No.149858

METALGEARCROSS~OUTERHEAVEN~ 第3話

この作品について
・MGSと真・恋姫†無双のクロスオーバー作品です。
・続きものですので前作一話からどうぞ。ttp://www.tinami.com/view/99622

執筆について。

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2010-06-12 00:53:00 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1752   閲覧ユーザー数:1598

 一刀はこの三ヶ月の出来事を思い出していた。

最初の一ヶ月は負傷の治療とリハビリ。それが終わり今日まで二ヶ月間訓練を重ねていた。

ケインが孤児院を去ったことにより中途半端に終わっていた剣の修行も終了し、新たな力もようやく自分の意志で動かせるようになっていた。

目の前に広がる、オオアマナに包まれた無縁墓地で、一刀は一人で先人達に敬礼していた。

 

 

 3Gears Determination ~窮地~

 

 

 無縁墓地の上空をヘリが通過する。

オオアマナが花吹雪となって、彼にヘリの存在を知らせる。

着陸したヘリからオタコンが駆け寄ってくる。

「こうやって迎えにくるのは二回目だ」

「二回目ですか?」

「僕の知っている彼をこうやって迎えに来たことがあってね」

「・・・」

「彼は・・・親父さんの墓前にいたな」

 オタコンが墓を見る。名前は書かれていないがA PATRIOTとだけ書かれている。その横にはJohnと、そしてその後ろには三つの新しい墓が佇んでいる。

「スネーク、少し急いでくれ。状況が変わった」

 そういわれ急ぎ足でヘリへと向かう。

「外史の本格侵攻作戦は一年後・・・ということになってたけど」

「はい、外史で遭遇したアシッド・スネークはそう・・・」

 嫌な予感が全身を駆けめぐる。

「そう、彼に伝わっていたのは偽の情報」

 オタコンはヘリの中から伸びた手を掴み乗り込む。その手の持ち主はジェームスだ。

「ジェームス・・・それにケインも」

 自分に差し伸べられたのは血を分けていないきょうだいの手だ。

「本格侵攻作戦は三ヶ月後。つまり・・・」

「明日という事だ」

 奥にいた雷電が落ち着いた口調でいう。

「今から私たちはPMC連合に制圧された基地に向かい、転送装置を取り戻す」

「それはホワイトハウスの決定なのですか?」

「コネでねじ通した。この作戦を機に米軍は一斉反抗にでる。思いっきり暴れてこい」

 その一言で十分だった。PMC連合体は外史を戦場に選んでいる。一方アメリカは戦場そのものを選ばず宇宙開発を選んだのだ。

「俺たちの後ろには国が一個続くんだ。派手にいこうぜ!」

「そうだな」

「幸いみんなの装備は最終調整が済んでるよ」

 一刀とジェームスの肩に腕が乗りかかる。 

「僕は女性には恵まれていないからね。みんなは後悔しないように」

 オタコンはいつもは穏やかだが時折その経験を思わせる言葉を呟く。彼は結婚していなかったが、妹代わりの人がいるが彼女が結婚するときはそれはもうすごい泣きようだった。もしかしたら何かつらい経験があったのかもしれない。

「よし、ブリーティングを始める」

 

 

「一刀」

 今から作戦開始、そんなときだった。司令から声が掛かった。

「ケインから聞いた。あちらの世界でこう言ったそうだな・・・他人の意志を尊重し、自分の意志を信じる・・・と」

「ええ、そうですが」

 たわいもない会話だったが緊張をほぐすには丁度良かったかも知れない。失礼と思いつつ戦術用バイクの計器を弄り最終確認を行った。

「真の愛国者・・・ザ・ボスもそう言ったそうだ」

 手を止めて司令の顔を見る。

「俺もスネークから聞かされたんだが・・・君が同じ事を言うとはな」

「自分も・・・びっくりしました」

 自分は愛国者の思想を知らずに『忠』の文字を使っていた。その意味も知らず、込められた思いも知らず。

しかし・・・今は違う。

「俺たちが伝えるのは、信じるもの、信じたもの、大切だと思える事だ。正しいかどうかではない。正しいと信じる、その想いこそ未来へ伝わる。信じるものは自分で支え、そして次の世代に伝えるんだ」

