No.151441

真・恋姫†無双~外史を渡る者~「帰還編Ⅱ」

凪、真桜、沙和と合流した一刀

しかし、再会もつかの間
魏軍が立てこもる城に偽の一刀率いる五胡軍が襲来。

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2010-06-18 13:41:15 投稿 / 全30ページ    総閲覧数:4044   閲覧ユーザー数:3263

一刀が北郷隊と合流したその頃、隊舎で兵をまとめていた春蘭、秋蘭はある敵と対峙していた。

 

 

春「はぁっ!」

 

 

その敵は紫色の羽織りを着ていて狐の面を付けている妖術師風の格好をしている。

 

 

秋「もらった!」

 

 

?「ぬるい!」

 

 

春蘭が敵を追いつめ、秋蘭が三本の矢を同時に放つが体を回転させて羽織りを広げて矢を弾き飛ばす。

 

 

?「ほっほっほっ…

魏武の両者も対したことはないの」

 

 

春「くっ…貴様!」

 

 

秋「お主、妖術師か?」

 

 

二人と距離を離し、小馬鹿にしたような口ぶりでそう言う。

弓を引き、いつでも放てる体勢を維持する秋蘭は疑問を敵に訪ねる。

 

 

 

?「ほっほっほっ…妖術師か

今はそう呼ばせてやろう

しかし…曹操亡き後、私が覇王と呼ばれるであろう」

 

 

春「黙れ!真の覇王は我が主、曹孟徳だ!!」

 

 

春蘭は怒りに任せて剣を構えて距離を詰めるが春蘭が剣を振ると羽織りだけが残り消えてしまった。

 

 

?「ほっほっほっ…

ワシと遊んでいて良いのかな?

今頃、曹操はワシの部下が仕留めているぞ」

 

 

言葉だけが隊舎に響いていた。

 

 

秋「何者だ…奴は…」

 

 

敵の気配が消えと感じた秋蘭は引いていた弓をもとに戻す。

 

 

春「分からん…しかし、今は」

 

 

秋「あぁ…華琳様の所に向かおう」

 

 

二人は隊を副官に任せ、華琳のもとに向かう。

季「でぇりゃあー!!」

 

 

正面門の警備についていた許緒は鎖付き鉄球で敵を一掃する。彼女の真名は季衣。

 

 

流「やぁあー!!」

 

 

彼女の横で巨大なヨーヨー型の武器を振るうのは典韋。真名は流琉。

 

 

季「くっそー…

こいつらどこから入って来たんだよ!」

 

 

季衣は鉄球を近くに置き次の一撃に備える。

 

 

流「早く華琳様の所に行かなきゃ行けないのに…」

 

 

?「ほう、イキがいいのが居るではないか」

 

 

季「誰だっ!!」

 

 

敵の群れの中から赤い羽織り着た女性が二人の前に立ちふさがる。

 

 

流「誰ですか?あなた?」

 

 

?「武人に言葉は不要だ

参るがいい!!」

 

 

季「言わなくてもいってやるよ!

てりゃあっー!!」

季衣は鉄球を勢いよく投げつけるが、女性は羽織りから棍棒を取り出し片手で打ち返す。

 

 

季「そんな…ボクの鉄球を」

 

 

?「力は見事だが、私のほうが強い」

 

 

流「季衣、下がって!

はぁっ!」

 

 

流琉が季衣より一歩前に出て、ヨーヨー型の武器を投げつけるが、季衣同様に懐から別の棍棒を取り出し、もう片方の腕で打ち返されてしまう。

 

 

?「こちらもなかなかだな…」

 

 

流「そんな…」

 

 

季「流琉のまで打ち返されちゃった…

あんた何者だよ!」

 

 

徐「我が名は徐晃!

我が破砕棍に砕けぬ物なし!!」

 

徐晃は両手に持った棍棒を天高らかに上げ、名乗りを上げた。

 

 

徐「ふふ、今日は主らとは手合わせだ

私は退かせてもらうよ」

 

 

季「逃がさないよ!」

 

 

季衣は鉄球を振り回し、徐晃に放つが徐晃は春蘭、秋蘭が撃退した妖術師同様に羽織りだけ残し、消えてしまった。

 

 

徐「ふふ、あんた方の大将さんが生きてたらまた会おう…」

 

 

妖術師同様、その言葉だけが響いていた。

 

 

流「大将…季衣!華琳様が危ない!!」

 

 

季「うん、急ごう流琉!

お前らどけー!!」

 

 

季衣は鉄球を振り回し、五胡の兵をなぎ払って道を開き華琳のもとに向かった。

華「この曹孟徳をなめるなっ!」

 

 

霞「なめるなやっ!!」

 

 

霞と華琳は一番近いところにいたので華琳と共に敵を払っていた。

近くの兵は五胡の突然の襲撃に慌て、散乱してしまう。

 

 

しかし、さすがは歴戦の将、曹操と張遼

突然の襲撃にも動じずに数人の兵を引き連れ戦う。

 

 

霞「神速と謳われたウチの武をなめるんやない!!」

 

 

華「霞、油断するな!」

 

 

霞「分かっとるわ!

