第一章 アールヴヘイム
現在の時刻 16:20
魔法と科学が混ざり合った世界《グラズヘイム》
この世界の主国《ミズガルズ》にある、玄関口《時空港》のロビーには、人が頻繁に行きかっている。そんな中、ロビーの一画に、三人の少女が、無言で椅子に座っていた。
この三人は、旅行に行くのではなく。数時間前、二人の少年を見送った。
ただ、少年たちは、旅行でこの世界を出たわけではない。
五人にとって、これは、とてつもない危機だった。
それは、明日、彼女達の通っている学園では文化祭があり、そのメインイベントには、ライブが行なわれる事になっている。
彼女達五人は、そのステージに出る為に夏休みから一生懸命練習した。
それなのに、バンドメンバーの二人の少年が、何かの手違いで任務のために世界を出てしまったのだ。
その所為で今、彼女達の周りの空気は、暗く重いものが立ち込めていたのだった。
わたしは、二人と話す気分になれず、ただ椅子に座っていた。
「あ~あかん!」
すると、急にわたしの隣に座っている少女、ポピー・ブルームちゃんが立ち上り、自分に
言い聞かすかのように叫んだ。
ポピーちゃんとは、現在、パーカーにスカートと、動きやすい服装している。ショート
カットだけど襟足を猫の尻尾のように結んでいる、特長のある髪形をしている少女だ。
わたしは、視線だけ、ポピーちゃんの方を向いた。
ポピーちゃんは、わたし達二人に体を向ける。
「こんな、お通夜みたいんは、しょーに合わん、わ。うちらにも、なんか出来ることがあるはずや」
「『なんか』ってなにすんだァ? オレらに出来る事なんて何もねェよ」
ポピーちゃんの言葉に、不機嫌な顔をする少女、リニア・ガーベルが食いついた。
リニアは、髪を肩のラインまで伸ばしているおり、つり目が特徴の少女だ。ちなみに現在、タンクトップに、デニムパンツと、とても軽装な格好をしている。
「でもな、こんなところでウジウジしとっても、何も変わらへんやないの?」
「アイツらが帰ってこなきゃ。何にもできねェだろ! オレ達ができることは、ただ『待つ』しかねェだよォ!」
イライラが募っているのか、リニアは噛み付くかのように、ポピーちゃんを怒鳴った。
その瞬間、急に携帯の着信が、言い合う二人の間から鳴りだした。
どうやら、ポピーちゃんのだったらしい。
ポピーちゃんは、ポケットから携帯を取り出すと、ディスプレイを見ながら操作し始めた。
すると、さっきまで暗かった、ポピーちゃんが、笑みを溢した。
そして、ディスプレイをわたし達に見えるように向ける。
「サブからや。どうやら、うちらにも、やることは、あるみたいやでー」
リニアは、顔をポピーちゃんの持つ携帯に近づける。
すると、内容を見たリニアの口元には、しだいに笑みが浮かんだ。
「なるほど、な。おもしろそうーじゃねェか。引き受けてやらァ」
そう応えると、急にリニアは、わたしの手を強引に掴み、歩き出した。
「え?」
なにがなんだか判らず、わたしは、思わず声が漏れた。そんなわたしに、リニアは、振り返らずに、
「デパートに、衣装探しに行くんだよ」
とだけ言った。
ちなみに、デパートの道中で見せてもらったメールの内容は。
『俺達が、帰る前にステージ衣装決めといてくれ。もちろん。インパクトがあるので! 労働に励む俺達に、潤いを!』
サブ君らしいなー、とわたしは、呆れながら苦笑した。
現在の時刻 17:20
本都の時空港から、南地区にある大型デパートに着いた。
このデパートは、南地区で、もっと大きいデパートであり、大抵の物はここで揃う。
デパートに入ると、わたしは、二人に何の迷いもなくお洋服売り場に連れられていった。
