No.151286

真・恋姫†無双~外史を渡る者~「帰還編」

真・恋姫†無双 〜乙女繚乱☆三国志演義〜の
魏ルートのその後

一刀が天に帰ってから数年後、大陸は再び戦乱の渦へ!?

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2010-06-17 19:42:27 投稿 / 全32ページ    総閲覧数:5164   閲覧ユーザー数:4301

 

~プロローグ~

 

 

 

 

「逝くの…?」

 

 

 

 

月が輝く晩

小川の音を聞きながら、彼女は音にかき消されてしまうかもしれない声で俺に言う。

 

 

 

だけど、俺の体はまるで足裏から地面に根付いてしまったかのように動かない。

 

 

 

しかし

 

 

―彼女を抱きしめたい。

 

 

 

―ずっと一緒に居たい。

 

 

 

 

だけど俺は彼女に微笑みかけるしか出来ない。

 

 

 

 

「逝かないで…」

 

 

 

 

彼女がまた呟く

 

周囲の音にかき消されてしまうのではないかと言う、悲しい声音で。

 

 

 

「恨んでやる」

 

 

 

少し不気味な台詞だが、俺は嬉しかった。

 

彼女が俺を恨むことで彼女は俺を忘れてくれない。

 

 

 

「さようなら、華琳」

 

 

 

俺の体は消えていく。

 

 

この世界で役割を終えた俺の末路はこの世界から消えることだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、俺は世界から消えた。

 

ジリリリッ!

 

 

 

部屋に響く目覚まし時計のけたたまし音で彼は目覚めた。

 

 

 

「うぅ~」

 

 

 

彼の名は北郷一刀。

 

彼はある日、三国志の世界に行ったという数奇な出来事があった。

 

その世界の英傑、有名な武将は全て女性で男性ではないと言う世界だった。

 

 

 

そんな世界で、右も左も分からない彼を拾ったのはかの陳留を収める刺史、後の魏を収める王、乱世の奸雄、曹操。

 

 

彼女は一刀を「天の御使い」として保護し、天の知識などを得る事になる。

 

 

こうして、一刀は魏軍としての乱世の戦いは始まった。

 

曹操、真名を華琳

 

 

真名とは真の意味たる名前

生き様や思いのこもった。誇りある名を示す。

 

 

華琳率いる魏軍は激しい戦いの末、蜀、呉の二大国を破り、天下統一を果たした。

しかし、華琳は蜀王劉備と呉王孫策と手を取り大陸の平和の為に尽くすのだった。

 

 

一刀は戦いの中で、正史とは異なる歴史を作ってしまい、その世界での役目を終え、元の世界に帰ることが出来た。

 

 

 

大切な仲間を彼は失った…

 

 

共に乱世を駆け抜けた戦友と呼べる仲間を…

 

 

一刀の無き後も華琳は蜀、呉に地を与え、共に大陸の安寧の為に尽くしたのだ。

 

 

その激戦の夜、一刀は華琳の前から姿を消した。

 

 

 

 

 

それから数年が発った。

 

一刀は大学生となり。

異世界とは違う、平和な世界で生活していた。

 

 

勉強をしながら大学でも剣道は続けている。

 

いや、剣道は彼女達を忘れない為の手段だった。

 

 

必死に剣を振るう。

 

 

それだけであの乱世を思い出す。

 

 

そして最愛の人の顔を…

一刀はあらかた支度を終え、今日も学校に向かう。

祖父から譲り受けた木刀が入った包みと鞄を持ち、大学に向かう。

 

この木刀はなにやら由緒ある木刀らしく、祖父から剣道で学生全日本大会で3位になった時に譲り受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

?「貂蝉、あれがお主の惚れた男か…なるほど確かにいい男じゃ」

 

 

 

?「でしょ?でしょ?…あれから時が経つのは早いわね~♪」

 

 

 

?「しかし…良いのか?」

 

 

 

?「ん?」

 

 

 

?「あやつをいくら外史の世界の為とは言え、またあの世界に行くのは…」

 

 

 

?「なぁ~に言ってんのよ♪

あの顔を見なさいな、まだあの娘達を忘れてない

し・る・し・よん♪

それに彼は必要な役目よん♪」

 

 

 

?「うむ…確かにな」

 

 

 

?「それに、あの物語の最後に納得のいかない者があの外史を変革させてしまう以上、彼にはやらなくてはならないよん♪」

 

 

 

?「確かに…

まぁ、ワシも危機を感じて色々仕込みをしたしの

あやつも、あの娘共に再会は喜ぶか…」

 

 

 

?「そうよ

その先に困難が会っても、彼と彼女達ならやってくれるは」

 

 

 

?「ならば行くか…貂蝉」

 

 

 

