「一刀ぉー!早く早くぅ!」
無邪気に俺の事を呼んでいるのは、孫家の末妹にして、弓腰姫と称される孫尚香こと小蓮だ。
「お姉ちゃんたちも待ってるよー!」
「はいはい、着替え終わったよ」
着替え終わったといっても、トランクスタイプの水着を履いただけなんだけどね!
そう、俺こと北郷一刀は、孫呉の子たちと海に来ているのだっ(キリッ
こんな夏真っ盛りだ。外に出て身体を動かさないと不健康というもの。
……アツさのあまり政務に支障が出たから息抜きに、ということは決してない、タブン。
まあそんなことはさておき。
俺の女神様たちの水着を見てきますかー!
「おうふっ」
あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『水着姿の彼女たちを目の保養にしようと
思ったらいつの間にかキャットファイトが始まっていた』
な…… 何を言ってるのか わからねーと思うが
俺も前屈みに股間を抑えることが精いっぱいだった……
頭がどうにかなりそうだった……
美人アナだとかグラビアモデルだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……(現在進行形で)
―だ、だめだ!この状態では皆の前に出られない!
若干一名俺の隣でにんまりと俺のマイサンを凝視してるが構ってられない!!
そうだ、目を塞ごう。
「ちょっ、姉さまやめてくださいっ、ぁんっ!」
「んん~?良い声で鳴くわね~……ってアナタ、またおっきくなってない?」
雪蓮さぁぁぁぁん!?蓮華に何してんですかー!?
俺と代われ!今すぐ代われ!
「むぅ、水着というものはこんなにキツいものなのか?」
「いえ、貴女は規格外です。祭殿」
「冥琳とて人の事をとやかく言えまい?」
「ッ!?祭殿!どこを触って……ンっ」
祭さあぁああん!?どこ触ってんのおおおおお!?
つーか特注品だからねそれ!!それで胸が苦しいって……見せろ!目を瞑ってるけど見せろ!!
あと冥琳のどこを触ってんの!?もうやだー!目を瞑ってるのに意味ない!
「胸など飾りだ」
「偉い人にはそれが分からんのですっ!」
「……」
思春と明命と亞莎だな……
亞莎が自分の胸を見て、はぁ、と溜め息ついてるところを想像できてしまう俺……
流石俺だ!亞莎を一番理解しているのは俺なんだ!!
そして思春、明命。
君たちはそのままでいい。
いいんだ……!
そのままの君でいて……!
「お待たせしましたぁ~」
ばるるんっばるるんっ
誰かが走ってくる音が聞こえてくる。
声からして穏だろう。
と同時に聞こえるはずのない「胸の揺れる音」も聞こえてくる。
「かずと~、見たいんでしょー?我慢しないで見ちゃいなよ♪」
そうだよシャオ、俺は我慢する必要なんてなかったんだ!
だって皆、俺のお嫁さんだしねっ☆
「そ、それじゃあ、お言葉に甘えて……」
穏の方を見ると。
「いやああぁ~ん~」
「滅っ!!」
「乳は敵ですっ!!」
薄緑色のビキニを着た穏が、ふんどしとサラシ姿の思春と、紺色スクール水着(胸元に【みんめー】と書かれている)
を着用した明命に跳びかかられ、襲われていた。
「おだいかんさまぁ~」
「滅滅っ!!」
「乳は飾りです!脂肪の塊ですっ!!」
穏が一方的に襲われていた……
具体的には二人にそのたわわと実ったおっぱいを揉みくちゃにされていた!
俺と代われよもー!
ぷちんっ☆
「「「あっ」」」
穏のビキニがおっぱいの重みに耐えられなかったのか、
それとも二人が強く揉みすぎたのか、
音を立てて破れてしまった。
ばるるうんっ
そしてこぼれ出た乳房を見て、
「……めつ」
「……ちちうま」
思春と明命が灰色になっていた。
俺かい?