わたしたちが訪れた洋服店は、わたしが、いつも好んで買っている、服の種類が置いてあるお店ではなく。それとは、正反対の種類が置いているお店である。
わたしは、目の前に広がっている。普段見慣れている物とは違う物に、目新しさを覚えるけど。 今は、全然気持ちが高揚してこない。
「さてと、早速選ぶとするか」
「そうやねー・・・おっ! これなんか、ええんやないん?」
「いいねー。だったら・・・これと組み合わせてみりゃァ。いいんじゃねェ?」
そんなわたしを置いて、二人は服を選び始めた。
すると、急に、服を持ったポピーちゃんが、わたしの手を掴んで歩き出す。
「どっ、どうしたの!?」
わたしは、急なことに訳が判らず説明を求めた。
「もちろん。試着や。服は着てみんと、判らんやろ?」
ポピーちゃんは、楽しそうに答えると、わたしを試着室まで引っ張っていく。試着室に着くと、わたしを押し込み、持っていた服をわたしに手渡す。
「これに着替えといてや。うちらは、どんどん選んでくるから。はよーな」
「ちょっと! わたしまだ―――」
「ほな、頼むでー」
ポピーちゃんは、わたしの意見を聞く気が無いらしく。カーテンを閉めて、足音が遠ざかっていってしまった。
わたしは、持たされた服に目を落とし、少しの間呆然としたけど。やることがないので言われた通り、袖をとおすことにした。
『リリちゃん。ええか?』
そんなわたしが、着替え終わったタイミングで、ポピーちゃんが、カーテン越しに声を掛けてきた。
「・・・うん。いいけ―――きゃ!」
わたしは、歯切れの悪い返事をした。しかし、ポピーちゃんは、そんなことお構いなしに、すぐカーテンが開けた。なので、驚いて、思わず悲鳴を上げてしまった。
「おー! ええやんか!」
「へー、思った以上に、似合ってじゃねェか」
リニアも近くにいたらしく。二人は、各々感想を言ってくれた。しかし、わたしは、服の裾を掴んで、二人に講義の視線を向けた。
「・・・これ、丈短すぎるよ! こんなの着て、ステージ出るなんて、恥ずかしすぎるよ!」
渡された服は、黒を主体としたワンピース。しかし、裾がめちゃめちゃ短く。下着が見えそうで、危なすぎる。
しかも、布地が少なく。肌がものすごく露出していて、どう考えても、人前に出れる気がしない。
「何言ってんだァ? ライブなんだから、もうちょい派手目でもいいくらいだぜ」
「ってなことで、次、これ頼んだでー」
もちろん、わたしの意見は、聞き止められず。次の服を渡されると、カーテンを閉められた。
その瞬間、わたしは、諦めたような溜息を吐く。
そして、着替える為にワンピースを脱ぎ始める。
『どうや? ちーと、落ち着いた?』
すると、いきなり、カーテンの向こうから、ポピーちゃんが話しかけてきた。
どうやら、わたしのことを心配してやってくれていたらしい。
なので、わたしは、心配させまいと明るい声で答える。
「うん。へーきだよ」
『・・・無理せんでも、えーんよ。心配なんやろ? 二人のこと』
「えっ?」
自分の気持ちを言い当てられたわたしは、驚きで言葉を詰まらせてしまった。
「駄々こねたん、後悔しとるん?」
「・・・少しだけ」
わたしは、ポピーちゃんの問いに、詫びるように答えた。
なんだろう、このときのポピーちゃんの声がとてもやさしく、同い年なのにまるでお姉ちゃんのように思えた。だから、自然と本音が出てしまう。
『ええやん。駄々こねても』
ポピーちゃんは、わたしのしたことを肯定してくれた。
「えっ?」
『男は、女のわがままに応えんと、あかん生きもんや。だから、気にせんでええんよ』
「そ、そうなの?」
わたしは訳が判らず、返事がたじたじなってしまう。
ポピーちゃんは、弾んだ声で話を続ける。
『そうや。それに、カイザー君は、そないに心の狭い子やなん? もっと自分の彼氏、信じてあげんと、かわいそうやでー』