?「えぇ♪

あの世界を紡ぐための物語に」

 

 

 

怪しい二人の影に一刀は気づかぬまま、大学に向かって走っていた。

 

北「うぅぅ…」

 

 

 

登校の最中、眩い光に包まれた一刀は何故か気を失っていた。

 

 

目を覚ますとそこは荒れた荒野が広がっていた。

 

 

しかも、前に見たある景色…

 

 

そう、ここは紛れもない

かつて一刀が居た場所。

 

 

 

 

三国志の大陸。

 

 

 

北「はは、ははは…

 

笑えてきますよ…

 

散々、来たいとは思いましたよ…

思ったけどさ…

 

 

 

 

 

 

はぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうなってんだよーー!!!」

 

 

 

 

 

荒野のど真ん中(?)でとりあえず叫んでみる。

 

 

冷静になった所で自身を確認すると朝着た私服。

周囲を見れば、木刀が転がっていた。

 

 

一刀は木刀をベルトに挟み込むように差して状況整理をするために、辺りを見渡すと明らかに整備された道がある。

 

 

選択肢はない。

 

その道を沿って歩いて行く、数時間ほど歩くと街が見えた。

 

 

嬉しさのあまり、足は軽くなり

、走って街に向かった。

 

 

 

 

これが一刀の、一刀と彼女達の再び始まった乱世の始まり。

 

~建業の戦~

 

 

道に沿って歩いていくと街から聞こえる賑わいが一刀を出迎えてくれた。

 

白いジャケットを着ていたが砂にあてられ少々汚れてしまった。

 

 

 

北「買ったばかりなのに…」

 

 

 

砂埃を払い街に入った一刀は現在の街の位置を知るため、酒屋に入った。

 

 

 

北「すいませ~ん」

 

 

店の奥からお玉を装備した女店主が現れた。

 

 

「なんだぃ?注文かい?」

 

 

 

北「あ、すみませんが道を訪ねたいのですが?

ここはどこですか?」

 

 

 

「なんだいあんた?

武芸者の癖に街の場所も分からんのかい?」

 

 

 

武芸者

恐らくこの女店主は木刀を差してる一刀を見て判断したらしいな…

 

 

 

「ここは呉の国、建業だよ」

 

 

 

つまり孫家の国

 

孫策と一刀は最後の戦いの後、酒を飲み交わしたぐらいの面識があった。

 

一刀はその後、女店主から今の大陸の情勢を聞いた。

今の大陸情勢は魏が大陸を統べたあの戦以来

蜀、魏、呉の三勢力は均等を保ち大陸を統治していた。

 

しかし、勢力の均等と言っても戦をしているわけではなく

 

大陸を三国で統治しているらしい。

 

 

 

「何にせよ私ら庶人にはうれしいよ

大陸は平和で市は賑わうんだからね」

 

 

 

そう言った女店主の顔には満面の笑みが浮かんでいた。

この顔を見ると一刀も必死で戦った甲斐があると言うもの。

 

 

「まぁでも、最近じゃ五胡って言う蛮族が大陸に現れてまた戦乱が始まったけどね…」

 

 

「五胡」

五つの武族集団の総称の蛮族で面妖な仮面と独特な装備をした連中らしい。

今も三国で迎撃に当たっているらしいが、数が多く最近は統率力も高いらしく手をやいているらしい。

 

 

しかし、いきなり一刀は難症に乗り上げた

華琳に会うには魏の国に行くしかない。

女店主に別れを告げ、店に出ると一刀はいきなり建業の警兵隊に取り囲まれた。

 

 

 

「大人しく縛に付け!貴様を五天の尖兵として捕縛する!!」

 

 

 

弁解する暇もなく。

木刀没収→手枷装着→連行→牢屋

 

 

と言う、鮮やかな流れで一刀は呉の城の地下にある牢屋に放り込まれた。

 

 

 

北「はぁ…今更、天の御使いなんて誰も信じないか…」

 

 

 

しかし、事態は突如牢屋に響く声と足音によって変化した。

 

 

 

?「ちょっと、雪蓮

わざわざあなたが見に来る事なんてないじゃない」

 

 

 

?「いいじゃない

その子にも興味あるし、何より私の勘が大丈夫って告げてるのよ♪」

 

 

 

?「まったく、困った主ね」

 

 

 

壁に寄っかかり、静かにその声を聞いていた。

2つの声の主が一刀の牢の前で止まった。

 

そこには小覇王孫策と呉の知将周喩が立っていた。

一刀が呉の建業の入った同じ日

 

 

建業から少し離れた呉と魏の国境の土地で戦は始まっていた。

 

 

 

「進め!進め進め!!

