「生徒会長に立候補するのです☆」
クドリャフカの突然の発言に、リトルバスターズのメ
ンバーは驚嘆している。
「クド、突然どうしたのさ。」
つっこみを入れるのは、クドの恋人である直枝理樹で
ある。
「私は来ヶ谷さんみたいな大人の女性になりたいので
す。そのための一歩に、りーだーしっぷを身に付けた
いと思ったのですよ。」
「ふむ。リーダーシップを身に付けたいか。いい考え
だ。だが、おねーさんは、生徒会長にまではなる必要
はないと思うぞ。」
「でもでも、私は決めたのです。生徒会長になってり
ーだーしっぷを身に付け、この学校をもっとよくした
いのです。」
クドの決心は固いようだ。
そこに突然聞きなれた声が。
「いいじゃないか。別に悪いことをしようとしているわけでもないんだし。能美もなりた
いんだろ?」
「わふっ!恭介さん!いつの間に!」
「まぁ気にするな。それよりも能美、なりたいんだろ?」
「はい!なりたいのです☆」
「ということだ。みんな、協力してやろうぜ。」
いつものように恭介は突然現れて、とんでもないことを言い出す。
「なんだかおもしろそうですネ。」
「何をすればいいか分からないけど、私も協力するよ~。」
二人に続いてみんなも協力することになった。
「わふ~!三枝さん、小毬さんさんきゅーなのです。皆さんもありがとうございます。」
そして恭介のこの一言で、『クドリャフカ生徒会長計画』は始まった。
「ミッション・スタートだ!」
生徒会選挙まであと7日
「まずはポスター作りからかな?」
「そうだな。あと7日しかないから、急いで準備するぞ。」
「うむ。そうなると、まずは紙が必要だな。真人少年、紙を持ってきてくれ。」
「なんで俺なんだよ。自分で行けばいいだろう。俺は筋トレで忙しいんだ。」
「真人少年は何を言ってるんだ。紙も積もれば立派な筋トレ道具だろう。君が行かなくて
誰が他に誰が行くというんだ。」
「おっ!確かにそうだな。俺しか適任者はいないな。お~っし!筋肉が通りま~す。」
そういうと、真人はあっさりと騙されて行ってしまった。
「あいつ、あほだな。」
数分後
「……どうするんだ、この紙の山………」
真人に頼んだのが間違いだったのか、今ここには明らかにおかしな量の紙が積み重なって
いる。
「これだけポスターを作るのでしょうか?」
「いや、こんなに作ったら、学校中がクドだらけになっちゃうよ。」
「わふっ!それはあんびりーばぶるなのです。やっぱり余りは返してきましょう。」
結果、クドのポスターは完成し、余りは再び真人が持っていったのだった。
生徒会選挙まであと6日
「今日からはスピーチ練習だ!このスピーチに勝敗がかかっているようなものだからな。
しっかりやれよ。」
「はい、なのです。ですが、これは べりーべりーでぃふぃかると な問題なのです。困
りました。」
「そんなこともあろうかと、今日はスペシャルゲストを連れてきたのですヨ。」
そして現れたのは、なんとも意外な人だった。
「……はぁ……。どうして私があなたたちの手伝いをしなければならないのよ。」
「わふっ!佳奈多さん!?」
そう。現れたのは葉留佳の姉、佳奈多だった。
「葉留佳もたまには役に立つんだな。」
「もう。ひどいなぁ~、鈴ちゃんは~。私だって役に立ちますヨ。」
「まぁ良いではないか。さぁ、クドリャフカ君、さっそく練習をしたまえ。」
来ヶ谷が強引に話をまとめて、クドを見守る。
「ちょっと、まだクドリャフカのコーチを引き受けるなんて一言も言ってないわよ。」
「何を言ってるんだ。佳奈多君は。」
そういうと、来ヶ谷はポケットから1枚の写真をチラつかせる。それを見た佳奈多は、顔
を真っ赤にしている。
「あなたいつの間に……。わっ分かったわよ。ルームメイトの頼みだもの。引き受けてあ
げるわ。ただし、邪魔だけはしないでちょうだい。いいわね。」
そう言うと、佳奈多はクドを連れて行ってしまった。
生徒会選挙当日
「ぐっともーにんぐです、リキ。」
「うん、おはよう、クド。なんか久しぶりって感じだね。」
「そうですね。教室で顔を合わせることはありましたが、実際にお話しするのは久しぶり
なのです。毎日佳奈多さんに特訓していただいてましたから。」
そう。この5日間、クドは一生懸命に佳奈多の特訓を受けていたのだ。すべては生徒会長
になるため、そしてかっこいい女性になるために。
「今日は頑張りますよ~!リキも応援してくださいね。」
「もちろんだよ。」
生徒会選挙本番
学校中の生徒たちが体育館に集められた。そこで、クドを含む5人の候補者のスピーチを
聞き、各々が投票用紙を投票箱に入れていく。クドも特訓の成果を出して、しっかりとス
ピーチしていた。理樹たちリトルバスターズのメンバーは、もちろんクドに投票していた
。
「それでは、投票の結果を発表します。」
ついに発表が始まった。
「今年度の生徒会長は……………みごと357票を獲得した斉藤昴さんです。」
結果は惜しくも落選してしまった。
「わふ~。生徒会長、なれなかったのです。」
生徒会長にはなれなかったものの、クドは本当に頑張っていた。
「惜しかったね、クド。でも、スピーチをしているクドはかっこよかったよ。」
理樹の言葉を聞いたクドの顔は、ぱぁっと明るくなった。
「本当ですか!?私、かっこよかったですか?
「う、うん。すごくかっこよかった。」
理樹に続いて、周りにいた人たちは、クドに拍手を送っていた。
「わふ~。良かったのです。生徒会長にはなれませんでしたが、私自身少し成長したよう
な気がするのです。」
「うん、その通りだよクド。それに……」
「!?」
「それに、クドはそのままのクドでいいと思うよ。僕はかっこいいクドも良いと思うけど
、いつものクドも好きだな。」
顔がだんだんと赤く染まっていく2人。そこに、
「ヒューヒュー。2人ともお暑いですなー。」
「わふっ!?」
「みんな、いつからいたのさ。」
いつの間にか2人の周りにはリトルバスターズのメンバーが集まっていた。そして、2人
をひやかしてそれぞれ散っていってしまった。
「ねぇ、クド。」
「何ですか、リキ?」
さっきの話の続きだけどさ。やっぱり僕はクドにはいつもの元気で明るいクドでいて欲し
いな。」
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リトルバスターズの能美クドリャフカメインの小説です。
かっこいい女性に憧れるクドのストーリーになっています。
【初投稿】