せやけど…この張文遠を抜ける敵はそういないで!!」

 

 

?「なら、俺が相手をしよう」

 

 

ガキンッ!!

 

 

突然敵の群れからひとりの青年が霞に切りかかった。

 

 

霞「つぅ…お前は…!」

 

 

北「霞、腕が鈍ったかい?」

 

 

鍔づり合うさなか、霞は相手の剣を弾き距離を取る。

 

 

霞「嘘やろ…」

 

 

かつて肩を並べた仲間。

華琳はその顔を見て構えていた腕を下げる。

 

 

華「一刀…」

北「久しぶりだね、二人共」

 

 

そこにいる一刀は昔のように屈託なく笑う。

 

 

霞「ちょいまち!なんで一刀がそっちにおんねん!?」

 

 

北「そんなの決まってるだろ霞、俺が…五胡の将だからだよ!」

 

 

一刀は霞の作った距離を一気に縮めて切りかかってくる

霞は一刀の剣を自前の槍で受ける。

 

 

霞「一刀、ほんまに言ってるんか!」

 

 

北「当然だろ」

 

 

霞「だったらあんたは仲間やない!曹魏の敵や!

みんなには悪いがうちがここで蹴りつけたるわっ!!」

 

 

霞は剣を弾き飛ばし一撃を放つ

一刀はこれをなんなく受け止めるが、霞の力でバランスを崩してしまう。

霞はここぞとばかりに追撃を放つが刃先を一刀の前で寸止めしてしまう。

 

 

口では敵と言ったが、霞も共にあの乱世を駆け抜けた一刀を斬ることは出来なかった。

しかし、その隙を付いて一刀は霞の足を斬りつける。

霞「ぐっ!?」

 

 

霞はバランスを崩して、片膝を付いてしまう。

その隙に一刀は立ち上がり霞の槍を足で踏みつけ、封じる。

 

 

華「霞!」

 

 

霞が切りつけられた事で華琳は気を戻す。

 

 

北「霞、戦いのさなか隙を見せちゃいけないだろ?」

 

 

霞「くぅ…」

 

 

北「じゃあね、霞」

 

 

一刀は剣を高く上げ霞に切りかかる。

 

 

春「北郷!!」

 

 

北「っ!?」

 

 

霞の前に春蘭が立ちふさがり、一刀の一撃を止める。

 

 

春「霞、無事か?」

 

 

霞「惇ちゃん…」

 

 

北「邪魔するなよ春蘭…」

 

 

春「黙れ北郷!

今の貴様に真名で呼ばれる筋合いはない!!」

 

 

北「じゃあ、お前から倒してやるよ…!」

 

 

秋「姉者、霞を連れて下がれ!!」

 

 

後ろに控えていた秋蘭が一刀に矢を放ち、気を逸らせる。

一刀の剣が下がって隙に春蘭は霞を連れて華琳の所に下がる。

 

 

北「ちっ…秋蘭か…」

 

 

秋「うむ…北郷、悪いが我ら姉妹でお前の横暴を止める」

 

 

北「やれやれ…俺のほうが分が悪いか…仕方ない」

 

一刀は指をパチンッと鳴らすと先ほど華琳と霞が倒した五胡の兵が立ち上がる。

秋「妖術か…!」

 

 

秋蘭は弓を素早く構えて連続で弓を放つ

しかし、蘇った兵は体に弓が刺さっても向かってきた。

 

 

春「魏武の大剣をなめるなっ!!」

 

 

春蘭も剣を振るい、敵を砕くがなんど倒してもなんど斬っても立ち上がり迫って来る。

 

 

華「春蘭、秋蘭…」

 

 

華琳はその戦いの最中でも一刀の姿を追っていった。

かつてこれほどまでに愛おしく、大切に思っていた存在が自分に牙を向いている。

しかし、華琳は戦う意志をみい出せずにいた。

 

その一刀も抜いた剣を持ち、華琳に一歩、また一歩と近づいて来る。

 

 

北「華琳…」

 

 

華「来るな!

その顔で…私の真名を呼ばないで!!」

 

 

再び武器を構える華琳だが手先は微かに震えていた。

 

 

華(斬れるの…私に?

一刀を斬る事が出来るの…?)

 

 

華琳の体は手先からの震えが体に振動し、全体が震えだした。

季「てぇいっ!!」

 

 

正面門から下がって来た季衣、流琉も華琳のもとに到着し、邪魔な敵を粉砕する。

 

 

流「秋蘭様!」

 

 

秋「おぉ、流琉か…助かる!

