ここは・・・、人間とポケモンが共存する世界、空、陸、海、川、山、町、どこにでもいたりする。それが当たり前となった世界のお話。
ここジョウト地方の小さな町、ワカバタウンから物語が始まる・・・。
第1話「いつもの3人の日々と理由」
ワカバタウンの学校帰りの途中、2人の少年と1人の少女が話していた。
「なぁ、俺たちってさ、いつになったらポケモンもらえるんだろうな?」
この髪の毛がボサボサ?でツンツンしているのがトレードマークの少年がこの物語の主人公の1人ヤヨイ。
「確かにね、周りの人達はわからないけど・・・、後ヤヨイはともかく、僕はこうやって勉強や訓練をちゃんと受けているんだから、もらってもいい気がするんだけどね。」
この落ち着いた物言いと眼鏡の少年はヤヨイに次ぐ主人公の1人タツヤ。
「何ひどい事、言ってるんだよタツヤ~、つれないなぁ。」
「なら、お父さんに聞いてみてあげよっか?私も早く私のポケモンも欲しいからね。」
この3人の中で1人だけいる女の子がこの物語のヒロイン?のナオである。
後にこの3人に起こる事件こそがこの物語の始まりであり3人の旅の目的である・・・。
その日の夜・・・、ナオの家、食卓
「お父さん、お父さん、私にポケモンっていつもらえるの?」
夕食後、お皿を洗いながらナオは話し出した。
「んん?どうしたんだ?いきなりそんな事を聞くなんて。」
このお茶をすすりながら話している人物はナオの父ソウジ博士である。このワカバタウンの研究所の研究員でもある。
「学校の帰りヤヨイとタツヤと話してたんだぁ~・・・、そろそろ私たち3人卒業だからさ、もらってもいいんじゃないかなぁ~?ってね。」
「ふむ・・・、確かになぁ・・・、お前たちもそろそろ卒業か・・・。(なら新しく届いた3匹の研究の為にもちょうどいいかもしれんな・・・。だが危なくないか?)」
ソウジは髪を掻きながらボソボソと話しながら黙ってしまった。
「どうしたの、お父さ~ん?聞いてるの~?」
食器を洗い終わりナオはすっと父の顔を覗き込んだ。
「あぁ・・・、すまんすまん、考え事をしてしまった。よしわかった、明日、ちょうど休みの日だな・・・、朝の10時になったら、ヤヨイ君、タツヤ君と共に研究所に来てもらってもいいか?渡したいものがある。」
真面目な顔をした父の言葉に少し戸惑ってしまったが会話を続けた。
「う、うん・・・。わかった、なら明日2人を誘って研究所に行くね。でで、何をくれるの?」
戸惑いながらも期待に胸を膨らませている所がナオらしい。そしてソウジは立ち上がって、
「それは来てからのお楽しみというやつだろ?父さん、明日の準備もするからもう寝るぞ?後、朝食はいらないから、一人で取ってくれな。おやすみ、ナオ。」
娘の期待の目を見て、疲れながらも優しい笑顔でソウジは受け答えをし、2階の寝室へ向かった。
「うん!!おやすみ!!お父さん!!」
ナオもそうソウジに伝えると自分の部屋へと向かった・・・・。
「じゃぁ、2人に連絡しようかなぁ~、2人とも驚くだろうなぁ~。」
ナオはうれしそうにパソコンをたちあげるのだった・・・。
同時刻・・・、その頃、ヤヨイ家、ヤヨイの部屋
「ナオのやつ聞いてくれたかな?連絡入れてみたほうがいいか・・・?まぁ、あいつの事だから心配はしなくていいと思うけど・・・。」
ベッドに寝転びながらヤヨイは今日の事を考えていた。
ピピピピッ、ピピピピッ♪
「パソコンにメッセ?ナオからかな?」
ヤヨイはベッドから起きてパソコンの方へ向かった。
『Tatsuya/ナオから、連絡来た?』
「なんだ、タツヤか・・・、はぁ・・・、同じ事考えてたのかよ。」
『Yayoi/いや、まだ来てないぞ。』
『Tatsuya/まぁ、流石にそんなに早く来るはずがないか・・・。なぁ、もしヤヨイなら最初どんなポケモンが欲しい?』
「最初のポケモンかぁ~・・・。やっぱヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネから考えた方がいいよな。」
