草も木も動物も虫も
建物も音も空気も空も海も
遺されたものはこの体一つ。
それももう間も無く終わりを告げる。
あらゆるものがこの星から離れていこうとしていた。
何もなくなった星はその形を維持していられない。
そこは、
孤独たる黒で覆い尽くされる直前のそれで、
星の終焉を迎えるのも時間の問題だ。
どこを見渡しても何もない。
自分の両手でさえももう見えなくなった。
もう自分の手もなくなってしまったのかもしれない。
黒い闇からひとつだけ、
か細い一つの光が流れ出した。
どこからだろう。
どこが右なのか
左なのか
上なのか
もう解らない。
貴方が望むのであればこの朽ちる世界、
この星を再び救う事が出来ます。
この世界を救うべきか
塵屑とするか
貴方には決める事が出来ます。
どんな権利を持って来たら
一個人に星の再建を任されるのか
だが
どんな相手だとしても
見返りに何を求められても
答えは既に決まっている。
やるよ!
勿論やるさ。
ウチ、やり残した事も沢山あるんだから。
この星を救う為に世界を超えて来たんだから。
夢を見ているように動いてたかも解らない口。
伝わるかも解らないほどの朧な声。
…解りました。
この星の行く末を再び貴方に委ねましょう。
一つだけ忠告をするのなら
敵は自分自身です。
それを覚えていて…
その言葉と共に拡がり続けた全ての黒が擦れて消え去ってしまうほどの光が
自身を中心に照らし出した。
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長い事溜めていた話も、もうそろそろ発散し始めたらどうかなと思いだしまして。