No.164789

戦極姫2のSS

竹屋さん

戦極姫2 いろんな意味でSSを書きたくなるゲームです。だって、10月にでる続編でまた女性化する武将とかいるしっ。

でも、だからといってこのお話に続きあるかというと、これっきりで続きなんてないわけなんですがー(わっはっは)

2010-08-10 19:08:41 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:15425   閲覧ユーザー数:14285

 この物語はフィクションから生まれたフィクション。いわゆる二次創作であり、登場する人物はすべて架空の上にも架空の存在です。現実及び歴史、さらに歴史から生まれた考証・文学・漫画・戦略ゲーム・大河ドラマ、これをご覧になっている皆様の郷土の英雄あるいは憧れの偉人もしかしたら先祖様とは縁もゆかりもございません。

 あらかじめご了承ください。

 

 そして「戦極姫2」というきわめて特別な評価をされているゲームを、あえて遊んだ人だけが何となくわかって頂ける要素が多々ありますので、そのあたりをよく勘案の上、次のページにお進みください。

 

 群雄モードにこの人が出てきたら、というお話です。

 

 

 山肌そのままに荒々しく削られた山城を、一組の主従が奥へ向かう。向かいながら大きな声で話し合っている。

 あたり十里四方にどどろきわたるような大声だった。

 

「安中ァ!」

「はっ」

「なんじゃ、あの武者揃えはァ!」

「申し訳ありませぬっ」

「貴様がおりながらなんたる様(ザマ)かっ」

「め、面目ございませぬ」

 

 城の主とおぼしき武将の後ろを兜を抱えた若者がついて行く。主の怒鳴り声に負けぬように声を張り上げながら、若者の背は曲がり、首は縮こまっている。尊敬と忠誠の全てを捧げる彼の主が、物の理非については非常に厳しいと若者は身を以て知っている。しかるに本日の『武者揃え』では配下の兵が旗指物を差し違え、しかもそれを主に指摘されるという大失態を演じてしまった。

 

「武田に北条、いや義人と名高い上杉の当代であろうと、力なくんば併呑せんとするのが今の世じゃ。旗指物ひとつ満足にならんような兵で、この北信濃を守ってゆけると思うかっ!」

「おっしゃるとおりでございますっ!」

 

 穴があったら入りたいどころではない。縄があったら首をつりたい心境であった。

 

「ならば、叱れ! 怒鳴れ!ぶちのめせ!  頭で考えずとも体が動くように躾よ!」

「はっ!」

「躾で兵は死なぬ。戦で死ぬるよりはマシであろうがっ!」

「肝に銘じてっ!」

「よし」

 

 くるり。と振り向き、主は安中一藤太にむかって両手を差し出した。

 振り返った瞬間、編み込みをといて流れるままになっていた真っ直ぐな黒髪から、ふわり、とよい匂いがする。

「……」

 叱られに叱られた事も一瞬忘れて、安中は半ば夢心地で捧げ持った兜を手渡した。

 

 

「本日はつとめ大儀であった……ほら、しゃんと背筋を伸ばして皆の元に返れ、安中。貴様はこの義清が自慢の馬廻りであろう」

 その声だけは、普通の、安中に耳にだけ届く大きさの声だった。

「はっ」

 安中はその場に膝を落として、頭を下げた。

「あ、ありがとうございまするっ」

 何に対してか自分でも定かならぬまま、若者は大きな声で礼をいった。

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 時代は戦国時代。ここは信州・坂城。信濃北東部に勢力を張る豪族、村上家の本拠地である。

 

 現当主はその名を村上義清という。

 村上家は清和源氏のひとつである河内源氏の初代・源頼信の庶子・源頼清を祖する由緒正しい武家の名門であり、さらに現在は先代からの姻戚関係によって信濃守護・小笠原家の一門に連なる立場でもある。

