No.167295

真・恋姫†無双~御遣いのバーゲンセールだぜ~第三話

おまめさん

この作品は

オリキャラなんてみたくない

一刀さん強すぎ自重

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2010-08-21 22:40:25 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:2626   閲覧ユーザー数:2111

第三話 流星の行方~薙沙叫ぶ~

 

荊州南陽にある館の窓辺から夜空を見上げながら、褐色の肌に桃色の長髪の女性がすぐ傍にいる黒髪の女性に語りかける

 

「今日は星が綺麗ね、冥琳」

 

断金の契りを交わした友からの語りかけに、興味深そうな表情をうかべながら冥琳とよばれた女性は答える

 

「そうだな、雪蓮」

 

「母様が亡くなったのもこんな夜だったわね~」

 

「あんなに強かった母様があっさり戦死するとはね。いまだに実感がわかないわ」

 

困ったような顔をしながら冥琳に肩をすくめながら言う雪蓮

 

「わたしも未だに信じられないな。まだ日も浅いからかもしれんが、しかしあの文台様が・・・な」

 

「せめて呉の地で眠らせてあげたかったわね。亡骸だけでも呉の地に帰してあげたかったわ」

 

そう言って再び夜空をみあげる

 

「ねぇ、冥琳」

 

「なんだ?雪蓮」

 

「私は、私達は必ず呉の大地を、故郷を取り戻すわ。そして孫家の悲願を成すわよ」

 

「あぁ。私達なら出来るさ」

 

冥琳の言葉に満足そうな笑みをうかべた雪蓮だったがそのまま驚いたように目を見開いた

 

「冥琳」

 

「ん?どうし・・・た」

 

雪蓮が指をさした方をみると、みたこともない輝きの流星をみた。そしてそれは弾け三方向に散っていった

 

「これは・・・あの占い師が言っているという天の御遣いをのせた流星とやらか?」

 

冥琳は眉をひそめながら言う

 

「こんな世の中だから、唯の戯言かと思っていたけど無視できないわね」

 

雪蓮はうれしそうにいう。冥淋はその表情をみて、あぁいつものアレかと思う

 

「勘・・・か?」

 

「えぇ、そうよ?」

 

「しかし、流星が三つに別つだなんて事は聞いたことないぞ」

 

冥琳のその言葉に雪蓮は

 

「だからよ♪」

 

と弾んだ口調で言った。冥琳はため息を吐きながらかえす

 

「だが今は袁術の元にいる身。そうそう簡単に調べられんぞ?」

 

「あら、まだ調べて~!だなんて言ってないわよ?」

 

「まだ、なだけだろう、雪蓮」

 

「さすがね。さすが冥琳!愛しているわ」

 

「私もだよ、雪蓮」

 

お互い笑いながらやり取りをする。一転、冥琳は真面目な顔をして言う

 

「だがな、今は他にやるべき事がある。期待はするなよ?」

 

「わかってるわ。まずは私達は体制を整えなおす。そのあと天の御遣いを捕まえるわ♪」

 

「まだ見つかってもいないだろう・・・」

 

と冥琳は言いかけるが

 

「冥琳。『まだ』よ」

 

雪蓮の言葉に遮られた

「華琳様、夜は冷えます。天幕にお戻りを」

 

声をかけられた少女は空を見つめている

 

「?? 華琳様?」

 

二人の女性が華琳と呼ばれる少女を見る

 

「流れ星・・・・?」

 

華琳は視線を夜空に捉えたまま呟いた

 

「流星・・・・ですか?確かに珍しい事ですが・・・」

 

最初に華琳に声をかけた女性が言うが、華琳はそれを遮るように言う

 

「えぇ。秋蘭、言いたい事はわかるわ。ただの流星ならば気にもとめなかったでしょう」

 

「?? 華琳様?」

 

もう一人の長髪の女性は首をかしげている。そんな様子の女性を放っておき二人は会話を進める

 

