No.167761

真・恋姫無双 ~河賊団~其のろく

よしお。さん

物語が劇的に進みます。
シリアス……です?若干キャラ崩壊してるかも、申し訳なーい。

誤字・脱字は一応チェックしていますが、万が一ありましたら報告お願いします。

2010-08-24 00:03:57 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:3010   閲覧ユーザー数:2434

~登場人物~

 

―許貢  真名:由宇(ゆう)

元は官僚だったが、盛憲が隙だらけだったので武力で攻め落とし、

呉郡を手にした。

実は天から降ってきた美男子を拾ったのを機に天下を狙い始めた。

スタイルは抜群、性格は結構わがまま。

 

 

―盛憲  真名:梅花

立派な度量を持つ人物。器がでかい。ちょっとやそっとの事でも怒らない。

高岱の才覚にいち早く気付き、自らの側近にする。

許貢に負けず劣らずのボディ。自分の身体がどんだけ悩ましいのか理解できていない。

 

 

 

―高岱  真名:美麗

聡明で、財貨を軽んじて義心を尊ぶ。

人を推挙するのに虚名に惑わされない。そんなわけで呉郡の太守の盛憲に見出された。

盛憲の忠臣。犬っころみたいな人。

盛憲の人の良さに、いつか誰かに騙されるんじゃなかろうかと頭を悩ませる

武は相当のもの。先の二人と似た感じのエロスボディ。

 

 

―諸葛僅 真名:瑠里

スーパードジっこ。困ったときに出てしまう口癖は「わわわ」

許貢が呉郡を攻めたときにかっさらった子で、両親から捜索願が出されているが揉み消されている。

許貢と仲良くしようとするが、逆に許貢はそんな彼女につい意地悪をしてしまう。

スタイル抜群で弾力のある尻を持つ。もっぱら許貢の枕であるが……。

 

 

―孫堅  真名:紅蓮(こうれん)

孫一家の長女。呉の王でもあり、河賊を討伐する「討伐隊」の首領でもある。

猪突猛進タイプの乱暴物で通称「江東の虎」。

ダイナマイトボディ。真っ赤な長髪が腰まで伸びているのが特徴な激情家な女性。

自身の考案した48手を駆使して一刀の身も心も陥落させることを企む。

 

 

 

 

 

―孫呉視点―

 

 

 

「賊が此方に向かっているだと?」

―――朝議の場で周瑜―冥琳―が言う。

 

「して、その数は?」

「間者からの報告によるとおよそ2万ですね~」

独特な喋り方で答える陸遜―穏―。

 

「しかし急だなぁ。まぁ私たちの狩る対象があちらから来てくれるんだから盛大にもてなそうよ」

「そうは言っても2万は馬鹿にならない数字よ、紅蓮姉さま。少なくとも無傷では済まないわ」

 

 

 

 

 

『こちら(建業)に向かう賊在り』

 

 

 

 

 

物見から入ったこの報告によって孫呉の主な諸将は叩き起こされた。

実際に姿を確認出来るのはまだ数刻あとだろうが、それでも時間がない。

 

 

「冥琳、こちらが用意できる兵力は?」

「1万と5千だ。徴兵してやっと2万に届くところか……」

「まぁ賊軍相手だし、1万5千でいいんじゃない?一応有志は募集しておいて頂戴」

「分かった。手配しよう。……紅蓮様、一刀はどうしますか?」

 

んー、と少し悩む素振りを見せて、

「連れてく」

そう、短く答えた。

この判断を彼女は後悔する事になると知らずに。

 

 

 

 

 

―河賊団視点―

 

馬に乗った将格が5名、率いる軍勢は約2万。

今この軍勢は、ただ真っ直ぐに建業へと向かっていた。

 

「思春、あとどのくらいで着くのかしら」

「まだ4刻は掛かる」

愛想なく答える思春。

それを聞いた許貢―由宇―は、むぅっ、と顔を顰めた。

 

「梅花!なんか面白い事して!馬上で出来るやつで」

「出来るかアホ!」

盛憲―梅花(ばいか)―は突っかかってくる由宇を軽くいなす。

 

ぎゃーぎゃー

 

わーわー

 

 

 

「やれやれ、騒がしい人たちだ。瑠里、建業との戦で勝算はあるのか?」

「正直五分五分です。ですが目的は達せられると思いますよ」

高岱―美麗(みれい)―が諸葛謹―瑠里(るり)―に問うた。

 