俺は皆の前に出るのに一刻掛かったよ☆ミ
さて、男の性が収まり賢者タイムに入った俺に死角はなかった。
彼女たちが俺の前に並んでいても前屈みにはならない、ならないのだ。
今のうちに雪蓮たちの水着を評価しようと思う。
まず雪蓮は、赤いビキニだった。うん、似合ってる。
褐色の肌に赤いビキニがとても映えていてたまらん。
しかしやっぱり注視するのは……
「?」
嗚呼、なんと美しい谷間!
エデンはそこに園を作ったのじゃ……
「雪蓮のおっぱいまじえろい……」
「そ?ありがと♪」
投げチッスされた。ひょいっぱくっ。
蓮華もビキニ、でも色は桃色。
うん、蓮華に合ってる色だ、非常にグー。
「蓮華、後ろ向いてくれない?」
「いいけど……」
蓮華の後ろ姿。
恥ずかしげにちらっちらっとこちらを伺うのはダメだと思う。色々と辛抱たまんないから。
尻を見る。
尻を見る。
尻を見る。
「ちょっ、近すぎ……じゃない?」
尻を(ry
「おい北郷、そろそろ私の水着も見ろ」
冥琳がぐれてた。そんな冥琳も可愛いよ!
「おうふっ」
冥琳の水着は黒いビキニだった。なんで皆、自分に合う色を理解しているのかな!
美しい黒髪に黒ビキニがとても似合っていて……
「ってあれ?眼鏡掛けてないんだ?」
「うむ、コンタクトだ」
素顔きれいだ……眼鏡姿もいいけど素顔もそそられるね!
「似合ってるよ」
「ふふ、ありがとうと言っておこう」
顔赤くなってるよ冥琳。
「北郷、わしのはどうじゃ?」
言われてそちらを見ると、
「ダイナマイッ!?」
戦艦が二つ並んでいた。俺を殺すためにある戦艦が二つもだ。
これにはさすがの俺も舌を巻かざるを得まい?
「祭さん、失礼ですけどお歳はいくつで?」
「喧嘩売ってるじゃろ」
「いや、なんかもう若く見えて、設定されてる年齢を信じるのが辛くなってきたんだよ」
「ははは!嬉しいことを言うでない!」
ふと気になったことがあったので頼んでみた。
「後ろ向いて?」
「こうか?」
尻(ry
「そんな凝視するでないわ。そもそもわしの身体なぞ身飽きておるじゃろ?」
「そんなことあるもんか。祭さんの身体に飽きるとか有り得ない」
「……北郷」
「祭さん……」
そして俺と祭さんは……
ドカッ
「おうふ……何するんだシャオ……」
「むー!シャオの事見てよ!ほら、どう?どう?」
って言ってもシャオのはさっき見たしな―――って冗談ですシャオさん!
「おほん。パレオ……っていうかいつも思うけどシャオって色っぽいよね」
「ふふーん、一刀を籠絡する手練手管は祭から教えてもらってるんだから♪」
「おうふっ」
無邪気なシャオ、幼い青き果実……(※18歳以上です)
「ちなみにそのパレオ取るとどうなるの?」
「ん?ただの水着だよ?」
「そっか……」
残念。
「んー?脱いだ方がいい?」
「うん!」
「一刀……?」
「ごめんなさい蓮華さん冗談です」
話を変えなきゃ……
「思春はふんどしなんだ」
「悪いか」
「いえ滅相もございません。似合ってるよ」
「……ふん」
しかし白いふんどしなんだよな。透けないのかな。
おっと、賢者タイムがそろそろ終わりかかっているようだ。これはまずいぞ。
「上はサラシなんだね」
「悪いか」
「いえ滅相も……っていいよもう。可愛いよ」
「……死ね」
頬を染め恥ずかしながら精いっぱい悪態つく思春かぁいいなーもー。
本人に言ったら鈴の音が鳴るだろうから言わないけど。
「明命は……oh!スクール水着!oh!!」
「はぅあっ!」
おっと、驚かせてしまったようだ!失敬失敬!