 一言一言噛みしめるように聞く。

「スネークはそう言っていたが・・・彼は次の世代に自分の意志を伝えることは出来なかった、GeneもMeneも・・・。だがお前は出来る」

「私は失ってばかりではありませんでした。失うと同時に・・・大切なことを得ていました」

 ハッチが開くと同時に風が入り込み、作戦開始が近いことを伝える。

司令が奥に待避し、一刀に叫んだ。

「一刀ぉ!お前がスネークの子供なら俺の子供でもある。いつでも帰ってこい!」

 その一言で充分だった。

 

 * *

 

 墜ちていく感覚。これを感じるのは二度目だ。もっとも最初は気絶してしまっていたが。

全身で自由落下を感じながら、衝撃に備える。戦術バイクに乗っている分今回は気絶しないだろう。

「帰ってきた・・・」

 眼下には成都。恋姫たちと平和な街を、国を、世界を作ろうとした場所だ。

「おいおい、すでにおっぱじめてんぞ」

「問題ない。我々が成すべき事を成せばいい」

「ああ・・・!」

 今から守るのだ。誰もが笑って暮らせる場所を。何よりも自分の居場所を。

 

 

 時は成都に戻る。

二脚兵器を踏みつぶし、目の前にいる桃香と朱里、雛里の無事を確認する。

バイザーに表示されたのは、少しはなれたところで二脚兵器の脚を受け止めている翠と蒲公英だ。

一刀は手に持っていた太刀を投擲し、二脚兵器の頭部に太刀が突き刺さる。

「やれやれ、守人がいないのを良いことに強襲とは悪趣味だな」

 そう言いながら静かに成都城の真正面へと歩く。後ろには一人も欠けず恋姫達が揃っていた。

「かかってこい、愛国者の負の遺産。ここで根絶やしにしてくれる!」

 一刀の叫びと共に二脚兵器が行動を開始する。どうやら自分を最優先の殲滅目標と認識したらしい。実に都合が良い。

「阿呆が・・・」

 一刀の体から電撃が迸る。三ヶ月間ただベットで寝て、剣の修行をしていたわけではない。

自分の力を人に向けて放つ覚悟。それができてからはこの力の使い方をマスターする必要が出てきた。その結果を今解き放つ。

「これが誇り高い蛇の血統だ!!」

 両手を前にかざし、電撃を前方に解き放った。迸る雷は二脚兵器を薙ぎ払う。

数機撃破は確認できた。しかし電撃を避けた一機が空中から強襲を仕掛けてくる。

その攻撃は身体を半身ずらし、腰にマウントしていた高周波ブレードで脚部をぶった切る。ウシのiPS細胞で造られた脚部から血が噴き出す。

すぐさま二脚兵器の頭部に飛び上がり、頭部装甲を貫きながら電脳を破壊する。これでようやく無害となる。

先ほど電撃で仕留めたのを含めると数は減った。しかしまだかなりの数の二脚兵器が残っていた。

それを高い位置から確認した一刀は攻める。先ほど投擲した太刀まで跳躍し、地面に足をつけずにそれを掴む。反動を利用して再び空中に舞い戻る。

人間とは思えない奇抜な機動力に翻弄され、前衛を勤めていた二脚兵器の動きが鈍る。

その一機を太刀で真っ二つに引き裂く。次の瞬間には一刀のあたりに影が落ちる。既に別の足は振り上げられていた。

しかしそれも計算のうちだ。

足を振り上げていた二脚兵器が、後ろから走ってきたバイクに薙ぎ払われ転倒する。

先ほどの基地制圧まで乗り回していた戦術バイクだ。

「Wolf!ECMメーカー、チャフを射出!後ろの保護対象を守りつつサポート!ECMを絶やすなよ!!」

『Yes, Sir.』

 バイクの後部から上空に向かってECMメーカーが、地面に向かってチャフグレネードが射出される。

一刀はそれを確認すると二脚兵器の群れに飛び込んだ。ECMで動きが緩慢になった二脚兵器は、一刀によっていともたやすく戦闘不能になっていく。

しかし持ち直しは早かった。すぐさま群れに飛び込んできた蛇を駆逐する。

