No.161625

太陽みたいな君と乙女♪-恋姫†乙女伝-Act.5

月千一夜さん

お待たせしましたw第5話ですww
今回も、好き勝手大暴れしちゃってますwwww

2010-07-29 21:09:28 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:23437   閲覧ユーザー数:17923

「あ・・・」

 

 

それは、昼休みが始まり少し経ったころのこと

友人二人と一緒に学食へと向かう途中、ふいに彼女の足がピタリと止まった

 

 

「んぉ?」

 

 

それに気づき、二人のうちの一人も足を止める

見ると先に止まった少女は、頬を微かに赤くしたままある場所を眺めているではないか

 

いったい何が?

 

そう思った少女は、同じように視線をうつした

そして・・・気づく

 

 

(あぁ、なるほどなぁ・・・)

 

 

苦笑いを浮かべ、だが自身も同じように頬を染めながら・・・少女は『納得』する

同時に思った

 

『仕方ない』と

 

目の前には、それほどの光景が広がっている

彼女達にとっては、それほどのものが・・・だ

 

 

そこは、水道の水飲み場・・・そこで、頭を洗う一人の少年の姿があった

制服の上を腰に巻き、ガシガシと頭を洗う彼

やがて満足いったのか、軽く息をつき持っていたタオルで頭を拭き始める

 

 

 

 

「北郷先輩・・・」

 

 

ふいに・・・始めに止まった少女が、小さく呟く

それはもう、幸せそうな笑顔を浮べながら

その様子に、もう一人の少女は思わず噴出してしまった

だがそれにすら、彼女は気づかない

 

相当、目の前の光景に対し集中しているのだろう

 

 

「【凪】、ちょい見すぎちゃうか?」

 

「あぁ、北郷先輩・・・」

 

 

(アカン・・・重症や)

 

少女は、静かに頭を抱えた

 

 

「もう、二人とも何してるの?

後ろ見たらいなかったから、【沙和】びっくりしちゃったの!」

 

 

そんなとき、後ろから聞こえた声

振り返るとそこには、眼鏡をかけた少女の姿

彼女は溜め息とともに、こうなったであろう原因を指差す

 

 

「凪のやつ、ま~た見惚れてんねん」

 

「あ~、北郷先輩なの♪」

 

 

そう言って、自分のことを沙和と呼ぶ少女は凪と呼ばれた少女の隣へと・・・彼女は、苦笑いを浮べたまま溜め息をつく

 

 

「あんな、二人とも

はよういかな、昼休み終わってまうで?」

 

「う~、わかってるの!

わかってるけど~・・・こんなじっくり北郷先輩を見る機会なんて滅多にないの~」

 

「まぁ、そうなんやけど・・・」

 

 

沙和と呼ばれた少女の言うことはもっともだった

北郷一刀・・・条約が解かれた今、彼を狙う者は多い

特に【三国】の者達などは今まで我慢していた分、その勢いは凄まじいだろう

 

今日の朝も、校門でなにやら彼関係で騒ぎがあったということは彼女も聞いていた

なによりもこの学園の者を驚かせたのは、あの【隠密派】までもが前線に出ていたということだ

今までは表には出ることはなく、常に裏で様々なことをやっていた彼女達が・・・だ

 

 

これでは彼女達のような新入生が入る余地など、もはや無いに等しい

 

 

だからこそ、今このようなことは・・・密かに彼を想う三人にとって、ささやかな至福の時だった

 

「北郷先輩・・・はぁ~」

 

「あかん、ホンマ重症やで」

 

「仕方ないの、凪ちゃんは中学の時からずっと北郷先輩のことが好きだったの~

だから、この学校に来たんだし・・・沙和も、先輩のこと好きなの

真桜ちゃんだってそうでしょ?」

 

『そら、そうやけど』と、真桜と呼ばれた少女は頬をかく

 

そう、彼女達は言うなれば【追っかけ入学】

彼・・・北郷一刀を追いかけ、ここフランチェスカへとやってきたのだ

しかし、いざ同じ学校に入ってはみたものの・・・目的の彼には中々近づけない

 

むしろ、さらに遠くなったような気にさえ真桜は感じていた

 

 

「どないしたら、近づけんねやろ・・・」

 

言いながら、真桜は溜め息をつく

彼が好きだという想いは、他の者に負けている気はしない

いや、むしろ自分が一番・・・そう思うのは、彼女達が恋する乙女だからだろうか

 