蛮族に遅れは取るな!!」

 

 

 

戦場で先鋒を勤める手甲を装備した楽進は兵を奮い立たせていた。

 

敵は五胡と呼ばれる蛮族の一団。

 

 

 

「ほないくでぇ!」

 

 

 

楽進の左で妙な関西弁で話す李典も自前の螺旋槍を掲げて兵に指示を出していた。

 

 

 

「全軍突撃なの~!」

 

 

楽進の右でほんわかした喋り方をする干禁も双剣を持ち兵に指示を出していた。

 

 

この三人はかつて北郷隊として一刀の部下だった三人

一刀無き後も北郷隊と言う名前の下で戦っていた。

 

 

 

現状としては近くの砦に陣を立てた魏軍は兵数は勝っていた。

圧倒的な勝利かと思われたが事態は急変した。

 

 

 

「久しぶりだね三人共」

 

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

 

三人の前に五胡の軍勢を率いていたのかつて轡を並べ、乱世を駆け抜けた北郷隊の隊長

北郷一刀だった。

「隊長…」

 

 

楽進、李典、干禁の三人の前に馬にまたがり、聖フランチェスカの制服を着た一刀の姿があった。

 

 

 

「隊長なのー」

 

 

 

「ほんまに隊長でっか…」

 

 

 

「当たり前だろ?

俺の顔を見忘れたのか?」

 

 

 

「隊長…隊長…」

 

 

 

楽進は敬愛していた一刀の姿を見て放心状態でフラフラと近づく。

 

華琳同様に楽進もまた一刀が居なくなってからかなり落胆した一人

しかし、いつか帰ってくると信じて今まで北郷隊の名の下で武を震ってきた

その志しを示した一刀が目の前に居る。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュッン!!

 

 

 

 

「ぐっ…」

 

 

 

「凪!」

「凪ちゃん!」

 

 

 

フラフラと近づいてきた楽進に向かって一刀は斬りつけた。

 

間一髪で楽進は回避したが、手甲の薄い部分を斬りつけられてしまう。

 

 

 

「た、隊長…何故ですか?」

 

 

 

「凪、敵を斬るのは当然だろ?」

 

 

 

「「「なっ…!?」」」

 

 

 

 

「敵は崩れた!

五胡の勇者よ!!

魏を潰すのだ!!」

 

 

 

 

そう馬上で指示する一刀は五胡を率いて攻撃を開始した。

所戻りまして

呉で確保された一刀は牢を挟みながら、孫策と周喩に対面していた。

 

 

北「こんにちは」

 

 

周「なんとも間抜けな一言だな…」

 

 

策「ふふっ♪

あなた、北郷一刀よね?」

 

 

北「そうだよ

服装は違うがあの時と変わらない、北郷一刀だよ」

 

 

周「それで、今更何をしに来た?お前の目的は?

お前は天の世界に帰ったと、曹操から聞いているが」

 

 

北「何をしにってわけじゃないけどな…

気がついたら、建業近くの荒野にいたんだ」

 

 

策「へぇ~」

 

 

北「ま、別に信じる信じないはそっちの都合さ

ただ、今の目的は華琳に会いたい…それだけだ」

 

 

周「なかなか大それた事を言うな…」

 

 

北「目的を聞いたのはそっちだろ」

 

 

周「…」

 

 

策「あはは~

冥琳言い負かされてる~」

 

 

イタズラっぽく孫策が笑うと場の空気が変わった。

周「な!?」

 

 

策「北郷一刀」

 

 

北「ん?」

 

 

策「いいわ、出なさい

華琳に合わせてあげるわ」

 

 

周「ちょ、雪蓮!」

 

 

策「いいじゃない

このままだと話は平行線だし、この男を信じてみるわ」

 

 

北「いいのかぃ?

万が一俺が刺客だったら?」

 

 

策「あら、刺客なの?

そしたら、私が“殺してあげる”」

 

 

北(っ!

なるほど、これが小覇王の実力か…)

 

 

孫策から発せられる異様なまでの殺気に一刀は恐怖した。

まるで睨み殺されてしまうかのように孫策の二つの目から発せられる殺気は凄まじかった。

 

 

周「まぁいいわ…

なら、北郷の世話は雪蓮に任せるわ」

 

 

北「俺は犬かよ…」

 

 

策「大丈夫よ

ちゃんといい子にしてたら、私がタップリ愛してあげるわ」

 

 

北「ははは…」

 

 

生唾をゴクリと飲み、周喩が開けた牢を出た一刀だった。

呉の王、孫策は魏との繋がりもあり、一刀の事も話には聞いていたらしい。

天の御使いなんて名前もあり、孫策は一刀に真名を預けてくれた。

 

 

一刀は雪蓮(孫策)から部屋を借り受け寝ていると…

 

 

 

雪「一刀~?」

 

 

部屋に訪ねて来たのは雪蓮だった。

 

 

北「どうした?

