれないか?」

 

劉備「えっ、でも」

 

孫策「どうして私達が勝てる戦を捨てなくてはならないの?」

 

一刀「勝てる戦か、、孫策お前は分かっているんだろ?

   今から曹操に追っても追いつくことは出来ない」

 

孫策「、、、、、、」

 

劉備「でも、朱里ちゃん達は、、」

 

一刀「追いつかせはしない、、この俺が」

 

劉備「、、、勝てると思っているんですか?この兵力差で」

 

一刀「勝てはしないだろうな。だが、俺と全ての兵の命を賭ければ、華琳は守れる」

 

劉備「犠牲にするんですか、兵を」

 

一刀「ああ、守る為ならば」

 

劉備「、、、、、」

 

孫策「、、、、、」

 

一刀「孫策の到着が遅れた時点で、お前達の敗北は無くなったが勝利も無くなった」

 

孫策「やっぱり、そうよね」

 

 

劉備「、、、どうしてそこまで曹操さんを守るんですか?曹操さんは間違っています。

   力で国を侵略して、人をたくさん殺して、その先に平和なんて来ません」

 

一刀「、、、確かにそうかもしれない、戦いで戦いを無くすなら、

   その過程で多くの兵が死ぬ」

 

劉備「なら、」

 

一刀「、、、お前のやり方で平和を作りだす間に何人の人間が死んでいく?」

 

劉備「それは、、」

 

一刀「話し合い、分かり合い、確かにそれで平和が訪れるのなら素晴らしいことだ。

   だが、それには長い時間がかかる、その間に何人もの人間が無残にも死んでいく」

 

劉備「、、、、」

 

一刀「劉備、お前が犠牲をださないように平和を作ろうとしているように、

   華琳は犠牲が出る前に平和を作ろうとしているんだ。どちらも、間違ってはいない」

 

劉備「、、、、」

 

一刀「悪い孫策、話がそれたな」

 

孫策「良いわよ、別に」

 

一刀「華琳に追いつくことは難しい、だからといって簡単に退くことは出来ないだろう」

 

孫策「そうね」

 

劉備「はい」

 

一刀「だから、退いてくれるのなら。俺はお前達に降ろう」

 

劉備「えっ、」

 

孫策「自分の身で主の安全を買うの?」

 

一刀「ああ、」

 

孫策「、、、もし、断ったら?」

 

一刀「死兵となってお前達を喰らい尽くそう」

 

劉備「、、、、、」

 

孫策「主の為に降った将を信用出来るのかしら?」

 

一刀「こんな時代だ、仕方ないだろう。それに、十分忠義は尽くしたと思わないか?」

 

孫策「そうね」

 

劉備「はい」

 

孫策「私は良いと思うわよ劉備。今回は魏の最強の将を捕えたるだけで」

 

劉備「分かりました。私もそれで良いです」

 

一刀「、、、、、」

 

孫策「どうかしたの?」

 

一刀「いや、随分と簡単に信用するんだな」

 

孫策「だって裏切らないんでしょう?」

 

一刀「ああ、」

 

孫策「なら良いわよ。、、、貴方がどんな人間か、彼らを見れば分かるもの」

 

一刀「何か言ったか?」

 

孫策「何でもないわよ」

 

劉備「私は鳳薦さんのこと信じてますから」

 

一刀「相変わらず、お人よしだな。簡単に人を信じない方が良いぞ」

 

劉備「でも、鳳薦さんは信じられます」

 

一刀「そうか」

 

 

孫策「じゃあ鳳薦、兵達にも武装を解除して貰って。その後で私達の所に来なさい」

 

一刀「分かった」

 

孫策「行きましょう。劉備」

 

劉備「はい」

 

 

一刀「拘束もしないで行くのは、さすがに信用しすぎだと思うがな。

   『信じている』、、か。簡単に人は信じない方が良いぞ。劉備、孫策」

 

一刀「、、、、、、、全ては、平和な世界の為に。

   裏切りを重ねる俺を、全てが終わった後、どうか裁いてくれ。華琳、、桃香、、雪蓮、、」

 

劉備「鳳薦さんは私達の所に来て貰います!」

 

孫策「いえ、私が貰うわ!」

 

 

諸葛亮「曹操さんを攻める作戦を考えた私達の方が功績が大きいと思いましゅ!」

 

周瑜「ほう、諸葛亮は私達が手を貸した恩を忘れたのか?」

 

 

恋「一刀は、、、恋の」

 

華雄「悪いが、、譲れないな」

 

 

一刀「、、、、なんだ、これは」

 

関羽「貴方がどちらに降るか、決めているのですよ、、、」

 

一刀「そうか、、大変だな」

 

関羽「他人事ですね、、」

 

 

結局、くじの結果、一刀は孫策に降る事になった。

恋が本気の殺気を当たりを引けなかった劉備に放っているのを関羽と超雲が止めていたが、、

 

孫策「これで私のものね」

 

一刀「くじで俺の所有権が決まるなど、、俺は景品か、、」

 

孫策「良いじゃない別に。それと私は貴方が喜ぶ物をもってるわよ」

 

一刀「なんだ?」

 

孫策「奇襲をかけてきた貴方の兵達、殺さないで捕えてあるわ」

 

一刀「そうか、、、礼を言う」

 

孫策「別にいいわよ。私も面白そうな者達だったから生かしておいただけだし」

 

一刀「これからよろしく頼む。孫策」

 

孫策「雪蓮で良いわよ。鳳薦」

 

一刀「なら俺も一刀でいい」

 

雪蓮「そう。よろしくね一刀」

 

一刀「ああ、」

 

 

・・・・別れと出会い、敵だった者が仲間になり、仲間だった者が敵になる。

    一刀は新たな道を歩みだす、大陸に夜を齎す為に。悪となり戦う為・・・・

    後書き

 

最後の方がかなり無理やりな感じになってしまいました、、、

 

色々展開を考えたのですが、この先、呉での話を書く事を考えると、

 

これくらい軽い方が描きやすいと思ったので。スイマセン

 

 

兵達の名前が決まりました。

 

呂布に殺された兵士9 纏黄(てんき) 一刀が魏についてからの新入りなの

                   で他の作品では出番はありませんでした

    

 

兵士1 名前・寛項(かんこう) 字・陣(じん) 真名・一蝶(いちじょう)

 

いちちょうでは無く、いちじょうです。女みたいな漢字ですが、男です

 

 

兵士4 名前・興煜(こういく) 字・統理(とうり) 真名・獅堂(しどう)

 

獅堂はなんだか最近前より口が悪くなってきました、、、

 

 

最初は兵1か兵4のどちらかを犠牲にしようかと思っていましたが、あとの事を考えやめました

 


 
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