No.157465

君と僕 ―第二章 心理考察―

天乃紫稀さん

第二章です

今回はちょっとだけ読みやすく改良??してみましたw

ここから物語は進みます、とうとう事件は起きてしまったのです!!

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2010-07-13 19:46:11 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:409   閲覧ユーザー数:400

第二章 ―心理考察―

 

 

「起きろ!!」

 

おっと、またしてしまった!!と思い、目を覚ましたがそこは緑の草木が豊かに生い茂ってる森の中のようだ。

 

そして俺を起こしてくれた人の方へ目を向けるが、目の前にいる奴……だれだ?

 

確か新しい学校に転校して……、してそのあとどうしたんだ?

 

思い出せない、何故だ。と思った瞬間俺の脳裏に一つの映像が流れた。

 

そこには鮮血が紅い絨毯のように飛び散っていて、その上に横たわってる身体が一つ、それにもう一人俺を見下しながら何か喋っているようだが、わからない。

 

「おーい!!梶本君ー!!大丈夫か!?」

 

目の前の男の口調で話してくる女性の声に反応し、俺は我に戻ったが、あの記憶何なんだ?

 

「あ…あのー、どちら様ですか……ね?」

 

よく見ると周りにはその女性以外にも俺と同じぐらいの歳の子が何人かいた。

 

「なんか変なものでも食べたの?それともどっか打った…とか?」

 

妙に明るい女の子が話しかけてきた。

 

「てか俺なんでここで寝てたんだ、引越しが終わってそのあと俺何してたんだ?」

 

「まさか記憶喪失……てやつ?」

 

「まあ、そう考えた方が妥当だな」

 

「あのー、全然話が見えてこないんですが……」

 

てかなんで森の中?色々と状況を説明してほしい…

 

「引越してきた頃の記憶からどっか飛んでいったみたいだし、簡単に説明しよう」

 

やっと状況が分かるよ。

 

「………。なるほど、つまり記憶が消えちゃったってことですか?」

 

「いや、消えてはいない、多分思い出せないんだろう。梶本君はどうやら一時的な逆向性健忘症だな。何かの拍子で何らかの影響がでて、そのため脳の想起という組織に何らかの障害が出て、思い出せないんだろう」

 

うーん、つまり時期に思い出すかもしれないってことかな?

 

でもなんで美術の先生なのに専門外のことにそんなに詳しいのだろうか、と思ったが別に気にするほどでもないか。

 

「それで、写生しに来たのになんで俺記憶消えちゃってるんですか?」

 

それを聞いたとたんに、周りが静かになった。そして先生はひどく悲しそうな顔をしていった。

 

「それは…、実は……、梶本君が何故倒れていたのか分からないが、大変なことになってしまって…」

 

ふと思った、さっきの映像はもしかして俺が倒れた時の記憶なのか?

 

いやな予感しかしなかった、その脳裏に映った「映像」に鮮血と横たわる身体……

 

「実は点呼をとるとき、君と黒樹君がいなくてな…、それでみんなに探してもらった。文乃さんが君と黒樹君を見つけてくれたんだ・・・・・・。しかし黒樹君が…ッ」

 

「もういいです、状況は理解できました」

 

先生のつらそうな顔と周りのみんなの状態からもう憶測はついた、俺の脳裏に映っていいた「映像」は黒樹が殺された場所なんだろう。

 

「記憶が戻ったのか!?」

 

「いえ、一部分しか……」

 

だとしたらもう一人は黒樹を殺した犯人なのか…ッ!!じゃあ俺は現場を目撃してるのかッ!!思い出せッ!!あそこで何があったのか、俺が何をされたのかッ!!

 

―――――思い出せ、思い出せ、思い出せ、思い出せ、思い出せ、思い出せよッ!!