しかし、このままでは何も変わらない

 

「派閥・・・か」

 

ふと口にした言葉

派閥・・・三国のうちどれかに入れば、あるいは

 

 

「そんでも、下っ端で終わるようなら意味ないしなぁ

それに問題は、どこに入るか・・・やけど」

 

「真桜?」

 

「お、凪か

もうええんか?」

 

「ああ、脳内メモリーにしっかりと焼き付けた」

 

「そ、そか・・・」

 

 

友人である凪の言葉に、真桜は顔を引くつかせる

確実に、危ない方向に進んでいっている気がしたためだ

 

 

「そうだ、真桜・・・沙和もなんだが

聞いて欲しいことがあるんだ」

 

 

そんな心配もよそに、彼女は突然、何か話し始める

二人の視線が、彼女に集まった

 

 

「このままでは、ダメなんじゃないか?

私達は・・・このままではまた中学の時と同じように終わってしまうんじゃないか?」

 

「凪・・・」

 

それは、いま自分が考えていたことと・・・似ていた

だからこそ真桜は、彼女の考えが聞きたかった

 

彼女の選ぶ道を・・・

 

「私は決めた

私は・・・」

 

 

 

 

そして、それを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【隠密派】の御方にあって、弟子にしてもらう!!」

 

「「へ~・・・って、はああああぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」

 

「仕方ないだろ・・・先輩の私生活をのぞきたいんだ!!!!」

 

 

 

激しく後悔してしまう

 

胸をはって言い切った彼女は・・・凪は気づいていない

 

それはむしろ、彼からさらに遠のいていく道だということに・・・

 

 

そんな彼女達が彼の物語に関わっていくのは、もう少し先の話になる

 

 

 

ちなみに・・・彼女達は気づいていない

 

彼が頭を洗っていたのは、運動をして流れた汗を流すためでも・・・ましてや、暑かったからでもない

 

 

ただ顔面にCCレモンをぶちまけられたからだということを・・・彼女達は知らなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

《太陽みたいな君と乙女♪-恋姫†乙女伝-》~略して《キミオト♪》~

第5話 雨(?)降って、地固まる!恋する乙女の、自己紹介♪~この豚野郎があああぁぁぁあぁぁぁ!!!~

 

 

 

「えぐっ・・・もう、アタシ・・・お嫁、いけないよ~・・・」

 

そんなことを言いながら、座り込み泣く少女

泣きたいのは俺だって同じだ

顔面にCCレモンをぶちまけられたんだぞ?

炭酸の入ってない・・・

 

 

だけど、目の前で女の子が泣いてるんだ・・・流石にそんなことは出来ない

 

我慢、我慢だ北郷一刀!ここが男の見せ所だぞ?

 

 

「あ、あのさ・・・俺ならそんな、気にしてないから

だからもう泣き止んでよ、ね?」

 

 

とりあえず、まずは泣き止んでもらわないと・・・

 

 

 

「うわああ~~~ん!変態だ!■■ッ■かけられたのに気にしてないなんて・・・誰かああぁぁぁぁ!!!!!」

 

「ちょ、まっ、ええ!!?」

 

 

どうして、そうなった!?

何で一瞬で『コイツ変態です』みたいな認識に!?

 

 

「ていっ!」

 

「ぅ・・・!?」

 

 

などと焦っている間に、詠が素早く少女の首もとに鋭い一撃を・・・いや、容赦ないね

 

 

「友達にやたらと『へぅ、へぅ』言う子がいるの

だからあんましうるさいと、いつもこう・・・ね♪」

 

 

ね♪って、おい・・・っていうか、アレ?

俺今、口に出したっけ?

 

気にしたら負けだと言い聞かせ、先ほどの少女の方を見る

カクンとうな垂れる少女・・・が、すぐに我にかえり首を上げた

再び、俺と少女の視線が合う

 

 

 

 

 

 

「変t・・・」

 

「ふんっ!!」

 

「ぐほっ!?」

 

 

 

瞬間、再び叫びだそうとする少女の腹部に・・・今度は華雄の一撃が

おい、ちょっとやりすぎじゃね?

あの子、ピクピクしてるぞ?

