この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。
なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください
現在大陸、四国同盟が結成されている。四国の中で仲という国があり、その国では三人の人物が有名である。
一人は仲の君主である袁術こと美羽である。かつては悪政を行っていたがある人物との出会いをきっかけに名君主へと成長していったのである。
もう一人は張勲こと七乃である。まだ美羽が幼い頃からずっと支え、絶対なる忠誠を捧げている美羽の右腕である。その絆は海よりも深いと言われている。
そして、最後の三人目は『天の御使い』こと北郷一刀である。混乱する世の中に天から美羽の所に降りてきた一刀は武と智で袁術を導いたと言われている。その武で数万の敵を薙ぎ払い、その智で数万の人民を救い大陸に平定をもたらしたのである。しかし、大陸の平定と同時に天に戻ったことはあまりにも有名な話である。
この三人の名前は仲どころか大陸中に知れ渡っているのである。そして、現在この三人の内、美羽と一刀はと言うと……
闘技場で魏の王・曹操こと華琳に説教を喰らっていた。
華琳「なるほど、じゃああなたは一昨日には戻っていたのね」
「はい、その通りであります」
華琳「それで私たちを驚かそうとして今まで姿を隠していたと」
美羽「その通りです」
華琳の前で直立の姿勢で答える二人。本当は二人を正座させるつもりであった華琳であるが王である美羽と『天の御使い』である一刀に大衆の前でさせるわけにはいかないので自重した。
「調子に乗っていました……本当すみません」
美羽「すみません」
華琳達の前で頭を下げる一刀と美羽。華琳はそんな二人を見てため息をつきある人物に視線を移す。
華琳「七乃も……何故止めなかったのかしら?」
七乃「それは愚問ですよ~。私にとって美羽様の言葉は絶対ですよ」
美羽「うむ!!七乃は誠に良き忠臣なのじゃ!!」
華琳「んー……何か言ったかしら?……美羽?」
美羽「何でもありません!!」
華琳に睨まれて縮こまる美羽。そんな美羽を見て笑う一刀。
「ざまあみろ」
華琳「うるさいわよ!!北郷!!」
華琳の怒号と共に華琳の蹴りを喰らう一刀。
「ぐふっ!!何で俺だけ!!」
そして、しばらく華琳の説教は続いた。
「あの……それで私は武闘祭に参加してもよろしいでしょうか?」
美羽「でしょうか?」
目の前で小さく畏まる二人に二度も負けた自分が情けなくなってきた華琳。華琳は他の者達を見て確認をとる。
華琳「まあ……あなたならいいでしょう」
「あ、ありがとうございます!!」
美羽「ます!!」
こうしてもっとも情けない形で一刀の帰還報告が行われたのであった。
一刀の帰還報告兼華琳の説教が終了したので改めて武闘祭の組み合わせ抽選が行われた。中央に箱が置かれ、昨年の優勝者である恋からくじを引いていく。
恋 「ん……これ」
引いたくじを係に渡していく。くじを受け取った係がその番号を読み上げていく。
雪蓮「か~ずと♪どうしたの?そんな顔をして」
「……別に」
雪蓮「あはは♪本当に一刀と美羽、傑作だったわ」
そう言って一刀の背中に抱きつき、頬をつつく雪蓮。
「………」
先程から雪蓮にからかわれて一刀は不機嫌であった。雪蓮は一刀と美羽が説教されている間中ずっと笑っていた。
「ていうか……何で誰も反応しなかったんだ?」
雪蓮「さあ~一刀がいきなり消えて華琳の背後に現れたり、美羽が突拍子もないこと言ったからじゃない?」
「くっ……柄にもないことするんじゃなかったか……」
雪蓮「ほんとそうよね~」
そう言ってさらに一刀にもたれかかる雪蓮。はたから見たら恋人同士にも見えなくはない。