至急、華琳様を連れてこの場から離れろ!」

 

 

流「はい!

え…あれは兄様…?」

 

 

季「兄ちゃん…」

 

 

霞「二人共!あかんであれは一刀やない…

魏の敵、北郷一刀や!

それを頭によう叩き込んで闘いや!」

 

 

霞は片膝をつぎながらも器用に槍を振るっていた。

その姿に季衣と流琉は覚悟を決めて敵を払いながら華琳のもとに向かう。

 

 

華「一刀…武器を捨てなさい」

 

 

北「その台詞は華琳に返すよ」

 

 

華琳は後ろに下がりながら一刀との距離を保つ

そうしているうちに一刀と華琳は部屋から出てしまい執務室の広い壁のない現代で言うベランダのような場所に出てしまった

弓兵などがいたら格好の餌食である。

北「さぁ…終わりにしようか」

 

 

一刀は一気に間合いを詰め、華琳に切りかかる

これをなんとか防ぎきるが本来の力を発揮できない華琳は防戦一方である。

 

 

「「華琳様!!」」

 

 

季衣、流琉が執務室を抜け華琳の援護に入ろうとした時

二人の前にいきなり、先ほどの徐晃が現れた

赤い羽織りを捨てた徐晃の全体は赤い鎧を全身に身に纏い、腰には棍棒をくくりつけている。

 

 

徐「ふふ、ここからは行かせないよ」

 

 

季「邪魔すんな!!」

 

 

流「やぁっ!!」

 

 

二人は驚きながらも素早く構えて同時に武器を放つが、先ほど同様に打ち返されてしまう。

 

 

 

ガキンッ!!

 

 

そうしているうちに華琳は一刀から攻撃で絶を弾き飛ばされてしまう。

 

 

 

華「くっ…」

 

 

北「さぁ…終わりだよ!」

 

 

 

 

華(その時、私は死ぬと思った

武器を失い迫る一刀の剣…

ゆっくり見えた。

 

だけど、私は突然現れた黒い風に包みこまれた

斬撃音が鳴り響き、目を開けるとそこにはあの男がいた。)

 

 

 

 

 

 

 

 

?「…待たせたな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華「一、刀…」

一刀達、四人は敵を払いながら

華琳のいる執務室に向かっていた。

 

先頭を走る真桜だけが軍議に出席した唯一、執務室の場所を知っている。

 

 

北「真桜!まだ執務室には着かないのか?」

 

 

真「隊長、ちょっと待ちな!

えぇと…確かこっちで…あれがあっちで…」

 

 

凪「真桜…まさかと思うが迷ったんじゃないだろうな?」

 

 

北「いくら真桜だってそんなにバカじゃないさ

いくらなんでもこの非常時に迷ったりは…」

 

 

真「うちら迷ってもうた…」

 

 

北「嘘だろー!?

ちょ、おま!真桜ー!!」

 

 

真「いやー

二階にあったんわ、覚えとるんやけど敵の襲撃やなんかで道が崩れてもうて分からんなってしもうた」

 

 

沙「真桜ちゃんのおっちょこちょーい」

 

 

凪「どうします、隊長?」

 

 

北「とにかく他の階段から二階に向かおう

先ずそれからだ」

なんとか階段を見つけて二階に到着した四人は材木置き場に付いた。

 

そのベランダに出て周囲を確認していると華琳がはるか向かい側のベランダに居るのが分かる。

 

向かいのベランダと言っても、砦の外周は四角になっていて一刀と華琳との距離は砦の内側を挟んでの距離である。

 

凪「隊長、あそこに!!」

 

 

北「華琳!!」

 

 

凪の指さす方向に華琳がいた

叫んでみるが砦に響く怒号に一刀の声はかき消されてしまう。

 

 

北「ちくしょう…何か方法はないのか!?

外周を回っていたら時間がかかってしまう」

 

 

辺りを確認してみると材木置き場のその部屋には真桜が開発した、分銅が外れた投石機の小型版が置いてあった。

 

 

北「凪、真桜

それをこっちに持って来い!

沙和は外周を回って執務室に行け!」

 

 

沙「了解なの!」

 

 

真「隊長、こいつをどないする気や?」

 

 

北「こいつで俺を飛ばせ!」

真「ちょ!何言うてんの!?」

 

 

北「外周を回ってたら時間がかかるし道があるか分からない

だからこいつで俺が華琳の所まで飛ぶ」

 

 

凪「無茶です隊長!

分銅もないこの投石機では隊長を飛ばせません!」

 

 

北「分銅なんていらない

凪、お前の一撃で俺を飛ばせ」

 

 

真「無茶やで隊長!

力がありすぎれば大将の頭上を通りすぎてまうし、力が足りなければ大将に届く前にお陀仏やで!」

 

 

北「いいから真桜はセット…準備しろ!