 だが『村上義清』なる存在を北信濃に傲然と屹立せしむるのは、古い血統や守護家縁故の権勢によるものではない。

 彼(か)の名将・武田晴信を戦場において二度にわたって完膚無きまでに叩きふせて北信濃侵攻を食い止め、かつ将来その半身とも云うべき人物を名将の傍らから永遠に奪いさるにいたる剛勇こそが、彼女の存在意義。

 それ故にこそ、猛将・村上義清は、かの甲斐の虎と武田家臣団の全てから『宿敵』と目されるのである。

 …………

 さらっと流したのでもう一度言っておくが、『彼女』というからにはこの『世界』の村上義清は見目麗しい女の子である。

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

「ふう」

 甲冑を脱いで小姓に預けると、義清はそのままの姿でとりあえず床几に腰を下ろした。

 高原を吹き渡る風爽やかとはいえ信州の夏も盛り。休憩代わりの一時、くつろいだ姿で清水を煽るのが義清の密かな楽しみである。

(戦極姫2をお持ちの方は、どうぞ想像たくましく脳裏に映像を作り上げてくださいませ)

 さて。

 前章で繰り返し述べたように、武勇には人並み以上に勝れた彼女である。が、最近悩んでいることがあった。

 戦働きなら人後に落ちるつもりはないが、とかく政略戦略には不安を感じずにはいられない。小笠原長時、楽巌寺雅方ら盟友家臣らもどちらかというと武辺の人間だ。家臣の手前強気に振る舞ってはいるが、その実義清の内心は心細い。

「このままだと、調略されて引き抜かれて、陣容をがたがたにされそうな気がする……」

 さすが名将。だいたい未来がわかるらしい。史実に随えば近い未来、彼女は計略に敗れて依るべき領地を失い隣国に逃れる事になる。

(ちなみにこの一件、裏で糸を引いたのは元々北信濃に所領を持ちながら勢力争いに敗れて武田をたよった真田幸隆――『幸村』の名前で有名な真田源次郎信繁のお祖父ちゃんである。が、しかし、『戦極』世界ではその辺ところはいいかんじに適当になっているので、気にしないのが吉)

 ともあれ、義清は『軍師』を痛切に求めているのである。

 できれば、陰謀やら詐術やら悪巧みやらで武田北条(と、もしかしたら上杉)を敵に回してなんとかできるような、そんなすーぱーな存在を!

 と、そんな時。まるで義清の思考を読んだかのような間の良さで、襖の向こうから声がした。

「恐れ入ります。御屋形さま」

 その小姓のおとないこそが、義清が待ち望んだ報せであった。

 おおっ、と思わず義清は床几から腰を浮かせ……あんまり喜び過ぎるのも『上司の姿』としてはどうかと思ったので、座り直し

「うむ。参ったか。――これへ」

と目通りを許す。

 さらりと襖が開いて、そのむこう、藍色の羽織に濃茶の袴の若者が平伏していた。

「よう来たの。待ちかねておったぞ。天城」

 

 この若者の名を天城颯馬という。

 此の時代、旅人は貴重な情報源である。以前城下を訪れ目通りを望んだ彼を義清は親しく城に招き、話を聴いた。ことに彼は軍配者として身を立てる志をもっており、戦乱未だ治まらぬ関東八州と甲信越を見て回ってきたというその知見は中々のものであった。また諸国の観光名産の話題は北信濃から外に出たことのない義清にとって新鮮で、彼女はまだ見ぬ京の都や堺に思いをはせたりした。

 すっかり颯馬を気に入った義清は、夕餉の席が終わる頃には彼を側近くに召し抱える気まんまんになっており、実際、さりげなく誘ったりもしたのだが、

「未だ知見浅き未熟者にて、廻国の旅を今しばらくつづけたく」

等と辞退されてしまった。

 恨みに思うことなど無かったが、外見に似合わず打たれ弱いところがある彼女のこと、

「やっぱり上杉やら北条やら武田やらを観ていると、ウチは見劣りがするんじゃろうか……」

と柄にもなく落ち込んだ。

 だが、次の日には気持ちも持ち直し、路銀・水食料はおろか良馬を選んで下げ渡し身なりも整えさせ、それなりに立派に見えるよう飾って旅立たせた。

 一度は頼み込んでも臣下になってもらおうと思った若者である。きっと一角の軍配者になるだろう。ならば、自分はそれを見込んだものとして恥ずかしくない待遇をせねばならぬ、と律儀な彼女は思ったのだ。