胸元に殴り書きされた明命の名前が小学生中学生のそれを彷彿とさせて、
背徳に蝕まれん、我の心!
「今えっちぃ事考えてましたよね!?」
「ばれたか。明命が魅力的過ぎて頭の中で凌辱しまくっていたのさ!(ばばーん」
「な、なんだってー!」
いいノリだ。
「明命、ナイススクール水着だ。これからも励むのだぞ」
達観してきたな俺。
「はいっ!一刀様っ!」
ヵぁぃぃ明命。
「……」
「亞莎?」
亞莎が俯いている。
「あの、一刀様は……その、やはり大きな胸が宜しいんでしょうか……?」
「ぶっ!?」
どうやら亞莎は自分の胸にコンプレックスを抱いているみたいだな……
思春や明命は言わずもがなだけど。
「そんなことないぞ!俺は思春のおっぱいも明命のおっぱいも亞莎のおっぱいも大好きだ!」
「ぁぅ……」
袖ないよ、その水着。
しかし亞莎もスクール水着とは……
「……亞莎」
「ひあ?」
ばしゃっと海水を亞莎の水着に掛ける。
「つめたっ!」
「おおっ!!」
す、す、す……
「透けとる!!」
「あう!?」
そう、亞莎の水着はスクール水着。だが白スクと呼ばれるものだったのだ!!
普通のものはここまで透けないぞ……まさか……
「亞莎、ちなみに聞くけど、その水着を用意したのは……」
「お、お母さんです……あっ!」
うむ、亞莎も気付いたようだ。
どうやらスケるスク水(白)を用意したのは、亞莎のママンだったのじゃ……
いい仕事をした。
「き、着替えてきますぅー!」
「ダメだよ亞莎、大丈夫、貸切だし俺も半裸だから♪」
「恥ずかしすぎて死んじゃいますー!?」
結局逃げられて、明命と同じ紺色のスク水(胸元にあーしぇと丁寧に書かれた)に着替えた。オウシット。
さて、そろそろ俺も限界です。
賢者タイム終わりました。
でもまぁ貸切だし?何も問題ないよね?
「うわー、一刀、そこもっこりしてるわよ?」
「してるんじゃない、させているんだ」キリッ!
「開き直ってる~、さっすが一刀♪」
「わはは!もっと褒めて褒めてー!」
「一刀?」
「ごめんなさい。ここにスイカあるからスイカ割りをしよう!」
やだ蓮華、怖い目で見ないで……
「スイカ割り?」
「うん、この棒でスイカ割るんだけど……」
スイカをシートの上に置き、10歩以上離れた。
「目隠しをしたらこの棒の先っぽを額に当てて、10回廻るんだ」
言って一刀は10回ぐるぐると廻った。
ふらふら~
「そ、それで、スイカまで皆が案内するんだ……」
「ふむ、なるほどの。まっすぐじゃ北郷!」
ふらふら~
「違うよ一刀♪右だよ右ー♪もっと右ー♪」
ふらふら~
「そういうこと♪じゃあ一刀、私の声が聞こえるところに来なさい♪」
ふらふら~
「シャオ!姉さま!嘘を教えないで!一刀?左よ!」
ふらふら~
「そこだ」
「こ、ここだね!?目の前にスイカがあるんだね!?」
「違うわよ!そこじゃない!」
「うむ、振りおろせ」
「う、うおー!」
しゅっ
パシッ
「ホワッ!?あの、誰かに真剣白刃取りモドキされてるんですけど!?ってあー!棒ー!」
何者かに棒を受け止められたと思ったら、棒を取られた。
そしてぎゅっと引き寄せられて―――
ぼにょんっ!
