No.162766

真・恋姫無双~子義と仲達~20

gatsuさん

長らく間を空けてしまいました。
第20話です。
またよろしくお願いします。
……まとまった休みが欲しい今日この頃です(汗

2010-08-02 17:31:12 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:3184   閲覧ユーザー数:2725

この作品は恋姫の二次創作です。

オリキャラ込みです。

初めてなので駄文です。

それを踏まえて読んでいただけると幸いです。

第20話:それぞれの、想い

魏軍との戦が終結して、はや一月が経過した。

片腕を失った雪蓮は王位を退き、その後を蓮華が継いだ。

冥琳や祭さんに王としての心構えを教えてもらいながら、毎日必死に政務をこなしている。

また、孫策が退いた事で揚州は混乱をきたすかと思われたが、蓮華の下には未だ健がおり、それが抑止力となって目立った混乱は起こらなかった。

その光景を見て、誰が詠んだか

 

「小覇王堕つ、しかして未だ風吹き荒れる」

 

などと世間では言い伝えられていた。

穏「……以上がここ暫くの諸侯の動きを纏めたもので……蓮華様?」

蓮華「……あ、ああ。すまない」

穏の問いかけに慌てて反応する蓮華。

現在、呉の主だった将を集め、軍議が行われている。

一刀「蓮華、どうかした?」

蓮華の様子に一刀は問いかける。

蓮華が即位してから、一刀は本格的に蓮華の補佐に就くようになった。

冥琳や穏の教授の成果もあってか、今では立派に蓮華の補佐を行っている。

蓮華「いや、何でも……」

一刀「まだ慣れてなくて色々不安なのは分かるけどさ、蓮華なら大丈夫だって」

蓮華「……本当に、大丈夫なのだろうか」

蓮華は不安そうな目で一刀を見る。

蓮華「今の平穏だって、健の力や皆の働きがあってこそ成り立っている。……私は、お姉様のように皆を纏めていけるのだろうか?」

一刀「……別に、雪蓮のようにしなくてもいいんじゃない?」

蓮華「ん?」

一刀「というか、他の人が雪蓮みたいにやるのはまず無理だと思う。だからさ、蓮華は蓮華のやり方で、皆を導いていけばいいんじゃないかな?」

蓮華「私の、やり方……」

一刀「すぐに答えを出そうと思わなくていい。俺達は皆、蓮華を助けるから、その中で自分のやり方を見つけていけばいいよ」

蓮華「……ああ、そうだな」

一刀の言葉で、蓮華の不安は若干和らいだようだった。

一刀「で、とりあえずこれからの方針だけど……」

亞莎「まさか劉備が同盟を破棄するとは……」

現在、軍議では各国の動向を整理し、これからの方針を決めている。

雪蓮退位の報を聞いて、劉備陣営は同盟破棄の使者を送ってきていた。

曹操は、この間の戦での愚策を後悔し、呉の内乱に乗じて戦を仕掛けることはしないと確約した。

劉備の同盟破棄は、事実上の孫呉への侵攻を意味するのか。

曹操の確約は、何処まで信用していいものか。

これから孫呉はどのようにして領土を広げていくか。

議題は山積みであった……。

~軍議終了後~

健「新しい武器?」

冥琳「ああ。この間の戦で折れてしまったのだろう?以前話していた新しい武器が届いたのでな、渡しておこうと思って」

健と冥琳が、廊下を歩きながら話している。

曹操との戦で折れてしまった健の武器についてだ。

健「そういえば、あれとはだいぶ形が違うってゆーてたなぁ。実際、武器の種類は?」

冥琳「双戟、と言って分かるか?」

健「あー、分かる分かる。でも上手い事扱えるかなぁ……」

冥琳「まぁ、試してみればいいさ。ついて来い」

話し終えると、2人は冥琳の部屋に向かった。

健「これが……その双戟?」

冥琳「ああ、そうだ」

冥琳の部屋で渡された双戟は、純白、と言っていいほど全てが白く、見た目も美しいものだった。

健「これ、儀式用とかとちゃうよな?」

冥琳「もちろん実戦を想定されている。だが、それを作った鍛冶屋が変わり者でな。妙な趣向に走ったんだ」

健「それが、この結果か……」

軽く戟を振ってみる。

健「軽さは申し分無し。強度は?」

冥琳「それも保障する。ただ、戦場でそのような武器を使っていれば目立ちすぎるだろうな」

そう言って冥琳は苦笑い。

確かに、儀式用に見まごう程の見た目なら、戦場じゃ悪目立ちするわな……。

健「とりあえず試してみるか。見に来る?」

冥琳「では、拝見させてもらおう」

そう言うと、2人は中庭に場所を移した。

健「まずは軽く……」

双戟を構え、健はゆっくりと動き出した。

そこから先は、まるで舞を見ているようだった。

以前の健の攻撃の型はまるで突如吹き荒れる突風のよう。

それと比較すると今はさわやかに、しかし力強く吹く風、といった所だろうか。

冥琳は、思わず目を奪われてしまっていた。

?「……武器が違うだけで、こんなにも変わるのね」

声のするほうを向くと、雪蓮と七乃さんがいた。

美羽ちゃんと七乃さんには、雪蓮が良くなるまで看ていてもらっている。

今日はたまたま、美羽ちゃんはいないようだ。

冥琳「雪蓮、体はいいの?」

雪蓮「ええ、そろそろ散歩程度はしなさいって」