 

 

「私の・・・・・・一刀を穢したんだ、本来なら万死に値する」

 

穢されたって・・・小さい声だったから、始めのほうが良く聞こえなかったし

そう言った瞬間、何故か顔を真っ赤にしながら少女の腹部にもう一発・・・っていやいやいや、完璧やりすぎでしょ!?

なんか知らないが、八つ当たりな感じがするぞ!?

 

「このっ! 鈍感! 優柔不断! 八方美人!」

 

「落ち着け華雄ぅぅ!!

もう駄目だ!その子のライフはもうゼロだぁぁぁ!!」

 

 

そんなやり取りを繰り返すこと(!?)約数分・・・

 

 

 

 

 

 

「ほんっとに・・・ごめんなさい!!!!」

 

 

ボロボロになったポニー少女が、俺に向かって見事な土下座をかます状況が出来上がっていた

ちなみに・・・何故自分がボロボロになっているのか、彼女は覚えていない

覚えているのは、俺にCCレモンをぶちまけたという事だけだ

その後に転んで気を失っていた・・・と、彼女は思っている

 

ああ、罪悪感がハンパない

申し訳ないのは、むしろこっちのほうだ

散々無双した華雄は、涼しい顔して知らん振りだし

ちくしょう・・・まぁ俺も、変態って叫ばれるよりはいいんだけどさ

 

 

「別にいいって、その・・・誰にだって失敗はあるって

もちろん今日のことは誰にも言わない

約束するよ」

 

「ほんとに!?」

 

「ああ、ほんとだ」

 

 

そう言って、俺は微笑む

すると彼女は顔を微かに赤くさせ、俺と同じように笑った

 

 

「アタシ・・・【相馬 翠】、翠って呼んでよ」

 

「ああ、俺は北郷一刀

俺のことも一刀でいいよ」

 

「うん、知ってるよ・・・一刀」

 

「へ・・・?」

 

「っ、ううん・・・なんでもないよ」

 

何か言ったような気がしたんだけど・・・気のせいか

 

それより・・・

 

 

「翠は、どうしてここに?」

 

「ああ、アタシは友達に呼ばれたんだよ

昼休みに屋上にってさ・・・その時にその・・アレしてきちゃって

我慢できるとか思ってたら、その・・・」

 

 

話しながら思い出し、モジモジする翠

あ、やべぇ可愛い

 

 

「でも、奇遇だな

俺達も・・・っていうか俺も、ここに呼び出されたんだ」

 

「ああ、それは奇遇でも何でもないと思う」

 

「・・・え?」

 

「多分だけど・・・」

 

 

 

バン・・・!

 

 

 

 

翠が何かを言おうとした瞬間・・・勢い良く響く、扉が開かれる音

視線をうつす

そこには、見覚えのある少女達の姿があった

 

 

「お待たせしました一刀さん」

 

そう言って笑うのは、確か桃香って子だったっけ・・・あの電波の

いや、第一印象でそう決めるのは失礼か

きっと話してみれば、案外ふつ・・・

 

「そうだ・・・待っててね、もうすぐ儀式の準備が終わるから♪

そうすれば、きっと一億年前の記憶も戻るはずだよ」

 

・・・前言撤回

 

 

 

「まったく、電波はどいてなさい

こんにちわ、一刀」

 

そんな電波な彼女を押しのけて出てきたのは、金髪クルクルツインテの少女

確か、華琳という名前の子

彼女はトコトコと俺のもとまで歩み寄り、そしてそのまま・・・ギュっと、俺の制服のはしを掴む

それから、頬を真っ赤にしながら笑った

 

「一刀・・・会いたかった」

 

「ぐっはぁ!?」

 

か、可愛い・・・!?

なんだこの子からでる、この守ってあげたくなるオーラは!?

 

 

「流石は華琳様だ!

一刀君人形(半裸Ver)で限界な私とは大違いだ!!」

 

「華琳様、ご成長なさって・・・」

 

「あぁ、桂花は感動しすぎて前が見えません・・・!」

 

そんな彼女の様子に、涙ぐむ三人の少女

確か・・・黒髪の子と青髪の子は今朝にもいたな

もう一人の子、猫耳フードの子は初めて見るはずだ

 

 

「こんにちわ・・・北郷一刀」

 

 

ふと、聞こえたのは・・・凛とした声

視線を向ければそこには、見覚えのある黒髪の子と・・・

 

「ど・・・どうも、一刀」

 

彼女に首根っこをつかまれた、桃色の髪の少女の姿だった

彼女は、赤坂蓮華さんだったな

 

「こんにちわ、赤坂さん」

 

「う、うん・・・」

 

目を逸らし、話す赤坂さん

あ、あれ?