「でも流星が三つに分かれて弾けるだなんて初めて見たわ」

 

「それは・・・不吉ですね」

 

「吉ととるか凶ととるかは己次第でしょう。丁度明日は流星が落ちた方面で暴れている獣を一掃する予定だわ。時間が出来たら調べてみましょう。春蘭、秋蘭、天幕にもどるわよ!ほら春蘭も首を傾げてないではやくいらっしゃい」

 

「はっ」

 

「か、華琳さまぁ~」

 

華琳のあとに秋蘭が、その後をあわてて春蘭が追っていった

北郷 薙沙は戸惑っていた。下のほうで結んだツインテールを揺らしながら夜の荒野をあてもなく歩いていた。表情にはいつもの勝気な様子はなく眉間に皺をよせながら歩いていた

 

(なんで自分の部屋で寝てたらわけわからない所、しかも外にいたの!こんな事ならお兄ちゃんの布団に潜り込むべきだった・・・。一年で三百六十五回は妄想する既成事実の瞬間を現実の物にするべきだった!・・・・するべきだった!!)

 

薙沙はどんな状況下であれ愛する兄の事は忘れない。しかし普段の薙沙はこのような危機的状況下では兄の妄想はしない。兄の妄想をする時間は誰にも邪魔されたくない至高の時間だからである。だが今の自分の状況が理解出来ない薙沙は現実逃避をかねて思考を兄にシフトしてしまう。それくらい焦っていた

 

薙沙は気がついた時の事を思い出していた。自分は学園の制服を着て、祖父からもらった薙刀と鞄をもって真っ暗な荒野に突っ立っていたのだ。月明かりでようやくそれらを確認できた。

 

ふと鞄の中身を思い出す。

 

(そういえば、こんな事もあろうかとあたしなら観賞用お兄ちゃん日記を入れてるはず)

 

そう思いながら鞄を手探りでさがす。

 

(これだ!!よーし、これを読んで一旦落ち着こう!!)

 

勢いよく取り出し開いて刮目する。

 

「暗すぎて読めませぬ!!!!!!」「読めませぬ!!」 「ませぬ!」  「ませぬ」  ・・・・・

 

薙沙の叫びがこだました

「うぅ・・・お兄ちゃ~ん。ゆみねぇ~。どこ~?」

 

その言葉に返ってくるものはない

 

暗すぎて日記が読めないというアクシデントにみまわれた薙沙ではあったが心眼にて事無きを得、幾分か冷静さを取り戻してはいるが不安はぬぐえない

 

「そろそろドッキリって書いたプラカード登場のタイミングですよ~?」

 

弱音を吐いた、その時、視界の端に明かりがみえた

 

(一瞬だったけど、光がみえた!!そっちにいってみよう)

 

 

 

光がみえた方に向かう事数分、暗がりに数人の気配がある。どうやら息を潜めているようだ

 

(三人・・・かな?あとは・・・動物??)

 

「あ、あの~」

 

「「「!!」」」

 

薙沙は声をかけた事により相手に緊張がはしったのを感じ取る

 

「あのですね?あたし道に迷ったみたいで・・・すごく困ってるんです!できれば道を教えてくれませんか?おねがいします!」

 

しばらく相手は警戒していたようだったが、警戒を解き灯りをつける

 

光源は焚き火の灯りだったようだ。その灯りにより相手の姿が見える。動物は馬だった

 

ロングヘアでたわわなお胸、おっとりした印象の女の子、ポニーテールで小悪魔系な印象を醸し出す女の子、ショートカットでクールな印象の眼鏡っ子な女の子がこちらを窺っていた

 

眼鏡をかけた女の子が声をかけてきた

 

「あの、ここまで来たのは偶然ですか?それとも私達がここにいるのに気がついて来たんですか?」

 

その質問の真意がつかめない薙沙ではあったが素直に答える

 

