No.165157

真・恋姫†無双~萌将伝~ 発売記念 <恋姫†夏祭り!>参加作品  ~真夏の絆~ 

Zero Pさん

なにっ!? 恋姫が、夏祭りで、ドンドコドーン!?
よろしい、ならばワッショイだ。

と言う事で、毎度お馴染み、見切り発車の私が通りますよー

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2010-08-12 01:40:08 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4373   閲覧ユーザー数:3903

 

 

 

それは、とある夏の日の事。

 

 

一刀

「…暑い、だるい、無理、死ぬ」

 

ろくに手を付けていない政務を投げ出し、俺は机に顔を突っ伏した。

今日の暑さを例えると、コンクリートで肉が焼けるレベルだ。

 

貂蝉

「んもぅ、ご主人様はオーバーねぇ~」

 

そう言って、何故か俺の部屋でクネクネしている筋肉達磨を目の前にして、

 

一刀

「何故、お前が此処に居るんだ…!! 失せろっ…!!」

 

俺は奴の顔面に、

全身全霊の殺意と、暑さへの怒りを籠めて、

渾身のストレートを妖怪の顔にお見舞いした。

 

貂蝉

「んぎゃあぁぁぁぁ!?」

 

ガシャーン。

後で、業者に修理を依頼しておこう。

妖怪を窓から外に吹っ飛ばしたは良いものの。

 

一刀

「…うぅ、余計に暑くなった」

 

だ、ダメだ、干からびる……。

 

そう思い、再び机に顔を突っ伏そうとした時―――。

 

愛紗

「…ご主人様、いらっしゃいますか?」

 

愛紗が入ってきたのだった。

 

 

<真・恋姫†無双~萌将伝~発売記念 恋姫†まつり!参加作品>

 

 

           ~真夏の絆~

 

 

一刀

「あ、愛紗…!? さ、サボっていた訳じゃナイヨ!? 俺は、今から始めようと…!!」

 

と、言い訳の弁を、思いつく限り口から垂れ流そうとして、

ふと俺は彼女の様子が、いつもと違う事に気付いた。

 

一刀

「愛紗…?」

 

愛紗

「う、うぅ………」

 

パタリ。

 

一刀

「あ、あい…しゃ??」

 

愛紗が俺の目の前で倒れた。

 

「お、おい!! 愛紗!! しっかりしろ!!」

 

愛紗

「ゴホッ、ゴホッ!! はぁ…はぁ…!!」

 

愛紗の額に手を当てる。気付けば顔は真っ赤だった。

 

一刀

「!! ……ひ、酷い熱だ!! だ、誰か、誰か華佗を呼んでくれ!!」

 

数分後、華佗が飛んできて手際良く処置をしてくれた。

そのお陰で、愛紗はすやすやと寝息を立てている。

診断結果は夏風邪だった。

 

華佗

「日々の過労に、加えてこの暑さだ。体が限界に達してしまったのだろう」

 

一刀

「そうか…。…ありがとう。華佗のお陰で助かった」

 

華佗

「これが俺の務めさ、気にするな。…それよりも暫くは彼女を休ませてやれ。良いな?」

 

一刀

「ああ、分かってる。絶対に安静にさせるから」

 

華佗

「おう。それじゃあ、次の患者が待っているから、後は任せたぜ!」

 

一刀

「ああ」

 

バタン。

華佗は急いで次の患者の元へと向かっていった。

 

その後、何人かがお見舞いに来てくれたが、

事情を話し、面会謝絶にさせて貰った。

特に鈴々を納得させるのは時間が掛かった。居合わせた紫苑に感謝だな。

 

愛紗

「すぅ……すぅ……」

 

一刀

「………」

 

何刻過ぎただろうか、俺は華佗の言葉を思い起こす。

 

―暫くは彼女を休ませてやれ―

 

何故、彼女が無理をしている事に気付かなかったのだろうか?