なんだ、この感じ・・・なんか、朝の電話のころとかなり印象が違うというかなんというか

 

 

「蓮華様はな・・・昔から、人見知りが激しい御方なんだ」

 

「え?そうなの?」

 

「うむ、朝の電話だってあの校門でのテンションが続いていたおかげでな・・・その後、己のしたことの大胆さを思い出し先ほどまで保健室で引きこもっておられたほどだ」

 

うわぁ・・・そうだったのか

朝のテンションからは想像つかないな

 

盗聴器仕掛けるのも、うなずけ・・・ないよ、そこは

盗聴はダメ、ゼッタイ

 

 

「そうだ、私の名は【秋雨 思春】という

呼び方は、そっちの好きにしてくれればいい

蓮華様の付き人みたいな感じで覚えてくれ」

 

「わかったよ、思春」

 

「っ・・・!」

 

「思春?」

 

「なんでもない、少し萌えt・・・驚いただけだ」

 

「そっか、ならいいけど」

 

そう言うと、思春は少し頬を赤くしながら後ろへと下がっていく

 

「次は私の番ですね~」

 

「君は・・・?」

 

「私は【日和 穏】といいます~

これから、よろしくお願いしますね~」

 

「穏か・・・ああ、よろしく」

 

『それでわ~』と、穏は笑いながら赤坂さんの背中を押した

それにより、前に出された赤坂さん

彼女はボンッと効果音が出そうなくらいの勢いで顔を真っ赤にさせ、あたふたとし始める

 

 

「えっと・・・その、私は【赤坂 蓮華】

趣味は音楽鑑賞(盗聴)と写真を撮ること(盗撮)と散歩(ストーキング)・・・よ

その、私の事は蓮華って・・・呼んで欲しいの」

 

オドオドと、やっぱり朝のテンションからは信じられないような話し方で言う彼女

しかし・・・なんだろう、趣味のとこで俺の思っていることと彼女の言っていることに妙な食い違いを感じた気がするんだけど

 

・・・気のせい、だよな多分

 

 

「わかったよ蓮華

俺のことも一刀で・・・って、もう呼んでるか」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「いや、いいよべつに

気にしてないしさ」

 

 

なんだ、普通に可愛い子じゃないか

うん・・・盗聴とかしてなければね

 

 

 

「次は私達の番だね♪」

 

そう言って前に出てきたのは、あの電波な女の子

それから、あの時いた黒髪ポニーの子だった

 

 

「私は【春野 桃香】

桃香って呼んでくれたら嬉しいな」

 

「私は【神崎 愛紗】と申します

一刀様にはぜひとも、愛紗と呼んでいただきたい」

 

二人はニッコリと笑い、頭を下げる

こう見てみると・・・二人ともすごく可愛いし、良い人なんだよな

 

けど・・・

 

 

「えっとさ、愛紗・・・その、様ってやめない?」

 

「何故です!?

前世では、皆がそう呼んでいたではありませんか!?」

 

「ぅ・・・」

 

 

これさえなければなぁ~・・・はぁ

 

 

「ま、まぁとにかくよろしくな二人とも」

 

「「はい!」」

 

俺の言葉に、元気良く返事をする二人

やっぱり、こう見る分にはまったく普通だ

 

 

「やったね愛紗ちゃん♪」

 

「はい、これで『サバト』の為の準備が一つ進みましたね♪」

 

 

・・・うん、本当になんていうか残念だ

 

 

 

「やっと、私達ね」

 

なんて声が聞こえてきたのは、そんなとき

どこからというと、俺の制服を未だに掴む彼女からだ

 

 

「私は【乃嶋 華琳】よ

よろしくね・・・一刀」

 

「ああ、よろしくな華琳」

 

「っ・・・エヘヘ、うんっ!」

 

言って、華琳は笑った

それはもう、本当に嬉しそうな顔でだ

ていうか今、なんか話し方が一気に幼くなった気が・・・

 

 

「それはな・・・親しい者や気を許した者にしか見せない、いわば信頼の証のようなものだと思ってくれ」

 

「君は・・・」

 