七乃「でも雪蓮さん、目を離すと手合わせなんかしちゃいそうですし~」

冥琳「だから七乃殿がお目付け役、といった所か」

雪蓮「さすがにまだそこまではできないわよ」

2人の言葉に苦笑する雪蓮。

蓮華に王位を譲ってから、雪蓮は雰囲気が柔らかくなった。

とはいえ、中身はそこまで変わってはいないが。

健「あれ、いつの間に観客が増えてん?」

健も2人に気づいたようだ。

雪蓮「たまたまさっきあなた達を見つけてね。それにしても、舞みたいだったわね」

七乃「はい、綺麗でしたよ~」

健「この武器に最適な動きを考えたらこうなっただけやって」

2人の賛辞に、健は苦笑する。

冥琳「で、そいつの具合はどうだ?」

健「おう、ええ感じ。ありがたく使わせてもらうわ」

冥琳「ふふっ、存分に使ってくれ」

雪蓮「ねぇ冥琳。その戟、銘は何て言うの?」

冥琳「“雪月花”だ」

七乃「“雪月花”……。確かに、その銘に相応しい美しさですね~」

4人は、その戟の名の通りの美しさに見とれていた。

健「とりあえず、ありがとうな。この礼はどっかでするわ」

冥琳「それなら、これからも孫呉のために尽力してくれ」

健「あれ、そんなんでええの?」

雪蓮「何言ってんの。あなたが蓮華を支えてくれなきゃ、あの子すぐに潰れちゃうわよ」

七乃「そうですよ~。健さんが呉で一番強いんですから」

健「……りょーかい、これからも頑張るわ」

こうして、決意を新たに健は新しい武器“雪月花”を手に入れた。

暫くして、建業に本拠地を移した孫呉は、いよいよ動き出す……。

蓮華「……という訳だ。我らは南方を制圧し、来るべき敵に備える」

蓮華の一声で、南方への進軍が決定した。

袁紹との戦いを勝利で終えた曹操への備えのため、兵・金・兵糧を確保しなければならないからだ。

そして南征軍の編成に移るのだが……。

蓮華「出陣する武将は、呂蒙・甘寧・周泰・陸遜・華雄。本隊は私と孫尚香、一刀が率いる」

……あれ?俺は?

祭「権殿……。出陣武将にわしの名が無いのじゃが……」

健「俺も俺も。俺らは要らんってか?」

2人は少し怪訝そうに尋ねる。

蓮華「何を言ってるの。2人だからこそ、建業の留守を任せられるのよ」

祭「むぅ……、前線で働けんとは……。齢とは残酷なものよ」

冥琳「拗ねるな祭殿。私も居残りだ」

祭「お前は良いではないか、健といちゃいちゃ出来るのじゃから」

冥琳「っ!そ、そんな事しません!」

蓮華「ねぇ祭、お願い。私達の家を守って」

祭「むぅ……、了解した」

渋々祭さんが納得した所で、各自それぞれの仕事に戻っていった。

その直後、一刀が健に話しかけてきた。

一刀「……なぁ健」

健「んー?」

一刀「冥琳、最近ちゃんと休んでるのか?」

健「……いや」

一刀は、冥琳の僅かな異変を見逃さなかったようだ。

健「俺も散々言うて、前よりは休むようにはなったけど。それでも『今は寝る間も惜しい』らしいで」

そういう健は心配そうだ。

自分の好いている人が無理をしているのだ。無理も無い。

一刀「……俺にも出来る事があったら言うように伝えておいて」

健「りょーかい。俺もその方が助かる」

一刀「あと、健も」

健「ん?」

一刀「最近ずっと、夜に鍛錬してるだろ?」

健「……見られてたか」

一刀の言うとおり健はここ最近、皆が寝静まった時間に1人鍛錬をしていた。

全く、この男には隠し事が出来ない。

健「新しい武器にはよ慣れたいんやけど、調練やなんやあって時間取れるんが夜中しかないんよね。特に書類仕事、アレは地獄や……」

一刀「気持ちは分かるけど、無理はしないでくれよ。2人とも、今の呉には大事な人間なんだから」

健「わーったわーった。ほれ、お前もはよ準備して来い」

一刀「……分かった」

納得してないようだったが、一刀も出陣準備に向かっていった。

健「……今無理せんでいつ無理するっちゅうねん」

一言呟いて、健もその場を立ち去った。

~とある城~

陳宮「呂布殿ぉー!」

呂布「……?」

陳宮「孫権が南方へ出陣したようで。今が好機ですぞ!」

呂布「……攻める?」

陳宮「はいです!」

呂布「……分かった」

陳宮「ならばすぐに、出陣準備をいたしますぞ!」

陳宮の問いに、無言で頷く呂布。

それを見て、陳宮は駆け足で戻っていった。

呂布「……決着」

城下を見ながら、呂布は呟く。

呂布「……太史慈」

そう言うと、呂布はその場から去っていった。

G「お久しぶりです。ってか、ずいぶんと遅れてしまいすみません」

 

健「半年ちこう放置やったやんけ。なんしてたん?」

 

G「……大学院がここまで忙しいとは思わなんだ」

 

健「そんなに?」

 

G「時間空いたと思ったら教採の勉強してましたし」

 

健「……さよけ」

 

G「とりあえず、これから夏休みなので、時間が多少はできる!はず!」

 

健「はずってオイ」

 

G「まぁ、時間を見つつチョコチョコ書き溜められるよう努力します」

 

健「まぁ、がんばってくれや」

 

G「では、次回で」

 


 
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