「え?いや、遠くにあたしはいたんだけど、チラッと灯りが見えたから人がいるのかな~って思って」

 

薙沙の答えに眼鏡をかけた女の子は怒ってロングヘアの女の子に言う

 

「天和ねぇさん!だからあれほど灯りは危険っていったじゃない!私達の状況わかってる?」

 

「え~!だってだっておねぇちゃん、暗いのヤダしちょっと肌寒いから~」

 

「こっちに気がついて来たのがこの人だったからよかったものの、賊だったら大変な事になってたわ」

 

この二人のやり取りに違和感を覚えながら薙沙は問う

 

「すみませーん。お二人のやり取りの真意が掴めないんですが・・・・もしかしてここって危ないの?」

 

眼鏡をかけた女の子は

 

「えぇ。この辺・・・というかここ最近どこも盗賊の数が多くなってきてます。野営する時には細心の注意が必要なんです」

 

と、言うが薙沙はすぐに質問する

 

「命の危険?」

 

「はい」

 

簡潔なその答えを聞いた薙沙はすぐさま提案する

 

「ここじゃ、あたしが見たように灯りともしたら遠くから位置が確認できちゃう。ここまでくる途中に岩山で囲まれた場所があったからそこまで移動しましょ」

 

三人は同意しすぐさま行動した

四人が岩山に囲まれた場所まで移動し馬をつないでいると、すぐ傍に自分達の物ではない馬が一頭つながれているのに気がつく。四人は自分達以外の人がここにいる可能性が頭をよぎり緊張する

 

「誰だ!」

 

四人は声の方へ視線をむける。灯りにてらされその声の主が見えた。小柄な体型で頭頂部に二つにまとめた髪型が印象的な少女だった。四人が驚いたのはそこではなく、持っている得物が巨大な鉄球だったという所だが。

 

 

 

五人はまず自己紹介をした。最初に出会った三人娘は旅芸人で次に出会った少女はよく村を襲う賊の居場所を突き止めようと単騎、邑から出てきたとの事。薙沙は驚いていた、それ以上に戸惑っていた。三人娘はそれぞれ張角・張宝・張梁、次いで先ほど出会った少女は許緒と名乗ったからだ。しかし四人とも薙沙をからかっている様子など微塵もみられない。それ故に戸惑っていた

 

「姉ちゃん、珍しい名前だねぇ~。それに字がないなんて」

 

許緒がもの珍しそうに言う

 

「皆、気を悪くしないで聞いてほしいんだけど・・・それ本当の名前?その割にはそっちの三人は違う名前で呼んでない?」

 

薙沙の言葉に四人は驚く

 

「「「「えっ」」」」

 

「えっ」

 

薙沙はなにか変な事でも言ってしまったかと考えていると許緒が声を掛けてきた

 

「姉ちゃんって真名の事も知らないの?」

 

どうやら真名という風習がこのあたりにはあるらしく、真名とは己の生き様や誇りと同意義をもつようでよほど親しい仲でなければ呼んではならない、という事だった

 

「真名の風習がないなんてこの大陸中どこにもないわ。どこから来たんですか?」

 

その問いに薙沙は困りながら自分の身に起こった事の顛末を説明する。四人は信じられない様子だったが、薙沙の着ている服や荷物それらをつかって説明する薙沙、なによりその表情から嘘だとは思わなかった

 

「あ~!おねぇちゃん、わかっちゃったぁ~」

 

突然、張角が言う

 

「この人、どっかの占い師が言ってた天の御遣いだよ~」

 

「ちぃもその噂聞いた事あるけどそんな荒唐無稽な話あるわけが・・・」

 

張角の言葉を否定するような発言をしかけた張宝だったが、言いながら先ほどの説明の際見た光景を思いだし黙る。そんな姉の様子を見ながら張梁は

 

「確かに、そう考えれば色々納得いきますね。という事はこの国の事は他にも知らない事が多いはず。北郷さん、こちらの事を教えますから天の国の事を教えていただけませんか?」