「そうだけど―――って! リョウ君は、彼氏じゃないよ!」
わたしは、ポピーちゃんの言葉をすぐに訂正した。
叫んだせいで顔が、とても熱い。
すると、カーテン越しでも判るぐらいポピーちゃんは、楽しそうに笑いだした。
もう、どうしてみんな、そうやってからかうのかな。
『どうや? 元気でたやろ?』
「えっ?」
ポピーちゃんの問いに、わたしは一瞬、思考が止まった。
もしかして、今までの会話全部・・・。
気付くとmわたしの心の靄が、不思議なことに払われていた。
なんだか少し体が軽くなった気がする。
『さてと。ほな、勤労者のためにサービスせなーあかんな?』
「ほどほどに、お願いします」
その瞬間、二人声を合わせて笑った。
ありがとうポピーちゃん。
俺、リョウ・カイザーは、世界の狭間を流れる海、時海を渡っていた。
俺が乗る時空船は、人が5~6人乗れるぐらいもので、結構窮屈だ。そんな船には、操縦士が二人に俺とサブの計四人が乗っている。
「なにやってんだ?」
航海が暇だった俺は《防護服》に仕込んだ、ある機械のメンテナンスをやっていると、不意に、迎えに座っていた男が声を掛けてきた。
この、髪を後で束ねて、見た目軽そうに見える男の名は、サブ・アシュラ。同じ学園に通う同級生で、今回の同じ任務に巻き込まれた被害者だ。
なぜ、〝巻き込まれた〟という言い方をすると・・・どこかの誰かが、勝手に俺たちを任務に登録したからだ。
あと数時間後に、ライブが待っている俺たちにとっては絶望的だが。まあ、どうにかなるだろう。
「うん? これか、この前ナミさん、先輩に作ってもらった《仕込みワイヤー》のメンテ」
俺は、左腕をヒラヒラ振って答えた。ここで出てきたナミさんっていうのは、この前、〝魔導書強盗事件〟で、知り合った人で学園の先輩だ。最近、組むことが多く。それが縁で頼んで作ってもらったのだ。
「ああ、そういえばアイツ。そんなの作ってたなぁ」
「・・・お前、知り合いだったのか?」
最近思うんだが。なぜか、こいつの前で、女性の名前を出すと、知り合いなのが不思議だ。
「当たり前だろ? うちの学生なんだぜ」
「・・・いやいや、理由になってねぇよ」
俺は、呆れながら突込みを入れる。
そんな話をしながら、俺は最後のネジを留めと、メンテが終わった機械が付いた服に袖を通す。
「―――んなことより。お前、それ使えんのか?」
すると、サブが、訝しげな顔で聞いてきた。
その問いに俺は、口を開かず左手を振った。
左袖から飛び出したワイヤーは、離れたところに壁に立て掛けていた、太刀の入った筒に引っかかる。俺は、そのまま手元に引き寄せた。
「へぇー、うめーじゃん」
「まあ、な。旅してるときに、出会った奴に教わったんだ」
「・・・ガキに、ワイヤー術を教える奴って。どんな奴だよ」
「まあ、話し方が変な女では、あったなー」
「その方は、今何所へ?」
「・・・」
態度が急に変わりやがった。
「おい! そろそろ時海からでるぞ。シートベルトつけろ!」
そのとき、いきなりコックピットから、声を掛けられた。
それに俺は、簡単な返事をすると、言われて通りにシートベルトをつけた。
○
現在の時刻 0:00 現地時間 10:10
時海を抜けると一番に大きな森が目に入った。
船は、森から少し離れた荒野に着陸した。
俺たちが訪れた世界《アールヴヘイム》は、十二世界の中の一つに入り世界である。その中でも一番技術進歩が遅い世界である。だが、この世界の特徴は、人が自然ととても親密に生きており、どの世界よりも環境破壊の被害がない。
俺は、荷物を持ち船から降りると、目の前の大きな森を見上げてみる。
自然破壊がないとは言ったが、これは育ちすぎじゃなねぇか?
