「なあ、さとりは私のどこが好きだ?」
勇儀が問う。
「それは、あなたが私を心の底から好きでいてくれるところですよ。」
「そりゃあ、好きだって気持ちにウソはつけないもんな!!」
だって、隠せてしまうぐらいなら、本当の気持ちじゃないもの。
「いままでウソをついていた人を、私は何百人も見てきましたけどね。お金目当てとか、体目当て
とか・・・」
さとりはなぜか悲しそうな顔をしている。きっと今までのつらい日々を思い出してしまったのだろう。
「気を遣わなくていいですよ。」
「ごめん・・・」
「かまいませんよ、私はそんな人たちなんかより何倍も幸せですもの。」
「?!・・・どういうことだい?」
「鈍感なんですね。うふふ。そんな貴女が好きだと言っているのです。」
真っ赤になる勇儀。
「気持ちにウソはつけない。ですか。顔が真っ赤ですよ。」
「あ、あのさ、さとり、じゃあ、本当に好きなら・・・」
「解かってます。何も言わないで。さあ。」
そうして彼女は―
そっとキスをした。
「もっと真っ赤になってるじゃありませんか。うふふ。」
「初めてだったから・・・」
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さとり×勇儀で百合です。 嘘を付けない鬼と心を読む妖怪の話。