 

と提案すると

 

「おねぇちゃんも賛成~!」

 

「ちぃも興味があるわね。教えなさいよ!」

 

「ボクにもお話してよ!姉ちゃん~」

 

と皆興味があるのか次々と質問していく。三姉妹はアイドルやファンといった言葉が出てくる内容に興味を示し、許緒は主に食べ物の話に興味を示した

 

最後の方はそれぞれ真名を交換しあった。

 

四人が寝静まった後、薙沙は張梁から聞いたこの国の事を思い出していた

 

今は漢王朝の時代で、生きていくのも困難な世の中になってきていること。各地に跋扈する賊に対して官軍はなかなか動かず、なんの力も無い民が虐げられている事

 

張梁から天の御遣いの噂の内容を聞いた許緒は眠気に負けて丸くなるまで薙沙に力を貸してほしいと頼んでいた

 

それらを思い出しながら薙沙は夜空を見上げ苦笑しながら呟く

 

「どこぞの世紀末よ・・・あたしにケン(ピー)ロウになれとでも・・・?」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「ホワタァ!!!」

 

とりあえず言ってみたが薙沙は言い表しようのない気持ちになったので寝た

翌朝、薙沙が目覚めると既に起きていた四人が声をかけてきた

 

「薙沙ちゃん、おっはよ~!所で昨日寝る前に言ってた、『ほわ~~!!』っての何?おまじない?」

 

「ちぃも聞こえた!『ほわぁ~!!』って何何?なんなの?あれ」

 

「ボクもびっくりしてちょっと目が覚めちゃったよ~」

 

聞かれていたんだ・・・と苦虫を噛み潰したような表情をうかべながら薙沙はなんと答えようか悩む

 

期待を込められた眼差しに薙沙は視線をそらしながら

 

「なんていうか・・・その・・・・私達に幸あれ!的ななにか・・・です」

 

薙沙は心の中で皆に土下座した。そんな薙沙の心中をしらずに地和は

 

「私達にふぁんとやらが出来たときにみんなの掛け声にすると盛り上がるかも!!」

 

と言うが

 

「その前に私達はちゃんとふぁんが出来るようにするのが重要でしょ、地和姉さん」

 

人和に窘められた。

 

そんなやり取りをしていると、ふいに季衣の表情が厳しくなる

 

「あいつら・・・・!あんな所にいたんだ!!」

 

季衣の視線の先を追うと、肉眼で確認できるギリギリの距離ではあるが賊らしき出で立ちの男達がわらわらと砦から出てきた

 

「ちょっと、落ち着きなさいよ!」

 

地和が飛び出そうとする季衣をおさえる

 

「官軍さんにまかせるのがいいとおもうなぁ~」

 

天和も季衣を宥める様に言う

 

「官軍なんてあてにできるものか!!ボク達を守らないくせに税ばっかりとっていって!!!」

 

季衣の叫びに天和、地和、人和は思うところがあるのか押し黙る。しかし人和は

 

「季衣。私と姉さん達はただの旅芸人よ。戦う事は出来ない。北郷さんは得物をもってるから戦えるようだけど二人だけであの人数は無茶よ」

 

と言ったが憤っている季衣には言葉が届かない

 

薙沙は実感がわかないのかそれをただただ見ていた。ふと男達が動いた気がしたのでそちらをみる

 

「あ・・・」

 

薙沙が声をだすと人和も砦の方を見る。そこから数十人の男達が馬に乗って近づいてきてるのが確認できた

 

「姉さん達!薙沙!季衣!早く馬に乗って!!逃げるわよ!!」

 

人和が叫ぶと天和、地和はすぐさま行動に移す

 

「ボクはあいつらから逃げるもんか!!」

 

季衣は臨戦態勢を取る。薙沙ははっとなって季衣に言う

 