「【夏樹 秋蘭】だ

華琳様のお傍におつかえしている・・・ちなみに、北郷とは一年の時同じクラスだったんだがな」

 

「え、嘘!? ご、ごめん!」

 

「ふふ、構わんよ」

 

俺の謝罪に、秋蘭はフッと微笑みながら言った

良い人だなぁ

 

 

「授業中、たっぷりと視姦させてもらったしな・・・」

 

「うん?何か言った?」

 

「いや、何も言っていないよ」

 

そう言ってクールに微笑む秋蘭は、俺から見ても大分大人に見える

こういう人をクールビューティーというのだろう

 

 

「つ、次は私だな!」

 

俺が秋蘭と話していると、その隣に一人の少女が歩み寄ってきた

片目に眼帯をつけた、黒髪の女の子だ

彼女はやたらギクシャクとした動きで、俺の隣まで来るとぎこちない笑みを浮かべる

 

 

「わ、私は・・・【夏樹 春蘭】といってだな

その、秋蘭の双子の姉だ」

 

「へぇ~、そうだったんだ」

 

そう言われてみれば、どことなく似ているような気がしないでもない

 

 

「えっと、それでだな・・・その・・・な」

 

「姉者、頑張れ」

 

しどろもどろに、けれど一生懸命に話す春蘭のその姿

双子の妹である秋蘭でなくとも、応援したくなるというものだ

 

そんな彼女は、妹の応援に励まされたのか・・・意を決して、口を開いた

 

 

「わ、私と友達になってくれないか!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

瞬間、大気が揺れた

 

 

 

 

まぁね・・・うん、言っていることは普通なんだ

勿論、大歓迎さ

 

声がデカイのだって、まだ許せる

ジャ■アンだってそうだろ?

 

ただね、彼女の足元を見て欲しいんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きな大きな・・・ヒビが入ってるんですよ、えぇ

 

そんなの見たらもう、無言で首を縦に振ることしかできないわけで・・・

 

 

「ほ、ほんとか!?私と友達になってくれるのか!!?」

 

「なる!!超なる!!だから春蘭、そんな強く足を・・・あぁ!!?ヒビが!ヒビが広がるううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!??」

 

 

後に知ることになるのだが・・・

 

彼女は【校僅の乱】においてなみいる敵兵(生徒)を蹴散らし、そのあまりの恐ろしさから教師からも目を瞑られ謹慎を免れたという伝説をもつ

【盲過攻-モウカコウ-(過激派の特攻隊長の意)】と呼ばれたほどの者だということを、この時の俺はまだ知らない

 

 

 

 

 

「次は私の番ね」

 

あれから春蘭を落ち着かせること数分・・・次に前に出てきたのは、猫耳フードの女の子だ

彼女は俺の顔を見つめたまま、頬を赤くしプルプルと震えだす

 

「あぁ・・・憧れの北郷様が私の目の前に」

 

「ど、どうも」

 

「あ、私は【北川 桂花】と申します

どうぞ、よろしくお願いします」

 

名乗り、深々と頭を下げる彼女

なんとも礼儀正しい良い子だ

 

「こっちこそ、よろしくな桂花」

 

そう言って、俺は彼女にむけ手を差し出す

その手を桂花は嬉しそうな目で見つめた後、同じようにこちらに手を差し出し

 

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気安く触ろうとするんじゃないわよぉ、この豚野郎おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!!!!」

 

「はいっ!!!すいませんっしたああぁぁぁ、ってええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!??」

 

 

・・・思い切り叩き落とされました

 

え? なに? なにが起こったの?

 

 

「はっ・・・すすすすすみませんん!!

私、その男の人が苦手で・・・で、でも北郷様のことは嫌いじゃないから大丈夫かなって思って!!

そ、それで・・・!」

 

 

男の人が苦手?