魏に帰れるようになったのか?」

 

 

雪蓮は部屋に入る椅子に腰掛ける

俺も椅子に座り話を聞くことにした。

 

 

雪「う~ん…それが魏から連絡が取れないよね

近くで五胡の軍勢と戦ってるのかもしれないわね」

 

 

北「街でも聞いたけど五胡って強いのか?」

 

 

雪「最初はそうでもなかったんだけど、最近は妙な策を使ったり軍並みの統率力を見せるのよ」

 

 

北「へぇ~」

 

 

雪「心配?」

 

 

北「まぁね

けど、華琳の下には俺より強い連中が居るからね」

 

 

雪「そうね

私も一緒に戦ったことあるし華琳なら心配ないわよ

それより一刀、私とちょっと手合わせしてくれない?」

 

 

雪蓮は両手で剣を振るう真似をする。

二人は庭に出て手合わせをする事に

 

当然、一刀は断ったんだが雪蓮はそのたわわに実った…

 

一刀の腕を掴み無理やりに庭に連れてきた。

 

 

雪「さぁーて、構えなさい一刀」

 

 

南海覇王を鞘からサッと抜き構える雪蓮。

 

 

北「やれやれ…」

 

 

一刀も腰に差した木刀を抜きまっすぐに構える。

 

 

雪「あら、いい構えね…

うふふっ、楽しくなってきたわ」

 

 

北「雪蓮、俺のは正直何でもありの戦法だからな」

 

 

雪「いいわよ、手合わせとは言え実戦並みじゃなければ私もつまんないし~」

 

 

北「そうか…はっ!!」

 

 

一刀は先ずは雪蓮に突進し、突きを繰り出す…様に見せかけ、雪蓮のギリギリ前で体勢を低くし、足払いを繰り出す。

 

 

雪「くっ!」

 

 

しかし、江東の小覇王

この程度の奇策に倒れることなく軽く飛んで避ける。

 

空中で南海覇王を打ち込んでくるが、一刀もこれを木刀で防ぐ。

雪蓮は足を地面につけると一旦距離を離す。

 

一刀もその隙に体勢を整え、木刀をまっすぐ構える。

雪「やるわね…」

 

 

 

北「まぁね…」

 

 

 

一刀は元の世界に帰ってから剣術により一層力を入れた

しかし、どんなに剣術を鍛えても正統派剣術

この時代の英傑に見て学び自ら作り出した。

その答えが剣術も鍛える一方で空手など武術を複合した我流剣術。

 

我流剣術と言えば聞こえはいいが、正統派とは違いこれはいわゆる「がむしゃら剣術」で元の世界では理解されなかった。

 

しかし、江東の小覇王を前にまだ立っていられる。

我流剣術はこの世界で通用すると一刀は思ったが…

 

 

 

雪「はぁっ!!」

 

 

 

さすが江東の小覇王…

しばらく打ち合った後、木刀が飛ばされた。

 

 

 

北「参った…」

 

 

 

雪「ふふっ…

なかなか、面白い剣だったわよ」

 

 

 

一刀は飛ばされた木刀を拾うと木刀の異変に気が付いた

 

 

 

亀裂が入っていた。

 

その亀裂の中から何やら緑色の物体が見えた。

亀裂から見える緑色の何かは日本刀の波紋が浮いていた。

 

亀裂から徐々に指で木を削っていくと緑色の何かは全容はまだ見えないが青銅の刀だった。

 

 

 

雪「何それ?」

 

 

 

雪蓮もわざわざ一刀の所に来て興味深そうに覗く。

 

 

 

北「雪蓮、短刀とかないかな?木を削りたいんだけど?」

 

 

雪蓮は快く応じてくれて女官に短刀を持って来るように指示してくれた。

 

二人は庭に置かれた椅子に腰掛け女官が持って来てくれた短刀で木刀を削った。

 

 

徐々に全容を表してきて、宝箱を開ける子供のように一心不乱に木を削った。

 

 

 

北「これは…青銅で出来た日本刀?」

 

 

全て削り終えると全容を表した

刃こそ潰れているが紛れもなく日本刀だった

 

しかし、青銅の日本刀なんて聞いたことなかった。

 

 

 

雪「なんかよく分かんないけど、面白い剣ね

翡翠色の剣なんて」

 

 

 

翡翠色

確かに言われれば翡翠色だった。

雪「これどうするの?」

 

 

 

北「爺ちゃんから受け継いだ木刀、もとい刀だからな…

このまま使うよ。柄は固定されてるし何より使い慣れてるから手になじむ」

 

 

 

常に素振りも空手複合剣術を編み出す特訓もこれでしていたので、刀身が出てきただけで何ら変わりはなかった。

 

 

 

雪「なら私に預けてくれない?