一刀の足を払うように攻撃が飛ぶ。それを飛び越えるように回避し、空中で足払いの足に太刀を突き刺す。これで一機が動けなくなる。

そのまま太刀を踏み、動けなくなった二脚兵器の電脳を高周波ブレードで破壊する。

すぐさま次の一撃が一刀に飛ぶ。両側からの足での突進だ。太刀に乗ったまま必要最低限の体のひねりで受け流す。それと同時に二脚兵器二体の腕を掴み、遠心力を利用して手頃な距離にいた兵器に投げつける。宙に浮いた身体を前転させ、太刀の柄を空中で掴む。

「どりゃぁ!!」

 そのまま引き抜いた反動と遠心力を利用して、前転のまま二脚兵器に突っ込み、一機を一刀両断する。

「くっ」

 しかし地面に着地した瞬間、一機が彼を蹴り飛ばす。

街1ブロックを易々と飛び越える脚力だ。壁に叩きつけられ、粉塵があたりに広がる。

「ご主人様!?」

 桃香の叫ぶとほぼ同時に粉塵から一つの影が飛び出す。飛び出した影は蹴り飛ばされた一機に突き刺さる。飛び出した影は一刀の太刀であった。

その後続けて一刀がすぐさま飛び出す。まっすぐと頭から突っ込んだが、地面を手で押し体勢を整える。

両腰にマウントされていた高周波ブレードを両手に持つ。その高速について行けなかった二機がブレードの餌食になる。

ここまでは格好が良かったが着地をミスしてしまう。足を滑らせるが両足を踏ん張り身体を回転させ摩擦で制動する。

「さすがに制御が難しい・・・」

 新しい力は使いこなしているわけではなかった。二ヶ月かそこらでは付け焼き刃にもほどがある。

「Wolf!カバー頼む!」

『Yes, Sir.』

 戦術バイクがマウントされていたマシンガンを展開し、一刀に迫っていた一機に射撃を開始し、戦術バイクから再びECMメーカーが射出される。

多勢に無勢。そんな言葉が脳裏をよぎった。

目の前の情報端末は常に最善の選択を提供してくれるが、状況がよくなるわけではない。

時には都合が悪いことも提供される。

『Warning!』

 朱里と雛里に危険が迫っていることが知らされる。

「ちぃ!!」

 人外の脚力で二人の前に躍り出て両手の高周波ブレードで二脚兵器の足を受け止める。

「朱里、雛里、逃げろ」

 腰にマウントされていた二刀で二脚兵器の脚部を受け止める。

「腰が・・・」

「抜けちゃいました・・・」

「・・・スネークアーム!!」

 肩にかけていた羽織が破られ異形の腕部が現れる。同時に背中からブレードが二振り解放されアームのマニピュレータがそれを掴む。

「この姿はできるなら披露したくなかったんだがな」

 マニピュレータが掴んでいるブレードが二脚兵器の頭部を貫く。動かなくなった二脚兵器を吊り上げ手近にいた同機にそれを投げつけた。

「これが私の新しい力だ」

 肩にかけている羽織りを脱ぎ捨てる。

各部の装甲に加え、その内部には強化外骨格自身の重さを支えるマッスルスーツがより堅牢な守りとしている。

加えて、胸部から肩に向かって伸びる特徴的な蛇の双頭。アームマニピュレータ「スネークアーム」。そのマニピュレータは背中にマウントしていたブレードを器用に持っている。

正史の技術を結集させた強化外骨格及び外筋「Hydra」のお披露目だ。

「さあ、派手にいこう」

 

 

おまけ:

おまけ:本当にあった裏話

オタコン「スネーク、強化外骨格の機能について打ち合わせしないとね」

スネーク「携帯電話で呼び出させたり(555)、カードで機能を切り替えたり(龍騎、剣)、キャストオフ機能(カブト)とか付けたいですね!」

オタコン「さすがスネーク!よく分かってるね!ついでにフォームチェンジ(クウガ、アギト、電王、W)とか付けちゃおう!」

雷電「・・・予算は下りないぞ」

スネ+オタ「ええ!!??」


 
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