野原でイリアを遊ばせるラス。
駆け回るイリアを微笑ましく見守り、木の陰で座っている。
と、その膝にゴロンと頭を乗せる者がいた。
これ以上ないほど整った顔立ち、闇主である。
「お前!?」
「気にすんな」
戸惑ったラスを全く気にとめることもなく、
当然という顔で寛ぐ闇主に、あきらめの表情でため息をつき、
イリアに視線を戻すと、イリアは真っ直ぐにラスへ向かって駆け寄ってくるところだった。
「お父しゃんずるーーーい!!」
怒りの表情で、ラスと闇主の間に入ってこようとするイリアを、
「ラスはおれのだ!」とすぐにつまみ上げようとする闇主に、
「闇主!止めないか、大人げない!」とラスは非難の声を上げるが、
そんなことを気にする男ではなかった。
「イリアも抱っこーー!」
「やーだね!お子様は後!!」
と、低レベルな争いを繰り広げる二人にラスは再びため息をついた。
ため息をつくと幸せが逃げる。そんな言い伝えがふいに頭に浮かんだが、
それでも止められるものではない。
まだまだ、ひょっとしたらずっとため息をつく日々が続くような予感に、
もう一度大きなため息をついた。
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ラスの元に戻った闇主と、ラスとイリアの幸せな?日常のひとコマです。
イリアはラスと闇主の子どもである設定です。
闇主が父親になっても、きっと子どもと、ラスを取り合うんだろうな~。