「季衣!ここは退こう。今来ている奴らはなんとかなっても砦に残ってる人数がわからない」

 

「ここで死んだら誰が季衣の村の人達を守るの?」

 

薙沙のその言葉に季衣は共に村を守っている親友の顔が浮かんだ。グッと下唇を噛んだが季衣はすぐ馬にのって薙沙に言った

 

「姉ちゃん!後ろに乗って!」

 

薙沙は荷物を取り馬に飛び乗る。四人は逃げ出した。

「人和ちゃん。この辺りで頼れる官軍はだれかな?」

 

馬上で揺れながら会話する

 

「この辺りだと・・・陳留の曹操様あたりかしら」

 

その言葉に地和はギョッとする

 

「陳留なんて逃げ切れる距離じゃないでしょ!?」

 

「ちゃんとしてる太守様なりいればあれほどまで賊は大きくならないでしょ。最悪、近くの村を巻き込む形になるかもしれない」

 

人和は後ろから追ってきている賊を見て言う。よく見れば最初来た数十人の賊が今では数百名くらいの規模になっている

 

このままではその内追いつかれると誰しもが思った時だった。

 

「季衣!!!」

 

薙沙が叫ぶ。季衣が薙沙にたずなを渡して飛び降りたのだ。みるみる小さくなる季衣

 

飛び降りる瞬間、季衣が薙沙に言った言葉を思い返す

 

「姉ちゃん、天の御遣い様なんだよね。ボクが死んじゃったらボクの村の皆をお願い出来るかな?」

 

「ごめんね、姉ちゃん。こんな事頼んで。でももうボクには頼れる人がいないんだ」

 

 

季衣の悔しそうな顔が目に焼きついて離れない

 

 

あたしは何のためにこの世界に来た・・・・?

 

 

乱世を治める救世主?ただの学生のあたしが?

 

 

信じられない。

 

 

だけど・・・・あたしは・・・・

 

 

あんな小さな女の子を見殺しにする為にこの世界に来たわけじゃない

 

 

薙沙は馬を止める。

 

 

「頼んだとかいってたけど、あたし季衣の村の場所なんてしらない!勝手な事ばっかいうんだから!!」

 

 

そして反転し来た道を戻っていった

「ちょっ!薙沙まで一体どうしちゃったのよ!?」

 

地和達が慌てて馬を止める

 

「大方、季衣を見殺しに出来ないって所でしょうね。昨日ちょっと話しただけだけどかなりのお人好しだと思う」

 

人和が小さくなっていく薙沙を見つめる

 

「ねぇ、みんな。これでいいのかな?」

 

天和が二人の妹に問いかける

 

「おねぇちゃんはそう思わないな~」

 

「だって、ふぁんは大切にしなきゃって思うよ?」

 

二人の妹達は昨日、歌を披露した時に薙沙と季衣はふぁんになってくれると言ったのを思い出した

 

自分達の歌の実力は自分達がよくわかっている。あれほど喜んでくれるものではないくらいに。それでも二人は楽しそうに聴いてくれていた

 

「姉さん達、私達はせいぜい囮になって数を分散させる事しか出来ないわ」

 

人和の言葉に三人はうなずきあった

遠くで人が飛んでいるのがわかる。おそらく季衣があの鉄球で吹き飛ばしているのだろう

 

人が死んでいくのがわかる。殺しているのはあの小さな女の子。昨日話した人懐っこく食べる事が大好きな女の子

 

そんな子が生きるために人を殺す。それが普通の世界。これからあたしは人を殺すのだろう。もしかしたら殺されるかもしれない

 

こんなお兄ちゃんのいない世界で死ぬなんてとんでもない。だからあたしも生きる為に人を殺す

 

そして小さな友達と今日を生き抜く為に人を殺す

 

ケン(ピー)ロウでもなんでもなってやる!!!