俺は自分に腹が立っていた。

 

最近は色々な所に顔を出すが故に、

愛紗と過ごす時間がガクっと減ったのは事実だ。

 

でも―――。

 

愛紗

「ん……」

 

そんな事は言い訳にならない。

何がご主人様だ、俺のバカ野郎が。

 

一刀

「…こんなになるまで、気付かないなんて、ホント馬鹿だよな」

 

彼女の髪を手で梳く。

 

「ごめんな、愛紗…」

 

ぽそりと出た言葉に反応するかのように、愛紗の目蓋が開く。

 

愛紗

「ん、…ごしゅ…じん様…?」

 

一刀

「あ、ゴメン、起こしちゃったな」

 

愛紗

「私…?」

 

熱は若干残っている所為か、まだ少々寝ぼけているようだ。

 

一刀

「この暑さと過労が祟って倒れたんだ。ビックリしたよ」

 

愛紗

「そうなのですか…。ご心配をおかけ致しました」

 

一刀

「んな事は良いから、まだちゃんと寝てな」

 

額のタオルの水を付け直して絞り、また額に当てる。

 

愛紗

「ですが、ご主人様に目を通して頂きたい案件が…」

 

一刀

「ちゃんと見たよ。大丈夫、今日の分は全部終わらせてあるから」

 

勿論、嘘だ。とてもじゃないが今日で終わる訳がない。

 

愛紗

「本当に?」

 

一刀

「勿論。…それより、愛紗」

 

愛紗

「え?」

 

一刀

「限界が来るまで、無理しちゃダメだ」

 

愛紗

「…別に無理をしていたつもりは―――」

 

一刀

「…例えどんなに戦が強くても、政務がこなせても、愛紗は人間なんだよ?」

 

愛紗

「…はい」

 

一刀

「愛紗はすっごく頼もしいし、頑張り屋さんだからな、ついつい任せっきりにしちゃう俺に大分非があるけど…」

 

愛紗

「そんな事は…!!」

 

無いと、彼女は絶対言うだろう。優しいから。

でも、俺は彼女の言葉を遮り、続ける。

 

一刀

「聞いて。…俺は、自分で言うのもあれだけど、政務も半人前だし、腕っ節も人並。…でも、女の子に無茶をさせる奴にはなりたくないんだ」

 

愛紗

「………」

 

一刀

「俺が頼りないのは分かる。でも、今は皆が居るんだから。一人で抱え込まないで? ね?」

 

愛紗

「…はい」

 

シュンと俯く様を見て、俺は慌てて続ける。

 

一刀

「あ! 誤解しないでな? これはお説教じゃない。只、愛紗は本当に良い子だから、今日みたいな事があると肝が冷えるんだ。今日の案件だって、其処までの急ぎの物じゃなかったし」

 

愛紗

「…はい」

 

一刀

「…愛紗?」

 

愛紗

「…(本当は、ただ構って欲しくて部屋に行ったなんて言えない…。しかし、よもや倒れるとは…!! 関雲長、一生の不覚…!!)」

 

一刀

「…愛紗?」

 

愛紗

「…(確かに、朝から怠さが有ったが、まさか風邪を引くなどとは…。ご主人様に何と情けない所を…!!)」

 

一刀

「…愛紗? 大丈夫か?」

 

愛紗

「ひゃい!? だ、大丈夫ですっ!! ご心配なくっ!!」

 

一刀

「?? なら、良いんだけど」

 

くぅ~……。

 

愛紗

「……!?」

 

一刀

「ははっ、お腹空いたか?」

 

愛紗

「…はい」

 

一刀

「待ってな。今、持って来るから」

 

愛紗

「そ、そんなご主人様の手を煩わせる訳には…!!」

 

一刀

「い~から、い~から!!」

 

俺は部屋を出ると、急いで厨房に向かった。

 

愛紗

「…はぁ」

 

何をやっているのか、私は。

 

「…ご主人様の負担を何とか軽くしようと思って張り切った結果が、これだ。…情けない」

 

「…いや、それは嘘では無いが、本心ではない。本当は…」

 

本当は、もっとご主人様と一緒に居たい。その口実が欲しかった。

それに、もっとご主人様に褒めて欲しくて、もっと振り向いて欲しいだけたった。

こんな不純な動機だと知られたら、きっと私はご主人さまに幻滅される。

 

「…これでは臣下失格だな…。……はぁ……」

 

自分の不甲斐なさに二度目の溜息を付いていると―――。

 

ヒュンッ!!

 

「……!?」

 

凄い勢いで何かが私の枕元に刺さった。

 

「誰だっ!!」

 

タッタッタッ………。

 

「ちっ……」

 

直ぐに足音は去って行った。

体調が万全ならば、直ぐにでも追いかけたものを…!!