今回の目的。

それは北郷一刀の奪還であった。

元々は由宇の屋敷で軟禁されていた一刀であったが、思春の率いる河賊団が呉群に入ったところで、

由宇の屋敷の侍女達が暴走し、『賊に奪われるくらいならいっそのこと自分たちで囲おう!』と、

一刀を建業に連れ去ってしまった。

それに激怒した由宇は、すぐさま思春に一刀奪還を依頼、今に至る。

……もっとも、下準備や根回しなどで動くのに一月ばかり掛かったのだが。

 

 

 

 

「待ってなさい一刀!」

雄々しく叫ぶ由宇の頭には、タンコブの山が出来ていた。

 

 

 

 

 

 

―孫呉視点―

 

 

建業の前に並ぶ軍勢。

冥琳達はこれらを賊と呼んでいる。自分たちに仇なす者たちなのだから。

 

「我らの平和を打ち砕かんとする者たちがいる!」

紅蓮が諸将に、兵たちに激を飛ばす。

 

「愛しい者たちをその手で守れ!愛しい街をその手で守れ!将は兵を死なせない為にある!王は将を死なせない為にある!」

戦の度に飛ぶ紅蓮の激。だがしかしそれは、力を、勇気をくれる言葉。

 

「我が愛しい兵たちよ!お前たちは民を死なせない為にある!守れ!」

故に、士気は上がる。例え敵軍よりも兵の数が劣ろうとも、士気でそれを覆す気概で臨む。

 

「全軍抜刀!」

各々が剣を掲げ、一面に銀の穂波が出来上がる。

 

「我に続け……進めっ!」

オオオォオオオオ!!!!!

 

先頭を孫堅―紅蓮―が駆け、後に歩兵が続く。

 

 

それを遠目に見ていた孫姉妹の3女である孫権―蓮華―は、

「はぁ……いつ見ても華麗で、いっそ美しすぎるわ」

と感嘆を漏らした。

「貴女も紅蓮姉さまのような資質はあるわよ。もちろん、私にもね」

それにニカッ、と笑みを携えて答える孫策―雪蓮―。

今にも先陣を駆けている姉を追って突撃したい気持ちをなんとか理性で抑えている。

 

「貴女たちもよく見ておきなさい。これが紅蓮姉さまの戦い方よ」

 

 

◆◆◆

 

 

「我が首を欲する者はいるかっ!!」

一度に5人の敵兵の首を横薙ぎに刎ねる。

それを見た敵兵の士気は下がっていく。著しく。

 

「チッ、相変わらずの豪傑だね……!あたしと美麗でアレを抑えるから思春は北郷一刀の確保を!来な美麗!」

「はっ!」

真っ直ぐに紅蓮の元に行く梅花と美麗。

思春は音も無く前線から消えていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「「ここにいるぞー!」」

上から降ってくる者と凄い勢いで向かって来る者を、紅蓮は横にステップすることで回避した。

 

「名乗れ!って貴様ら、呉群の……!」

「盛憲だ」

「高岱です」

名乗りながら武器を構え、臨戦態勢に入る。

盛憲の武器は一般の剣で、少なくとも対武将に向く武器ではない。あくまで兵を指揮する物であり、自分の身を守る得物である。

一方高岱は、殺傷能力の高く、リーチのある斧槍(ハルバード)を得物としている。

「これはどういうことだ?我が領土を侵した罪は大きいぞ!」

「まあ、んなこたどうでもいいでしょーよ。それより相手してくれよ」

ギリッ、と大剣(クレイモア)を構え直す紅蓮。

「覚悟しろよ貴様ら……安寧を乱した罪、その死を以て償え……ッ」

ぶんっ、と横に薙ぐが、二人はしゃがむことで回避し、そのまま紅蓮の懐に潜り込む。

「っらぁ!」

「破っ!」

梅花と美麗がコンビネーションで攻めていくが、紅蓮にかすりもしない。

逆に少ない隙を突かれ、気付けば1:2という数のアドバンテージを覆されていた。

 

「なんつー強さ……」

「あまり粘れないですね……」

「思春……早くしてくれ、マジで死んじまう……ッ」

紅蓮の上段からの大振りを、剣を寝かせることで受け止めるが、剣にヒビが入ってしまう。

折れる手前でバックステップすることで剣戟を回避することはできたが、目の前にはクレーターが出来ていた。

 

 

「……これ無理だろ」

「諦めないで下さいよ……」

 

二人は思春からの合図を心待ちにしていた。それはもう、死ぬ気で。

 

 

 

―思春視点―

 

