No.157133

伝説の【呉の種馬】の思春記

はびゃさん

ふざけ過ぎのないようです。
それでもいい方はよろしくお願いします。
後、気まぐれに絵がついてます。

2010-07-12 02:56:57 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:5746   閲覧ユーザー数:4772

 

乱世のさなか、

 

わずか一名で孫呉の女性陣を垂らしこんだ人物が居た。

 

その名は「北郷 一刀」

 

かろうじで毒牙を免れた他国の者達は、彼を恐れ討伐に乗り出した。

 

今、本当の「種馬」を知るものはいない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここでOP曲「子種を君の中に[輝きは君の中に]」をお聴き下さい。

 

 

 

 

 

 

――呉の居城、上空

 

 

 

 

 ヒュオッ

 

 

言葉と共に俺は天高く舞い上がり、城が一望できる位置へと飛んできた。

見渡せば辺り一面の、雲ひとつ無い青空

がしかし、向こうの大地に目を向ければ魏の大軍団が陣を張り開戦の時を待っている。

よくもまぁこんなうじゃうじゃと、これじゃあ……

 

一刀 〈ははは、まるで人がゴミのようだ!!〉

 

と、言わざるをえまい。

 

 

一刀 〈……とまあそれはさておき、魏に変な動きは……見たところなさそうだな〉

 

 

おふざけを程々に、俺は再び魏の陣営に目を凝らす。

なんたって数で圧倒しているにも関らず暗殺を行う様な汚い奴等だ、油断は出来ない。

やられた本人が言うんだから間違いない

 

 

一刀 〈一体どういうつもりなんだか……〉

 

 

しかしその相手はいうと、そりゃもう堂々と布陣し、後ろめたい事など微塵も感じさせないでいる。

 

 

一刀 〈ん~~~、曹操ってそんな卑しい奴だったかな?〉

 

 

記憶にある曹操と言う人物を思い出してみる

連合軍の時にちらりと見ただけなのだが……

 

 

一刀 〈確か……「がんばりおっぱいちゃん」だったな……〉

 

 

あるでもなく、ないでもない。 一番扱いに困るその膨らみを、精一杯に寄せて上げて魅せようとするその姿勢、その心意気に俺は心を強く打たれたのを覚えている。

顔は……思い出せないが、そんな日陰の努力を怠らない彼女が、物陰から暗殺など果して企むであろうか? いや、俺には考えられない!!

 

 

一刀 〈じゃあ……あれか? あのそばにいた二人……〉

 

 

曹操の側近であると思われる、両隣にいた女性を思い出す。

曹操でないとすると、部下の独断という事も考えられるはずだ。

 

 

一刀 〈え~~っと、名前は……「おっぱいツインズ」だった……かな?〉

 

 

二人とも実に形がよく、張りのよさそうなおっぱいをもっており、何より二人の胸が瓜二つなことに俺は興奮したのを覚えている。

互いに歩調を合わせ、心通わせたおっぱいの持ち主が、平気で他人の尊厳を踏みにじるとは……やはり考えにくい。 

 

 

一刀 〈ん~~~~~……まぁ、今はこの戦に勝利する事を優先しよう、幸い雪蓮も元気だし、みんな無事にこの状境を乗り切れれば文句ないしな〉

 

 

埒が空かない事だと区切りをつけ、我が愛しい呉のみんなのもとへ向かおうと、

 

 

 

 

 ヒューーーン

 

 

空を急降下した。

 

 

 

一刀 〈まずは思春とこにでも行くかな……〉

 

 

 

 

 

思春 「よいかお前達!! 此度の戦、絶対に退く事は許さん!!! もしも数に臆するものがいればこの鈴の音がお前達にも響く事になるぞ、心しておけ!!!」

 

兵一同「雄おおおおおおおお!!!!!」

 

 

思春の言葉に、割れんばかりの雄たけびが辺り一体を揺るがし返ってくる。

 

 

一刀 〈っと〉

 

 

 スッ

 

 

俺はそれに怯みながらも、思春の隣へと着地した

 

 

一刀 〈しかし相変わらず思春さんの部隊は男くさいねぇ、もと湖賊だったけか? 

厳つい男ばかりじゃないか……〉

 

 

眼前の集団を見渡し、圧倒される。

そこには岩の様な体躯をした野郎が規律良く並び、目を血走らせていた。

 

 

兵A 「頭!! 御使い様が瀕死の重体っての本当ですかい?」

 

 

突如、そのなかの一人が声を上げる。

 

 

思春 「ああ、そうだ。 曹操の下劣な手段で現在、生死を彷徨っていると聞いている」

 

兵A 「!?」

 

兵B 「な、なんてこった……まさか……本当だったとは」

 

兵C 「うぅ……御使い様……」

 

 

 ザワ ザワ

 

 

必要以上を口にしない彼達が、思春の報告を聞いた途端、騒然と騒ぎ始める、

そんなに親しく話した覚えがない奴らだが、よく見れば顔の知った者も少なくは無い。

 

 

一刀 〈みんな、そんなに俺の事を…………あんまり嬉しくないけど、とりあえずありがとう〉

 

 

みんなの気持ちはそこそこ嬉しいが、そういう事なら俺は思春に心配されたい。

 

 

(北郷……[しーたん]を一人にしないで……)

 

 

なんて、胸にすがり上目使いに言ってくれた日には、その場で確実に萌え死ぬ。

ちなみに「しーたん」とは、俺が妄想する俺にデレデレなデレデレ思春が自らを呼ぶ時の愛称だ。

「しゅんしゅん」と「しーたん」でかなり迷ったが、最終的に「しゅんしゅん」では少し言いずらかろうという俺の気遣いが働き「しーたん」となった。

 

 

思春 「ええい!! うるさいぞ貴様ら、だまらんか!!!」

 

兵A 「だって……頭」

 

思春 「口答えは許さん!! 大体お前達、北郷とそんなに接点はなかったはずだろう?