悔しさを歯噛みしながら、枕元に刺さっているモノを見る。

 

「風車…? コレは文か? こっちは…飴?」

 

其処には、こう書かれていた。

 

『阿呆へ この機会を有効に使って、たまには主に甘えたらどうだ?』

 

『同時に添付した飴は、まぁ舐めてみれば分かる。良い結果を期待する。 美と正義の使者より』

 

「こんな回りくどいやり方をするのは、あいつ位か…。 フンッ、大きなお世話だ。…ありがとう」

 

私はコレをよこしたお節介な友人に感謝しつつ、掌の飴玉を口に含む。

 

「ふむ、変わった味の飴なのだな…。ん…?」

 

何だか体が暖かくなってきた気がする。私はそのまま枕に頭を沈めた―――。

 

一方、その頃―――。

 

「ふっ、貸し一つだぞ」

 

雅を愛する蝶は、一人城壁の上で月見酒を楽しんでいた。

 

「この橋渡し的な立ち位置…。ふっ、やはり私は正義の使者だなっ」

 

相変わらず、何処かすっぱ抜けている彼女だった。

 

コンコン。

 

一刀

「愛紗~ 入るぞ~」

 

俺は料理を載せたお盆を持ちながら、部屋に入った。

ちなみに温めのお粥と、リンゴと摩り下ろし機だ。

 

愛紗

「す~…す~…。むにゃむにゃ……」

 

一刀

「…ありゃりゃ、寝ちゃったか」

 

「…リンゴでも摩り下ろしてるか」

 

愛紗

「…うみゅ~」

 

一刀

「およ?」

 

寝ぼけてるのかな?

擂り終わったリンゴを卓の上に置き、俺は愛紗に近付く。

 

愛紗

「ご主人さま…」

 

一刀

「ん?」

 

どんな夢みてるのかな?

興味本位で口元まで、耳を近づけると―――。

 

愛紗

「抱いてください…あむっ」 

 

一刀

「!?!? !!!! っ!! っ!! ~~~!!!」

 

今、起きた事をありのまま伝えるぜ…。

俺を抱きしめた愛紗が、俺の耳たぶを唇でハミハミして、抱いてくれって言ったんだ。

お前は何を言っているんだって思うだろうが、俺も自分で何を言っているかわからない。

あ、でも、何かすっごく気持ちいい…。恐ろしい物の片鱗を見たぜっ…!!

 

愛紗

「はみはみ」

 

うおっ!? そ、そんな風に噛まれたらっ…!!

 

一刀

「dkfjらぎうjりあdヴぁ(悶絶中)」

 

愛紗

「んぐんぐ」

 

うおっ!? そ、そんな笑顔でぇぇぇ…!!

 

一刀

「wくぃkじzぢうvljぎじゅrg……!! …うっ、まだまだぁ!!」

 

俺は昇天しそうだった意識を引き戻したっ!!

 

愛紗

「…うみゅ?」

 

平常心、俺! 煩悩退散、俺!! 落ち着け、俺!!! 冷静になれ、俺!!!! 

 

一刀

「ほ、ほら、愛紗。ご飯持ってきたんだ。食べるか?」

 

愛紗

「…食べまふ」

 

ふぅ~…、何とか正気になったか…。

 

一刀

「よし、お粥とリンゴがあるぞ? どっち食べたい?」

 

愛紗

「ん~…ご主人さまが食べたいですぅ~」

 

一刀

「!? まだ寝惚けとるわー!!」

 

愛紗

「ん~♪」

 

一刀

「あっ、ちょっと、愛紗、やめっ、アッーーーーーー!!!」

 

その後、俺は愛紗に口移しでお粥とリンゴを食べさせる事になった。

終わったら、今までの愚痴を聞かされた。でも、彼女の本音が聞けてホッとした。

と言うか、さっきの愛紗。何処と無く酔っていたような気もしたが…。

まぁ、これで何はともあれ、一件落着だな。俺は愛紗の隣で寝る事になった。

 

(※作者から:ちなみに掲載出来ないような内容の事も、やっちゃったZE! そこは皆さんの豊かなご想像にお任せします)

 

チュンチュン…。

 

小鳥の囀りで、私は目を覚ました。

…昨日何となく恥ずかしい夢を観たのだが、これは私だけの秘密だ…。

 

愛紗

「んー!! 清々しい朝だっ!! すっかり体調も良くなったぞ!! ん?」

 

ふと、隣を見ると。

 

一刀

「…ぐ~…ぐごー」

 

ご主人様が居た。

 

愛紗

「○×△↓↑⇒□%&!?」

 

ま、まさかっ!? 昨日のアレはっ!!