建業に侵入した。恐らく補給路に目的の人物がいるはずだ。

情報は手に入っている。由宇から特徴を教えてもらっていたし、

私が育てた間者からその人物がどこにいるのか、大まかな場所は把握している。

あとは早く目的の人物を捕縛し、梅花たちに合図の狼煙を上げるのだが……。

 

 

「なんだ貴様は」

「シャオは孫尚香(そんしょうこう)だよ♪そういう貴女は侵入者?下着のお姉さん♪」

目の前には孫呉の末姫がいた。

「先を急いでいる。そこをどけ」

「だめだよ~、お姉ちゃんたちにここから先は誰も通すなって言われてるもの」

「ならば」

力づくで、と言う前に、尚香の後ろから白黒の大きな熊と、白くて大きな虎が現れた。

「いっきなさーい!善々!こらしめてあげなさーい!周々!」

「「グォオオオオオ!!!」」

 

……いやいや。

いやいやいや。有り得んだろうこれは。

この者は何か、魔物使いか?原始肉を野獣に上げることで手懐けられるとでも?

 

「……有り得ん」

だが目的は。

そう、目的は将の殲滅ではなく、北郷一刀の確保。

尚香の後ろに大事な物があるのは分かった。恐らく情報通り、北郷一刀もいるだろう。

なればこそ。

「御免ッ!」

懐から特製煙玉を取り出し、目の前に投げ付ける。

大熊猫と白虎は目の前が見えず、尚香も目から涙をダバーっと出している。

どうやらそういう成分があるらしい。原理は知らん。

 

兎に角、今この瞬間が好機。

音を立てず、かつ迅速に尚香たちの横を通り過ぎた。

 

 

 

 

 

暫く進むと、兵糧と武器や鎧、兵が数人と目的の人物である北郷一刀を発見した。

北郷一刀は私に気付いたようで、一言言ってきた。

 

 

 

「君……なんで泣いてるの?」

 

 

 

特製煙玉の難点。それは使用者にも効果が及ぶ事だ。もう二度と使わん。

ちなみに北郷一刀は手刀で眠らせた。乙女の涙を見た罰だ。

 

 

 

その場を去る前に、尚香たちの様子を見に行った。

 

「うわああああぁぁぁん!!お姉ちゃんの巨尻ー!雪蓮お姉ちゃんのでかぱーい!紅蓮お姉さまのばかー!!」

いつの間にか本泣きしていた。きっと溜まっていたんだろう、色々と。

誰かが来るのも面倒なので眠らせた。手刀で。獣たちは尚香の枕になっていた。

 

 

 

さて、狼煙を上げよう。色々疲れた。帰りたい。

 

 

 

 

―戦場視点―

 

あちらこちらに陥没が出来ていた。

 

「つっ、シャ、シャレにならんねこれっ」

「……」

 

紅蓮と戦っている梅花と美麗はもはや限界だった。

自分たちはもう精いっぱいなのに、目の前の呉の王様は汗一つ掻いていない。

 

「……お前ら、やる気あるの?」

攻めまくったことで少しスッキリしたのだろう、先ほどの威圧感が少し薄まっていた。

「最初はあったさ!」

「……ぬるぽ」

「美麗!(ガッ」

「ハッ」

 

目の前の強大な敵に、現実逃避をし始めた二人。

しかし遠くに狼煙を確認したことで一変する。

 

「や、やった……正直死ぬかと思った……」

「退散しましょう。臣は戦略撤退することを進言します」

「う、うむ。その前に目の前の怖いお姉さんに言いたいことがあるんだ」

やめましょうよー、それ藪蛇ですよ絶対ーと、隣で喚く美麗を華麗にスルー。

先ほどから呆れて梅花たちを眺めていた紅蓮に向かって人差し指を指す。

 

「なんだそれ。つか人に指向けんな」

「建業は……赤く燃えているッ」

「なにッ!?」

 

ばっと後ろを向く紅蓮。

そこに映ったのは……一面赤い炎と化した建業の街!!