凪、お前なら出来る…お前を信じろ」

 

 

一刀は凪の拳を両手で包み込み、そう言う。

 

凪「…分かりました

隊長、自分に任せて下さい!」

 

 

北「あぁ!」

 

 

一刀は石を乗せる場所に座り、凪は反対側に立つ。

凪「行きますよ!」

 

 

北「やれ!」

 

 

凪「はあぁぁぁぁ…

はぁっ!!」

 

 

ガタンッ!!

 

 

凪の拳の一撃で一刀は綺麗な放物線を描きながら飛んだ。

落下位置を見ても成功した。

 

一刀は着地を失敗し体制を倒してしまうが、体を回転させその勢いを生かして華琳のもとに走る

剣を向けられている彼女の前に立ち、偽者からの一撃を止めた。

華琳は一刀の後でびっくりした顔をしている

一刀はなんて言っていいか分からずとりあえずこう言った。

 

 

北「…待たせたな」

 

 

すると華琳は一刀の背中に顔をうずめた。

 

 

華「一刀!」

 

 

 

久しぶりの彼女声。

 

 

 

一番聞きたかった声。

 

 

 

一番感じたかった温もり。

 

 

それが全て一刀の背中に広がっていた。

 

 

徐「バカな…なぜ奴がここにいる!?」

 

 

北「なるほど、これが凪達の言ってた偽者の俺か…

ちょうどいい…仲間の借りを返させて貰うぜ」

本者の一刀は偽者を弾き飛ばし距離をとる。

そして、羽織りを脱いで華琳にそっと着せてやる。

 

 

華「一刀…」

 

 

北「ちょっと待ってろ」

 

 

そう言って、前を向いて偽物の一刀を睨みつける

よく見ると本当にそっくりだ

一刀は青銅の刀を構え、刀を峰を向ける。

 

 

北「いくぞっ!」

 

 

間合いを一気につめて切りかかる

相手は防戦一方だ。

 

 

徐「ちっ…張魯の効果がおかしくなっているか…」

 

 

徐晃は二人の戦いを見ながらそう呟く。

 

 

季「よそ見すんなっ!!」

 

 

徐「おっと!」

 

 

季衣は隙を付いて鉄球を投げつけるが徐晃は受け止める。

 

 

北「はぁっ!」

 

 

「…」

 

 

一方、一刀は偽者と対峙している

偽者の方は体中から煙を放つ、それと同時に動きが鈍くなっていく。

 

 

北「はぁっ!」

 

 

「…」

 

 

偽者は喋らずにただ黙って剣撃を受けていた。

 

 

北「これで終わりだ!!」

一刀は体を低くし、素早く間合いを詰め峰打ちで銅を放つ、偽者の一刀はただそれを受け、呆然と立っているだけである。

一気に刀を振り払うと偽者の一刀はそのまま倒れてしまう

すると黒い煙を放ち、その正体を表した。

 

魏軍の鎧を身に纏った兵士が煙の中から現れたのだった。

 

 

徐「ちぃ…張魯の術もここまでか…」

 

 

徐晃はそう言って季衣と流琉を振り払い城壁に立つ。

 

 

徐「魔王、北郷一刀!

この場は退いてやろう…

しかし、貴様は必ず倒す!

全ては我が主の意志のもとに!!」

 

 

そう言って徐晃は煙を放ち煙と共に消えた。

すると同時に屍となって春蘭達と戦っていた五胡の兵士は倒れてしまった。

 

 

北「魔王…なんの事だ?」

 

 

一刀は刀を鞘に納めて徐晃が消える際に言った言葉を思い出していた。

 

 

華「一刀…?」

 

 

すると後ろから一刀がかけた黒い羽織をグッと握りしめた華琳が一刀のもとに歩みよって来た。

 

 

華「本当に一刀なの?

ッ!?」

 

 

一刀は何も言わずに華琳を抱きしめた

華琳も言葉なんていらないと知り、そっと一刀を抱きしめた。

 

 

春「華琳さ…ま?

なぁっ!?」

 

 

ベランダまで走ってきた春蘭達は絶句した

さっきまで戦っていた人物と華琳が抱き合っている。

 

 

霞「うわ~大胆なやっちゃな~」

 

秋蘭に肩を借りながらも歩いてきた霞はそう言うが隣の秋蘭も内心穏やかではなかった。

 

 

秋「う、うむ…」

 

 

春「き、貴様ー!!

華琳様から離れろー!!」

 

 

ついにキレた春蘭は剣を振るいながら二人の間に入っていった。

 

北「わっ!?