 

愛紗

「ん…!?」

 

卓を見ると、其処には空になった皿と、何かを摩り下ろす道具が。

 

愛紗

「!!!!!!!!!!!」

 

一刀

「…ん? んん~!! あ、愛紗…!! お、おはよう…」

 

愛紗

「…!! お、おはようございます…」

 

一刀

「た、体調はどうかな…? はは…」

 

愛紗

「え!? え、えぇもうすっかり良く、ふふ…」

 

一刀

「…い、いや~それは良かった良かった!!」

 

愛紗

「…え、ええ!! 本当に有難うございますっ!!」

 

一刀&愛紗

「あ、あはははは!! ははは、はぁ……」

 

乾いた笑いが響き渡る。

 

一刀&愛紗

「………」

 

気まずい沈黙。ここは、やはり―――。

 

一刀

「…唐突だけど、今度、二人で出かけよっか」

 

やっぱ、こういう事は俺から言うべきだよ。

 

愛紗

「え? よ、宜しいのですかっ?」

 

一刀

「昨日の一件で、愛紗さんの本音が聞けたし」

 

愛紗

「…!!!」

 

一刀

「俺も、愛紗とたまには二人っきりで遊びに行きたいなぁって思ってたし、ね?」

 

愛紗

「…約束ですよ!!」

 

一刀

「あぁ!!」

 

俺は彼女と指きりをした。そして口付けを。

 

一刀

「あ、昨日の事、内緒にしとく?」

 

愛紗

「も、勿論ですっ!! もうっ、ご主人様の意地悪っ!!」

 

一刀

「はははっ!! 冗談冗談!!」

 

愛紗

「もう…! ふ、ふふっ」

 

うん、やっぱり愛紗は笑顔が一番可愛いな。

真夏に起きた珍事のお陰で、俺と彼女の絆はより一層深まった。

 

 

余談だが、その後皆の間で、俺の耳たぶをハミハミするのが流行った。

女の子情報網、テラヤバス…。んで、今、俺の目の前で。

 

愛紗

「星ー!! 貴様~!!」

 

「はーっはっはっは!!! 甘い、甘いぞ愛紗!!」

 

星と愛紗が追いかけっこをやっている。

まぁ、大体察しは付くが。あの事件の裏側を皆にリークした事だろう。

後にこの出来事は【夏風邪愛紗のハミハミ事件】と命名され、しばらく弄られる事となる。

 

愛紗

「この性悪女めー!!」

 

「はーっはっはっは♪」

 

一刀

「今日も平和だな~」

 

皆も、夏風邪には気をつけるんだぜ!!

 

 

<真・恋姫†無双~萌将伝~発売記念 恋姫†まつり!参加作品>

 

 

           ~真夏の絆~   <了>

 

 

~後書き~

 

どうも、柳瀬っす!! 見切り発車で何とか此処まで漕ぎ着けたよ!!

 

フリーズしてデータ保存してなかった時は泣きそうになったけど、なるようになったぜ!!

 

他の乙女達も書きたいけど、も少し待ってね。ネタが出てこんのよ。

 

今回、生まれて初めてコミケに行くんっすけど(13日の金曜日のみ)、

 

ワクワクが止まらないっす!! 聞くとすっごい混むらしいっすね!!

 

俺が行くのは当然、恋姫ブースっ!! 多分、其処に私が居る。

 

「あ、黒いオーラ出てる」と思ったら、多分私です。

 

なんてったって、『やさぐれ男』の称号をもっているのですからねっ!!

 

いつかは、コミケに出てみたいな。力量的に金魚の糞で付いていくのが精一杯だけど。

 

さて、時間だ。グダグダはここまでだ。

 

(近況)

萌えもん動画、現在データが吹っ飛んで、頓挫中。

魏志和人伝、ネタが出なくて、頓挫中。

一発屋的な事、天啓がくれば出来なくもない。だから、しばらく此方のサイトで頑張るつもり。

 

んじゃ、出来ればコメント沢山くださいね!! では、再見!!

 

※ちなみに俺は逆にハミハミする派。どうでもいいか。

 

 

 

 
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