「必ず!必ずまたお訪ねします!」

と手を振りながら遠ざかる後ろ姿をやや切ない気持ちで見送って、一ヶ月。

 廻国の修行を終えた彼の若者が再び城下を訪れ、義清に目通りを願っているとの報告が届いた時には、その場で踊り出したくなるくらいにうれしかった。

 ……小姓がいたので我慢したが。

 何はともあれ、彼女が望んで止まなかった『軍師』がそこにいた。

「義清様にはお変わりもなくご壮健なご様子、恐悦至極に存じます」

「うむ……そなたは少し痩せたかの」

 旅の苦労でもあったのか、と幽かに震える背中をみて、義清はそういった。

「面を上げるがよい。伏したままでは本当に壮健かどうかわかるまい?」

「はっ」と年に似合わぬ落ち着いた仕草で、ゆっくり顔を上げる天城颯馬。そして

「うおおおっ!」

 上げきったところで狼狽えた。まあ、これは義清の恰好が実に開放的だった所為である。

 で、義清は浮かれていたために自分の恰好をすっかり失念していた。

「うおおおっ!」と未だ主従でもないのに似たような狼狽えかたをして義清は両手を交差して肩を抱いた。

「ゆ、ゆるせ。武者揃えを終えたばかりなのだ!」

「いえそのとてもご壮健であるのはよくわかりましたありがとうございます!」

 思わず礼をいう颯馬。

「そう、そうか。う、うむ」

 なにが「そうか」なのか義清自身にもよくわかっていない。

 が、とはいえ、今更取り繕うのもみっともない。いっそ開き直って戦評定の時のように床几に腰掛け……

「……ぬう」

るところまではさすがに思い切れず、義清は床几の上でもじもじと両膝をあわせ、なんとか停滞した話をすすめようとした。

「そ、それで、廻国修行はいかがであった? 意中の大名家はあったのか? そなたは理想が高いからな。いや志を曲げよというつもりはないぞ、うん」

 聞きたいことは違うのだが、さりとて直裁に過ぎるのも「どうか」とおもい、思い出話っぽく始めてみる。

 だが、再び平伏した天城颯馬は何も答えなかった。

「む。どうしたか、天城」

「……」

 ややあって、平伏した背中からむせぶような声が聞こえてきた。

「……先にお目通り頂きました時のことを、覚えておいででしょうか?」

「うむ? それはおぼえておるが」

「拙者の如き流浪の軍配者。騙りの山師のと御城下から叩き出されても文句も言えないものを親しくお召し下さり、また勿体なくも、旅立ちの折には過分な贈物を賜りました」

「そなたの才を、人物を認めたが故じゃ。礼には及ばぬ」

「上杉、武田、北条の領内を過ぎ、村上様の御領内に立ち入ったにも関わらず間者であらんかとの御疑いもなく」

「そなたは間者ではなかったであろう?」

 義清は完爾と笑った。

「謀られたなら義清が不覚。そなたは二度と我が前には現れまい。だが、ここにこうして再び訪ね来たった。これはそなたが間者ではない何よりの証拠ではないか」

 笑顔のままで頷く。

「我が目の真実を違えざる事、この度以上にうれしかったことはないぞ」

「……あああ。やはり」

 ぐぐぐと畳に爪を立てながら、天城颯馬はうめいた。

「やはり、あの時、御仕官申し上げるべきでした……」

 ……不吉な言葉が義清の耳に忍び込む。

 御仕官、申し上げる、べきでした。

 ……過去形である。

「どこぞに、仕官してしまったのか?」

 威厳を保つように気をつけていたのに、義清の口から漏れたその問いかけはひどく心細げだった。

 その心細さ故に、天城颯馬の言葉は鈍る。だが、だからこそ、真実を告げねばならない。

「御城下を離れて、数日、越後を過ぎ南出羽、山形に到った時にございます」

「出羽……山形。まさか最上家か」

 伏したまま天城は首を振った。

「早々に宿を決め、市を冷やかしておりました時、一軒の古物屋の前を通りかかり、その折り、一個の小物が目にとまりました。亭主が申しますには、何でも願いを叶えてくれる縁起物だそうで」