バカ!剣を振り回すな!!」

 

 

華「まったく…感動の再会が台無しだわ…」

 

 

そこが戦場と言うのも忘れるぐらい賑やかだった。

 

~勝利の美酒~

 

その後

雪蓮率いる、呉の援軍が砦を囲み五胡の兵士達を根絶やしにした。

魏の誇る軍師たちがスムーズに事が運ぶようにしてお陰で事態は早期解決した。

一刀達は雪蓮が砦の外に作った天幕に向かった。

 

ちなみに一刀と華琳に風だ。

他は砦で事後処理をしている。

 

 

風「それにしても

お兄さん、いつ帰ってきたんですか?」

 

 

北「今日の昼間

いきなり帰って来た」

 

 

風「いきなりですかー」

 

 

華「風、一刀には私が後でたっぷりと拷問してやるからほっときなさい」

 

 

北「あのー華琳様?

聞き間違えじゃなければ今もの凄く聞いちゃいけない単語を聞いた気がするんですが…?」

 

 

風「わかりましたー」

 

 

北「って!

こっちは勝手に納得してるし!!」

 

 

そんな事を話ながら一刀達は雪蓮の天幕に入った。

華「雪蓮、今日は援軍感謝するわ」

 

 

天幕に入ると雪蓮と周喩が椅子に座っていた。

 

 

雪「あぁ、華琳…一刀も無事だったのね」

 

 

北「まぁな、雪蓮も援軍助かったぜ」

 

 

華「…!

一刀、あなたいつの間に雪蓮の真名を呼ぶようになったのかしら?」

 

 

北(あれ?

何だろう?

この華琳から発せられるとげとげしいオーラは腕がひしひし痛いんですけど…)

 

 

風「さすがお兄さんですー

呉の小覇王にまで手を着けましたかー」

 

 

華「……」

 

 

北「ちょっと!風さん!

今余計なこと言っちゃめー!

 

 

ほら、華琳から発せられるオーラがさらにとげとげしいよー!」

 

 

雪「へぇ~

一刀って魏じゃそんなにいろいろ手を出してんだ」

 

 

北「雪蓮さん、余計な事言わないでー!」

事後処理を終えた一刀達は今晩は呉の建業に身を寄せることにした。

 

城にて宴をして建業での夜は賑やかだった。

一刀は宴には出ず、城の囲みの物見に登り高いところから星と荒野しかない果てしなく続く大地を見つめていた。

 

 

北「ふぅ…帰って来たんだよな」

 

 

あれから華琳は何も言わずに兵に指示を出していたので一刀との会話はまるっきりない。

 

 

北(仕方ないか、彼女は今や三国のある意味で王だ

俺に付き合ってる暇なんてないか…

それはそれで寂しいな…)

 

 

真「お!おったで~」

 

 

と、そこに大徳利を持った真桜とつまみを持った沙和、お猪口を持った凪がやって来た。

 

沙「隊長発見なのー!!」

 

 

凪「隊長、私達と酒でもいかがですか?」

 

 

北「お、いいな!」

 

 

三人はその場に座り込み、沙和の持ってきたつまみの品を並べ、酒をついだお猪口を持って高らかに掲げた。

 

 

真「でわぁ

隊長の帰還と今夜の戦の勝利を祝して、乾杯や!!」

北「久しぶりのこっちの酒はやはり旨いな」

 

 

大学の仲間の付き合いで酒は飲み慣れている

しかし、本場の老酒などは美味いな。

 

ちなみに、お酒は二十歳になってからな(^o^)v

 

 

凪「隊長、こちらの料理は私が作りました」

 

 

沙「こっちは沙和が作ったのー」

 

 

真「うちはつまみ食い担当や」

 

 

北「真桜、お前は食うな!」

 

 

真「ちょ!隊長いけず言わんといてな~」

 

 

沙「真桜ちゃん、作るたびにちょこちょこ食べるから料理に集中出来なかったの~」

 

 

真「沙和の料理は旨いからな~」

 

 

凪「なら、私の料理は不味いのか…」

 

 

北「そんな事はないぞ凪、凪の作ったこの料理はうまいぞ」

 

 

凪「隊長…///」

 

 

真「うわ~

さすが隊長や、凪の顔が真っ赤や…」

 

 

凪「う、うるさい!!」

北(久しぶりだ。

いつも大学の友人と居てもどこか、心に穴が空いたように何かが足りなかった。

 

 

しかし、今は心のそこから笑える気がする)

 

 

華「あら?

お邪魔だったかしら?」

 

 

我らが覇王の登場だ。

 

 

真「大将、お疲れさまです~」

 

 

北「雪蓮との軍議は終わったのか?」

 

 

華「えぇ、軍議と言ってもただの飲み会よ

一刀、横いいかしら?」

 

 

北「おぅ」

 

 

別に断る理由もない。

華琳は一刀の横に座ると、真桜と沙和それに凪の三人は互いに顔を見て小さく頷いていた。

 

沙「いっけなーい!