使うなら、鞘と刃くらいは整えないとね」

 

 

まったく整備されてないよりはいいと思い

一刀は雪蓮の好意に甘えることにし、雪蓮に刀を預け、部屋に戻った。

 

 

 

 

その夜

夜と言っていいのか分からないが日も暮れて辺りが暗くなった頃

雪蓮に呼ばれて執務室に向かった。

 

 

 

北「雪蓮~入るよ~」

 

 

 

一応ノックして扉を開けた

彼女は執務室で大量の書類に追われていた。

 

 

 

雪「お、来たわね~

はぁ~い、これ」

 

 

 

雪蓮は俺に鞘に入った刀を投げた

柄を見るとそれは昼に雪蓮に預けた青銅の刀だった。

 

 

 

北「抜いていいか?」

 

 

 

雪「いいわよ」

 

 

 

鞘から刀を抜くと青銅、いや雪蓮の言った翡翠色の日本刀が出てきた。

北「日本刀…だな」

 

 

きれいな波紋

片刃の綺麗な刃

間違えなく日本刀だ。

 

 

 

雪「うちの軍属の鍛冶屋のお墨付きよ

軽いし、刃が丈夫だからちょっとやそっとじゃ刃が痛まないって」

 

 

 

北「青銅の日本刀か…」

 

 

抜いた刀を軽く装飾された鞘に納めて腰に差す。

 

 

 

北「それで、魏には連絡付いた?」

 

 

雪「それがね~

五胡の討伐に出払ってて魏本国には代理しか居ないらしいのよ」

 

 

 

北「そうか…やっぱり戦はなくならないのか」

 

 

 

雪「ん…?」

 

 

 

北「いや…俺の最後はこの世界の平定を見たのが最後だったから

分かってたんだけどさ…三国が戦い終わっても小さな戦なんかはあると知ってたけど…さ」

 

 

 

雪「そうね…

確かに私達は華琳のおかげで協同して大陸統治ができる

誰もがそれに同調できるわけじゃないわ」

 

 

 

北「そうだよな…」

 

 

 

そんな事を話していると執務室に慌てて兵がやって来た。

 

「孫策様!伝令です!!」

 

 

雪「入れ!」

 

 

執務室の扉を開けた兵士は片膝をついて伝令を読み上げた

それは衝撃の連絡だった。

 

 

「魏領地の呉の国境近くで五胡と戦闘中の魏軍が劣勢の為、至急援軍を求むと早馬が来ました」

 

 

 

雪「くっ…華琳が苦戦なんて…」

 

 

 

北(華琳が苦戦?…華琳が…華琳…!)

 

 

 

そこからは頭が真っ白になった

一刀は刀を握りしめ執務室を飛び出した。

 

 

 

雪「ちょっと一刀!?」

 

 

雪蓮が呼び止めたらしいが一刀にはその言葉が届かない

後は城を飛び出し、街を抜けて外に飛び出した。

 

 

 

雪「全く…

至急隊を編成して私も出るわ」

 

 

 

「はっ!

…それともう一つ…」

 

 

 

雪「なんだ?」

 

 

 

「敵の旗の中には十文字の旗を確認

率いるのは北郷一刀だそうです」

 

 

雪「なんだと!?」

 

雪蓮の元から走り出して只今、荒野の真っ只中にいる一刀。

 

しかし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北「道わかんねー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

簡単に申し上げましょう。

 

迷子です。

 

 

右を見ても左を見ても荒野。

 

華琳が危ないと聞いて飛び出したのはいいんですけど、当然道は分からず

ただただ、彼女を救いたい一心で走ったが、その結果…迷子です。

 

 

 

雪「一刀ー!!」

 

 

 

その時、荒野に響く救いの声が!

 

 

北「雪蓮!」

 

 

雪蓮と周喩だった。

 

 

雪「まったく、いきなり走り出して」

 

 

周「北郷、お前は砦までの道のりは分かるのか?」

 

 

北「ごめんなさい、さっぱりわかりません」

 

 

周「呆れた奴だ…そんなんで助けに行くつもりだったのか…」

 

 

雪「まぁまぁ冥琳

それだけ華琳も思われてるって事よ

一刀、これ付けなさい」

 

 

そう言って雪蓮は馬から下り、馬に積んだ荷物から薄いシャツの様な鎧と左腕の手甲と膝当てと黒いフード付の羽織りを貸してくれた。

 

北「いいのか?」

 

 

 

雪「あんたねぇ…これから戦なのにそんな服で行く気?」

 

 

 

雪蓮に言われてみればそうだ。

一刀は私服、白いジャケットにジーンズにスニーカー

どう見ても戦う人間の姿出はない。

 

 

 

北「ありがたく受け取ります」

 

