No.156137 魔術士オーフェン異世界編⑭~騒乱の序章~三好八人衆さん 2010-07-08 09:46:20 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:3746 閲覧ユーザー数:3444 |
「ごめんね、キリランシェロ君。久しぶりの休日なのに・・・」
「いいんですよ、ギンガさん。どうせ僕も暇でしたし」
機動六課が休日のこの日、キリランシェロはスバルの姉であるギンガとともにいた。年頃の少年少女が2人きりでいる・・・イコール『デート』?と感じられがちだが残念ながらそんな色気のあるものではなかった。2人がいるのは市街の地下トンネル。
トラック事故の残骸の中に、破壊されたガジェットと何かを運んでいた生体ポッドが発見された為、ギンガが呼ばれ、暇だったキリランシェロも派遣されたのだ。
「うぬ・・・解せんな」
彼は納得いかない様子で呟いた。何もかもが納得いかない。
「まず、ここはどこかというのが謎だな。まぁ、この天才にかかればすぐにでも解明できるのだろうが」
彼は10代後半で、服装は黒色のローブ。男なのになぜか後ろの髪を2つお下げにしている。さらに少年は歩みを進めながら半眼でぼやいている。
「一番の謎はこの小娘だな。何ゆえこの天才はこの小娘を背負って地下水路・・・なのだろうな、を歩かねばならんのだ?」
少年の背には確かに少女が背負われていた。彼自身、なぜこの少女を背負っているのかもわからない。廊下を歩いていて気が付いたらこの地下水路歩いており、気が付いたら少女―――幼女というくらい幼い―――を背負っていたのだ。宝石が入ったケースを腕に縛りつけられた少女を。
この宝石こそ、渦中の『レリック』なのだがそれを彼が知る事はまだない。
「・・・この天才コミクロン様がよくわからん危機に陥っているというのに王都は何をしている!?なぜ騎士団を出動させない!?我が宿敵が行方不明になったせいであれの横暴な姉どもが連日暴れ回っているし!最近の俺は不幸だぞ!?ついでに助手もいないし!」
少年―――キエサルヒマ大陸の黒魔術士養成の最高峰『牙の塔』チャイルドマン教室に所属する黒魔術士コミクロンは最近の不満をぶちまけた。
・・・彼が市街地を散策していたエリオとキャロに発見され、緊急事態が発令される少しの事だった。
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長らくお待たせして申し訳ないです!アニメホームページを見ながら作品を作っている者です。
今回は『オーフェン』シリーズでも薄幸な彼が転生されてきます。