私は通信を終えたなのはに連れられて彼女の家の前にいた。
「本当に大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ、リンディさんたちが軽く説明してくれてるし、私からも当然説明して頼んでみるから」
そう言って、つないでいた手を強くにぎり笑いかけてきた彼女もやはり不安なようでした。
「ただいまー、って何でみんな玄関に立ってるの?」
「いや、リンディさんからなのはが新しい家族を連れてくると聞いてな、これは全員で出迎えるしかないだろうということになってな」
「そうそう、士郎さんさんったら新しい家族が増えるって聞いてみんなでお祝いだってはしゃいじゃって、さらになのはに似てるって聞いてたから大変だったんだから」
玄関に立っていた4人のうちの2人が疑問に答え、残りの2人も小声で、
「なのはに似てるって聞いたけど、本当にそっくりだね、恭ちゃん」
「そうだな」
と私たちを見比べて言っていました。
「それで、この子を一緒にこの家で生活させてほしいんだけど、理由はいろいろあるのですが……」
「リンディさんから一通り事情は聞いたよ。家はなのはのしたいようにさせてやろうと思っているから、しっかり責任をもってやっていけばいいよ」
「ありがとう、お父さん、お母さん。良かったね、これから頑張ろうね」
「おじゃまします。これからお世話になります」
「違うよ」
「……」
話がついたようなので、挨拶をしてみんなで部屋に向かおうとしたらなのはからそのように言われ、私はどうすればいいのかわからなくなってしまいました。
どうしていいのかわからずに黙っていると、
「ここはこれからあなたの家になるんだからおじゃまします、じゃなくてただいまだよ」
「そうだよ、自分の家なんだからおじゃましますは変でしょ?」
と言われ、
「ただいま」
と言いなおし、みんなでリビングに向かって行ったのでした。
「それじゃあ、あなたの名前を決めましょうか?」
「何故ですか?」
「何故って、この世界で生活していく上でちゃんとした名前がないとかわいそうじゃない。何かいいと思う名前はある?」
リビングに移動し、みんなで話をしていたら突然私の名前の話になり、疑問に思って聞きなおすと、何当たり前のことを聞いているの?というような表情でかえされてしまいました。
私は少し考えましたが今までそのようなことは考えたことがなかったので全然良い案が浮かびませんでした。
なので、
「なのはに決めてもらいたいです。なのはが決めた名前なら私は喜んでその名前をもらいたいと思います」
「え~? そんな大切なことを私が決めちゃっていいの?」
「ええ、私はそれがいいのです。」
というやりとりのあと、なのはは真剣に考え始めました。
なのはは小声でああでもない、こうでもないというように何度も繰り返し、
「ちょっとありきたりだけど、春菜ちゃんっていうのはどうかな?」
と聞いてきました。
私はなのはに言われた名前を何度も心の中で繰り返しました。
これが私がなのはにもらった初めてのものでした。
「春菜ですか。わかりました、これからは春菜と名乗ることにします。素敵な名前をありがとうございます」
とお礼を言うと、彼女は嬉しそうに笑うのでした。
「春菜ちゃんね。うん、かわいい名前でいいじゃない。それじゃあ、これからあなたは高町春菜ちゃんね」
となのはの母親からも言われ私の名前は決定したのでした。
今は、お風呂からあがり、なのはの部屋のベットに2人で横になっています。
つまり、彼女と一緒に寝ているのです。
名前が決まったあと、なのはの提案でなのはと一緒にお風呂に入ったのですが、そこでなのはが洗いっこをしようと言ってきて大変でした
。実をいうとそのあと、私は何故だかわかりませんが意識を失ってしまったようで、気がついたら彼女の部屋にいました。
そして一緒に寝ようと言われこの状況になっています。
「寒いからくっついたほうが温かいよ」
と抱きつかれたときはドキドキして眠れないのではないかと思うほどでしたが、しばらくしてなのはが眠りについたあとは落ち着いてきました。
何故彼女といると胸が高鳴るのでしょう?とこの家に来る前と似たような疑問を持ち、私は眠りにつくのでした。
・お読みいただきありがとうございました。
次あたりからフェイトさんとか他のキャラもでてくると思います。
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なのはSSの続きです。
このSSは終始ほのぼのした感じで進むと思います。
自分の実力でシリアスは無理ですorz
そういう展開を期待していた人はすみません。
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