『ふむ、今日はなかなか良い一日になりそうだ。』
と、満足そうな顔をしながら青髪の短髪美女が今日の出来事を思い返していた。蜀が誇る我らがトリックスター超子竜こと星である。
-朝食時-
星「恋、その形の瓶のメンマはまだ食べちゃダメだ。漬かり具合がまだ浅い。」
と、秘蔵のメンマを食欲魔神から守り通すことができた。勿論代わりに普段用のメンマを恋に渡し、
星「この形の瓶のメンマが丁度食べ頃だ、食べるならこの瓶のメンマにするがよいぞ。」
早速それを箸でつまんで口に持っていく食欲魔神
恋「モキュモキュ・・・・・『ほわわわ~ん』美味しい、ありがと星。」
と、言われハっと我に返り改めて
星「良いか?この形の瓶のメンマは食べていいからな。この形の瓶はダメだからな。」
念を押す事は忘れなかった。
『ふむ、あれは我ながら良い事をした、メンマの美味しさを伝える事が出来た上に秘蔵のメンマは守り通す事もできた。恋の可愛い姿も堪能できたしな。』
と、一人悦に入っていた。
-昼食時-
蒲公英「星お姉さま、ご主人様をその気にさせるいい方法ってなーい?『ブハッ』」
と、突然の可愛い妹分からの衝撃発言に飲んでいたお茶を噴出しながら
星「な・何をいきなり言うのかと思えば。『ないの?』あ・あるに決まっているではないか。」
と、内心の動揺を悟られないように改めてお茶を・・・飲めなかった。
蒲公英「空だよ星お姉さま。」
と指摘された。
星「わ・わかっている。茶器の良し悪しを見ていたのだ。いい方法だったな?」
蒲公英「そう、ご主人様をその気にさせる方法。手練手管に長けた星お姉さまならなんかいい秘策あるかなぁって。」
と、期待に満ちた目で見つめられる
『ここで期待に応えられないようでは何が超山の昇り竜か華蝶仮面か』
と、何か違う方向に力が入っていた。
星「うむ、まずは普段とは違う蒲公英を見せ付けるのが良いぞ。主が”ぎゃっぷもえ”と言って大変惹きつけられると仰っていた。そして”たいみんぐ”だな。『たいみんぐ?』有無、天の言葉で間とか好機とかの意味らしい。」
酒席での主とした会話を思い出しながら、話しているといい事を閃いた
星「蒲公英少し耳を貸せ・・・。」
蒲公英「後で返し『秘策を聞きたくないのかな?』是非聞きたいです星お姉さま。」
星「ふむ、ごにょごにょのこしょこしょで主をらぶげっちゅだ。」
蒲公英「ふわー。流石、星お姉さまタンポポ頑張っちゃう。」
と抱きつこうとする妹分を見ながら
星「これこれ抱きつくのは主にだぞw」
と、満足いく回答が出せた事に内心喜んでいた。
そして別れる二人
『有無、あれは我ながら会心の回答だったな。蒲公英の星お姉さま像を壊すこともなかったし。』
思い出しながらウンウンと頷いていた。
-数刻後-
『お、あれは蒲公英ではないか薄化粧といい香水といい今から主のところに突撃するところだな。』
と、可愛い妹分の変身した姿を見つけるとその後をコッソリと後を追った。
『こんなに面白いゲフンゲフン妹の一世一代の勝負を見届けねば』
と思いながら執務室の扉の影で成り行きを見守った。
「ご主人様のばかぁ~~~~~~~~~~~~~~~っ」
と言いながら扉に向かってくる蒲公英に気づかれないように扉から離れ、やり過ごした後その姿を探してると庭で泣いている蒲公英を見つけ
星「誰にも見られないように小川で顔を洗ってくるが良いぞ、焔耶あたりに見られると何言われるかわからないからな。」
と、妹分を慰めながら小川に行くように誘導すると
蒲公英「うっくうっくうん、焔耶にこんな顔見られたくないもんね。」
と少し泣き止みながら小川に向かっていった妹分を見送った。
『さてと次は主だな』
と執務室に駆け出して行った。
執務室で物思いに耽ってる主に声をかけた時に
一刀「回想を読むなよ。」
と言われたが
『実は見ていたとは言わずにそのような能力があると思わせていた方が都合がよいな』
と、思いながら妹分の心意気の説明と主のやる気を起こさせつつ
『蒲公英には是非幸せになってもらわねば煽った責任もあるしな。』
等と思っていた。その表れが
星「秘蔵のメンマを差し入れますぞ。」
だった、そして妹分の居場所を伝えた時に
一刀「愛してるよ 星(はぁと)」
と言われモジモジしたのはご愛嬌だ。
-蒲公英のターン後-
『さてと、秘蔵のメンマを差し入れると言ったが、これが最後の瓶か・・・』
と、厨房でゴソゴソしながら思案していた。
『このメンマの良さが主にわかるとは思えぬな・・・ちょうど朝に恋が空にした瓶があるしこれに、そしてこの秘蔵用瓶にはこの中身を入れて・・・これでヨシ』
と、中身を入れ替えたメンマ瓶を持って執務室に行くと正に愛紗の説教の真っ最中
星「主ちょっといいかな?」
愛紗「星、今はご主人様に政務の大事さを説明しているとこだ。あ『ここに置いていきますぞ秘蔵のメンマ』とに・・・もう立ち去ったか。」
『やれやれ、巻き込まれてはかなわんからな。さてとメンマで蒲公英の祝杯といくかな』
と厨房に戻ってくるとそこに居たのは小腹の空いた食欲魔神
恋「もきゅもきゅ・・・・朝のより美味しい。」
箸で山盛りご飯とメンマを口の中に頬張りながらそう言った。
星「そうか、恋もメンマの美味しさがわかるようになったかぁ。いいことだ。」
と、言いながら詰め替えた瓶を探すが見つからない。
星「恋ここにあった瓶を知らないか?・・・ってあーーーーーーーっ。」
と大声で叫ぶとお目当ての瓶を卓上で見つけた。中身はもう残ってなかったが。
恋「恋、星が食べちゃダメって言った瓶は食べてない。我慢した・・・。偉い?」
と首をかしげながら言う恋に
星「そ・そうだなぁ恋はちゃんと私の言いつけを守ったんだもんなぁ。偉いぞ。」
と言いながら心の中で血涙を流しながらこう叫んでいた
『わ・私のメ・メンマーーーーーーーーーーーーーカムバーック』
蜀は今日もへ「メ・メンマーーーーーー」平和です。
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相変わらずの駄文製作者でございます。誤字脱字無知は生温かい視線とコメントでお願いします。この作品は蒲公英の行動の裏側で暗躍した乙女の悲喜劇です。