「わぷっ」
目隠しを取ると、目の前には祭さんが……
「ってなんでやねん!」
「こら北郷、わしの胸の中で暴れるでない♪」
「は、謀ったなー!」
「あーあ、祭ったらずるいんだからー」
「シャオが一番最初にやろうと思ってたのにー!」
「スイカ割りってこういう遊びじゃないでしょ……」
それから気を取り直して、皆でスイカ割りをした。
と言ってもスイカが1玉しかなかったので、途中から一刀が埋められることになったが。
※音声のみでお楽しみください。
「え~い」ぽにょん☆
「ちょっ、穏!おっぱい!おっぱいで窒息死しちゃう俺!!」
「うりうり~」ぽにょぽにょん☆くにゃりもにゃり☆
「うわー!穏!溺れるー!おっぱいで溺れるって嫌だよ俺!!」
「とぅっ」ドガァァァァァァンッ
「ぎゃー!」
「避けないでよ♪たぁっ」ドガァァァァァァァンッ
「いやー!」
「死ねぇぇぇ!!」ドガァアアアァァァァアッ
「生きる!!ってぎゃああああああ!!」
「脳汁ぶちまけて死ねぇぇぇ!!」ドガアアァァァァァァアッ
「俺になんの恨みがあるんだああああああ!!」
「浮気者め、えい」ぽこん
「ぎゃっ……ってあれ?」
「私だけを見なさい(ぼそ)、えい」ぽこん
「うん……」
「にゅふふ、か~ずと♪」ちゅっ
「……なぜ目隠しの状態で俺に接吻できるんだ……」
「妻の力♪」ちゅっ
「やめてー!皆が白い目で見てるからやめてー!」
「はっ」バキッ
「いたっ!~~~~っ、よ、よく皆に騙されなかったね?」
「匂いで、な。好いた男の匂いくらい覚えないでどうする」
「冥琳……(ぽっ」
「一刀様っ♪」すりすり
「あの、明命?」
「かずとさまっ♪♪♪」すりすり
「(´・ω・`)」
「……はぁっ!」ドガアアアアアアアアアンっ
「あああああああ亞莎さん!?俺それ死んじゃうからねっ!?」
「はっ!す、すみません!」ぽこっ
「ほっ……元武官だっていう設定忘れてたよ……」
「むぅ、スイカを割るんじゃなかったのぅ……」
「一番最初にいい想いしたんだからいいじゃない♪」
「もっとイチャイチャしたいんじゃもん……」
「仕方ないわね。貴女もやってきなさい」
「さすが策殿!」ダダッ
ぐるぐる
ふらふら~
「わしの身体に夢中な者はおるかー!」
「ここにいるぞー!ってしまったー!!」
「ははは!助平め♪」ぽにょんっ
「うおおおー!溺れるー!」
「そらそら~」すりすり♪
「あっ……」
「良い顔をしとるぞ、北郷♪」さわさわ
「……」
「おー、幸せの余り気絶したか♪愛い奴じゃの♪」
「いや祭、それ窒息してるから」
「離れなさい祭」
「滅」
「ちち、てき!」
遊びまくっていたら夕方になっていた。
色々あったけど、いい気分転換になったな!
皆も楽しめたようだし、俺も目の保養になったし。
また来年も来よう!
今度は子供も一緒かな?
「一刀~、帰る準備出来たわよ」
「ああ」
「なあ雪蓮」
「なぁに?」
「今幸せか?」
「勿論♪」
「そっか」
「一刀は?」
「幸せだ♪」
「そっか♪」
「お前たち、喋っているのはいいが、帰ったら政務に励んでもらうぞ?」
「……仕事増えてるだろうなぁ……」
「まぁ、減ってることはないだろうな」
行きはよいよい、帰りは怖い。
<了>
あとがき
というわけで夏祭り用のSSです。
呉の人たちが動かしやすくて便利ですw
呉は人材に富んでますよねー、質的に。量はあれですけどもw
では。お目汚し御免。
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夏祭り用SSです。
一刀たちの性格が若干ブレイクンされてますけど、
暖かい目で読んでやってください。