だからか・・・いや、けっこう効いたね

おもに精神的なところに

 

 

「いいって、うん

仕方ないよな、その理由なら」

 

「本当にすいません!!」

 

 

必死に頭を下げる彼女を見ると、普通に見えるんだけどなぁ

 

 

「ま、これからゆっくり治していけばいいんじゃないかな

俺も手伝うからさ」

 

「本当ですか!?」

 

「ああ、約束する

ほら、指きりd・・・」

 

「汚い手で触んじゃねえええええぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

「はい、すんませんっしたああぁぁあぁあああ!!!!!?」

 

 

うん・・・前途多難だ

 

 

 

「んで、最後のアタシは・・・もうさっき自己紹介したからいいよな」

 

そう言って笑うのは翠

彼女は他の子たちの自己紹介が終わるのを見計らって、話を始めた

ちなみに・・・彼女を呼んだのは蓮華らしい

一年のころからの友達だと言っていた

 

その時のメールがこれだ

 

 

《件名:屋上

 本文:タスケテ》

 

 

このメールを受け取った直後、翠は大慌てで教室を飛び出したそうな

こりゃ、驚くわなぁ

 

 

 

 

「とりあえず、今日はこれくらいでお開きにしないか?

アタシ達は弁当持ってきてるけど、北郷は確か今日は学食だろ?」

 

「ああ、そうだった」

 

言われてみたら、確かにそうだ

急がなくちゃ、時間がなくなってしまう

 

あれ? でも俺、翠に学食で食べるとかって話・・・したっけ?

 

いや、知らないうちにしたんだよなきっと

あんましにも衝撃的な時間が続いたから、ちょっと感覚が麻痺ってるのかもしれない

 

 

 

「華雄、詠、もう行こうか

それじゃ・・・皆またな!」

 

 

手を振ると、他の皆も振りかえしてくれる

なんていうか、こう・・・悪くない

 

うん、こんな学校生活も悪くないのかもしれない

 

けっこう個性的な子もいたけど、普通に可愛い子もいたし

もしかしたらこの中に、運命の出会いってやつがあったのかも・・・なんてな

 

などと思いながら、俺は屋上をあとにした

 

 

この時の俺は、まだ知らない

 

これから過ごしていく学園生活の中

俺が出会う普通の女の子は、たった一人しかいないのだということを・・・

 

 

そんなこんなで、放課後の帰り道

華雄は部活、詠は寮ってことで・・・現在は一人で帰っている

 

 

「はぁ、今日は色々あったなぁ・・・」

 

 

正直、かなり疲れた

そもそも、よくわからないんだよな

今まで一切話しかけてこなかったのに、二年になってから急に女子の友達が増えてきた

まだ二日目だというのに・・・だ

 

 

「皆して、俺をからかっているだけとか?」

 

いや、それはないか

皆、そんなことする子には見えないし

 

だったら、まぁこの生活を楽しむとしますか

 

 

「なんてな・・・はは」

 

 

思わずこぼれた笑い

 

そうだ

確かにこれは、俺が望んだ以上の『刺激』かもしれない

 

けれど少なくとも、退屈だけはしなさそうだ

 

 

だったら、楽しまなくちゃ損だろ?

 

 

「そんじゃ、早く帰って明日に備えますか」

 

 

そう言って、俺は走り出す

 

微かに赤みがかった空に、手を伸ばしながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、確か・・・そこんとこにある公園を抜ければ、近道だったよな」

 

 

★あとがき★

こんにちわw5話目投稿ですww

まさか、ノリだけでここまで続くとはなぁ・・・

 

さて、次回ですが・・・ちょっと遅くなるかもしれません

というのも、次回は・・・

 

《太陽みたいな君と乙女♪-恋姫†乙女伝-Act6》

《雲の向こう、君に会いに-魏伝-二十二章》

《空の果てまで、君と二人で-華伝-》

 

以上の三つを同時に投下する予定だからですw

長らくお待たせしてしまいすいませんw

ようやくですが、雲の向こうのほうも再開いたします

華伝については未だに『見たい』との連絡をいただいたので、こうなったらとりま公開しますかwwって感じです

正式な連載は、雲の向こうの後になるでしょうが

 

 

これに伴い、皆様に是非協力してほしいことが御座います

ボクは小説を書く時、よく音楽を聴きながら書いております

それによって、書く速度が左右されると言ってもいいでしょう

 

そんなボクなのですが・・・最近、手持ちの曲を聴きつくしてしまいましたw

そこで、皆さんにこの曲なんて合うんじゃね?って奴を聞きたいのですww

《雲の向こう》

《キミオト♪》

二作のうち、これにこの曲は合うってやつを教えてくださいw

それによって、更新速度が上昇するかも!?というのはわかりませんが、テンションは上がりますな

ww確実にww

 

 

 

それでは、またお会いしましょうww


 
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