No.158075

~魏志恋姫伝~9

SekiToさん

テスト前に書いちまったぜ、こんちくしょ~。
テンションHighでお送りいたします。
まあ完成度は・・・・て所すね
ではどうぞ

2010-07-16 04:04:56 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:6677   閲覧ユーザー数:4860

 九話 虎痴?悪来?

許昌を出て二日、進路上の村が賊に襲われてると物見からの報告があり進行速度を上げた。

村が確認できる距離に来た時、俺達は目を疑った。

 

「なぁ、華琳。」

「何?」

「人って空を飛べるんだな。」

「何を言ってるの?落ちてるだけよ。かっこつけてね。」

 

とりあえず村に向かう事にした俺の目に映ったのは二人の女の子だった

女の子達は体に釣り合わぬ武器を振り回し、賊を蹴散らしていく。

賊たちは10mは打ち上げられてるだろうか?

賊がグシャっと鈍い音を立てながら、地面に叩きつけられる。

その光景に一時的に思考がフリーズしたがなんとか再起動に成功。

 

「とりあえず、急ごうか。」

「そうね。春蘭、秋蘭先行して、あの子たちを救いなさい。」

「「御意。」」

 

周りの兵も華琳の声で我に返る。二人が一気に加速し軍を先行する。

二人はあっと言う間に賊を蹴散らし、女の子達と合流した。

春蘭達が加勢に入った為、賊はなすすべなく敗走し戦闘はすぐに終わった。

「ありがとうございます。」

「いや、お前達も無事で良かった。」

「しかし、他に兵は居ないのか?」

「この村でまともに戦えるのは、私達しか居ませんから。」

「そうか。」

 

少女の返答を聞き、どう答えようかと春蘭が必死に考えていると本体が合流した。

華琳の姿を見た少女達が体を強張らせた。

 

「秋蘭。賊はどうしたの?」

「何名か間諜を放ちました。もうすぐ賊の本拠地が分ると思います。」

「そう、御苦労さま。」

 

華琳は秋蘭からの報告を聞き、少女達に向かいあった。

 

「あなた達、怪我はない?」

「・・・お姉さん達、国の軍隊・・・?」

「そうよ。」

 

華琳の返答を聞いた少女達は、それぞれの武器を振りかざした。

それを見た俺は華琳と二人の間に割り込んだ。

右手に持った残月で鉄球を払い落し、左手で巨大ヨーヨーの鎖を鞘に絡め勢いを殺す。

鉄球を踏みつけ、鞘を引っ張り相手の動きを止める。

 

―二人とも一撃が重い、人があれだげぶっ飛ぶのも分る気がする。ったく右手首を持って行かれたか。

 

突然の攻撃を受け、周りは茫然としている。

 

「国の軍隊なんて信用できるもんか。ボク達から税金を搾り取るだけ搾り取って、賊に襲われたら一目散に逃げて村のみんなを守ってくれやしない。だからボク達が村の皆を守るんだ。賊からも、役人からも。」

 

だからたった二人で戦っていたんだ。この孤立無援、背水の状態で

 

「桂花。」

「何よ、変態。」

「・・・・ここら一体は華琳の治める土地じゃないんだよな。」

「そうよ。賊の討伐要請の名目で来てるんですもの。治めてる土地じゃないから口出しはできないわよ。」

「そうか。」

 

ふと華琳を見ると、俯いて手が白くなるほど強く握りしめてる。

そして、華琳は顔をあげ少女達の前に歩いていく。

 

「貴方達、名前は?」

「き、許褚と言います。」

「て、典韋です。」

 

華琳の威圧感にあてられ二人は、完全に呑まれていた。

そして華琳は・・・

「許褚、典韋、ごめんなさい。」

「「・・・・え?」」

「華琳・・・。」

「か、華琳様・・・。」

 

華琳の行動にまわりが唖然となる。あの誇り高き曹孟徳が頭を下げたのだから。

 

「そういえば、名乗るのがおくれたわね。私は曹操。山の向こうの許昌の街で刺史をしている者よ。」

「「ごめんなさい。」」

「噂では聞いてます。向こうの刺史さんは立派な人だって。」

「治安が良くて、税も安くなったともきいてます。私達勘違いしちゃって・・・」

「構わないわ。今の国が腐敗してるのは、刺史の私が良く知ってるわ。」

「で、でも。」

「だから許褚、典韋。貴方達の勇気と力、この曹孟徳に貸してくれないかしら?」

「ボクの力を・・・?」

「私達がお力になれるでしょうか?」

「ええ、私はいずれこの大陸の王となるわ。でも、今のままじゃ何もできない。だから、貴方達の力と勇気、この私に貸してほしい。」

「曹操様が・・。」

「この大陸の王に・・・。」

「ええ。」

「曹操様が王様になったらボク達の村を守ってくれますか?盗賊もやっつけてくれますか?」

「ええ。貴方達の村だけじゃなく、この大陸の皆がそうして暮らせるように、その為に私はこの大陸の王になるの。」

 