 

 

薄い鎧はジャケットの下に付け、左腕の手甲は見た目より軽いし丈夫だ膝当てもジーンズの下に付けて完成

見た目は変わらないがそれなりの装備

RPGの初期装備みたいだ。

 

 

 

北「てれれてっててって~」

 

 

 

雪「何それ?」

 

 

 

北「お約束だ」

 

 

 

三国志の世界でドラ●エの効果音が分かるはずもない。

 

 

 

雪「どう?見た目より軽くて頑丈

あなたの剣術に合わせた装備よ?」

 

 

 

北「俺に合わせた?」

 

 

 

雪「あなたと手合わせしてあなたの流派に合わせた私が考えた装備よ

動きやすく、軽い」

 

 

北「確かに、付けてる感じそんな違和感はないな」

 

 

 

周「雪蓮、北郷

無駄話はそこまでだ私は一旦、隊に戻る

雪蓮は北郷を連れて先に砦に向かってちょうだい

その後、雪蓮はまた戻って

くれぐれも先行しすぎるなよ」

 

 

雪「えぇ~私も戦いたい~」

 

 

周「馬鹿いわないの

あなたは軍の指揮があるでしょ!!

北郷、雪蓮を頼んだ」

 

 

北「わかった」

 

 

周喩は馬を走らせ、来た道を戻って行く

一刀は雪蓮の後ろに座り砦に向かった。

一方、砦に留まる魏軍は軍議の席で一同顔が青ざめていた。

 

 

華「真桜、それは確かなの」

 

 

華琳こと、曹操は眉間にシワを寄せ李典の真名を呼び、報告の真意を確かめた。

 

 

真「大将、ウチかていつもチャラついてるかもしれまへんが

こないな嘘はつきませんで」

 

 

秋「しかし、信じられん…数年音沙汰のなかった奴がいきなり五胡率いて来るとは」

 

 

青い裾の短いチャイナドレスと左腕にドクロの肩当てを付けた夏侯淵こと秋蘭は顎に手をやり、真桜から持たされた情報を分析していた。

 

 

稟「はい…しかし一刀殿が五胡をまとめあげるとなれば我々には脅威です」

 

 

メガネをクイッと上げ、情報から予想する彼女の名は郭嘉。真名は稟。

 

 

春「何故だ?奴が敵だからと言って我々に恐れることはないだろう」

 

 

夏侯淵とは対象的な赤いこれも裾の短いチャイナドレスを着て右腕にドクロの肩当てを付けた夏侯惇こと春蘭が言う。

桂「馬鹿ね…あの獣だからじゃない」

 

 

嫌みを言って春蘭を見るネコミミ頭巾を被った荀イクが言う。彼女の真名は桂花。

 

 

風「あの歴戦をくぐり抜けたお兄さんはこちらの策などを見破れるからですよ」

 

 

のんびりした口調で喋るのは程イク。真名は風。

 

 

華「しかし、あの馬鹿が本者かどうかも分からない

賊に殺されて衣服を奪われただけかも知れない」

 

 

華琳は冷静に言い放つが、その言葉には動揺が混ざっているのを軍議に出ている面々は気づいていた。

 

 

稟「とにかく今は呉からの援軍を待ち、協同し敵を打ち砕くのが上策です

兵にも敵が一刀殿と知り動揺していますし」

 

 

華「ふん…あれもなかなか人望があったようね

いいわ、流琉と季衣は牙紋旗を掲げて正面の守備に、風は補佐にあたれ」

 

 

風「はぁ~い」

 

 

華「稟、桂花は呉の援軍が来たら直ぐに打って出れる体勢を取れ」

 

 

桂・稟

「「御意」」

 

 

華「春蘭、秋蘭は隊をまとめておけ」

 

 

春・秋

「「はっ!」」

 

 

華「真桜、沙和は砦後方に待機し呉の援軍が来たら知らせろ」

 

 

真・沙

「「御意!」」

 

 

華琳が的確に指示し、軍議は終わり部屋から退室していく。

 

一人残った華琳は両手で顔を覆い伏せた。

 

 

 

 

華(一刀…)

霞「華琳~

うちの隊かえって来たで~

って大丈夫かいな?」

 

 

軍議の終わった部屋に関西弁の女性が入ってきた。

彼女は張遼、元は董卓軍に身を置いていたが、戦闘で部下の命を助ける代わりに曹操軍に降り、その配下の将軍となる。

神速の張遼の異名を持つ。真名は霞。

 

 

華「えぇ…大丈夫よ

霞も偵察ご苦労ね」

 

 

霞「まぁ、ええけどな…

うちが言うこともないんやけど…華琳、無理してへんか?」

 

 

華「ふっ…愚問ね

相手が誰であろうと私の道を阻むなら蹴散らすのみよ」

 