 

「天の御遣い、北郷 薙沙!!!いざまいる!!!ホワタァ!!!!」

 

覚悟を決め季衣を囲んでいる賊達の群れに突っ込む

 

「姉ちゃん!?どうして戻ってきたの!?」

 

季衣が敵を殴り飛ばしながら聞いてくる

 

「あたりまえでしょ!友達を見殺しにできるホワタァッ!!!わけないでしょアタァッ!!」

 

なぎ払いながら答える。人を斬る感触に寒気がするがひるんではいられない。この感情に飲み込まれぬよう声をあげながら斬り払う

 

「姉ちゃん、それ天の国のおまじないだよね?よーしボクも!!」

 

「ほ、ほわーーーーーー!!!!!」

 

「季衣!動きながら戦うよ!これだけの人数だから足場が悪くなって転んだ時点で終わりだよ!」

 

「ほわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

頷く様に季衣が叫ぶ

 

 

 

どれだけ人を斬っただろうか、斬っても斬っても次々と襲い掛かってくる。季衣をみればまだ大丈夫そうにも見えるが、肩が上下してるのがわかる

 

どうやってこの状況を変えればいい!?

 

そう薙沙が思った時、声が聞こえた

 

「ほわ~~~~~~~~~~~~~!!!ほわっ!ほわ~~~~~~~!!!」

 

声のする方を横目でみてみると天和達が馬上から声を張り上げていた

 

「そこのぶさめん共!!!!そんな事ばっかりやってるからいつまでたってもぶさめんなのよ!!」

 

「賊とかやって格好いいとか思ってるのかしら?てらわろす」

 

「くやしかったらここまでおいで~!でも近づかれたりしたら困っちゃうかも。君達きもいから~」

 

それぞれ薙沙から教えてもらった言葉を見事に(?)つかいながら罵詈雑言を吐く

 

言い終えたかと思ったら三人は一目散に逃げ出した

 

賊達は一瞬呆然としたが

 

「意味がわからんがなんか怒りがおさまらんぞ!あの女共も生け捕りにしろ!!!」

 

と約半数ほどが天和達を追いかけた

 

(天和、地和、人和・・・・あのままいってればそのまま逃げきれたのに・・・)

 

三人の気持ちを汲み取った薙沙と季衣は気合を入れなおした。

華琳達は野営地を出発して今回の遠征の目的である賊の本拠地を探していた。一人の伝令が華琳の近くまで来た

 

「申し上げます!!!前方に正体不明の集団あり!!その集団から逃げるようにきた女三名を保護しましたがいかがなさいましょう?」

 

華琳はすぐ命を発しようとしたがこの行軍から参戦させた新軍師に問いかけてみる

 

「桂花、あなたはどう見る?」

 

「はっ。その者達に話を聞いてみるのも手だと思います。正体不明の集団が賊ならば本拠地の手がかりになる可能性があります」

 

「ただ、この時勢に傭兵をもたず女のみで移動するのは腑に落ちません。夏侯淵を呼び寄せ拘束した後こちらに連行するのがよろしいかと」

 

「前方の正体不明の集団についてはこのまま夏侯惇に警戒させるのがいいでしょう」

 

その答えに満足したように華琳は命令する

 

「夏侯淵を本陣に呼べ!その後保護した者達を拘束してこちらへ。夏侯惇にはそのまま前方の集団を警戒せよと伝えろ!」

 

「はっ!」

 

しばらくした後、三姉妹が本陣に連れてこられた

 

「ちょっと!どうしてちぃ達が拘束されなきゃならないのよ!?」

 

「地和姉さん。落ち着いて。この軍の総大将に謁見するのだからこの処遇は妥当だわ」

 

「そんな事言ってる場合じゃないよ~はやく伝えないと・・・・」

 

華琳、秋蘭、桂花は驚いていた。連れてこられた者達はどう見てもただの旅芸人だったからである

 

「あなた達、名前は?」

 

「私は張梁と申します。私達は旅芸人で各地をまわっております。御旗をみるに陳留の曹操様であられますか?」

 