兵士「次は……北郷一刀選手」
雪蓮「あっ!!次は一刀の番よ」
「……行ってくる」
雪蓮「いってらっしゃ~い……そうだ!!一刀~私と対戦できる番号を引いてね~」
一刀が箱の前に来ると観客達はざわめき始めた。登場の仕方は非常に残念であったがそれでも一刀の注目度は高い。『天の御使い』の武勇伝は大陸中に知れ渡っている。武将達も一刀がどのグループに入るか注目している。
「ん……これだ」
一刀はくじを引きそれを係の人間に渡す。そして、一刀の対戦相手が決まる。
抽選が終わったあと一刀は闘技場から出ようとして声をかけられる。
璃々「お兄ちゃ~ん」
「ん……璃々ちゃんか」
声をかけられた人物を確認した一刀は笑顔になる。璃々も笑顔を浮かべて一刀の所へ走ってくる。その後ろには紫苑がいた。
「こんにちは…璃々ちゃん」
璃々「こんにちは~」
笑顔で挨拶する璃々。そして、後ろの紫苑に軽く頭を下げる一刀。
紫苑「昨日は娘のことでありがとうございました」
そう言って頭を下げる紫苑。
「いえ……気にしないでください。」
璃々「ねえねえ……お兄ちゃん」
クイクイと一刀のマントを引っ張る璃々。
「どうしたんだい?璃々ちゃん」
璃々「お兄ちゃんは『天の御使い』様なの?」
「一応そう言われてるね……」
璃々「じゃあ御使い様って呼んだ方がいいの?」
璃々の発言を聞いた一刀は苦笑して璃々の頭を撫でる。
「今までどおりでいいよ」
璃々「ほんと?」
「うん…」
璃々「わかった~」
一連の二人の会話のやり取りを紫苑は微笑ましく見ていた。
「さてと……すみませんが夕方から試合がありますので失礼します」
紫苑「そうですか……ではまた今度」
璃々「ばいば~い、お兄ちゃん」
一刀は二人に背を向けて歩き始めた。そこで紫苑が一刀を呼び止める。
紫苑「北郷さん……私の真名は紫苑と言います。是非受け取ってもらえませんか?」
「……わかりました。では俺のことは一刀と呼んでください。紫苑さん」
紫苑「はい、一刀さん」
試合時間が近づいてきた一刀は闘技場の選手控え室で待機していた。外の闘技場では現在も試合が行われており歓声が控え室まで聞こえてくる。一刀は控え室で自分の愛刀の確認をしていた。そこで控え室の扉が叩かれる。
兵士「失礼します!!北郷様、まもなく試合時間です」
「了解」
一刀は兵士にそう答えると『白夜』と『月詠』を鞘になおして腰に挿して立ち上がる。
一刀は闘技場に続く通路を歩いており、闘技場に近づくにつれ歓声が大きくなってくる。そして、通路を抜けた一刀の目に映ったのは大勢の観客で埋まった観客席と今から自分が試合をする相手である。対戦相手は一刀を見ると笑みを浮かべた。
??「初戦の相手が貴殿であることを嬉しく思いますぞ……北郷殿」
「あなたにそう言ってもらえるとは光栄ですよ……趙雲さん」
一刀の前には蜀の五虎大将軍の一人、文武両道に長けた『神槍』の趙雲こと星がいた。
星 「では……始めましょうか…『天の御使い』殿」
そう言って星は己の武器である龍牙を構えて不敵に笑うのであった。
後書き
やっと武闘祭の前までこぎつけました。次回はバトルです。対戦相手は色々考えたんですが個人的に星と戦わせたいと思い初戦の相手は星になりました。これ以降はどうなることでしょう……まだ決めていません。星ってこんな感じでよかったでしょうか?
あと本当は華琳様の一刀、美羽に対するOSIOKIも考えてみたのですがなかなか良い案が浮かばず中途半端な説教になってしまいました。何かしらを期待していた方は本当に期待はずれで申し訳ありません。
ではみなさんまた
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投稿です。生暖かく見守ってください。