この時の華琳は自信に満ち溢れていた。

―眩しいな・・・。

そんな華琳みて俺はそう思っていた。

そこに伝令が走りこんできた。

 

「失礼します。敵の本拠地を発見いたしました。」

「そう。全軍、賊を根絶やしにするわよ。」

「「「はっ。」」」

 

ある程度の指示を出した華琳は二人と向かい合った。

 

「許褚、典韋。聞いた通り、賊を討伐するわ。今回だけで良い、力を貸してくれないかしら?」

「「はい。」」

 

二人は元気よく返事をしてくれた。

 

「ふふっ、ありがとう。春蘭に許褚、秋蘭に典韋を付ける。二人ともお願いね。」

「「はっ。」

 

俺達は彼女達と敵の本拠地に進行した。

賊の根城にしていた砦は、山の影に隠れるように建てられていた。

許褚たちの村からもそんなに離れていない。

 

「桂花。賊の数は把握できてるの?」

「はい。およそ五千こちらの約2倍です。」

「そう。それで桂花、ちゃんと策があるのでしょう?兵糧の件、忘れてないでしょう?」

「無論です。すでに私の胸の内に。」

 

桂花の策とは、華琳を囮にして敵を砦から誘い出し、伏兵として春蘭、秋蘭が後方から叩くと言うものだった。

案の定、春蘭が猛反対した。

このままでは、話が進まないので俺が春蘭に耳打ちをした。

春蘭は張り切って指定された場所に進軍した。それに秋蘭、許褚、典韋が続く。

 

「一刀。貴方は春蘭になんて言ったの?」

「ん、あれか?ただ、敵を蹴散らして苦戦しているであろう華琳を颯爽と助け出す。そうすれば、許昌に帰ったら褒美に閨に呼んでもらえるかも?って。」

「なるほどね。でも苦戦はしないでしょうね。」

「なんでだ?」

「だって、一刀。貴方が居るのよ?」

「ははっ、なら期待に応えて頑張るとしますか。」

桂花の読みは的中し、あっと言う間に壊滅させた。

 

「季衣と流琉はこれからどうするんだ。」

 

俺達はあの後に真名を許してもらった。

 

「華琳様の下にいきたいんだけどね。」

「やっぱり村が心配なんで。」

「その事なら、俺が華琳に治めさせるように根回ししたから大丈夫だぞ?」

「兄ちゃん、一体何したの?」

「聞きたい?」

「「フルフル。」」

 

二人はすごい勢いで首を振る。俺がその様子を見て笑ってると華琳が近付いて来た。

 

「誰かの手まわしで通達が来て、この村も私が治めることになったわ。」

「それならボク達も華琳様と一緒に許昌に行きます。」

「貴方達は、私の直属の親衛隊に入ってもらうわ。いいかしら?」

「「はい。」」

「さて許昌に帰るわよ。」

「「「御意。」」」

こうして帰路についたのだが・・・。

 

「さて後は、桂花の事だけれど・・・。約束は覚えてるわね?」

「・・・はい。」

「許昌を目の前にしていうのも何だけれど、私・・・とてもお腹が空いてるの。分かる?」

「・・・はい。」

 

今回兵糧が足らなくなった理由は兵の被害が予定より少なかった事。そして、季衣だ。

季衣が人の10倍ほど食べていた。一体あの小さな体の何処にあれだけのご飯が入るのだろう?

結果として昨夜の晩に兵糧が尽きて、全ての兵が朝食を食べていない。

皆の視線が季衣を捉える

「えっと・・・ボク、なにか悪いことした?」

 

「いいや、季衣は悪くない。それに、そろそろだと思うし。」

俺の言葉に皆がこちらを向く。

 

「一刀。何が、そろそろなの?」

「ああ、それはだな。おっ!来た来た。」

 

許昌の方から数台の馬車が向かってきた。

 

「北郷殿。ご指示通りに、1日分の兵糧を持ってまいりました。」

「御苦労さま。」

「では、失礼いたします。」

「これで、桂花の方は良いだろ?」

「はぁ、しかたないわね。桂花、今回は戦の功績も踏まえてお仕置きだけで許してあげるわ。」

「華琳様・・・。」

「許昌に戻ったら、私の部屋に来なさい。たっぷり・・・可愛がってあげるから。」

「はい・・・っ!」

「また始まったよ。」

「あら?一刀も私の部屋に来る?」

「いや、遠慮しとく。今回の事後処理があるからな。」

「あら、残念ね。」

こうして俺達は賊の討伐を終えた。

 


 
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