 

クソッ!!思い出せない……、頭が痛い…。

 

「あまり頭は触らないほうがいいと思うよ、血出てたし」

 

隣りから和泉さんの声がした、そうだ落ち着くんだッ!!脳に衝撃を与えられたってことは何かで殴られた可能性だってある、頭に血が昇ってしまっては、余計に頭を痛める。

 

「先生、それより警察に電話したんですか!?」

 

「知っての通り、ここはド田舎、ましてやその田舎のさらに奥の森に来てるからケータイはつながらないんだ」

 

「じゃあ学校に……ッ」

 

「それも無駄だった、委員長に気をつけながら村まで行ってもらったが、学校と公衆電話の回線が切れていたらしい、それに何故かここら一帯に大規模な停電が起こってるらしい」

 

すると、隣りから智哉の声がした。

 

「発電会社に連絡したくてもできないから、状況がまだはっきりしないけどね」

 

「じゃあ、車とかで隣り町まで行けば……」

 

先生はため息混じりで答えた。

 

「それもだめだった、この村にある6台の車すべてタイヤに穴が開けられていたらしい、しかも隣り町とつなぐ唯一の観葉橋が使えない」

 

「え!?なんで……」

 

「端っこの鉄橋のネジが外されていたらしい、部品の一部がなくなっていた、車が通ったらひとたまりないぞ、あ、記憶ないから忘れてると思うがあの橋の部品はすべて発注して作っているから、電話ができない限り治せないぞ」

 

「じゃあなんでこんなところにいるんですか!?学校の方が安全なんじゃあ……」

 

「変なことして犯人に何かされたどうするつもりだ!?」

 

確かに、変に動くと何かされるかもしれない、実際に人一人死んでいるのだから。

 

状況を把握したところで、俺は智哉のところへ歩みよった。

 

「それにしても誰がこんなことしたんだろう?それに、黒樹を殺す理由がわかんないよ、誰か恨みでもあったのかな?まあ、買われるようなことはしてるかもしれないが……、それに先生の話通りだと完璧は計画性を持ってるみたいだし、あいつ一人殺すのに村の人がわざわざ通信手段を切断してまで殺すか?しかもこんなガキを」

 

智哉は黙ったままだった、俺もそれ以上は何も言わなかった。多分俺と智哉は今同じことを思ってるんだろうな。

 

すると、智哉が突然耳元まで顔を近づけてきた。

 

「…ッ、何?」

 

「それって…、もしかして……、クラスメイトの誰かが……」

 

あまり大きい声ではいないのだろう。

 

「まさか…ッ!!」

 

「でもそれ以外考えられないし…」

 

でも内心は分かってたはずだ、この中の誰かが…、黒樹を殺した……と。

 

突然智哉は俺の袖をひっぱた。

 

「よしッ!!こうなったら俺達で犯人捜せばいいんだよ!!もし本当のことが分かれば帰れるし、何より誤解が解けるかも知れないぜ、俺たちの考えがな、それに何もしないより、何かしている方がまだマシだしな」

 

そういうと智哉は俺に向かって笑った。暗い空気が嫌いなのだろう、俺より全然強い。しかし智哉の目になぜか恐怖を感じた。

 

「あ、うん。分かったよ、俺も手伝うよ」

 

「じゃあまずは現場に行ってみようか?」

 

「探偵っぽいね」

 

と俺も笑ってみた。

 

現場に近づくにつれて、血生臭い匂いがしてきた。なんか吐きたくなる匂いだ。

 

次の瞬間、俺は血が出ている頭の方が急に痛くなった。

 

…ッ!!なんか脳裏にまた変な「映像」が流れてくる。

 

そこには、一人の女の子と一人の男の子が何か話し合っているようだ、それから俺は何故か男の子を追いかけている、そして彼の手にはカッターナイフが。

 

「オイ!!どうしたんだッ!!」

 

「あ、ごめん。頭が痛くなっただけだよ」

 

それにしてもあれは誰だったんだ、同じ歳ぐらいだったな……。

 


 
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