「うむ」

「ですので、……酒も多少はいっておりました所為もあるかもしれませんが、つい願ってしまったのです」

「な、何を願った?」

 思わず、身を乗り出して訪ねる義清。平伏状態から顔を上げていたら、さぞや幸せな眺めを拝めたろうが、颯馬は平伏したままだった。

「『天下麻の如く乱れたる世、武士に上下の節義なく百姓の嘆きは大地に満つ。願わくば天下太平をもたらす英傑が現れ、我はその股肱とならん』と」

「それで……」

「……現れてしまいました」

「……天城」

 は? と呼ばれて顔を上げると、義清は床几の上で眉を八の字にして肩を落としていた。そのまま三角座りをしそうな勢いである。

「ウチへの仕官、そんなにイヤならそういえば良いではないか? なにも、そんな作り話をせんでも……」

「いやなわけがありませんっ」

 視線を斜め下におとして、ぼそぼそーと呟いていた義清の言葉を遮って、天城颯馬がどなった。はっとして義清が顔を上げる。

「それは、まことか」

「いやな、わけが、ありま、せんんんっ」

 だーと目の巾に涙を流しながら、天城颯馬が言った。

「山形城下まで赴きましたが、賢君と名高い最上家の御当主は何故か『もがみん』と呼ばれて、親しまれているのか侮られているかわからぬ始末。家中に今一人なりとも武に長じた武将がおればともかくも、あの当主一人では出羽を切り取ることすらおぼつかぬであろうと落胆いたしました。そして悟りました。自分には、お一人しかいなかったのだ、と」

 さめざめと涙を流しながら、颯馬は畳を叩いた。

「士は己を知るもののために死すっ」

 見ている義清の目にも思わず涙が浮かぶ悲憤慷慨ぶり。

「ただ一人、ただお一方。行き先知れぬ流浪の身をすくい取って、家臣に加えようとしてくださった方をどうして慕わぬわけがありましょうか」

「お……おおっ」と思わず、思わず上座から歩み寄る義清。 

「やはり、我が忠義を捧げるのは村上義清様をおいて他にない。非才の身といえども全知全能いや命を賭して、武田北条とであろうと知略を競い、我が主と共に生き、我が同僚と共に死のう。北信濃をこそ、我が墓としようと――そう、思い定めた矢先に、まさか、あんな……あんなことがっ」

「なんじゃっ。天城っ そなたの身に何が起こったのじゃっ!」

 今ひとつ状況が飲み込めないまま義清が、伏したままの天城颯馬の手をとり、顔を上げさせようとした、当にその瞬間

 

「ええいっ! やかましいいわあああああっ」

 

 怒号と共に容赦のない蹴りが颯馬の体を吹き飛ばした。

 正座のまま、縦軸回転で飛んで行く。

 

