No.161010

華雄が消えた日「想いが集う場所へ」

yagamiさん

1つ前の漫画の「華雄が消える日・・・」の続きです。

(初めて小説っぽいものを書いたけど難しいですorzこの文量を書くだけで3時間とかかかりました><やっぱり文章考えるの苦手だなぁ。今回は復活へのプロローグ的な感じです。TINAMIの皆と一刀達の想いが合わさって・・・)

2010-07-27 00:12:58 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:4347   閲覧ユーザー数:3478

 

華雄が消えてから数日が立った・・・

 

 

 

あれから俺は、兵士や町の人などに覚えていないか聞いてまわったが、誰一人華雄を覚えている人は居なかった。

 

そんな俺の行動をみていた詠や月達からはとても心配をされたが、俺はどこかに華雄の居た証が残っていないか必死に探し回っていた。

 

でも、結局どこにも華雄が居たという痕跡を見つけることは出来ずに日々が過ぎていく・・・

 

そしてとうとう俺の記憶からも華雄の存在が消え始めた。

 

 

 

一刀「っ!!くそっ忘れるものか」

 

 

 

日々薄れていく記憶をつなぎとめる為に、覚えている限りの思い出を竹簡に書き記した。

 

そして毎朝毎晩、それ以外でも時間ができる度に竹簡を何度も何度も読み返すことで何とか忘れないようにしていた。

 

それでも・・・ついにその時が訪れた

 

 

 

一刀「ハハ、なんだよそれ・・・」

 

 

 

竹簡に記されている華雄との思い出が濃い霧にかかったように思い出せない。

 

いくら読み返してもまるで自分ではない誰かが体験した日記のようにしか感じられない。

 

唯一感じるのは、最後に書かれている

 

『俺だけでも絶対に忘れちゃ駄目だ!』

 

という焦る気持ちと、うっすらとぼやけた愛しい人の笑顔だけだった。

 

 

 

一刀「・・・んで・・・なんで、思い出せないんだよ・・・畜生め・・・」

 

 

 

声が震える

 

 

ガクガクガクガク

 

 

竹簡を持つ手が震え、膝が笑う。

 

このまま忘れてしまうという恐怖が・・・初めて戦場に出た時をも越える程の恐怖が全身に襲い掛かる。

 

 

ポツ

 

 

いつの間にか瞳から一滴の水滴が落ち、それを切欠に次から次へと水滴が落ちていった。

 

流れ落ちる水滴は墨で書かれた竹簡の文字をどんどん滲ませていった。

 

 

 

一刀「・・・のむよ・・・消えない・・・くれよ、華雄・・・」

 

 

 

頼む頼む頼む!忘れたくない!忘れたくないんだ!やめてくれ!俺の記憶を消さないでくれ!

 

必死に願う俺をあざ笑うかのように記憶が薄れていくのが分かる

 

残り少ない砂時計の砂が落ちるように

 

そして最後の一粒が・・・落ちた

 

 

 

一刀「うあああああああああああああ!!」

 

 

 

何か大切なものを失った喪失感に咆哮する。

 

 

バタン!

 

 

 

詠「ちょっと、どうしたのよ!一刀!」

 

月「ご主人様っ!」

 

霞「どうしたんや一刀!」

 

恋「っ!」

 

ねね「何事ですか!」

 

 

 

一刀らしからぬ咆哮に皆が慌てて集まってくるが今の一刀には反応する余裕がなかった。

 

 

 

一刀「あぁああ・・・あぁ」

 

 

 

膝をつき震えながら、竹簡を胸に抱きしめ涙を流す一刀の姿に誰一人として声を掛けることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらいの時間がたったのか、一刀の声だけが響く部屋で最初に動いたのは月だった

 

 

 

月「ご主人様」

 

ぎゅっ

 

ただ優しく一刀を抱きしめる

 

 

 

詠「月・・・・・・はぁ、まったくしょうが無いわね」

 

ぎゅっ

 

月に続いて、月とは反対側から詠が抱きしめる

 

 

 

霞「ウチも居るで?一刀」

恋「・・・ご主人様、・・・元気出す」

 

ぎゅっ

ぎゅっ

 

続いて武将二人が月達ごと抱きしめ

 

 

 

ねね「恋殿まで!こ、こうなったらねねも参加するですよ!」

 

ぎゅぅ~

 

最後にねねが抱きついた。

 

 

 

一刀「っくぅ・・・ひっく・・・っ」

 

泣いている青年を5人の少女が抱きしめるという異様な光景

 

その中でなぜか少女達は、青年が『何か大切なものを無くして泣いている』と直感で分かった

 

 

 

ドクンッ

 

 

 

そして『自分も何かを無くしてしまっている』事に気が付いた

 

 

 

青年は願う、少女達は想う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【  取 り 戻 し た い  】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、

 

その時、青年が抱きしめた竹簡から光が溢れ部屋全体を包み込んだのだった。

 

 


 
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