燃え上がる炎の中で五才くらいの一人の少年は元は人間であり少年の両親であった存在に涙を流していた。
少年の泣き声には悲しみ、怒り、恨み、憎しみなど様々な感情が混ざっており泣き声というより叫び声に近かった。
すると少年の目の前に黒に赤のラインがかかった服を着た少年と同い年の少年が二枚の大きな黒い翼を広げながら空から降りてきた。
「あれ?まだ生き残りがいたんだ・・・」
「君が・・・君が僕の父さんや母さんを殺したの?」
少年は自分の両親を殺したであろう少年に問いかけた。
「うん、それに君の両親だけじゃなくてここにいた全て人達もぜ~んぶ僕が殺したんだよ♪」
悪びれた様子もなくむしろ楽しそうに黒い少年は言った。
「だから、君も殺してあ・げ・る♪」
「ひっ・・・!」
少年は逃げようとしたが体恐怖で動かせずにいた。
さっきまでの感情は消え去り代わりに恐怖が心を支配した。
「天国でお父さんやお母さんとお幸せに。・・・ブレイル・・・」
手を少年に向け黒い少年が何かを呟くと黒い光弾が少年の小さな体を貫いた。
「っ・・・!」
痛みに叫ぶこともできず少年は倒れ伏した。
黒い少年の足下に黒色で円形の模様が広がるとその場から消えた。
朦朧とする意識の中少年は無力な自分を責めていた。
「う、ぐっ!ぼ、僕にっ僕に力が、あれ、ばっ!」
「なら、俺たちがお前の願いを叶えてやる」
「アルテマよ、我らが主に失礼だぞ・・・」
声のする方を見るとそこには背中に4対の赤い翼を持っている黒い獣と騎士のような男が立っていた。
これは少年の悲しい過去・・・
”家族”という大切な物を失った悲しい過去・・・
あの日少年は”力”が欲しいと願った・・・
そして、少年は手に入れた・・・
全てを滅ぼす破壊神の”力”と・・・
全てを守る時の”力”を・・・
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リリカルなのは無印編の二次創作です。