沙和ってば、秋蘭様に呼ばれてたのー!!!」

 

 

真「それはあかんで、沙和

だったら行こう!今すぐに行こう!!」

 

 

凪「あぁ…私もついていくぞ」

 

 

北「なら、俺も…」

 

 

「「「隊長はここに居て!!!」」」

 

 

三人は息をピッタリと合わせて一刀に言った。

三人はさっさと居なくなり、その場には一刀と華琳だけになった。

 

 

北「なんなんだ、あの三人は…?」

 

 

華「…バカ」

 

 

北「ん?」

 

 

華「いいからさっさと注ぎなさい!

この私の杯を空にするなんて10年早いわよ!」

 

 

北「へぃへぃ…」

 

 

一刀は言われるままに華琳の杯に酒を注いだ

一刀もその流れで自分の杯に酒を注いだ。

 

 

華「乾杯…」

 

 

北「あぁ…乾杯」

 

 

軽く杯をあて、注いだ酒を飲み干した。

 

 

華「ねぇ、一刀…」

 

 

北「なんだ?」

 

 

華「あなた、私に言う事無いの?」

 

 

北「?」

 

 

華「…勝手に消えて、勝手に帰って来て言う事は無いのかと聞いているよ!」

 

 

北(華琳さん?

どうしてあなたはそんなに怒ってらっしゃるのですかな?)

 

 

華「あきれたわね…

この大陸の覇王、曹孟徳を数年間待たせて言う言葉はないの!!」

 

 

北「ははーん

華琳さん読めましたよ~

つまり、あなたは…」

北「寂しかったのか?」

 

 

華「死にたいようね…」

 

 

北「ごめんなさい、ごめんなさい!

そんな殺意丸出しの目を向けないで下さい」

 

 

ちょっとは

 

 

「バ、バカ言わないでよ!?

あなたなんか居なくても全然寂しくなかったんだからね!」

 

的なツンデレ用語を期待していた一刀だった。

 

 

華「それで?

分かったかしら」

 

 

北「…ただいま?」

 

 

華「やっぱり、首をはねましょうか?」

 

 

北「ちょっと、待ってくれ!」

 

 

華琳と向き合い、真っ直ぐな瞳で彼女を見つめる。

 

 

北「…お、お前が居なくて、すごく寂しかった

俺は華琳が大ちゅきです!」

 

 

華「…」

 

 

北(やべぇ!

勢いあまって噛んじまった!!

うわぁ~

華琳が無言だよー)

 

 

華琳は何も言わず、立ち上がり一刀の前に仁王立ちする。

北「あのー…

華琳さん?大丈夫ですか?

…っ!」

 

 

一刀が喋ってるにも関わらず、いきなり胸ぐらを掴み顔を近づけた。

 

 

華「いい、一刀?

あなたは私の物なのよ!

…今度、勝手に消えたら私が全軍を率いてあなたの国に攻め行って、あなたの首をはねてやるから覚えときなさい!!

 

…ちゅ…」

 

 

そう勢いよく啖呵をきった華琳は最後に唇を重ねてきた。

 

 

完全に不意をつかれた一刀は唇が離れた後、頭が呆けていた。

 

 

 

 

桂「か、華琳様があんな獣と唇を重ねるなんて!?」

 

 

 

風「桂花ちゃん静かにしないと二人にバレてしまいます」

 

 

稟「かかかかかかか、華琳様と一刀殿が…ブゥー!!」

 

 

春「華琳様…私にもあんな風にしてくれないかな…」

 

 

季「春蘭様がおかしくなちゃったよ…」

 

 

流「季衣、一軍の将も所詮は女よ」

 

 

秋「うむ…流琉の言う通りだ」

 

 

 

真「大将も大胆でっせ」

 

 

霞「せやな~

一刀は呆けとるけどな~」

 

 

沙「隊長と華琳様、大体なの~」

 

 

凪「うぅ~隊長~」

 

 

などと物陰で隠れて見てるみんなに二人は気づかなかった。

その後

華琳は再び、一刀の横に座り二人で酒を飲んだ。

 

 

地において二人の手が重なり、どちらからと言うこともなく自然に手を繋いだ。

 

 

酒を片手に華琳は一刀が消えてからの事を話してくれた。

蜀の地には競馬場があるとか…

 

 

北(競馬って…)

 

 

呉と水軍の合同演習中にはしゃいだ春蘭が海に落ちたとか

 

 

北(あいつは相変わらずだな…)

 

 

そんな会話をしながら二人は酒を飲んだ。

 

 

華「一刀は?

