No.169087

シュチュエーションで遊んでみる

ピアプ炉に別名義で載せたけどあっちには需要ないよねー(ここにもねぇよ)という ミッドチルダのボーカロイド な話。
多分タイミング的にミクBDっちゅーことで一つ。
・・・・・・・うん、そういう方向で。
もっとアホの子にする予定だったんだけどなぁ

2010-08-29 21:10:34 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1991   閲覧ユーザー数:1920

オリジナル設定満載注意

 

 

 

 

 

 

私は謳うために生まれたから。

その役目である場所を、護るためなら。

 

進んで奏でましょう。

防人としての詩を。

 

 

 

 

 

 

 

 

時空管理局ロストロギア保管施設:アーカム

諸事情により極力明かりを抑えている暗い通路を一陣の淡い新緑にも似た光が駆ける。

未だ遠いが、それでも耳障りな騒動へと向かって。

 

その場所は常に危険に晒されているといってよかった。

現在の技術では扱いきれない巨大な力を持つ「ロストロギア」と呼ばれる旧時代の遺産。

正式な形で保管されているその場所から一つでもなにか持ち帰ることができれば、と物騒な思考に取り付かれて襲ってくる賊は少なくない。

今日の騒ぎも、そんなある意味「日常」のひとつ。

 

事件を起こしたいかにもすさんだ顔の魔術師の前に、先ほどのヒカリが人の姿で立ちふさがった。

きれいな海を思わせる色合いとのツインテールがきれいに踊り、構えられた白の杖の先には鮮やかな緑が映え、それは見るものが見れば 馬鹿長い、ネギ・・・?

既に何度かされた砲撃とも呼べる魔法による攻撃のための煙の中、凛とした声が美しく響く。

 

「アーカム独立機士隊 初音ミクです!

器物破損とロストロギア強奪未遂の件で貴方を逮捕します!」

 

絶対領域を閃かせ、声を上げた少女に向かって魔術師は古めかしいデバイス(簡単にいうと杖:魔法媒体の総称)を突きつける。

足元に展開する光を放つ魔法陣。魔法機動の合図。

 

「やぁああ!」

 

構えた葱を薙ぎ、機動の前にと一気にその足を狙ってなぎ払う。

 

「くっ」

 

呪文を中断させられ、一歩後退する魔術師に彼女は容赦なく間を詰める。

 

「魔術展開確認の時点で投降の意志なしとみなし、公務執行妨害追加!」

 

たいして彼女はむしろ挑発的に声をあげ、手にした葱・・・の形にしか見えないどうやら薙刀を刃とは逆に反転し、その飛び込んだ懐、みぞおちへと一撃ねじりこむ。

まさに光の速度で。

 

「ぐごっ」

 

少女のものと奢ることのできない重い一撃に、魔術師は目を見張った。

どうやら自分が相手をしていた存在がなにであるのかを、今更悟ったらしい。

 

「・・・・・・・・・機人か」

「そんな無粋な名前で呼ばないでくださいっ」

 

少女、ミクと名乗った人の姿を持つ少女が驚くほど爽やかな笑顔を浮かべた。

そのまま魔術師を宙に浮かせ、そして再び地面へと叩きつける。

今度こそ意識を失っていく魔術師に、その声が聞こえたかはわからないが、彼女は自分の誇りを言葉にする。

 

「私はボーカロイド。

この場所のために生まれて、この場所の為に歌う。

そのために邪魔する人に、なんの配慮もしなくていいと教えられていますから」

 

 

 

 


 
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