木々は、尋常じゃないほど高く。ホントに自然の力だけで育ったのか、怪しいほどだ。
「えっ?」
「うん?」
そんなことを考えていると、急に近くから声が聞こえてきた。俺は、声のする方へ視線を向ける。
「えっ?」
そのとき、俺は、声の主を見て目を丸くした。相手も驚いた表情をしている。
「おい、どうかしか? おっ!」
固まっている俺に、サブは訝しげに訊いてきたが、すぐに目の前の女性に気付くと、歓喜の声をあげた。
その女性は、修道服を着ていたが、腰にはその姿には似つかわしくない剣を挿していた。
だが、俺が驚いたところは、そんなところではなく・・・。
「あっ、す、すみません。長旅お疲れ様です。」
気を取り直したのか、女性は改めて、俺たちに挨拶をしてきた。その瞬間、俺は疑問が解消された。
人違いか? アイツは、こんな話し方じゃなかったし。
「初めまして。今回依頼を受けていただきありがとうございます。私は、聖騎士団団員のエイダ・バッセルです」
「初めまして。サブ・アシュラです。いやー、こんな辺境で美人に会えるなんて、今日はなんと運のいい日だ。これも、貴方が信じている神の導きだなー」
いつの間にか、サブは、エイダと名乗った女性の前へ移動していた。そして、女性の空いている手を握っている。
このときのコイツのスピードは、いつも驚かされる。
「は・・・はぁ」
うれしそうに話すサブに、エイダは、困った表情で返事をしていた。
その光景に、俺は呆れたような溜息が漏る。
「そうだ、今度暇なときにお茶でも―――」
「っで、現場は何所なんだ?」
いつまでも話しが前にいきそうにないので、俺は、サブの話を遮り、エイダに場所を訊いた。
「え? はい。こちらです」
エイダは、一瞬驚いた顔を浮かべたが、すぐに案内するために森の方へ歩き出した。
「てめぇ、邪魔すんなよ。いいとこだったのに」
「今日が終わってからにしろ。今は、忙しんだ」
サブの抗議に、俺は呆れながら突っ込む。
それだけ言い残すと、俺は、エイダに後を追った。
サブも、愚痴りながらも、俺の後につづく。
○
入った森は静かだった。木と木が、屋根のように空を覆い光もあまり入ってこない。
そして道は、自分が小さくなったかのように感じるほど険しく。まさしく獣道だ。
そんな道中、俺は、前を歩くサブに違和感を感じた。
「お前、ずいぶん軽装だな。得物はどうしたんだ?」
「ん? ああ、そうだな。そろそろ装備、整えとくか」
その答えたサブは、急に左側の髪をかき上げた。
そのとき、見えたイヤリングから碧い光を放った。すると、イヤリングは、徐々にサブの獲物《魔剣》の形へ変わった。
「へー、便利な機能だな」
「まだ試作段階だけどな。いいだろう《物理変換システム》。ナミがお前のAIを解説したときに思いついたらしい、ぜ」
「〝ニア〟を?」
ニアとは、俺の魔剣のAIの愛称で、長い付き合いの相棒だ。
もともと、俺たちの武器には、《AI》と言う、補助装置が付いており、それは使い手によって様々なサポートをしてくれる。
しかし、ニアは、一般のAIとは少し違い《心》を持っている。それは、戦闘中アドバイスをしてくれたり、高度な魔力援護をしてくれる。とても頼もしい相棒だ。
「ちなみに、防護服も《インストール》しているから。いつでも取り出せる」
そういうと、魔剣のAIが光だし、サブの体にジャケットのシルエットが浮かぶ。
光が消えるとサブの身には、いつもの白い防護服が身に付いていた。
「な、便利だろ?」
「・・・そこまでいったら、もう、なんでもありだな」
驚きを通り越して呆れる。
そんな会話をしていると気付けば開けた場所に出た。
「着きましたよ。ここが目的地です」
俺は、視線を前へ向ける。
そこには、大きなクレーターがあった。
中を覗くと、そこには、大きなピラミッドの天辺を、バッサリ平らに切った形の物が埋まっていた。
「元々は湖だったものなのですが。中を調べる為に、数週間掛けて水を抜きました」
「へー、相当大掛かりだったんだろう、な」
よくやるなー。
「ここは・・・と・・・だな」
「なんか言ったか?」
「ん? いや、なんでもねーよ」
だが、サブは、いつもの無邪気な笑みを浮かべて答えた。
気のせいか?