天の世界で、どんなことしてたの?」

 

 

北「俺か?俺はな…」

 

 

そこからは一刀の話。

 

 

もとの世界に帰ってから、剣術に力を入れたりとか言う話をした。

こちらの世界で国の治安の案件や経済的な分野に軽く触れたおかげで学校の授業はスムーズになった。

 

 

北「―って感じかな?」

 

 

華「…ぅん…」

 

 

北「華琳?」

 

 

一刀がそう言うと、華琳は頭を一刀の肩に預け、寝てしまった。

北(まったく、起きてるときは大陸の覇王も寝てしまえば可愛いもんだ)

 

一刀は華琳を起こさないように、最善の注意を払いジャケットを脱いだ

注意を払っても、華琳の頭は一刀の肩の上。

起こさないようにガラス細工かそれに準ずる触れたら壊れてしまいそうな物を連想しつつ、ジャケットを脱いで華琳に羽織らせた。

 

 

華「…うぅん…一刀…」

 

 

北「なんだよ?」

 

 

俺はすやすや眠る華琳の寝顔を肴に酒を飲んだ。

 

 

華「…一刀…」

 

 

北「だから何だよ?」

 

 

華「…どっか…行ったら…殺すわよ…」

 

 

北(寝言だよね?

なんかサラッと危険な単語、口走ってませんか華琳さん?

しかし、それだけ華琳には心配かけたって事)

 

 

北「俺はどこにも行かないよ

華琳のそばに居るからな」

 

 

華「…ふん…それで…いいのよ…」

 

 

 

北「だから寝言ですよね!?」

結局、秋蘭に呼ばれたと出て行った三人は帰って来ず

俺は爆睡する華琳を背中にしょい込み、杯やらつまみの乗ってた皿を持って給仕の部屋に行き片付けた。

 

仕方なく、一番リスクの少ない一刀の部屋へ

 

雪蓮から借り受けた部屋に行き、華琳をベットの上にそっと寝かせた。

一刀は腰に差していた刀を壁に置き、装備した鎧を外し刀のそばに置いた。

 

そのまま、酔った頭を冷やすために外に出ると雪蓮が歩いてきた。

 

 

雪「あら?

華琳と一緒じゃないの?」

 

 

北「華琳なら俺の部屋に居るぞ」

 

 

雪「あら~?もしかして?」

 

 

北「言っとくが、雪蓮が考えてるようなロマンスはないぞ」

 

 

雪「ぶーぶー!つまんないのー

 

で、華琳はどうだったの?」

 

 

北「なにがだ?」

 

 

雪「一緒に居たんでしょ?」

 

 

北「まぁな、あいつも疲れてるならさっさと休めば良かったんだよな」

 

 

雪「はぁ…分かってないなー」

雪「あなた、華琳とあったの数年ぶりなんでしょ?」

 

 

北「あぁ…」

 

 

雪「そりゃ、疲れててもあなたと一緒にいたいものよ」

 

 

北「…」

 

 

雪「あなたはまたこの世界から天界に帰ってしまうかもしれない、それも急に…なんて思ったら華琳だって無理して一緒に居たいものよ」

 

 

確かに…現実世界に帰ってから、こちらの世界に何度も帰りたいと一刀も思った。

 

 

華琳にしても同じである。

 

 

北「そうだな、雪蓮…」

 

 

雪「分かればよろしい!

もぅ、華琳を離しちゃダメよ」

 

 

北「あぁ…そうだな

ありがとう、雪蓮」

 

 

雪「じゃあね、私も寝るわ

あなたも早く休みなさい、明日は洛陽に帰るんだから」

 

 

魏は今、洛陽に国を置いているらしい。

 

それより問題は…

 

北「雪蓮、代わりの部屋ないか?俺のベットには華琳が寝てるしさ」

 

 

雪「ふふっん~

残念ながら、部屋には空きが無いのよね~

あなたは華琳と一緒に寝なさい」

 

北(くそ…

江東の小覇王、確信犯か…)

 

仕方なく部屋に戻り、ベットで眠る大陸の覇王はスヤスヤと寝ている。

一刀は部屋に設置された椅子に座りもう一つの椅子に足を投げ出した。

 

華(…一刀のバカ…)

 

と言う訳で一刀もようやく、睡眠につく。

 

瞼を閉じると今日の戦いが脳裏によぎる。

命のやり取りしたあの戦闘を…

思い出すと体が震えていた。

北「…」

 

 

そんなこんなで次の日の朝

 

寝にくい椅子のせいで浅い睡眠で一刀は目が覚めた

華琳はまだベットですやすや寝ている。

 

窓を見ると明るいが、まだ朝方ようだ。

 

 

北「いてて…寝違えたかな?」

 

 

椅子から立ち上がり、体をほぐすとパキパキといい感じに骨が鳴る。

一刀は刀を腰に差し、部屋を後にし庭に出た。

日本刀の質なんて一刀には分からんが、青銅?の刀を眺めてから、刀を正眼に構える。

 

 

北「すぅー…はぁー」

 

 

息を深く吸い、深く吐く。

 

 

北「ハァッ!!」

 

 

ブンッ!!