「……はっ」

 差し出した手がいきなり行き場を失って呆然とした義清だったが

「あ、天城っ 無事かっ」

 振り返ったその先で、襖に刺さった若者が何とか抜けだそう藻掻いているのをみて、命に別状は無いと判断し

「おのれ、何者かっ」

と甲冑の横の愛槍(室内なので長槍でない方)をとって構えた。

 その義清の耳に、まるで鈴の音のような美しい声が聞こえる。

「まったく、この阿呆めが」

 義清が向ける穂先の先に、白い狩衣のような装束をまとった公達風の若い娘がいた。

「……だまってきいておれば人の事を狐狸の類でもあるかのように言いおって。『主』に向かって無礼であろう」

 とがめる口調のわりには力も怒りも感じられない。どちらかといえば脱力していた。

「狐は最上に任せておけというた折りには少しは目端が利くのかと思うたのに……単に間違えておったのじゃな」

 心底呆れたらしい言葉であったが襖に頭を突っ込んで藻掻いている相手に聞こえるはずもない。ついでにいえばため息ついている人物こそが蹴っ飛ばした本人であるが、その本人には天城颯馬を蹴飛ばしたことも、その所為で話を聞けなくなっていることも、ついでに今まさに彼が城主に謁見していたことさえもが、さしたことではないらしい。

 天上天下唯我独尊。天にも地にも自分一人しか存在していないかのような傲岸ぶりであった。

「お、おのれええええっ」

 あくまで傲然と、周囲を無視するその態度に義清の思考は一瞬で沸点を超える。

「何者か知らぬが、信州村上の城でかかる狼藉っ 生きて外へ出られると思うなよっ」

「ふむ」と、狩衣の娘は義清の怒りも意に介さぬように、冷静で無遠慮な観察の視線を向けた。

「流石は音に聞こえた槍の名手よ。立ち直りが早い」

「ほざけっ」

 ごっ。と風鳴りとともに突き出される槍の穂先。だが、娘はわずかに体を捌いて、義清の槍をかわした。

「なにっ」

 試すつもりなど無かった。一撃で胸元から背中まで背骨を折り砕いて貫くつもりだった。

 それを、まるで涼風でもあるかのように平然と――

「慌てるな村上義清。私は何もお前と争うつもりはないのだ」

「何をっ」

「まあ、聞け」

 その公達風の娘はついと顎で破れふすまにはまって藻掻いている男をさした。

「奇妙な縁でその男の主となったが、この身は今世に義理を果たさねば成らぬ主君がいるわけでもない。天下を統べるのも、統べる先棒を担ぐにもいささか倦(あ)いた身での。どこか適当なところで適当な祿にでもありつければと思っておったのだ」

「……天下を統べるに……倦(あ)いた?」

「うむ。で、だ。我が『臣下』たる天城颯馬が言うには自分が仕えたい大名家は信州の村上家をおいて他にない、と」

「……」

 義清は天城颯馬の方を見た。相変わらず襖に刺さったままだったが。

「この世にたった一人しかおらぬ家臣にそうまで言われては致し方なし。村上家の世話になることにしてはるばる北から訪ねてきてやった、というわけだ」

 ……こんな傲岸な仕官の口上がかつてあったろうか。

「この身が村上の臣となれば、我が臣下も村上の臣。念願叶って万々歳。……であろう? 颯馬よ」

「……」

 やっとのことで襖の破片から体を引き抜いた天城颯馬は、『主』である人物に仏頂面を向けた後もう一度義清に向かって平伏した。

 

 そうして場が治まり、ようやく義清にも相手を観察する余裕が出来た。

 白い公家風の装い。白皙の頬。切れ長の目。長い髪――侵しがたい気品とあたりを払う威圧感。そして何より彼女、村上義清が必殺の一撃を苦もなく躱したあの身のこなし。

 ただ者ではない。

 顔つきが変わった義清を目を細めて見やり、白狩衣の公達は名を名乗った。

 

「源九郎判官義経じゃ。河内源氏の末裔たるその方(ほう)なれば、この名に聞き覚えがあろう」

 

 

 

 さても奇妙な成り行きで、古今に冠たる騎馬戦と奇襲の名手と(臣下の臣下といういささか遠い間柄とは言え)頼りになる軍師を配下に得た村上義清は、いろいろな条件が重なった結果とはいえ、北信濃統一を越えて戦国の世に大きく雄飛することになる。そしてその結果、甲信越と関八州の地図と歴史の年表を少なからず塗り替えることになるのだが、それは別のお話。

 

 戦極姫二次創作、読み切り戦極史――『戦極義経記』 本日は、これまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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