赤壁の戦いの後で歴史をも変える大きな勝利を得た魏は曹操こと華琳のもとで町や村を含め、これまで以上に栄えていた。
しかし、そこにいなくてはならない人物はすでにおらず、華琳は彼と別れた城壁の上で、あの時と同じ夜空を見ていた。
そして、その夜空を見ながら1人呟いていた。
華琳「全く一刀の所為で魏の王である私がどれだけ私が苦労したことか…でも、それだけ一刀が慕われていたのね。桂花の場合は…まぁ照れ隠しとでも思えばいいわね。」
そこへ誰かがゆっくりと近づいているのを感じていたが、華琳はあえて振り返らずに夜空を見つめ続けていた。
秋蘭「華琳様…ここ最近、よくこの場所にいらっしゃっているようですが、どうかされましたか?」
華琳「あら、秋蘭だったのね。夜空を見ていたら、あの時を思い出してね…あなたこそどうしたのこんな所に…寝付けないのだったら、私が閨で相手をしてあげるわよ?まぁ無理強いはしないけれどね。」
秋蘭には今の君主は精いっぱい強がっているのをヒシヒシと感じたので、自分の本音を言うことにした。
秋蘭「私は北郷に定軍山に行くなと言われた時、とても嬉しかったのです。それだけ愛されているのだと自分で勝手に思い込んで…。しかし、私が行かなかったことで、歴史が変わったせいで呉にとって大切な仲間を私は奪っただけでなく、北郷までも…私たちだけでなく、華琳様にとって愛する者を奪ってしまったのではないと…私の所為で姉者たちから奪ってしまったのだから、どう償えばいいのかと…。」
涙こそ見せていないものの、今まで見たことのない秋蘭の表情で話を華琳は何も言わずに聞いていた。そして、2人はしばらく夜空を眺めて、まるでそこに一刀がいるかのように、「おやすみ」と言いながら、それぞれの部屋に戻って行った。
翌日…
華琳は主たる魏の将を含めて北郷隊の隊長代理の凪や天和たちを呼び出し、これまで空席にしていた隊長とまねーじゃーを正式に決めると言い出した。
これに猛反発したのが凪と役満三姉妹であった。2人は…。
天和「絶対反対!!!」
地和「そうよ!!!前は無理に決めないで代理にする言ったじゃん!!!」
凪「そうです!!!隊長の成果を認められて、当面は新しい隊長を置かずに私に代理をさせると仰ったのも華琳様です!!!」
華琳「確かにそう言ったわ。でもね…私はいつまでもいなくなった人間に囚われるのはよくないと思い始めたのよ。いつまでも落ち込んでると、一刀に笑われそうだし、一刀自身がそうなることを望んでないと思ったのよ。」
決意したように話す華琳にいまだに一刀がいなくなったことを引きずる春蘭は華琳の話を遮ってしゃべり始めた。
春蘭「華琳様!!!それではまるで私たち全員に北郷を忘れろと言っていると同じです!!!私たちがど れだけ北郷のことを想っていたのかを華琳様も知っているはずです!!!」
華琳「黙りなさい!!!誰が忘れろと言った!!!私は一刀が魏にいる間に行ったことは私たちにとって どれだけ重要なことだったのか、あなた達が一刀をどれだけ慕っていたかくらい痛いほど知っ ているわ!!!」
「それでも、このままでいてはせっかく一刀が魏のため民のため、そして私たちのためにやった ことがいつかすべて無駄になる時が来るかもしれない。私はそれだけは耐えられないの…。」
そこいた全員が静かに華琳の言葉を聞いていたが、その静寂を桂花が破った。
桂花「新隊長と新しいまねーじゃーについては後日改めて検討するということで、とりあえずは解散よ。ただ凪と天和たちは次の会議までに覚悟を決めておきなさい。」
嵐の様な会議が終わり、華琳は前夜と同じ場所で夜空を見上げていた。
華琳「あなたとの約束は絶対に守ってみせるわ。最悪の場合、凪たちや天和たちには恨まれるかもしれないけど、それは仕方ないわよね。ただその代わり、あなたも必ず約束は守りなさいよ一刀。」
この2人の約束を後に魏将の全員が知った時は一刀がいなくなったときと同じくらいの涙が全員の目から流れていた。
あとがき
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。正直言って、2作目にして限界を感じています。
ですから、リクエストを取りたいと思います。
リクエストがある方は①書いてほしい作品もしくはオリジナル②オリキャラの有無③長編と短編のどちらがいいか…その他希望があれば、書いて何らかの形で送って頂いたら嬉しいです。
どんなに時間が掛かっても、必ず書きあげて見せますので、気の長く待つことが大丈夫な方はどんどん送ってください。
結果を報告してほしいかどうかも書いてもらえるとありがたいです。
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前作はまさかあそこまでたくさんの方に見てもらえるとは思っていなかったので、調子に乗って今度は魏ルート後を書いてみました。
なお、多少の脚色とキャラの性格が変わってたり、一刀は出ませんのでそこのところはご了承ください。
またほんの少しのオリジナル要素を含んでいます。誤字脱字の指摘や感想などをいただけたら、すごく助かります。