……ではなく。ただ一つの煙がモクモクと上がっているだけだった。

 

「ホッ……なんだ、燃えてないじゃないか……」

振り返る。

 

そこには、誰もいなかった。

いや、いることにはいる。兵が、敵兵が。

声も聞こえる。

「あれ……置いて……かれた……?」

「うそっしょwwww置いてくとかうそっしょwwww」

「俺の馬……」

「俺の剣……」

 

紅蓮は目の前の敵兵を見て、なんだかもう可哀想になってきたので。

 

「……うちくる?」

 

と誘った。もちろん皆紅蓮に着いて行った。

決して「行く行く♪」などとは言っていない。一応。

 

 

 

こうして戦は終わった。

自軍の損失は微々たる物で、むしろ紅蓮が吸収した兵が多かった。

 

自領の民に損害は無しで、明らかに侵略目的ではないというのが冥琳を始めとする軍師たちの見解だ。

 

しかし紅蓮は違和感を感じていた。

その違和感を知るためにも、城で諸将を集めることにした。

 

 

 

◆◆◆

 

「一刀がいないだと?どういう事だシャオ!」

「ひぅっ!えっと、ね?シャオと一緒に一刀と兵糧守ってたんだけど……」

「賊将に抜かされたのか?」

「うん……」

「恐らく、最初から敵の狙いは一刀だったのでしょう……」

蓮華と小蓮、冥琳が話す。

玉座の間で、とうとう最後まで一刀が姿を見せなかったのだ。

賊に攫われたと気付いたときには、既に敵将の姿がどこにも見当たらなかった。

 

「……」

 

一番消沈していたのは他でもない、紅蓮だった。

戦場になど連れてこなければ。城で匿っておけば。

後悔はどんどん生まれていき、その度自分の不甲斐なさを責める。

 

 

「紅蓮姉さま?」

「すまん。お前ら、ちょっと退席してくれるか」

 

言われ、諸将は自分の部屋に戻っていく。

一人残った紅蓮は。

 

玉座で、誰にも見せたことのない涙を浮かべ……

 

泣いた。

 

赤子のように。

 

 

 

 

 

建業の城では、夜中まで誰かの泣く声が響いたという。

 

あーんあんあん。あーんあんあん、と。

 

 

あーんあんあん。

あーんあんあん。

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

朝議をするため、諸将は玉座の間に集まった。

しかしそこに精彩の欠片もなく、あの小蓮でさえ表情に笑みがない。

泣き腫らしたのか、目がただ赤かった。

他の将も似たようなものだ。

 

 

最も一刀に寵愛を捧げた玉座に座る者……紅蓮は、もっと酷かった。

夜中、延々と泣いていたのだろう。目元は赤く腫れあがり、髪はぼさぼさになり、覇気が無くなっていた。

 

 

「許さん」

 

 

無くなった覇気の代わりに、凄まじい怒気が伝わってくる。

怒りは伝搬していく。

泣き寝入りするしかなかった諸将もその怒気の影響を受け、大切な者を奪った賊に対して殺意を持つ。

 

 

「賊を」

 

 

ふと、胸元から一枚の紙を取りだした。

それを冥琳に渡す。

 

「読め」

「はっ……『一刀は返して貰うわよ、泥棒猫。いえ、泥棒虎と言ったほうがいいかしら?我ながらうまいわね(笑』……これは?」

「兵糧に置いてあったそうだ。これからの方針は賊退治だ。虱潰しに退治していけばいずれ奴らと当たれるだろう」

今の紅蓮の表情を表すなら、『狂気』が一番シックリと来るだろう。

「賊に容赦するな、情けを掛けるな、奪われる痛みを、奪われた恨みを晴らせ」

 

北郷一刀のいない朝。

 

 

その日、孫呉は呉群を瞬く間に制圧した。

以降、紅蓮たちは賊退治に明け暮れることとなる。

 

 

 

 

 

 

その頃、河賊団のアジト、砦では―――

 

 

 

「これはっ、病み付きになるなっ」

「ちょっと!次私!」

「お前はさっきヤったからダメだ。次はあたしと美麗だよ!つか思春ながくないか!?」

「気のっ、せいだっ」

「きゅ~~~……」

 

 

 

 

「最近俺だれてるなぁ……」

 

 

 

 

 

寝台で横になっている一刀を、ひたすらに貪る4人であった。(一人戦闘不能)

 

 

あとがき

 

 

最後のページで何が行われていたのかはご想像にお任せします。

多分想像通りです。戦闘描写難しいです、ほんま。

 

 

 

というわけで今回は一刀が河賊団に攫われました。さようなら呉。ようこそ賊生活。

もちろん呉も死ぬ気で奪いに来るので……今後その辺どうするか構想を練らねば。うーむ。

 

 

 

ちょっと傾国の美女をイメージして書きましたよ、今回の一刀。見事に国が傾いたかなぁ。

自分的には傾いてきてると思う!

 

明日読み直さないといけないかも。酔いながら書いちゃったから文章がメチャクチャになってる自信があります。

指摘してくだされば速攻で直します。よしなに……。

 

 

次回予告。

 

 

 

 

御使いの河賊団での一日

 

 

 


 
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