人和が続けざまに言う

 

「ここより十里ほどの所で私達は賊の砦を偶然発見し襲われました。その時は私達の他に二名一緒にいて共に逃げていたのですが逃げ切れないと判断しその場に留まりました。私達は戦えません。けれど友人を見殺しにするわけにもまいりません。せめて賊をこちらに引き付けて逃げるのが精一杯でした」

 

華琳の目をみて嘆願する

 

「どうか、曹操様・・・!私達の友人を助けてください・・・!」

 

「あなた達を逃がすために体を張り、あなた達も友人を助けるために体を張るなんてよほど親しい間柄なのね。同じ旅芸人仲間かしら?」

 

「いえ、昨晩あったばかりの人達です。あったばかりではありますが大切な友人です」

 

「おねぇちゃんの大切なふぁんだもんね~」

 

「ちょっと!天和姉さんのじゃないでしょ!私達の、よ!」

 

華琳は三人のやり取りを見て驚いていた。一晩共にしただけの他人の為に命をかけられるものか、と。同時にその人物に興味を示した

 

華琳は全軍に発令する

 

「夏侯惇に伝令!部隊を再編し先行しかの者らの友人を助けよ!我々もすぐ行軍を再開するわ!騎乗!」

 

「総員!騎乗!騎乗っ!」

 

華琳達は驚愕していた。先行した春蘭達を追うようにいった先には信じられない後景がまっていたのだ

 

春蘭の部隊は最初の正体不明の集団、実際は賊の集団ではあったがそれらを蹴散らしながらその後方で救援をまっているという旅芸人の友人のもとに駆けつけたのだ

 

しかしそこにあったのは、これまでに蹴散らした賊と同等の屍。その中心に身の丈以上の槍と鉄球をもった少女二人が立っていたのだ

 

「薙沙~!季衣~!よかったぁ。間に合ったんだね~」

 

「ちぃ達に感謝しなさいよ!・・・・でもまぁ無事みたいでよかったわ」

 

「二人共、私達は逃げる途中で陳留の曹操様に助けられたの。この軍勢は曹操様のよ」

 

拘束をとかれた天和達が薙沙達に近づきながら声をかけた

 

人和の言葉に季衣が反応する

 

「陳留の刺史様?噂で陳留の刺史様は立派な方だって聞いた事あるよ!なんでこんな所に?」

 

「曹操様から聞いた話によるとここいらの太守は賊に怯え逃げ出してしまったそうよ。だから曹操様はここいらの民を憂い立ち上がってくださったの」

 

季衣は嬉しそうに言う

 

「じゃあ、ボクの村も助けてくれるのかな?」

 

 

「えぇ。もちろんよ」

 

後ろから声をかけられた。曹操こと華琳である

 

「私の名は曹操。あなた達の名は?」

 

「ボ、ボクは許緒っていいます」

 

「あたしは北郷薙沙だよ」

 

「では、許緒。私はいずれ大陸をすべる王になるわ。だけど今の私の力は大陸全土に平穏をもたらすには少なすぎるの。だから、村の皆を守るために振るったあなたの力と勇気。この曹孟徳に貸してほしい」

 

「まずはこの辺りの賊の本拠地を叩く。協力してくれるかしら?」

 

「は、はいっ!」

 

華琳の言葉に季衣は同意する

 

華琳は北郷と名乗った少女をみて問う

 

「北郷。あなたはどうかしら?」

 

「あたしは・・・・・」

 

 

今ここで天の御遣い・北郷薙沙は、乱世に現れし希代の英傑・曹孟徳と対面した

 

                     おまけ

 

~賊を討伐して陳留に帰還する時の出来事~

 

「ん?北郷。貴様は一体さっきからなにをポリポリかじっておるのだ?」

 

「お!夏侯惇ちゃん、コレが気になりますかな?」

 

「これは、カリンt・・・・」

 