 

刀を上にあげてから、一気に振り下げる

足の動きも型通りに動かす。

 

そんな空気を斬るような事を続ける

それから刀を鞘に戻し、近くの木に刀を掛け置いておく。

 

そこからはもう一つ、拳や脚を使った武術の稽古を始める。

 

 

北「はぁっ!せいっ!」

 

 

拳の動きは小さく、脚は高く上げ上段蹴りの様に

そんな事をして軽く汗を流した。

 

一通り終え

部屋に戻ると華琳はいまだに寝ていた。

 

とりあえず、刀を壁に立てかける。

 

起こすべきか悩んだがまだ鍛錬を途中だ。

一刀はベットの横で腕立てを始めた。

 

 

北「1、2、3、4、5、6、7、8、9…」

 

 

いつからから始めた一連の鍛錬

元の世界に帰ってから、学校での剣道にも前以上に力を入れた。

一緒に戦ってきたあいつらの背中に追いつきたくて、みんなを忘れない様に始めた

毎日、続けたおかげで全日本3位になれた。

 

なればこそ、鍛錬は欠かさない。

 

 

北「51、52、53、54、55、56、57、58、59…」

 

 

ドン!

 

 

なにやら背中に重みが…

そう思い背中を確認すると…

 

 

華「どうしたの一刀?

さぁ、続けなさい」

 

 

華琳が背中に乗っていた。

 

 

華「あなた、私が寝ている間に雪蓮と話したり背中に背負って子供扱いしたり随分いろいろしてくれたわね?」

 

 

北「お前!?

起きてたのか!!」

 

 

華「当然でしょ?

前にも言ったけど、暗殺者とかがでるからそんなに深い眠りはしないと…忘れたの?

さぁ、続けなさい」

 

 

北「くそ…」

 

 

やむなく一刀は腕立てを開始する

華琳が乗っている分上下する動きは遅い。

 

 

北「ぐ…ぐぐ…」

 

 

華「そんなにうめき声をあげないと私は上がらないの!?」

 

 

北「すまん…つい…」

 

 

華「ふんっ…なら続けなさい」

 

 

北(これに終わりはあるのか!?)

 

と思いながらも一刀は腕立てを続けた。

 

コンコン…

 

 

北「どう…ぞ…」

 

 

一刀の部屋に来訪者だ。

しかし、華琳が背中にいる以上動く訳にもいかず

とりあえず来訪者に呼び掛けるが…

 

コンコンコンコンコンコンコンコンコンコン…!!

 

このエンドレスリピートノックをする人物に一刀は覚えがあった。

 

 

華「…誰かしらね」

 

 

北「この無限ノックはあいつしかいない…

どうぞ!!」

 

 

一刀は大きな声を上げて来訪者を招き入れる。

 

 

春「北郷!

貴様、ドアぐらい開け…ろ?」

 

 

来訪者は春蘭だった

春蘭は一刀の背中の華琳を見て口をパクパクしている。

 

 

北「どぅ…した?」

 

 

華「何用かしら春蘭?」

 

 

春「ほほほほほほ、北郷!?

貴様、何して?!」

 

 

おそらく勘違いしてる。

真実

一刀は鍛錬中→華琳が勝手に乗っている→つまり、華琳がおかしい

 

勘違い

華琳が背中に乗っている→一刀が喜んでる→つまり、一刀変態。

北「あー…春蘭

とりあえず落ち着け」

 

春「貴様、そこになおれ!!」

 

その後、春蘭から逃げる為に立ち上がったが、華琳が背中に居たのを忘れてしまい振り落としてしまった。

 

華「きゃっ!?」

 

春「華琳様!!」

 

北「あ…」

 

華「かーずーとー…!」

 

北「ま、待て!落ち着け華琳!?」

 

華「春蘭!あの無礼者の首をはねなさい!!」

 

春「御意!」

 

春蘭は笑みを浮かべ、自前の刀を抜き追いかけてきた。

 

 

 

その後、春蘭に捕獲された一刀は華琳にここでは語れない羞恥プレイをされた。

 

 

 

 

 

 

 

そして今日は魏の国洛陽に帰る日

兵達と荷物をまとめ、建業を出る。

 

華「世話になったわね、雪蓮」

 

雪「いいのよ、それより一刀…

そんな格好で帰るの?」

 

そぅ、一刀は羞恥プレイの後首にロープをまかれ華琳がロープを握っている。

華「雪蓮、こいつは犬よ!」

 

北「気にしないでくれ…気にすると俺が哀れで泣きそうだ」

 

恥ずかしいなんてもんじゃない

すごい、哀れだった。

 

季「兄ちゃん、本当に犬みたいー」

 

季衣が愉快に言うが一刀は全然愉快じゃなかった。

 

華「さて、皆の者!

洛陽に向けて、出立だ!!」

 

そんなこんなで、華琳の号令の後、呉の小覇王に別れを告げ

魏の統治する洛陽へと向かった。

 

 

 

 

 

 

しかし、この時…

一刀の…いや、一刀たちの知らない所で物語の歯車は最悪の方向へ向かっていた。


 
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