このジョウト地方でも最初にもらえるポケモンとして有名なのは、ヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネの3匹であった。
『Yayoi/ん~~、俺ならやっぱりヒトカゲかなぁ?』
そうヤヨイが送信すると・・・
ピコーン、ピコーン♪
「誰かが入った?ん?ナオじゃん、ちょうどよかった、今日の事聞いてみようかな。」
『Yayoi/おっす、ナオ、今日の事、話してくれた?』
『Nao/あぉ、早いじゃ~ん、ヤヨイ。聞いたよ~、そしたらね~、明日の朝10時に研究所に来て欲しいってさ、渡したいものがあるらしいよ(笑)』
「本当に!!?やっっっったぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ヤヨイはパソコンの前で飛び跳ねて喜んだ。
すると横の部屋からドンドンと壁を叩く音と怒鳴り声が聞こえた。
「お兄ぃ、うるさいよ!もう夜なんだから静かにしてよ~!!」
と横の部屋で寝ているはずの妹のミホの声が聞こえた。ヤヨイの家族は父母とヤヨイ、ヤヨイの妹、ミホの4人である。
「あ、あぁ・・・、ごめんな、ミホ、もう静かにするからな。」
とりあえず、落ち着いた声でミホに謝りを入れながらも、内心ではまだドキドキが収まっていなかった。
「うん、お兄ぃ、おやすみ~。」
「おう、おやすみ。」
と就寝の挨拶をすませるとパソコンへと向かった。
『Yayoi/よくやったな!!じゃぁ、明日の朝10時に研究所前に集合な!!』
『Nao/ヤヨイ早い!まぁいいけどさっ、その時間にちゃんと来てねっ!!』
『Tatsuya/僕の事忘れてないかな・・・?ヤヨイ、遅れるなよ?君は時間通りに来たためしがないんだからね。』
『Yayoi/わかってるよ!!それくらい!!じゃぁ寝るわ、おやすみ、2人とも。』
『Nao/うん、ヤヨイ、タツヤ、おやすみ~。』
『Tatsuya/おやすみ。』
そう確認した後ヤヨイはパソコンを消した。
「明日・・・か・・・、にひひひっ、楽しみだっ!早く寝ないと・・・。」
ヤヨイはベッドに戻り早々に寝る事にした・・・。
「私もそろそろ寝ないとなっ、それと明日の準備準備っと。」
「明日、何が必要になるだろう・・・?とりあえず普段通りにすればいいかな・・・?」
3人はそれぞれの思いを胸に膨らませつつ、次の日を待つのだった・・・
深夜時刻未明、とある研究所・・・・・
研究所では緊急アラームとともに研究員達が慌ただしく動いていた。
「博士!!!クリスタルが暴走を始めました!!!」
「そんな馬鹿な!!制御し直せ!!ここで私の研究を水の泡にする訳にはいかないぞ!!」
そう言った矢先、4つのクリスタルが光を放ちながらどこかへ飛んでいった。
「うわーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
研究員達もその衝撃で吹き飛ばされていた。
同時刻、別の研究室
「おい!!研究体が逃げ出したぞ!!!探せ!!!」
一人の研究員が叫んでいた。
「あれが、外に出て行くとは・・・、今度は失敗していないと思ったのに・・・、私の研究にはくるいがなかったはずだ・・・。だが彼女は自我も完成していないはず・・・。何処へ行ったのだ・・・。・・・・よ・・・。」
と男ががっくり膝をつきながらつぶやいていた・・・・。
研究所はずれの森の中・・・・
「ここは・・・、どこなんだろう・・・?私の名前は・・・、思い出せない・・・・。誰か助けて・・・・。何か・・・、頭の中に・・・、誰かが・・・、クリスタル・・・?これ・・・?」
少女は自分の手の中にある白い羽のクリスタルを大事に持っていた。
「ここから離れないと・・・。そうしないといけない気がするから・・・。あそこには、戻りたくない・・・。」
そう少女は言うと闇の中へ消えていった・・・。
この少女との出会いが後に3人の旅の理由になる少女であった・・・。
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ポケモン二次創作小説です。感想とかよければお待ちしております