「きっさまぁ~~~~!!!恐れ多くも華琳様の真名を口にするとは!叩き切ってくれる!」

 

「ちょ!あぶな!人の話をk・・・」

 

「でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!」

 

避けたものの剣の切っ先にかりんとうの袋が引っかかり空を舞う。劇画風になる薙沙の顔

 

「ホォ~~~~~ワタァッ!!!」

 

ベチン

 

「な、殴ったな!額を殴ったな!!」

 

「口に入らず空を舞ったかりんとうの気持ちは貴様にはわかるまい・・・」

 

「これより生え際が後退する経絡秘孔に技を打ち込む・・・・いつかそのうち後退する生え際に恐れおののくがよい!」

 

「夏侯惇ちゃんには地獄すら生ぬるい・・・!あ、でも武器は危ないんで素手でおねがいします」

 

「いつかそのうち後退する生え際だと・・・?なんと恐ろしい!うむ、わかった。たしかに武器は危ないな」

 

「ホワタァッ!」

 

「ほぉぉぉぉぉわぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「なにをしているの・・・?あの子達は・・・」

 

「あぁ・・・姉者はかわいいなぁ・・・」

                     おまけ その二

 

わたしの名前は荀彧ちゃん

 

武も智も人望も大変素晴らしい曹操様にお仕えする軍師

 

今回の賊討伐の遠征の話は、私が決死の覚悟で曹操様の軍師になるまでの経過や三倍もの兵差を覆し賊を討ち滅ぼすまで等、見所がたくさんあったはずなの

 

それがいつの間にやら、曹操様の仲間になってた~みたいな紹介のしかた、あげくに賊の本拠地制圧の所なんて描写すらない

 

それはまだ許せても、曹操様から真名をお許しになる決・定・的・瞬・間!!も描写なし。糧食が許緒が加わった事で足りなくなり帰ったらおしおきだわ~もなし

 

どうしてこうなった

 

どうしてこうなった

 

詳しくはげぇむ本編で、ですって

 

今後もあたしの見せ場がないのなら、こっちにも考えがあるわ

 

あの北郷とかいう小娘

 

なんだか名前を聞いただけでムカムカする

 

なにより、あの胸の無駄な贅肉が気に入らない。ふざけるんじゃないわよ!!!!!!!!

 

ふぅ。ちょっと取り乱したわね

 

絶対に落とし穴にはめて泣かせてやるわ

                    あとがきっぽいもの

 

どうもお久しぶりです。おまめです。ようやく薙沙の所属が決まりました。我らが一刀さんの所属もおそらくみなさんにバレバレですよねww

 

次回は一刀さんのお話になります。バレバレではありますがそこまでに至る経過を楽しんでいただければと思います。

 

しかし書いてて思うんですが、自分の表現力の無さを書けば書くほど痛感します。もう三話目なんで私がどの程度なのか皆さんもおわかりでしょう。

 

駄文でお目汚しさせてしまうと思いますがご了承ください。

 

四話目ですが週末なので明日くらいに投稿できたらいいなぁと思っております。

 

投稿のペースですが、週末に1もしくは2話のペースで、と考えております。

 

御遣いを三人も出してしまったので話の進行が遅いと感じるかもしれません。

 

御遣いと入力して思い出しましたが、キャラの言動を確認しようと無印、真、萌をやりなおしてたときに、御使いって御遣いって書かれてるじゃんwという事に気がつきました

 

意味に違いはありませんが、少しでも本編に雰囲気を近づける為、これを投稿したのち修正させていただきます。

 

文章の表現力とか、ど素人まるだしなんで、誤字とかそういうところをせめてきちんとやろう!と思ってたんですが、出来ていませんでしたね。まったくもってお恥ずかしいかぎりです。

 

読んでくださる皆さんの暇つぶしに少しでもなれれば幸いです。

 

それではまた次回、お会いしましょう。


 
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