 

霞「相手が一刀でもか?」

 

 

華「…当然よ…

霞、あなたは呉が来たら先陣を駆けてもらうわ

隊をまとめておきなさい」

 

 

霞「御意」

 

 

霞はそう言って部屋から出て行った。

華琳は背に置いた自らの武器、大鎌「絶」を手に取る。

 

 

華「そうよ…

誰だろうと容赦しないわ私の道を阻むなら…一刀だって…」

凪「すまん…」

 

 

寝台に横になる楽進こと凪は自らの不甲斐なさを共に戦ってきた、干禁こと沙和、李典こと真桜に呟く。

 

 

真「あんたのせえやないで、うちらかてあないな隊長見たらあんたみたいになってまう」

 

 

沙「そうなの~

凪ちゃんのせいじゃないの!」

 

 

凪「しかし…私は…私は…グッ、グスッ!」

 

 

凪の両目からは涙がこぼれていた。

真桜と沙和はいたたまれなく、華琳から受けた任務を凪に告げ砦後方に向かった。

 

 

凪(私は弱い…隊長を追いかけてしまう

だけど私は隊長が…隊長の事が…

 

「凪、お前がしっかり二人をまとめてくれよ」

 

「よくやった凪!」

 

「凪、凪、凪…」

 

あの隊長の声が聞こえて来る…

私は…私は…)

 

 

 

 

真「凪も難儀なやっちゃな…」

 

荒野を見つめながら、呉を待つ真桜はそんな事をつぶやいていた。

 

 

沙「凪ちゃん、一番頑張ってたの」

 

 

真「まぁ凪は隊長に惚れとったからな…」

 

 

沙「うん…

ん?真桜ちゃん後方から単騎で誰か来るの!」

 

 

真「なんやて!?」

 

 

二人は後方から来る雪蓮の馬を発見した。

雪「一刀!

砦が見えたわよ」

 

 

北「戦いは!?」

 

 

雪「見た限りまだ始まってないわ」

 

 

その言葉を聞いて一刀は安堵する。

雪蓮の操る馬が砦の後方に近づく前に馬を止める。

 

 

雪「一刀、羽織りを着て頂戴あとフードも被ってね」

 

 

北「なんで?」

 

 

雪「実はね…敵の軍を率いるのは北郷一刀って報告が入ってるのよ

あなたが呉に居るときに五胡を率いて来たらしいからあなたが本物ならその敵は偽者って訳よ」

 

 

北「待て!

本物は俺だ!」

 

 

雪「そう信じたいけど、証拠もないしね」

 

 

確かに一刀が一刀を証明する術はない。

 

 

北「雪蓮、俺一人で行く…俺が華琳を助ける

疑ってるような奴の手は借りない!」

 

 

雪「一刀…」

 

 

北「俺は華琳を助ける!

華琳だけじゃない!

魏の連中全員だ!」

 

 

一刀は羽織りを着てフードを深くかぶり、雪蓮を振り払うようにして砦に向かった。

 

 

雪「一刀!

あんたの心意気しっかり見たわ!

兵を率いて来るから待っててー!!!」

雪蓮はそう言って後退してしまった。

 

砦の裏口には螺旋槍を持った真桜に双剣を持った沙和が立っていた。

 

 

真「おたく呉の使者かなにかでっか?」

 

 

北「久しぶりだな、真桜」

 

 

真「ちょい待ち!

顔も知らん奴に真名で呼ばれとうないで!!」

 

 

北「悪い悪い…俺だよ」

 

 

一刀は被ったフードを取って二人に顔を見せる。

 

 

沙「隊長…なの?」

 

 

真「あかんで沙和!

また隊長の偽者かもしれんで!!」

 

 

北「俺の偽者が居るらしいな、雪蓮に聞いたよ」

 

 

真「雪蓮って…呉の小覇王やないの!?」

 

 

北「お前達が戦闘中の時は呉に居たんだ

信じて貰えるか分からないけどな」

 

 

真「…ほんまに隊長でっか?」

 

 

北「北郷隊、魏の種馬こと北郷一刀だよ」

 

 

「「隊長ー!!」」

 

 

二人は持っていた武器を投げ捨て涙を浮かべて一刀の胸に飛び込んできた

久しぶりだったが一刀は彼女達をしっかり抱き締めた。

北「二人共、無事で良かった」

 

 

「「隊長ー!」」

 

 

北「(隊長か…懐かしい響きだな

ん?そう言えば…)

 

 

おい、凪はどうした?」

 

 

沙「凪ちゃんは怪我しちゃったの」

 

 

北「なんだって!?」

 

 

真「怪我かてそんなたいそうなもんやないけどな

問題はここや、ここ」

 

 

真桜は自らの胸を指し、別のけがの位置を指した。

 

 

北「胸?」

 

 

真「ちゃうわ!心や心!!」

 

 

沙「こう言うってことは本物の隊長なの」

 

 

北「その判断はどうなんだ?