    何故ゆえそこまで心を乱すのだ?」

 

 

もっともだ、中には号泣している奴までいるから俺もなんだか困ってしまう。

 

 

一刀 〈涙なんて……俺なんかにゃあ勿体なさすぎるぜ…………あ、よいしょと〉

 

 

感動のあまり立っていられなくなった俺は、一休みしようと思春の足の間に顔を入れ、仰向けに寝転る……

 

 

一刀 〈ぐはっ!! す、すげぇ食い込みだ……〉

 

 

がしかし、そこからみえる景色に俺は成仏しかけた。

 

 

兵A 「そ、そりゃあ……えっと……」

 

思春 「どうした!! なぜそこで言葉を濁す!!!」

 

兵A 「だって……」

 

思春 「だってとはなんだ!! 言ってみろ!!!」

 

兵B 「……憧れていたからです」

 

思春 「……はぁ?」

 

一刀 〈ん?〉

 

 

気のせいか? 今の言葉にいじらしさが感じ取れたのは……

 

 

思春 「……そ、それはどういう意味だ?」

 

兵B 「へい、恥ずかしい話、ワシ達は全員天の御使い…… 一刀様を影ながらお慕いしてるんでさぁ」

 

思春 「へ?」

 

一刀 〈はぁぁぁぁぁ!?〉

 

 

 ガバッ

 

 

思春の体を透過し、飛び跳ねるように起き上がる。

 

 

思春 「なななななっ、なにを言っている!!」

 

兵C 「確かに俺らと一刀様は身分からして違いが有りすぎる……しかし許されざる恋だとしても……せめてこの想いを持ち続けるくらいはと……」

 

一人の兵の言葉にその場の何千もの兵が一斉に頷く

 

それを見た俺と、流石の思春も口をあんぐりと開けたまま放心してしまった。

そして、そんな俺たちを他所に何やら盛り上がりを見せる兵士さんたち……

 

 

兵A 「あっし普段は[受け]なんですが、一刀様だったら[攻め]たい……なんて♪」

 

兵B 「な、てめーなに羨ましい事言っとんのじゃ、ワシだってかなうなら一刀様に思いっきりブチかましたいわい!!」

 

 

一刀 〈ひぃぃっ!!〉

 

思春 「あ…あ……」

 

 

兵C 「馬鹿野郎!! そんなんここに居るみんなの夢だろうがよ!!」

 

兵D 「そうだ、そうだ!!」

 

兵E 「抜け駆けは許さねぇぞ!! 一刀様の穴は呉全員の穴だ!!!」

 

 

 

 ワイ ワイ ガヤ ガヤ

 

 

 

 

一刀 〈………〉

 

思春 「う……うぅぅ……」

 

 

 

 

貝だ。

私は今、物言わず、海底でひっそりと生きる貝になりたい……

 

 

 

 

一刀 〈…………〉

 

思春 「……その、なんだ……つ、つまり北郷を――――」

 

一刀 〈 っ!?  やめろ思春!!! その先を言っちゃ駄目だ!! 俺のトラウマが取り返しのつかない事に―――〉

 

 

 スカッ

 

 

俺は慌てて思春の口を塞ごうとしたが、その手が彼女の頭を透過する

 

 

思春 「あ、あああ……愛して……ると?」

 

一刀 「!!!!」

 

 

 

兵C 「はっ!! 我ら皆[北郷一刀]様を愛しております!!!!」

 

 

 

兵一同「雄おおおおおおぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 

一刀 〈うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!??〉

 

 

 

 ゴロ ゴロ ゴロ

 

 

 

あまりのショックに地面をころげのた打ち回る俺

 

 

 

一刀 〈アッーーーーー!! 俺の、俺の純潔がぁーーーーーー!!!

    ケツがっ! ケツがわれるぅぅぅぅぅ!!!!〉

 

 

 

 ビューーーーーーーーンッ

 

 

 

耐え切れずそのまま彼方へと飛び去る。

 

 

 

(星になろう……俺はこのまま星になるんだ……)

 

 

 

 

『北郷一刀、彼のトラウマがここに完成した瞬間である』

 

 

 

 

 

 

 

 ……

 

 

一刀が飛び去った後の甘寧隊集合広場にて

 

 

 

思春 「わ……わかった……その想いを胸に奮闘するがいい…………」

 

 

兵一同「雄おおおおおおぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 

思春 「し、しばし席を外す……後は頼む」

 

副官 「はっ」

 

 

激しい眩暈をこらえ思春はフラフラとその場を離れた、

 

 

 

思春 「ふぅ……なんてことだまったく……」

 

 

しばらく歩き、やがて人気のないところで一息つく

 

 

思春 「前々から薄々感じてはいたが……まさか北郷で、しかも全員とは……こうなったら……いや、今はそんな時ではないな」

 

 

今だクラクラする頭、それを強引に正気へ引き戻し顔をあげる思春。

 

 

思春 「何にせよまずは曹魏を追い払ってからだ!!」

 

 

 

決意と覚悟を新たに心へ宿し、

拳を強くにぎり、現在一刀が治療中の部屋へと目を向けた。

刹那 今だ意識を取り戻してないだろう彼に、彼女は言い知れぬ不安にかられる……

 

 

思春 「心配するな北郷。 奴らには一切手出しはさせん。

    だから早く目覚めてくれ……蓮華様の為、そして……[しーたん]の為……にも」

 

 

 

……なんと、以外な事に種馬の力は妄想を現実に変えるのであった。

 

 

 

 

 

 

※ここでED曲「やらないか?」をお聴き下さい

 

 

 


 
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