「それでは、中に入ります。足元に注意してください」
そういうと、エイダは、遺跡の方へ滑り降りていく。
俺とサブもそのあとを追った。
○
遺跡の入り口は、結構小さかった。だが、遺跡の中の天井はとても高い。光が漏れていたお陰で、中の広さが大体把握できた。見た目以上に大きい。
辺りの床は、少し湿っている。
周りを見渡してみる。
壁には、所々に絵や文字のようなものが書かれているが、意味が判らない。
だが、サブは、さっきまでとは違う、真剣な目でその文字を眺めていた。
まさか、読めんのか?
「アベルさん、お疲れ様です」
そんなことを考えているとエイダが、急に壁の前に立っていた人に声をかけた。
すると、声を掛けられた男は、こちらに振り返る。
「お疲れさん。派遣された人は来・・・おいおい、どうしたその子供達は?」
「彼達が、今回魔連から派遣された人達です」
その瞬間、アルベ呼ばれた男は、目を見開いた。
「なに? こんな子供が、か!? 魔連は、なにを考えているんだ!?」
まあ、普通、バカにされたと思うだろう、な。
「そんなことより。アンタ、何で壁の前でつったてんだ?」
さっきまで壁を見ていたサブが、こちらに近づいてきた。
「ああ? 今《スイッチ》を探しているんだよ」
「スイッチ?」
俺は、訊き返した。
「正確には、《スイッチの様なもの》だ。この辺の壁にあるはずなんだけど、な」
「なんでそんなことが判るんだ?」
「《魔力探知機》の周波数の検出で、ここが一番反応が大きいからだよ。多分、この壁の向こうに何かあるはずだ」
なるほど、な。
納得すると、俺は、壁に視線を向けた。
その壁には、二人の人のような者が太陽を挟んで立っている絵だ。
見た感じ、どこにもスイッチのようなボタンもレバーもない。
「そこの壁だけじゃなく遺跡の内部を捜索したんですけど。どこにもそれらしいものは、見当たりませんでした」
エイダは、そういうと疲れたような溜息を吐いた。
「―――おい。誰か灯り持ってねーか?」
そのとき、急に今まで黙っていたサブが口を開いた。
「? 懐中電灯なら、ここにあるが」
「貸してくれ」
差し出された懐中電灯を受け取ると、サブはそのスイッチを入れる。
「みんな壁から離れてろよ」
そういうと、サブは、懐中電灯の灯りを絞り始めた。絵の太陽のサイズに合わせる。
そのとき、異変が起きた。
急に壁が、競り上がり始めたのだ。
「す、すごい」
隣にいるエイダは、驚きの声を洩らした。
俺も正直驚いている。
「《照度センサー》だな。さすが俺、天才♪」
「・・・普通、言うか? 自分で」
上機嫌で自画自賛しているサブに、俺は、呆れながら突っ込みを入れた。
そんなことを言っていると、壁の向こうから部屋が表れていた。
中は暗かった。
しかし、一点だけ。部屋の真ん中に淡い碧い光があった。
すると、アルベは、〝ライト〟の魔法を使って部屋を照らす。
「なんだ? あれ」
俺は、照らされた部屋の中心にあった淡い光の正体を見て、驚きの声を洩れた。
現在の時刻 1:20 現地時間 11:30
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あらすじ
学園祭ライブに向けて、もう特訓をしたリョウ達一同。
だが、その前日、急な学園へ呼び出され、リョウとサブ。
なぜか、身に覚えが無いミッションに登録されていた!?
悔しがる一同、だが、ミッションに向かうリョウが、リリと約束したことは、「ライブに間に合うように帰ってくる」だった。
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