とりあえず凪に会いに行こう」

 

 

真「了解や!」

 

 

一刀はフードを再びかぶり、真桜が先導して凪の居る部屋に向かった。

 

 

 

 

凪(隊長…

一人なると隊長の事ばかり思い出す…

未練がましい…

楽進、お前は武人だぞ?

色恋は二の次だろう)

 

 

凪「はぁ…」

 

 

寝台に伏せる楽進は深いため息を吐く。

 

凪「…隊長…」

 

 

北「呼んだか?」

 

 

寝台の上でなんど呟いたか分からない

そうして何回目に呟いた凪が一刀を呼ぶ言葉に返事が帰ってくる。

 

 

凪「隊…長…」

 

 

北「待たせたな」

 

 

凪「本物ですか?」

 

 

黒い羽織りを着た一刀の横に沙和と真桜の姿もある。

 

 

北「あったりまえだ!

北郷隊隊長、北郷一刀だぞ!」

 

 

凪「隊長…!」

 

 

凪は歓喜のあまり大粒の涙を流して一刀の胸で泣いた。

 

 

凪「隊長…隊長!

うわあぁぁあぁあぁぁぁっ!!」

 

北「心配かけたな…」

 

 

一刀もそっと凪を抱き締めた。

 

 

真「凪、号泣しすぎやで…」

 

 

沙「でもでも、沙和も泣きそうなの~」

 

 

しかし、そんな再会もつかの間だった。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

華琳の居る部屋に伝令が慌てた様子で入ってくる。

 

 

華「どうした!?」

 

 

「申し上げます!

敵が、敵が城内に進入!

率いるのは北郷一刀です!!」

 

凪との再会もつかの間だった

城内が急に騒がしくなる。

 

 

北「沙和、外が騒がしい様子を見て来てくれ」

 

 

沙「了解なの!」

 

 

沙和が部屋から出て行くと凪も何かを察知したのか、一刀の胸から離れて手甲を装備する。

その顔はかつて一刀の横にいた、小隊長として凪の顔だった。

 

 

北「もぅ、大丈夫か?」

 

 

凪「はい、お見苦しい所を見せました

大丈夫です」

 

 

北「よし!

真桜、華琳の所に案内してくれ」

 

 

真「了解や!!」

 

 

沙「た、大変なの!?」

 

突然、沙和が戻って来た

慌てている様子からすると、敵が攻めてきたと思ったが、沙和から悪い知らせが放たれた。

 

 

沙「大変なの!

敵がいきなり城内に表れたの!!」

 

 

真「なんやて!?

五胡の連中かいな?」

 

 

沙「そうなの!」

 

 

凪「隊長…」

 

 

北「華琳が危ない…

とにかく出るぞ!」

 

 

「「「はいっ!!」」」

 

 

俺達が外に出ると部屋の前は敵に囲まれていた。

 

 

真「一難去ってまた一難かいな…」

 

 

沙「そうなのー」

 

 

凪「だが、北郷隊再結成にはもってこいだ!」

 

 

横で意気揚々とする三人に一刀は笑っていた。

 

 

状況は悪い

しかし、一刀はそんな中でクスッと笑みを浮かべた。

 

 

一刀は刀を静かに抜いて敵と対峙する。

 

 

北「北郷隊…行くぞっ!!!」

 

 

「「「おうっ!!!」」」

凪「はぁぁ…はっ!!」

 

 

凪の気功が敵を一掃する。

 

 

真「行くでー!!」

 

 

真桜の螺旋槍、ドリルで敵の壁を粉砕する。

 

 

沙「うりゃりゃりゃーなの」

 

 

舞を思わせる双剣さばきで敵を粉砕する沙和

その言葉とは裏腹な攻撃だ。

 

 

一刀の前に武器を担いだ五胡の兵が三人立ちはだかる。

 

 

「「「隊長!!」」」

 

 

北「はっ!!」

 

 

先手必勝とばかりに一刀は刀を抜き、峰で敵の手の甲を打ち、初撃を削ぐ

その後に援護に来た凪が拳で敵を倒す。

 

 

凪「隊長…」

 

 

北「…これでも俺、強くなってんだぜ」

 

 

真「隊長やるやないか」

 

 

沙「かっこいいなの~」

 

 

だけど斬ってない

まだ覚悟ないのか…

一刀にはまだ人を斬ることが出来ない。

 

 

北「先を急ぐぞ!」

 

 

「「「おうっ!」」」

 

 

三人は華琳のもとに向かった。

 

 

 
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